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2023-05-12 26:41

#29 設計失敗学~六本木ヒルズ回転ドア挟まれ事故~

失敗から学べることは多くあります。

例えそれが自分の失敗でなくても、失敗を考察することで教訓を得ることができます。

そこで今回は有名な失敗事例を紹介し、その失敗を考察していきたいと思います。


今回紹介する失敗事例は
六本木ヒルズ回転ドア事故です。
これは幼い命が失われてしまった凄惨な事故です。


もしあなたが事故を起こした機械の技術担当者だったら、あなたはいったいどういう行動をするべきだったか・・・

そういった視点でも聞いていただければ幸いです。

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元記事: 設計失敗事例~六本木ヒルズ回転ドア事故~

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どうも、しぶちょーです。今回も、ものづくりのラジオをやっていきたいと思います。
このラジオは、産業機械の技術者である私が、ものづくりに関するトピコ、主観を交えながらザックバランに紹介するラジオです。
小難しい技術の話はしないので、何か作業しながら聞いていただければ幸いです。
早速ですけども、今回のテーマは、設計失敗学、六本木ヒルズの回転ドア事故、です。
以前のラジオでも、設計失敗学の話というのは取り上げていて、非常に学びがあったという好評をいただいております。
第11回目のラジオで、フォード・ピントという車の車体炎上事故を取り上げているのと、第12回目ですね、火星探査機の消失事故、これを取り上げています。
今回は、その設計失敗学の第3弾となります。これまでは海外の事例を取り上げてたんですけども、今回は日本国内の事例です。
これね、結構有名な話ですし、すごく悲惨な話ではあります。
ただ、自分だったらどうするかとか、そういう気持ちで聞いていただければなと思います。
今回紹介する失敗事例というのがですね、六本木ヒルズで起こった回転ドアの挟まれ事故です。
これはですね、幼い命が失われてしまった生産な事故でもあります。
このような死亡事故が起こった原因をたどるとですね、そこには必ず設計や生存失敗というものがあるんですね。
当然ね、人を死なそうと思って技術の仕事をしている人っていうのはいないんですけど、それでもやっぱり事故っていうのは起こってしまうんですね。
大切なのは、なぜ事故が起きたか、どうすれば防止できたか、これを考察してですね、一人一人が自分の業務に落とし込むことだと思っています。
さっきも言いましたけど、もしあなたが事故を起こした機械の技術担当者だったら、あなたはどういう行動をすべきだったか、そういう視点で聞いていただければと思います。
まずですね、この六本木ヒルズ回転ドア事故、これがどのような事故だったかというのを説明します。
今から19年前の2004年3月26日にその事故が起こりました。
東京の観光名所であるですね、大型復古施設六本木ヒルズ、今でもありますよね。
六本木ヒルズの中の森タワーというところの2階の正面入り口ですね。
ここに非常に大きな回転ドアが設置されていました。
被害者はわずか6歳の男の子ですね。
単身不妊中に父親に会うために母親と2人で上京して、観光のためにこの森タワーというところに訪れていました。
この親子が森タワーの回転ドアを通り抜けようとした時、回転ドアのもの珍しさに興奮した男の子が母親の手を振り切って走って回転ドアの中に入ろうとしてしまいます。
この際にある男の子とかですね、駆け込み防止フェンスをその男の子がすり抜けてしまって、さらには挟まれ防止のセンサーにも感知されずにですね、
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男の子は回転ドアのガラスとドア枠の間に頭を挟まれてしまった、そういう事故になります。
母親と近くにいた人たちがですね、慌てて回転ドアを停止させて男の子を救い出したんですが、病院に搬送されてその後2時間後に死亡を確認したという事故です。
一説には回転ドアから救助した時点ですでに即死状態だったという話もあります。
この事故当時は私は中学生ぐらいで、当時かなり大きなニュースになっていたのを覚えています。
多分皆さんも記憶にはあると思います。
私は今となっては2歳の息子と4歳の息子、2人の子供を持つ親なので、改めてこの事件、事件というか事故を見ると決して他人事ではないなと思いますし、本当に悲しい気持ちになります。
ちなみに回転ドア自体は分かりますよね。
日本だとこの事件以降回転ドアはめっきり減ってしまったんですけど、海外だとまだよく見ます。
大きな突いた手みたいなのがたくさんついた回転体がですね、ぐるぐる回っているというイメージで、人がそこに入ってですね、ビルの中に入ったり出たりすると、そういうドアです。
なかなか知らない人に対して言葉では説明しにくいので、分かんないという人はぜひ調べてみてください。
絶対に見たことあると思います。
この回転ドアの良さというのは、普通の自動ドアに比べて密閉性が高いんですよね。
普通の自動ドアってウインって横に開くじゃないですか。
ドアをバーって開けるんで、結構その中のエアコンの冷気とか、冬だったら温めてる空気、こういうのが出ていっちゃう。
空調的にあまり良くないんですけど、回転ドアだとずっとぐるぐる回っているだけなんで、そういう風にですね、この冷気が逃げていったりしないわけですね。
だから空調的に有利だと。
ただデメリットもあってですね、それが何かというと、当然人の流入・流出効率が悪いということですね。
単純に自動ドアがバーって開いた方が人出入りしやすいというのは分かりますよね。
じゃあ回転ドアってどうしたいかというと、人の出入りを効率的にするために、なるべくその回転ドア自体を大きくして、なるべく早く動かしたい。
そういう要求があるわけですね。
施設側も人をいっぱい入れてなんぼなんで、当然そういう要求が強くなってくると。
こういう背景があったということを念頭において、順を追ってこの事故の原因を見ていきたいと思います。
この挟まれ事故、この3つのポイントがあります。
男の子は駆け込み防止フェンスをすり抜けてしまい、さらには挟まれ防止センサーに感知されず、回転ドアのガラスとドア枠に頭を挟まれてしまった。
こういう事故なんですけども、今言った通り追求すべき点は3つあります。
1つ目、なぜ駆け込み防止フェンスをすり抜けたのか。
2つ目、なぜ挟まれ防止センサーに感知されなかったのか。
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3つ目、なぜガラスとドア枠に頭を挟まれて死亡してしまったのか。
この1つずつ見ていきたいと思います。
まず1つ目ですね、なぜ駆け込み防止フェンスをすり抜けてしまったのかということです。
森タワーの回転ドアにはですね、挟まれ事故を防止するために駆け込み防止フェンスというのがちゃんと設置されていました。
ただ、これ非常に簡易的なものだったんですね。
挟まれる可能性の高い場所にベルトパーテーションが置いてあるだけだったと。
このベルトパーテーションというのは、人の行列を仕切る時によく使うあれです。
映画館とかラーメン屋とか、列を作る時にビューッとポールからベルトみたいに伸ばして、シートベルトみたいに伸ばして次のポールにつけるみたいなパーテーションあるでしょ。あれです。
あれが挟まれちゃいけないところにポンと置いてあっただけだったんですね。
これ大人に対する警告にはなるかもしれないんですけど、当然子供では簡単にくぐれてしまいますし、物理的にガードしているとは言えませんね。
なのでそもそも書き込み防止フェンスというのがあってないようなものだった。これが一つ目の原因だと言えます。
2つ目ですね。なぜ挟まれ防止センサーに感知されなかったのか。
回転ドアにですね、当然挟まれ防止センサーなるものがついてます。
これはですね、センサーで人を検知してですね、挟まれる前に回転を止めるという仕組みです。
この事故ではそれが全く機能しなかったというわけですね。
センサーは2箇所に取り付けられていて、天井側と足元側に取り付けてました。
天井側はですね、下向きにピューッとレーザーを出すような形で非接触のセンサーがついてて、
足元は足元方向に横ですね。地面とは水平方向に非接触のセンサーがついてたという形になります。
一見するとこれだったら問題なく男の子の侵入というのを検出できそうなんですけど、実はここで大きなミスがあったんですね。
モリビリの回転ドアっていうのは2003年のオープン以来ですね、センサーの誤検知で停止してしまうという不具合がめちゃくちゃ多発してたんです。
回転ドアのね、あの導入初期っていうのは天井からのセンサーっていうのは地面から80センチまでの距離を検出距離としてました。
だから80センチ以上の大きさのものだったら何でも検出できたわけですね。
ただ、誤検知防止としてですね、これを120センチまで引き上げてしまっていました。
この事故で死亡した男の子の身長というのが117センチで、この時点で男の子の検知というのがすることができなかったですね、もうすでに仕組みとして。
当然足元のセンサーもあるんですけど、事故当時ですね、男の子が駆け込んだことによってそのセンサーを飛び越える形で駆け込んでしまったんですね。
なのでこのセンサーも反応しなかったと。センサーの設定と配置の致命的な問題があったと言えると思います。
これだけ言うとね、このセンサーの不具合、欠陥こそこの事故の原因だと思うんですけど、実はこの事故の根本的な原因というのはもっと他にあるんですね。
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ここが非常に重要です。それが何かというと3つ目ですね。なぜガラスとドア枠に頭を挟まれて死亡してしまったのかです。
根本的な話としてですね、この回転ドアが挟まれたとしても怪我しないような推力で動いていれば問題なかったわけですね。
軽いものがゆっくり動いてたら当然挟まれても怪我しない。これは感覚的にわかりますよね。
しかしこの回転ドアというのはですね、非常に大型で回転部が重すぎるという問題を抱えていました。
回転部のね、ドアの自体の大きさ、重さというのはですね、およそ2.7トン。それが毎分3.2回転の速度で回転しています。
回転ドアの直径というのはね、4800ミリ、だから5メートルぐらいですね。直径5メートルぐらいのもので2.7トンのものがぐるぐる回っているわけです。
収束にするとですね、ドアタンの収束にすると0.8メーターパーセックですね。
だから1秒に80センチぐらいドアのタンが動くぐらいのスピードでぐるぐる回っていると結構速いですよね。
1秒で80センチ動く速度ってそこそこ速いです。
そしてですね、この回転ドアの設計の流用元となったオランダのブーインダムっていう会社があるんですけど、そこの回転ドア、流用元となった回転ドア自体は重量が1トン以下だったんですね。
で、モリタワーの回転ドアというのはそこから3倍近い重量になっています。
これはドアに対する風圧とか見栄えとか、あとより効率的に人を入れようとか、そういう意図によってオリジナルのものよりかなり大型化してしまってたということですね。
で、極めつけですね。これが一番大事な部分ですけど、この変更に対するリスクの検証というものが全くなされていなかったです。
元の形を大きくしました。大きくしたことによって何が起こりますかという検証を全くせずに導入されていたと。
参考として計算したんですけど、この回転ドアですね。2.7トンのドアが感性だけで例えば回っているとしても挟まれた瞬間の力というのは1トン以上あるんですね。
だからすでにもう形としてかなり危険なものだったということが言えます。この回転ドア重すぎるんですよ。重すぎるんで実はですね、センサーを検知してからドアの動作が止まるまでの制動距離というのは25センチもあるんですね。
この男の子の挟まれ事故だとセンサーというのは機能しなかったんですけど、もしセンサーが正しく機能してたとしてもこの事故を防ぐことはできなかったんじゃないか。
こういう見解も多くあります。いやいや、なんでリスク検証しなかったのって思いますよね。これが非常に技術者倫理的な部分なんですけども、
リスク検証されなかった背景としてはですね、製造側管理が両方の安全意識の欠如。これが挙げられます。
森タワーの回転ドアでは実はですね、2003年のオープンから32件の挟まれ事故が既に起きていたんですね。
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しかもその中の7件というのは子供が体を挟まれるなどのこの起きてしまった死亡事故に類似するパターンのものだったんです。
しかしですね、ビル側の管理者っていうのはさっき説明したような簡易的な、すごい簡単なフェンスを設置する程度の対策しか取っていなかったです。
労働災害においてね、あの範囲利益の法則って聞いたことありますかね。これは1件の重大事故の背景には重大事故に至らなかった29件の警備の事故が隠れていて、
さらにその背景には事故寸前だった300件の異常、いわゆるヒライハットが隠れているというものです。
まさにこれなんですね。29件、今回は32件ですけども、この警備な事故を無視していたがために1件の重大事故が起きてしまったという事故です。
回転ドアの製造元である三羽シャッター工業、これにも問題があったと言われています。事故の調査ですね。
三羽シャッター側は森タワー側に危険回避のためにドアの回転速度を落としてくれと申し入れたのに聞き入れなかったんです。
事故情報については森タワー側から連絡を受けたのは3件のみだったんですなどと発言して、私は聞いてませんよみたいな、そういう感じのスタンスを取ったんですね。
なのでですね、朝日新聞社はですね、これに対して双方の主張に事故を共有して対策を練る姿勢が感じられないと厳しく指摘したことです。
このような環境も生産の事故を引き起こしてしまった原因の一つと言えると思います。
ここからですね、ここから我々はこの事故を受けて何を学べばいいのか、これを考えていきましょう。
この事故の背景には技術面だけじゃなくてですね、運用面とか安全に対する意識の欠如とかいろんな要因があります。
このような重大事故ってのはね、往々にして針の穴を通すような偶然がいっぱい重なって引き起こるものなんですね。
じゃあ技術者がこの事故から学ぶべき教訓って何なのか、これ私なりに考えたんで3つ教訓を言いたいと思います。
1つ目ですね、本質安全設計の重要性です。本質安全設計、なんか初めて聞いた人はですね、ちょっと是非とも理解して書いて欲しいんですけど、
本質安全設計とは厳密に説明しますと、ガードまたは保護装置を使用しないで機械の設計または運転特性を変更することにより危険源を取り除くまたは危険源に関するリスクを低減する保護方策となります。
ちょっと難しいですね、難しい定義なんですけど、簡単に言えば可能な限り危険源をなくす設計と言えます。
例えば危ないとこね、ここに手を入れたら手が切れちゃうよとかすごい発熱するよとか、そういうものにカバーをつけて触れなくするとかそういうものじゃなくて、
そういう部分をそもそもなくしましょうねと、それがそういう危険源がなければ本質的に安全だよねという考え方に基づいた方策です。
今回の事故で言えば挟まれても怪我しない推力でドアが回転していればそもそも問題なかったというわけですね。
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理由は安しなんですけど、本質安全設計にも当然問題はあります。
これは何かというと危険源を取り除こうとすると設備本来の機能までもが損なわれてしまう可能性があるということです。
つまり回転ドアの速度をすごいゆっくりにしたらドアとして機能しなくなるよねということです。
それはそうですよね、ゆっくり回っててなかなかビルに入れないとなったらそれはドアとして機能しないと言えます。
特に六本木ヒルズランって観光名所ですから、人の出入りというのは非常に激しいんですね。
なるべく効率的に運用したいと管理者側のそういう意見も当然だと思います。
ならば本質安全設計に基づく設計的なアプローチとして何すべきかというと軽量化ですね。
軽量化して設備の縮小を行ってドアの動作エネルギーを制限する、危険源をなるべく除去するという対策を行うべきだったんです。
軽くなれば早く動かしてもエネルギー的には少ないわけですからね。
そうやってドアを小さくするなり軽くするなりして人の出入りの効率をなるべく落とさずにエネルギーを落とす、こういう対策をするべきだったと。
当然ね、出入りの効率がどんどん落ちてくると思うので、そのあたりはリスクをちゃんと管理者に提示してですね、求める仕様を打ち合わせすると、そういうプロセスが必要だったと言えます。
設計者によって講じられる方法策にはですね、3ステップメソッドというものがあります。
これね、この言葉をぜひ覚えて帰ってほしいんですけど、これはね設計段階においてリスクを低減させるための手法であり、3ステップメソッドと言ってるので当然3つのステップからなります。
ステップ1が本質的安全保護方策、つまりさっき言った本質安全設計をしましょうねということです。
ガードとか保護具を使用せずにですね、機械の構造や仕様を変更して危険源そのものを取り除きましょう。
まずはこれが第一ステップですよと。ステップ2ですね。次は何するかというとですね、安全防護及び追加安全保護方策です。
これ何かというとガードや保護具を利用してステップ1の危険源を除去するというので除去しきれなかったものに対して固定ガードとかね、センサーとかそういうものを使って安全を確保しましょうと。
ここで初めてセンサーとかガードが出てくるんですね。最後ステップ3。ステップ1とステップ2で除去しきれなかったリスクに対してその危険ですよというマークを表示したり
取扱説明書にこういうリスクありますよというのを公開してですね、使用者にリスクを知ってもらって運用上でカバーしてもらうと。これが使用上の情報っていうものですね。
この3つのステップで安全を確保しようというのが3ステップメソッドとなります。当然実施の優先順位決まっています。
当たり前なんですけどステップ1が一番優先度が高くてその次に3ってなってきます。しかしですね今回の回転ドアの例を言うとですね、
本質的な安全設計のアプローチステップ1っていうのは全くないんですね。単に制御仕様によるセンサー、センサーとかガードをつけて安全を確保しようとしています。
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3ステップメソッドに基づいてまず危険源を除去するという本質安全設計の考え方で設計を進めないと安全を確保するっていうのは難しいんですね。
それが本質安全設計の重要性で今回の事例から学ぶ一つかなと思います。一生懸命ガードしても無理なんですよ。本質的に安全じゃないものっていうのはいくらガードしてもなかなか安全にはできないですね。
まず本質的に安全する。そのステップがないものはやっぱり危ないと。それを学んでいただければなと思います。
教訓2つ目ですね。ステークホルダーとの意思疎通の重要性です。製造会社であるサンはシャッター工業と森タワー側の意思疎通や情報共有というのは全くされてない。
これ非常に大きな問題です。実は安全対策の中には色々フローがあるんですけど、ユーザーの入力という重要な要素があります。
これ何かというとユーザーからの安全報告ですね。ユーザーからの製品の安全に対するフィードバック。これをどのように行うのかっていうのは実は技術者側が意識して考えなければならないものなんです。
ユーザーから報告がなかったからじゃなくて、メーカー側は安全に対するフィードバックをユーザーから収集する責任があります。
これがユーザーの入力というものなんですけど、一般的にはヒアリングとかねアンケート調査でそういうものをフィードバックすると。
昨今であればIoTの技術を生かしてアラームを収集するのでもいいと思いますけど、とにかくこのユーザーからのヒアリングなどで安全情報をフィードバックするこのフローを絶対にメーカーは忘れちゃいけないということです。
サーバーシャッター工業というのはこの意識が抜け漏れてたと言えるでしょう。そもそもこの開発段階で回転ドアに対するリスクアセスメントというのもできてなかったみたいなんで、メーカー側とやっぱりモリタワー側であまり関係性が良くないですよね。
良質な関係性を築いて積極的な意思疎通を図る。これが非常に重要なんですね。メーカー云々の前に社会人の基本として聞いてませんっていうのは言い訳にならないということです。
これが2つ目の教訓ですね。ステークホルダーとの意思疎通の重要性です。メーカーが安全に対するフィードバックをユーザーから収集しに行かないといけないということですね。
3つ目の教訓ですね。設計意図の伝達と理解です。先ほども話しましたけどこのモリタワーの回転ドアってオランダのブーインダム社という回転ドアをオリジナルとしてそれを変更するような形で設計しています。
この時ですねオリジナルの設計意図っていうのが全く伝達されておらずですね 自分たちの都合のいいように設計した結果オリジナルの約3倍の重量の回転ドアが出来上がってしまったと
そういうことですね 私昔上司に言われた言葉であの覚えているのはですね
不具合は変化点からしか生まれないとそういう言葉があります 昨今と言っていいのかわかんないですけど基本的に1から新規で丸々新しいものを作るっていうことはあまりないですよね
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基本的には何かを流用している過去の実績であるものを流用してそれを今の作りたいものを使用に合う形で変更していくということが基本的にものづくりで行われていることです
この流用設計においてこの変化点変える部分に対する検証というのは非常に重要なんです それと同じぐらいですね
元の設計の設計意図なぜその形になっているのかという理解すること これも非常に重要なんですね
流用する際は設計とを確認するとあと変化点に対するデザインレビューを行う こういう対策が必ず必要だと言えるでしょう
さらにですね設計とがわかるようなドキュメントこれを残すことも大事です 大野がねあの自分のやり方に残していくという人もいるんですけどそれ正しく伝わら
ないので基本的な会社の全体で体系的なルールを作るという必要があります 当然ねルールをできるのを待っていただけたらダメなのでなければあなたが作らなければ
ならないということです ちょっと長くなりましたけどまとめるとですね
回転ドアの挟まれ事故により6歳の男の子の命が失われてしまいましたと 回転ドアはセンサーで男の子を検知することができなかったと
仮にセンサーが働いたとしてもドアが重すぎるので事故は防げていなかった可能性が あるよと製造側管理側の意思疎通情報共有がなされていなかった
制御やガードに頼り本質的な安全を確保できる設計ではなかった オリジナルの設計とを理解せずに変更こなった
とうとうですねまぁこういうことがあってこういうことが起こったとこういう事故が 起こったということです
我々はこれからいろいろなことを学ばなければならないと思います やっぱね幼い子供が巻き込まれ事故って胸が痛みますよね
これが技術の話であればなおさらです やっぱね僕もさっき言いましたけど子供が2人いるんですけど育児をしてと思うのはやっぱ
子供って本当に制御不能なんですよ 親としてね目を離さずに見てるつもりでも一瞬でこう飛び出したりかけ出したりとか
全く予想がつかないですね 元気に育ってくれるのは当然嬉しいですしまぁそうやって暴れるの子供の仕事だと思って
ますけどそれ故にこうやって子供がね 関わる機会とか子供が関わる可能性がある機会っていうのはどんなことでも許容できるように
やっぱ本質的に安全であるべきなんですね なかなかそれを実現する難しいんですけどそこをまず追求しなきゃいけないとすごく思いました
失敗事例の話をするたびにですね非常に考えさせられる言葉があるので皆さんと ぜひ共有したいなと思います
工学は今でこそ知識が体系化されているように見える しかし実際は事故が生じるたびにエンジニアが応急対応した知識が経験
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的に蓄積された結果 モーラ的な構造が出来上がったに過ぎない
こういう言葉があるんですねこれ深いですよねぜひ皆さんの中で咀嚼してもらいたい と思うんですけど我々がね普段触れている技術の話とか
体系的に見えるんですけど実はこういろんな事故が積み重なった上で体系的である ように見えているだけですよと
逆にこうやって事故の上でこう進歩してきた結果なんですよということです いつの時代もねやっぱ大きな事故が起きないと本格的な対策が取られないというものです
命にね思い軽いがあるとは思わないんですけど いくら技術的な教訓になろうとですねやっぱ子供の命ってのはやっぱ尊すぎますよね
我々技術者ですねまぁ事故を未然に防ぐように心血を注がなければ当然ならないと であるならばやっぱすでに起きてしまった事例から最大限の教訓を学ぶべきだと
僕は考えていますやっぱ猫技術の世界って日進月歩で日々新しい技術 未来輝く技術みたいな生まれています
そんな華やかな世界の裏では様々な危険が今か今かと手招いているわけですね 技術の仕事ってねまぁ常に危険と隣り合わせです
しかもその危険というのは自分に対して牙を剥くものではなくて 他者に対して牙を剥いてしまうそういう危険なんですね
そういうものと隣り合わせであるとその自覚を持ち続けることが大事だと思います そしてね最も大事なのはここで考えたことですね
聞いたこと以下に自分の未来の業務落とし込めるからと思います お時間があればですねこの事故を受けたあなたならどうするか
僕ならどうするか俺ならどうするか私ならどうするか これぜひとも考えてほしいと思いますというわけで今日のラジオはここまでとさせていただきます
私は支部長技術研究所という技術ブログを運営しています 週一更新を目標に更新してますのでそちらもぜひ覗いてみてください
今回した紹介した内容ですねブログ記事になってます 今回の内容文字で読みたいよという方は説明欄のリンクから取りますのでそちらからもお願いします
今回の内容に関しては結構ブログの方がですねえとか使ってちゃんと説明しているので そちらを見ていただくとより深い理解になるかなと思います
またツイッターでもですね毎日役立つ技術情報の発信を行ってます 朝7時20分夕方18時20分に投稿してますのでそちらも良かったらチェックしていただけると嬉しいです
ものづくりのラジオ用のハッシュタグありますのでこのラジオの意見 感想などはシャープものづくりのラジオでタグをつけてつぶやいていただけると非常に喜び
ますぜひともよろしくお願いします では今回のラジオはここまでとさせていただきます以上支部長でしたではでは
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