落語分析ワークショップの概要
はい、シェアする落語の四家です。12月20日土曜日、浅草生楽邸におきまして、立川寸志の落語分析ワークショップ、目線と空間へ行ってまいりました。
こちらの会はですね、ワークショップと銘打っておりますので、ちょっと普通の落語会とは違いまして、落語はね、『子ほめ』と棒鱈をかけたわけなんですが、これを教材として落語家がどうやってその落語をやっているのかというところをですね、
分析して語るという、非常に立川寸志さんらしい企画でございます。
まず最初にですね、目線と空間というのがテーマなので、目線と空間の基本ということで、上下、上下どっちがいいんでしょうね、というですね、右を向く、左を向くという考え方と、この上下を切るためにですね、正面を切るということですね。
で、さらに右左だけではなくて、遠く近く、高く低く、前後ろ、前後ろってどういうことかというと、例えば壺山ですね、壺山で壺を担いでいくわけですけど、壺を担いで前にいる人と後ろにいる人がいるわけですよね。
これをすべて仕草仕方を使って見せていくという、そういうところをですね、一つ一つ丁寧に解説をしていただきました。
まあね、面白くないわけないんですよ、寸志さんがこういう話をした時にですね。
あの、まあやはり、まあ頭では若手はいるんですけど、基本的にその落語の空間の作り方、その身振り手振りみたいなものというのは、あと目線ですよね。
歌舞伎なんですよね。
で、歌舞伎が作ったその花道があって、花道から人が入ってくるという、この形は、まあこれも何度かここでお話ししていると思いますが、もうずーっといろんなものに引き継がれていて、吉本新喜劇であったり、ドリフのコントであったり、
まあ大抵その、左から人が、あの、客席から見て左側からですね、これがいわゆる下手ですね、から人が入ってくると。
だからこれを前提に、神下、神下を振っていくというようなことになるんですが、それを具体的にいつどうやってやっていくのかというところをですね、非常に細かく教えていただいて、
あと、まあこれはこっそりですが、いわゆるその正面を、神下に切るわけですから、これは正面をちゃんと向いていないと、これアクセントにならないわけですけど、普通に喋るときにその、正面をね、正面を切るというふうな言い方をしますけど、正面を切れない落語家というのも、いたりするみたいな話ですね。
うん。
例えばモノローグの時とかっていうのは、まあ正面を切らないといけないはずなんですけど、意外と切らない、あの、切ることができないのではないかというような落語家さんもたまにいらっしゃるということですね。
で、ここで『子ほめ』をやって、で、『子ほめ』だと、その、まずその、語韻居のところに行くっていうことで、その長屋の中に入っていくということと、あとそこから出て往来の人の人と話すっていう距離感ですね。
で、ここにはその目線だけじゃなくて、声の大きさみたいなのも大事みたいなところですよね。
まあ、ひとつその、あの、目線をこう使うことによって、モノの大きさを見るというですね、ところが、またあったりするという。
まあ、わかりやすいところでいくと、その刀を抜いたところ、刀を抜いたところは、その刀の抜いて、こう、刀がこう縦になっているわけですけども、その縦になっている、こう、刀をかざしている状態かを、こう、下から上に目線を持ってくることによって、その刀の長さをこう表現するみたいなですね。
まあ、そんな話を、非常に、あの、細かく、面白く、伝えていただいたと。
で、一旦休憩入って、今度は棒鱈ーです。
棒鱈ーは今度、あれは料理屋なのかな、うん、こう、座敷がこう、隣あっていて、その、壁を挟んで隣の部屋っていうところですよね。
で、その、二つの部屋の間の、関係を、どのように見せていくのか、まあ、これが非常に複雑ですから、まあ、一回俯瞰図を描いてみるとかですね。
そういうことをしてくると。
で、その、ここからその、相手の人の声が聞こえ、相手の人が隣の声が聞こえてくるよっていうのを指差すことで見せたりとか。
あと、その、最終的にはこれはやくちゃーにね、ぐちゃぐちゃっていう風になってくる話ですけども。
この混乱を、この、表現するっていうところで、その、最初こう、また新しい人物が下手から入ってくるんだけども、あとはもうぐっちゃぐちゃになってくるみたいな。
というようなね、話で、今棒鱈ーを、いつもよりかなり、その、ショートバージョンには、していましたけども。
カッチリやって、ゲラゲラ笑った後に、実はここはこうなっていますっていうのをですね、解説していただけるたと。
まあ、そういう企画ですね。
『子ほめ』とその技法
あのー、正直言うと、これはあのー、何でしょうね。
落語をただ聴いて楽しむだけだったら、実はいらない知識です。
ですが、そのー、例えば大谷がどういうスイングをすることによって、あのー、そのボールがね、ホームランのボールが非常に速いスピードで、スタンドまで遠く飛んでいくのか、どういうスイングをしているのかっていう話ってやっぱり野球好きの人にとっては楽しい話じゃないですか。
それと同じように、落語好きな人にとって、落語家がどのような創意工夫、あるいはもうルールですね。
これの場合はその表現上のルールだと思います。
まあ、落語って非常にミーマムな、一人で座ってやる芸能ですから、その中でこういうルールにのっとって、仕草を作っていくっていうところをですね。
知ると、やっぱりもう一段落語を楽しむことが、まあ、できるという感じなんですね。
で、当日、あの、まあ、大きな会場ではないですけど、満員で、で、お客さんの中には結構その、寸志さんに、あの、落語教室で、生落語教室で落語を習っている人が、いらしてて、まあ、そういう方から見たらもう、これ必ず必要な知識ですから、
あの、もう質問とかでもだいぶ食いついて、いろんなことを、いろんな質問が出てましたね。
で、僕はあの、やらない方なので、普通の客なので、ただただ、頭の中に、また知識が増えて、より一層落語が楽しめるようになるというところですね。
やっぱり寸志さんは、こういうことができる人で、こういうことをやっていく、落語に、落語家が落語だけじゃなくて、落語について語っていくということで、またファンが、増えるというか、そのファンの、まあ、エンゲージメント、ファンのその、落語を好きな気持ちが、より高まっていくっていう効果って確実にあると思うんですよね。
そこはやっぱり、その寸志さんが、一つ目指すところであり、まあ責務、責務って言ったら言い過ぎですけども、寸志さんにやってほしいなって思うことではあります。
ということで、あの、次回を決めてないで始まった企画のようですが、もうすでに、あの、主催者の生楽のね、古生さんが、ぜひ次もやってくださいみたいな話をされていたということですので、まあ多分ね、あの、また同じ会場だとすぐ待っちゃうと思いますんで。
企画発表されたら早めにご予約されることをお勧めします。今回満員でした。ということで、面白かったです。シェアする落語の四家でした。ではまた。