サンフランシスコ・デザイントーク。この番組は、サンフランシスコと東京に拠点を置くデザイン会社、BTRAXのCEO、Brandonと、
デザイナーのスージーが、日本で働くデザイナーや、デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、様々なトピックについて深く話します。
今回のテーマは、【第47回】デザイナーが知っておきたい10の認知バイアス Pt.1、です。
今回、前半と後半に分けて、各エピソードを5個ずつぐらい話していけたらなと思います。
Brandonさん、本日もよろしくお願いします。
じゃあまず、認知バイアスとは何でしょう?というところから話してください。
人間って感情を持っている生き物なので、ロジックに物事を判断したとしても、必ず何かしらのバイアスとか感情が介在しているんですね。
アインシュタインとかも言っているんですけれども、自分が持っている価値観とか判断基準というのは、自分が16歳になるまでに集まったバイアスのコレクションだと言っているぐらいに。
人間が育っていく環境とかバックグラウンドとか、周りの人々からの影響は無意識のうちに受けていて、
それによって自分が正しいなとか、ロジカルだなと思っている判断とか感覚が、バイアスないということはまずなくて、何かしらのバイアスで構成されていると。
で、そういう人たちが使うものをデザインするデザイナーたちというのは、それを知っておくべきだし、それに影響を与えられて人々は動くよっていう。
そういう話の、そうです。それが認知バイアスって日本語で言うと言われているものなんですけれども、
主に無意識のうちに決めていることとか行動している内容が、その脳に刷り込まれているバイアスベースになっていることが多いですよっていうところです。
なるほど。じゃあ1個目いきますか。
いくつかある中で10を紹介したいんですけれども、今回パート1、前半としては5つ紹介していこうと思っています。
まず1つ目、情動ヒューリスティックっていう、いきなり難しい言葉で表現されるんですけれども、
そもそも認知バイアスのバイアス名っていうのの名前がややこしいものが多いんですね。
おそらく日本じゃない国、英語圏とかで研究されているものが多いので、英語を日本語に翻訳しているものだからちょっとややこしいんですけれども。
使わないですもんね、情動なんて。
情動って初めて聞きますよね。なんかJ-POPの歌詞でも聞かないかな。
ヒューリスティックもあんまり聞かないですね。
AKBの曲のタイトルみたいな、情動ヒューリスティックみたいな。
確かに。情熱なんじゃないかな。
そうですね。そんな感じの響きだけど。
アフェクトヒューリスティックって言われる英語で、アフェクションって言われる気持ち的な愛着?
愛着が湧いているものとか、自分がポジティブに感じている物事に対して、
それは良いものだっていうバイアスをベースに判断しがち。
当たり前なんですけど、
これ僕多分、日本語で言うとエコヒーキーに近いんじゃないかなと思っているんですよね。
難しいのは情動ヒューリスティックとか言ってるけど、
冷静な判断ができていない。
無意識のうちに自分が行為を寄せている物とか事とか人とかに対して、
ポジティブな反応をしてしまいがち。
例えば、言葉一つ取ってもそうなんですけど、
イノベーションっていうキーワードって結構ポジティブに捉えられるがちなので、
多くの人は、これイノベーションのためにやりますからいいじゃないっていう、
新しいオプチュニティができるようになるんですけど、
中にはイノベーションに対して怪異的だったりとか、
良くない認識を持っている人からすると、
金ばっかりかかって大した結果出ない、
意識高い人たちが遊んでいるだけのことでしょうってなるので、
会社のためのイノベーションのためにやりますって言ったときに、
ポジティブな人はどんどんやったりじゃない、
ネガティブにイノベーションっていうキーワードに対して、
ネガティブな感情を持っている人は、
どうせやったってうまくいかないよみたいになりがち。
なるほど。
これって本能的にそう感じるので、
デザインする側とかものづくりをするときも、
気をつけるとか、それをちゃんと持たないような進め方をするっていうことをした方がいいってことですね。
なるほど。
難しい?
難しい。
もうちょっと平たく言うと、
ビジュアルデザインをしたときに、
赤って色が好きな人に対して赤をベースにしたデザインをしたら、
すごいポジティブなフィードバックをもらえるけど、
そうじゃない人からするとデザイン微妙だよね。
赤に対してどう感じているかに左右されていることに本人たちも気づいていない。
そういうことなんですよね。
なるほど。分かりやすい。
これ、回避方法でもないんですけど、
これまさに、本当に言いたくないんですけど、
それはあなたの感想ですよねっていう話。
よく聞きますね、それ。
どこかで聞いたことある。
データとか客観的ファクトを添えて説明する、見せるっていうのは重要ですよね。
ユーザーが反応しましたとか、データ的にこういうふうな結果が出てます。
例えばさっきのイノベーションで例というと、
イノベーティブな活動をした結果、
こういうポジティブな結果とこういうネガティブな結果があるけど、
ポジティブのほうがネガティブに上回っていて、
それによって売上利益価格とか等々の数字もポジティブに動いているのがこの世の中なんですよ。
みたいなのを見ると、
自分が監視していたものと意外と違うデータなんだなっていうふうになる。
ちゃんと補足費用というか、データをありうると。
そうです。
デザイナーが一番やっちゃいけないのが、
クライアントとかユーザーの感情的に、
いいと思えるか悪いと思ってもらえるかだけに頼るっていうのは一番危ないんですよね。
どう思いますかっていうのが一番ダメで、
これやるとこういう結果が求められるんですけれども、
この結果でよろしいですかみたいな、
そっちに目を向けないと、
この感情的に浄土・ヒューリスティックというのに
左右された判断が上がってきちゃうと、
個人の感想をベースにしたフィードバックになると。
なるほど。
それが一つ目でした。
サンクコストの、ちょっと待ってくださいね。
まさかの漢字が読めないというね。
コンコルド現象とも言われるんですけど。
いかん、これはなんて読むんですか?
これ語尾です。
語尾ですか、さすが日本人。
ググりましたけど。
サンクコストの語尾というのがあって、別名コンコルド効果とかコンコルド現象って言うんですけれども、
何かしらに時間とお金を使うと、それがやめられなくなるっていうバイアス。
もしくはもうちょっとやったらうまくいくんじゃないかっていうバイアスなんですけど、
物事に時間とお金をかけるとどうにかなるケースとならないケースっていうのがあるんですね。
特に時間かけても結果変わらないものになるんですよね。
特に時間かけても結果変わらないものに対しても、
いつの間にかどうにかなると思ってしまうのが一番大きなバイアスだなと思ってて。
それがあれですよ、ギャンブル。
パチンコとかカジノとかって、
パチンコとかが回ったりルーレットが1回回るっていう、
回るたびに勝利する確率って毎回リセットされるから、
3百分の1の率で大当たりしますよっていうのは毎回3百分の1なんですけど、
5万円使って当たらなかった、10万円使って当たらなかったってなると、
そこでやめたら10万円がもったいない、無駄になっちゃうんで、
あと5万円かければ元が取れるかもしれないっていうふうに思いがちなんですけど、
それって10万円使わずに5万円かけてるのと全く勝率変わってないんですよね。
でもそこまでぶっ込んじゃったから取り返さなきゃっていう、
参加コストっていうのは沈むコストなので失うお金なんですけど、
それを取り返そうとするがゆえに、よりあり地獄にはまるみたいな。
で、コンコルド効果って言われる理由は、
コンコルドっていう飛行機が昔あって、
簡単に言うとすごいお金をかけて作るプロジェクトが途中で、
これこのままやってても全然儲からないプロジェクトかもしれないって気づいたんですけど、
その時点で相当な何十億ってお金を突っ込んじゃったんで、
ここでやめちゃうとその何十億を失っちゃうから、
とりあえずそのプロジェクトを最後までコンプリートして、
世の中に出してロスを減らそうみたいなことにしたらしいんですけど、
それロス減ってなくて増えてるんですけど、
でもそこで中断すると100%失うっていうバイアスかかっちゃってるものだから、
とりあえず完成まで行く、そうすればどうにかなんじゃねえかっていうバイアスにはまっちゃう。
これって企業のプロジェクトとかでもデザインとかでも結構はまりがちなケースでして、
途中まで作っていって、
ユーザーテストしたりとかフィードバックもらったりとかデータ見た時に、
どう考えてもこれヒットしないだろうっていう算段がついても、
そこまで時間と労力かけちゃったから、
この前話したエピソードのピボットができないっていうか、
こだわりとか愛着っていうか湧いちゃって、
参加コストを損切りができなくなってる状態にはまりがちっていうことなので、
そこを冷静に考えれるようにした方がいい。
ボツにするっていう、デザインをボツにするっていうのも重要で、
デザインのレビューとかフィードバック話した時にたまに言う人いて、
いやでもこれ2ヶ月かけてデザインしたんでとかって言ったりするんですけど、
客観的に考えたらそれってユーザー化したらどうでもいいことなんだけど、
いやせっかく今まで2ヶ月かけてこのぐらい予算を使ったんで、
今更ボツはっていう話とかたまにあるんだよね。
ボツにすると結構勇気響きますからね。
頑張ってるから、余計に。
そうだよね。
それ、人間関係もそうなんだよね。
深い。急に。はい、どうぞ。
関わっちゃいけない人にはまり込む心理って多分、
それまで自分が費やしてきた時間と感情がもうそこに入っちゃってて、
もうそれを失うのが怖い。サンクコストが怖い。
素晴らしいタイミングですね。聞いてよかったですね。
参考にして。
損切りした方がいい時もあるよ。
思い当たることがちょっとフワッと今出てきて。
サンクコストですね。
深掘りはせずに次に行きましょうか。
ラストですね。