蒲田落語会の開催
はい、シェアする落語の四家です。
11月30日、大田区のですね、アプリコというですね、ホール、もともとここにはですね、松竹の蒲田撮影所があったというですね、蒲田行進曲ですね。
まあそういうところで今立派な施設になってますが、ここの小ホールにおきまして、蒲田落語会・三遊亭司の会に行ってまいりました。
三遊亭司師匠、四代目桂三木助師匠のお弟子さんであり、四代目三木助師匠の後にはですね、お亡くなりになった後に、
三遊亭歌司師匠の弟子になって、三遊亭司として真打昇進の披露に観に行ったぐらい、僕は司師匠好きです。
僕が落語に望むをものっていうのが、しっかり入った落語をやってくれる師匠だなっていうところで、信頼しているという感じでございましょうか。
オープニングトークでジャケット姿の師匠が登場です。かっこいいんだ。ジャケットもいいしね、靴がいいね。サドルシューズって言うんだっけ。
靴がね、おしゃれだなというふうに思いながら、自分の会の前説みたいなトークの内容は、今年初めて弟子入りが来たというお話が非常に面白かったですね。詳しいことは言いませんけども、さて弟子になるのかならないのか、お楽しみというところではございますが。
で、開口一番がですね、林家彦三さん。ネタが『近日息子』。この前、神田連雀亭で聴いたんですよ。その時もね、いい出来だなと思ったんですけど、今日はね、もっとのびのびやってたかなっていうのと、お客さんが良かったっていうのもあるのかな。
前にもましていい出来でしたね。面白かったですね。まくらまでね、神田連雀亭でかけた時と一緒だったんですけど、全然またかよって感じしないですね。楽しい出来でしたね。
やっぱりなんか彦三さんみたいな、文学青年みたいなタイプが、こういう与太郎っぽい息子の役をやったりすると、また何かこういいおかしみがあるなっていうふうに思いました。
その彦三さんの高座をちょっと感想も入れつつ、司師匠の1席目はですね『お見立て』です。これはね、いいね。良かったですね。
全体的にやっぱりこうね、司師匠のいつもの高座ですけども、さっぱり江戸前であるというところが1つと、その中で杢兵衛大尽のですね、純情さがね、いいんですよ。
そこがストレートに純情な感じで、だからあまりその田舎者っぽさっていうのは、もちろん言葉には田舎者であるっていうことは明示されるわけですけども、田舎者っぽさみたいなものよりも、この人の純情さみたいなところがね、ストレートにポーンとくるんですよね。
それはもう、この噺においては、女郎の手玉に取られる滑稽の対象ですから、このストレートな純情さがドーンと笑いに繋がっていくっていう非常にこの好ましい感じですよね。
あとそのお見立てっていう言葉のサゲに使われるわけですが、意味をそのサゲに近いところで仕込むっていうところも僕は結構好きかなっていうふうに思います。
全般的にやっぱりね、司師匠らしい程の良さみたいなところがね、ちゃんと笑いに繋がっていて、一言で言うとめちゃめちゃ受けてましたね。面白かったです。
仲入りを挟んでですね、僕の大好きな伊藤夢葉先生。夢に葉っぱと書いて夢葉先生。やっぱり寄席、基本的に寄席と同じことをやるわけです。それで全然いいんですけど、ちょっと寄席より時間があったせいか、師匠である伊藤一葉先生の話が出てきたりとかですね。
そのお葬式の話が出てきたりとかですね。これがね、もう一流の漫談ですね。一流のトークをかませながら、実際その奇術師・マジシャンとしての実力もすごいんですけど、そこに綺麗に笑いをかぶせていくんで、やっぱりこれは寄席芸。
とってもおしゃれな、とっても面白い寄席芸になるっていうね。もう本当完璧なステージですよね。やっぱり僕はもう10秒ぐらいのマジックをパンパンパンと続けていくところも大好きですし、何よりマジックに入る前の趣味、あえて言いませんよ。
見た人「趣味」って言っただけで、結構笑うんじゃないかなと思うんですけど。もうこれもね含めて大好きでございます。本当にこれがね、いいヒザになって、それをトリで出てくる司師匠が軽くこう受けてね。
司師匠ってのはもう本当子供の頃から、特に高校生の時は寄席芸に通ってた人ですから。その時の体験なんてのをちょっとお話をして、あと(漫才の)ロケット弾を絡めた話が面白かったですね。それはまあいいとして、そこから『子は鎹』入っていくんです。
聴く落語の楽しみ
『子は鎹』井。子別れ上中下の下ですね。正直僕はそんなに好きなネタではないです。なんかこう聴き飽きた感があるかなというようなネタなんですが、そういうネタだからこそ、いいなって思えるんですよね。
それはもうその落語家さんの腕を見せてもらったっていうところで。本当にね、細かい細かいところで編集というかね、話を作り直してるんですよね。
気がつかない人もいるのかなっていうくらい細かいところを作り直して、足すところっていうのは司師匠の工夫なのか、僕の知らないそういう型があるのかなっていうところは分からないんですけど、やっぱりこの、カットするところですよね。
あそこをカットするのかっていうところに、司師匠の上手さ、誠実さみたいなところを感じますよね。やっぱりカットするとその周りが浮き上がってくるんですよね。
あとね、亀ちゃんがいいね。亀ちゃんがね、落語に出てくる子供ってね、こましたくり過ぎてて面白くないんですよ。
何だろうな、ある司師匠が言ってましたけども、古典落語に出てくる子供があまり面白くないと。その気持ちはね、とても分かるんですよね。一方でウケるからみんな真田子堂とかやりたがるんですけど。
そこがね、本当に程よい感じで、お父さん、最初は元お父さんで、それが投げていったセリフを返していくところがね、すごくいい亀ちゃんを作れたなっていうふうに思いますね。
このすごくいい亀ちゃんに引っ張られる形で、お父さんをはじめとして、お父さん、お母さん、元お父さんとお母さんね。これが綺麗に描き分けられていて。
あとね、最初のね、番頭さんだっけと、お父さんの会話のあたりもいいですよね。結局僕はね、いいって言ってるだけなんです。いいものを聴いていいって言ってるだけなんですけども。
なんというか、やっぱり明らかに江戸前のシンプルさっていうか、そぎ落としていく感じのね、綺麗な江戸落語でありながら、ちゃんと笑いどころをちゃんと作って。
で、例えばサゲもね、これはこういう方があるのか、使う人の工夫なのかわかんないですけども、わかりやすい方を取ってるんですよね。わかりやすい方を取っていくと、やっぱりどうしても江戸落語としてのスタイリッシュな部分っていうのが失われていくっていうリスクはあるんですよ。
それがね、綺麗に決まっている。だから僕は今日、落語そんなに聴いたことない人も含めて満足できる高座だし、それは令和の江戸落語、令和に生きる人にとっての江戸落語だなっていうふうに感じました。
とても満足してますし、今日は一人で行ったんですけど、誰か連れてきたかったなっていうふうに思いましたね。
やっぱりね、もっと多くの人にこの三遊亭司師匠の落語を聴いてほしい。ぜひ聴いてほしいなというふうに思います。
寄席、声をかけてくれ。席亭、席亭の皆さんお願いしますというところでございましょうか。
本当に満足です。最近の中ですごくね、聴く落語、聴く落語ね、本当にいいんですよ。なんかついてるなっていうふうに思いますね。
ついてるなっていうかね、好きな落語を聴きに行って、期待していって、期待以上のものをもらってるっていうことでね。やっぱついてるのか。
そんなところでございます。というわけで、皆さん三遊亭司師匠の落語、ぜひ聴きましょう。
この蒲田落語会は年に2回の開催だそうですので、三遊亭司師匠のTwitterなどをチェックしましょう。
あとね、定期的にやってる会もありますので、ぜひね。藪伊豆の会が多分行きやすい。藪伊豆って日本橋のそば屋ですけど、藪伊豆の会が結構行きやすいと思いますので、その辺も含めてチェックしていただきたいなというところで、
みんな三遊亭司師匠の落語を聴こうというところでシェアする落語の四家でした。ではまた。