2023-06-23 24:02

vol.60 シルクの魅力と歴史 ~戦前日本を支えた養蚕業の現在~ お蚕様はお月様の化身? ゲスト: Liv:ra 小森優美さん

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引き続き、草木染めシルクランジェリーブランド"Liv:ra(リブラ)”のデザイナー 小森優美さんをお招きして、シルクを生み出す養蚕(ヨウサン)業の過去と現在や

小森さんが実践している蚕の驚くべき活用方法を教えてもらいました。

シルクの魅力/戦前日本を支えた養蚕業の現在/蚕(カイコ)の意外な活用方法/養蚕業のスケジュール/蚕の卵屋さん?/養蚕は儲かる?/あらゆるファッションに関わるブランド作り/




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高橋和馬

株式会社東京チェンソーズ / 森デリバリー担当

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奥田悠史 

株式会社やまとわ / 森林ディレクター

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たか

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00:01
東京チェンソーズと、やまとわの自然資本論〜
東京チェンソーズの高橋です。
やまとわの奥田です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
すいません、前回Liv.raの立ち上げの話をいろいろ聞いてきて、めちゃくちゃ感動。高橋さんと二人感動してたんですけど。
久しぶりにめっちゃ感動しました。
目から動きがボロボロと落ちるみたいな。
なるほどって思った。
自分たちもそうならないといけないみたいなところを、本当に身につまされる話でしたね。
そうですね。やっぱりでも、別の歴史が脱線なんですけど。
自分、結構今の人たちって、今の人たちって括り方がちょっと嫌すぎるんですけど。
20代の人とかと話してて、わりと早く何かをしたいっていうようなことを言われることがまあまああって。
そういう気持ちはわかるなと思うんですけど。
でもなんか、寄り道がイノベーションを見そうだなってやっぱ思います。
思いましたね、今の話聞いてて。
ことをやるから、新しいことを始めるときに、引き出しじゃないけど、自分の好きなものってこうなのに、この文脈だとないなみたいなのが結構重要だったりしそうだもんなと思って。
そうですね。
ぐっときた。みんなに教えてあげないと。
ほんとほんと。
前回、シルクに魅了されていって、シルクのものばっかり作るようになってきたよって話をしてくれたと思うんですけど、シルクの魅力とか面白さって何だったんですか?
まずは単純に気持ちがいいところから入ったんですよ、私は。
自分の商品を使っているうちに、すごいシルクしか嫌だってなってきたみたいな、だんだんね。
さらにやっぱり草木染めと相性が良くて、草木染めで染めることでさらに風合いが柔らかくなるみたいなものがあって。
なので、草木染めのシルクって最高だなってずっと思ってて。
その流れでどんどんどんどんシルク関係の方とお知り合いになっていく中で、どんどんどんどん自分がシルクのことを勉強するようになって、肌触りだけじゃない深い歴史とか、
本当にね、明治ぐらいは農家も200万件ぐらいあって、一大産業、シルク自体がね、日本の。
すごい、200万人でしょ。
200万人で。
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今のね。
そう、今200件しかないんですけど、農家は。
200件しかない。
1万分の1か。
そう、200万件あって、日本の軍事産業を支えてたのはシルクの輸入、輸出。
輸出、はい。
輸出が軍事産業を支えてたぐらい一大産業で、だから至る所に文化の跡みたいなのが残っていて、
進行とか、量産進行とかもすごい盛んだし、
そうなんですね。
そうなんですよ、特に長野、すごいね、仏像、石像みたいなのが。
石像?
めちゃくちゃ、そんなの石像。
何の石像?
おかいこ様の石像?
おかいこ様の女神とかがいて、女神の石像だったりとか、諏訪の方にね、結構いろいろあったりするんですよ。
あー、そうなんですね。
そうそうそう、なんか文化としても奥がとっても深い、進行とか産業としてもいろんな所に残っていて、
日本の田舎の家とか2階がかいこ部屋だったりするとこすごい多くないですか。
多いですね。
そうですね。
でっかい家のね。
多いですよね。
なんか200万件あったぐらいなんで、結構みんな育ててたりしていて、
いろんなその文化的な要素を持っている、こんなにも持っている記事ってなくって、
そういう多面的な魅力をシルク自体が持っているなって思ってます。
その多面的文化、文化的歴史が強い記事はシルクぐらいしかないっていうのは。
いや、アサンもね、アサンもあります。
あー、なるほどなるほど。
その歴史性とか。
名誉はですね。
暮らし?
暮らし?
あるっちゃあるんですけど、結構入ってきたのが遅いから、
くるめがすりとかは綿なんで、綿の文化もあるんですけど、結構ね、文化としてはアサ綿なんですよ。
日本ではっていうことですね。
日本では、はい、そうですそうです。
そういうことか。
で、アサとかシルクっていうのは結構本当に長い間培われてきた文化で、
初期はね、やっぱりシルクっていうのは貴族の文化なんで、かなりの高級品なんで、一般的に広まったのはアサの方なんですけど、
その2つは割とその暮らしの中に、糸の暮らしの中に存在してて、
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洋産農家って言ってもやっぱり2階で育てたりしてるわけじゃないですか。
違うところで農業してるんじゃなくって。
だから朝起きてカイコにエサやって、お昼、夜とやって、そのまま一緒に暮らしてるみたいな感じなんですよね。
だから結構その暮らしに根付いた文化として、今でもおばあちゃん家で飼ってたよとか、何かしらそういう触れ合う機会があった人もとても多い文化ですね。
そこもなんかさっき一番最初に、結局シルクの肌触りとか、使用するときにすごい良かったみたいなのもずるいなって。
これめちゃくちゃいいじゃんって、調べたら歴史的にも面白かったみたいな。ずるいなって。
確かにシルクって本当に強いし、イメージも強いしね。
そうなんですよ。もう最高の記事です。
でもそれこそ今200件って言ってましたけど、日本でのシルク生産っていうのはめちゃくちゃ衰退してる状態?
そうなんです。農家さんが200件しか切っちゃったんですよね。カイコ、有産農家さんが。
静止工場って言って、カイコの眉毛を糸にする工場が必要なんですけど、それに至ったら2件なんですよ。
それが群馬と丘谷なんです。
丘谷。
長野にもちゃんとあるんですね、そこは。
そう。
群馬もあるんですよね。富士丘静止場。
富士丘、富岡。
富岡静止場。
富岡、富岡静止場と丘谷なんですね。
そうなんです。この間。
丘谷あるんだ。
私が日本製の眉毛で糸を静止したいなって思ったら、群馬の方が難しくて、丘谷になるんですよ。
丘谷に発注したいっていう感じです。
やっぱり流通しているもののほとんどは海外のもので、富士山のシルクっていうのは全然、むしろ何に使われているんですか、今その200件ない農家さん。
本当に高級な着物。
そうなんですね。
もしくは化粧水とかもありますね。
化粧水もあるんですね。
化粧水とか最近の新しいのでは昆虫食。
食べちゃうんですね。
おいしい。おいしいというか、だしの味。だしにしたらすごくおいしくて、私もよく実験したりしてます。
よく?
はい。
食べてる?
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カイコのどの状態?
カイコのさなぎ?眉の中にいるさなぎの状態で、
そのさなぎをだしに、だしとったりとか、今年の春は味噌つけました、それで。
え?どういう意味ですか?
ちょっとよくわかんない、わかんない。
さなぎって高タンパクの塊なんですよ。
あ〜大豆の代わりにってこと?
大豆みたいに。
本当に味噌なんてすごいな。
え?つける?つけるのか?
ちょっと怖くてあんまり聞けないんだけど。
茹でてつぶすっていう、大豆と同じ製法で作ってたんですか?
そうです、そうです。
てことだよね、やっぱりね。
僕も去年、自分でこうやって手で大豆つぶしてたから、
それをさなぎに置き換えてもらえればわかりやすい。
なるほど。
わかりやすいです。
ちょっと僕まだ手でできないなって思った。
え?もうできたんですか?
いや、まだつけたばっかりなんで、2ヶ月、3ヶ月ぐらい?
じゃあ、あと1年ぐらいですね。
あと1年ぐらいですね。
いやーでも気になりますね。面白いですね。
うん、面白い。
そうそう、なんかこれこそ、かいこの、あ、葉さんの話も、
実はちゃんとわかってないなと思ったんですけど、
原稿を書いてみたんですよ。
原稿を書いてみたんですかね?
はい。
大豆を茹でて、それをつける、
和風の大豆と一緒に茹でていって、
大豆が茹でて、
の話も実はちゃんとわかってないなと思ったんですけど
どういうサイクルなんですか?
えっとですね、洋参自体は1ヶ月で終わるんです。開口の命っていうのは
1ヶ月半ぐらいで、真夕になるまで28日
ちょうど月の周期と同じで
素敵ですね
そう、素敵なんです
満ち欠けと同じサイクルで
クワしか食べないんですね
オーガニックのクワしか食べないんですよ、しかも
グルメ
そうなんですか
そう、グルメで農薬かかってるとドロドロに溶けて死んじゃったりして
そうそうそうそう
開口自体が
開口自体が
だから
すごいな
わざわざ
ナウシカみたいな世界観
わざわざ認証とかもいらないんですよね、開口だと
なるほど
開口が生きてくれてたらオーガニック
生きてたらオーガニック
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わかりやすい
本当にクワの葉以外の葉っぱも食わないってことなんですか?
食べない
半田割りなんですね
そうそうそう、もうめちゃくちゃグルメで
しかもずっと食べるの待ってるだけみたいな、生きてる間
あの餌くれるの待ってるだけみたいな
どこにも逃げないし
場所もそんなに取らないし
超サステナブルな動物ですよ
本当に確かに昆虫版の半田はそう考えてた
開口自体も品種改良的に長い時間かけてなってるんですか?
はい、めちゃくちゃ品種改良してます
そうなんだ
やっぱそうなんだ
もう人間が糸を取るためにずっと何千年も改良してます
何千年も、なるほど
そうですよね、糸をより脱出とか強かったりとか
白かったりするやつが選抜されてくる
そうです
それで餌食べて糸を出していって
ずっと自分の眉を作ってるっていうイメージなんですか?
そうです
自分の眉を作るために2、3日ずっと糸を吐き続けて眉になるんですよ
眉になる
そしたらさなぎになって
さなぎになって
本来だったらそのまま放っといたら
そのガみたいなやつに変態する
そうです、ガになって出てくる
けどそうしないために茹でちゃう
そうです、その前に茹でますね
それが28日間ということ?
眉になるまで28日なんで
もうちょっとプラスで
さなぎになるのにちょっと時間かかるんですよ、眉の中で
それはさなぎになるまで待たないといけないんですか?
糸だけだったらいいと思うんですけど
さなぎもやっぱりいい肥料になったりとか
昆虫食にもなるし
いろんな使い方があるので使いたいじゃないですか
最後取り出してってことか
糸とそれを分けて使うってことなんですね
糸ピーって引っ張ってたらさなぎだけ残るんですよ
それを肥料にしたりとか
いろんな活用の仕方をしていると思います
そうですね、すごい量でしょう
すごい量ですもんねきっと
そうなんです
1回の固体で1ヶ月ぐらいの周期じゃないですか
シーズンってあるんですか?年中できる?
春と秋だけなんですよ
だから兼業農家さんが多くてすごい
春の1回、秋の1回?
いや、春に何回かできて秋に何回かできます
それはそのシーズンだけしかできない理由は何なんですか?
15:00
夏だと暑すぎてカイコが死んじゃうのと
冬だとクワがないんで
カイコの卵は越境するんですよ
冬眠するから
越境じゃない、越冬するんですよ
だから冬と夏はちょっと難しくって
ただ人工的に無菌室で温度調整とかして
温度26度ぐらいがいいんですけど
26度ぐらいでずっとカイコを
年中育て続けるような会社もあります
なんかハウス栽培みたいな
そうそう、ハウス栽培みたいな
それでそのサナギで止めちゃうものと
卵を産んでもらうものっていうのは全く別?
その養産農家さんとカイコの幼虫農家さんがいるみたいなイメージある?
一緒にやってるんですか?
卵は卵屋さんっていうのがいて
やっぱり卵屋さんかけ合わせ
別にいるんですよ
ちゃんとかけ合わせで強いカイコを合わせて卵を作っている
ブリーダーがいるんだ
ブリーダーがいます
養産のブリーダーがいるのか
そうそう
やっぱりちょっと弱いからカイコって
ブリーダーの持ってる卵じゃないと難しい
大量に育てるのは
そうなんですね
じゃあその農家さん200で精子工場が2件で
ブリーダー持ったら本当に数件とかしか残ってない
ブリーダーも確かに2とか
2とか
やばい
県業しないと本当にやばいやつですね
やばいんですよ今
やっぱり育ってる現状っていうのは
それこそ林業とか生剤業の近い構造にはあると思うんですけど
割と養産では食えないなっていうのが
養産業界での通説なんですが
養産業意外といけるよみたいな話じゃないですか
全然全く
全然
全くですか
7割ぐらいが年金をもらってる70代以降とかになってきてしまっていて
補助金じゃなくて年金
補助金が出にくいんですよ
もともと結構あったらしいんですけど今全然なくて
結構本当に何とかつなげていかなきゃっていう情熱だけでやられてる方も多くて
何となくの疑問なんですけど
シルクっていう素材自体は結構
一般的に販売されてる量も結構ありそうな感じがするんですけど
そうなっているのに
日本でやってるところがどんどん減っているっていうのは
海外から安いものが流れているとかそういう感じになっているんですか
そうですね
中国産が多くて
中国産が安いっていうのがあるんですよ
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中国って言ってもやっぱり貧しい地域とかの人が
結構安めの価格でやってるところも多くて
安めに入ってくるっていう現状もあるんですよ
ただ中国のシルクもやっぱりそういうやり方なので
いつまで続くかっていうのがわからなくて
高度経済成長とともにそういう手仕事というのがどんどん減っていってしまうので
どちらにしろ世界的にシルクっていうのは割と危機ですね
日本じゃなくて
あれですねウルシと一緒ですね
確かにそうですね
ウルシもすごい近い感じする
やっぱり工芸系っていうのは結構どこも似たような問題をはらんでたりしますね
でも派手度上国が成長するに従ってその産業を衰退していく可能性がまた同じようにってことですね
そうですね
やっぱり産業として発展していくと
ヨーロッパとかもそうだと思うんですけど
職人とか手仕事をする人っていうのがどんどん減っていってしまう傾向にあると思うんですけど
こんなに先進国で残してるのって
壊滅状態ではあるけど
日本は結構特殊な状態でもあるから
要は面倒くさいこともお金じゃないところでやるっていう
国民性みたいなものが多分日本にはすごいあるから
自分たちの特技を生かして工芸とかものづくりっていうのは残していけたらいいなすごい思います
工芸とかってこのお皿とか
そのどこどこさんのその薬を使ったお皿作るのが
自分で好きとかっていうのって何とかあるんですけど
なんか養産やりたいっていうメンタルってどうやったらなるのか
すごい昔の人は生活とすごい密接になんかひも付いてるから
やっぱりそのやってるのが子供の頃から普通で
多分それを今やられてる方は続けてくれているんだと思うんですけど
新しい人がそれやろうっていう風になるの
なんか養産って結構大変そうだなって
それが大好きっていうのって触れることないじゃないですか
そうですね
そこはやっぱりいきなりそういうアパレル業界を川に例えると
川上 川中 川下っていう業界の流れがあって
川上じゃないですか
いきなりやっぱりそこにアプローチするってすごい難しいから
なんかそこはやっぱりシルクとかってすごい素敵だよねって
思わせれるようなデザイナーの存在ってすごい必要だと思うんですよ
デザイナーとかブランドの存在がね
そういうところがまず活性化していくっていう動きが必要なんじゃないかなと思っていて
21:00
私もそういう活動を今後やっていきたいなと思っています
リブラのブランドそのものだし
ご自身で養産をやってみてるみたいなこと
そうですね
やっぱり私もともとさっきもお話しした通り川下の存在なんですよ
デザイナーとしてブランドやっててっていうの
ずっとそれしかやったことがなくて
でもファッションってそこのデザインだけやってると
テキスタイルってピーってなんかね
くださいって言ったら出てくるようなすごいインスタントな状態だから
それがどうやってできてるかまでシルクに興味あったとしても
それを知る機会ってないんですよね
どうやってできてるかに触れる機会が全くないから
ファッションの領域自体に分断が起こっていて
知りたいと思って踏み込める状態ではないんです
なんですけど
そうやってどんどん踏み込んでいくために
自分自身もカイコ育てたりとかクワ食事したりして
どんどんどんどんそういう養産農家さんとか訪問したりとか
あと織工房とか川下のデザインだけじゃない
あらゆるファッションに関わる人に出会っていくことで
総合的にファッションというものを捉えることができるようになってきて
ちゃんと領域全体が循環していくようなブランドも
もう一個やっていこうと思っていて
そうなんですか
じゃあちょっとその話は時間にしたいな
すごい興味ありますね
そういう領域と分断の話って
本当にそれこそいろんな産業領域で起こっているから
それをどうしていくみたいなのはすごい重要な話だし
そうですよね
新たなブランドでやろうとしているのは聞きたいなと思うんで
次回にじゃないですか
シルクの良さ利用者としての良さから入っていって
文化・カルチャーとか暮らしとの接続を感じていくっていうのはすごくいいですね
そういう文化史からシルクのことを言われても
ううんって
感動体験だよね
前回の話でもちょっと上がってたけど
やっぱり自分が感動したものをどう残すかとかっていう方向性じゃないと
力入らないんだろうなきっと
素晴らしい
面白いです ありがとうございます
次回もぜひその続きのブランドの話を教えてください
ありがとうございます
24:02

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