1. セミラジオ ~生き物とサブカル~
  2. ヘンリー・ダーガーと彼のヴィ..
2024-09-05 20:02

ヘンリー・ダーガーと彼のヴィヴィアン・ガールズ

世界最長の物語を書いたヘンリー・ダーガーという人についてお話しました!


・世界最長の物語「非現実の王国で」

・ヘンリーと彼のヴィヴィアン・ガールズ


作家ヘンリー・ダーガー: 非現実の世界に生きた。(note/artoday - chiaki )

https://note.com/artoday/n/n3daa5765191d


ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で(書籍/amazon)

https://amzn.asia/d/3ZcTTKs


ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる(書籍/amazon) https://amzn.asia/d/3KRvgig


【お便り&お知らせ&グッズ】


セミラジオお便りフォーム ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://forms.gle/e356yHPcm8P2Qy2A8⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠


せみやまのX(ツイッター)

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/semibloger⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠


セミラジオのグッズ(ステッカー・Tシャツ)

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://suzuri.jp/semiyama⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠


【音声素材】

下記サイトの音声素材を使用させていただきました。


Howling-indicator

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://howlingindicator.net⁠⁠⁠

00:03
みなさん、こんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、せみやまです。 今日は世界最長の物語を書いた
ヘンリー・ダーガーという人についてお話ししたいと思います。 前回は特撮の古典、初代ウルトラマンについてお話ししたんですが、
3つ感想のお便りをいただいているので、ご紹介したいと思います。 こちらサンセツコンさんからXのDMでいただけました。
読み上げますね。初代ウルトラマン回、拝聴しました。 子供の頃、ソフビを親に1体しか買ってもらえず
かっこ、しかも帰ってきたウルトラマン かっことじ、集めて並べて遊びたいのに、親は何にも子供の気持ちをわかってくれないな
と、トラウマを抱え、キタロウの指人形セットや金消しのフルセットみたいなおもちゃを欲しがってました。
シーボーズのお話は、暴力以外でも地球を救えるというメッセージが込められた 貴重な回でしたね。
ただ空に帰りたくてダダをこねるシーボーズに、ロケットに乗って帰ってほしいのに、理解してもらえないと困り果てる
ウルトラマンの様がすごく印象的でした。 とのお便りをいただきました。サンセツコンさんありがとうございます。
サンセツコンさんは子供の頃好きだったウルトラマンのソフビを1体しか買ってもらえなかったということなんですが、
これって帰ってきたウルトラマンの主役の、その帰ってきたウルトラマン本人のソフビってことなんですかね?
それとも帰ってきたウルトラマンという作品に出てた怪獣のうち1体しか買ってもらえなかったんでしょうか?
どちらにせよ、ウルトラマンや怪獣のソフビなんて特撮好きの子供にとっては、あればあるほど嬉しいものですから、
1体しか買ってもらえなかった辛さ、物足りなさは想像できますね。
サンセツコンさんは、親は何にも子供の気持ちをわかってくれないなというトラウマを抱え、とまで書かれてますし、
実際に今でもそのことを覚えていて送ってくださったわけですし、本当に残念だったということですよね。
僕も子供の頃怪獣のソフビは好きで持ってましたね。
今もウルトラセブンのメトロン星人のソフビを持っていて窓辺に飾ってますね。
ソフビの悲しい思い出ということで思い出すのは、子供の頃ウルトラマンタロンに出てきたタイラントという怪獣のソフビが好きで、
03:02
ある冬の寒い日にそのタイラントという怪獣のソフビをなんとなく手に持ちながらストーブに当たってテレビを見てたんですが、
ふと気づくとそのタイラントのソフビが電気ストーブの熱によってぐにゃぐにゃに変形していて、思わず変な声が出てしまうほど驚いたんですけど、後の祭りで。
なので前回もお話ししたウルトラマンダイズテンという昭和ウルトラマンの怪獣がフルカラーで掲載されている本を読み返すたびに、
ああ、タイラントには申し訳ないことをしてしまったな、という気持ちに駆られてましたね。
そして前回お話しした手違いで地球にあってきてしまったシーボーズという怪獣の回、サンセスコンさんもご覧になってたんですね。
そう、ウルトラマンはシーボーズをロケットで宇宙の怪獣墓場に返してあげたいのになかなか伝わらなくて、シーボーズが子供みたいにダダをこねるところをなだめすかして、どうにかロケットまで誘導するんですけど、
すごく平和的に解決していてほっこりする良い回でしたよね。
というところでサンセスコンさんお便りありがとうございました。それでは本編に行きたいと思います。
今回は非現実の王国でという世界最長の物語を書いたヘンリーダーガーという人についてお話ししたいんですけども、
この非現実の王国でという作品は正式なタイトルを非現実の王国として知られる地におけるビビアンガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコーアンジェリニアン戦争の嵐の物語と言いまして、
全部で15,415ページにもなる世界最長の物語になります。
一つの作品で15,415ページあるんですよ。
すさまじい大作なんですけど、そんな世界最長の物語を書いた人にしてはヘンリーダーガーという人の名前は知られてないんじゃないかと思います。
それにはいろいろと理由があるんですが、そもそもその非現実の王国でという作品はヘンリーダーガーが誰かに見せるために書いていたものではなかったんですよね。
06:04
彼は自分の作品を誰に見せることもなく、ただただ自分のためだけに書いてたんです。
ヘンリーダーガーは1892年アメリカのシカゴに生まれ、40歳の時にシカゴのウェブスター通り851番地にアパートの一室を借りて、それ以来40年間をそのアパートで暮らしました。
生涯独身でした。ヘンリーダーガーはかなり内気な性格で、家族も友人もおらず、誰かに話しかけることも滅多になかったそうです。
たまに話しかけられた時は丁寧に返事をしてたんですが、その内容は主に天気の話だったそうです。
彼は病院で清掃の仕事をして働けなくなってからは社会保障による年金生活を送っていました。生活はかなり苦しかったようです。
ヘンリーダーガーは1973年に亡くなったんですが、彼の死後に公のネイサン・ラーナーという人がヘンリーの部屋に入ったところ、そこで発見したのがその非現実の王国でという世界最長の物語だったんです。
非現実の王国での原稿はすべてタイプライターで精書され、7冊は製本済み、8冊が未製本でした。
さらに物語の差し絵として描かれた絵を閉じた3冊の巨大な画集も見つかり、数百枚の絵の中には3メートルを超える長いものもありました。
王やのネイサン・ラーナー氏はヘンリーダーガーのことをこんな風に描写しています。
病院での事故の後、何年もの間膝を患っていたがとうとう階段の登り降りができなくなると、ヘンリーは私にカトリックの老人養護施設を世話してくれるように頼んだ。
私はヘンリーが収容された施設にたびたび見舞いに行ったものだが、そこはピカピカに磨き上げられた清潔なタイルとテレビセット、おしゃべりな人々に囲まれた別世界のような場所だった。
ヘンリーは頭をうなだれ、縮こまった姿勢で部屋の片隅にじっと座っていた。
09:00
周囲からは全く切り離され、明らかに怯えているようだった。私の方を見ようともしなかったし、何度面会に行っても私が誰かさえわかっていなかったようだ。
ヘンリーはその人生をアパートの部屋に置いてきてしまったのだろう。数ヶ月後に亡くなった。
彼の部屋に残されたガラクタの下に隠されていたものを目にするまで、私はヘンリーが自分自身の中から作り出した驚異的世界を知り得なかった。
このことを思い出すたび、私は今でも謙虚な気持ちにさせられる。
ヘンリー・ダーガーの人生の最後になってようやく、私は足を引きずって歩くこの年老いた男が本当は何者だったかを知ったのである。
そんな風にして発見された非現実の王国でとはどういう作品なのかなんですが、題名にも入っているビビアンガールズという7人の少女戦士と少女戦士たちを奴隷として扱う邪悪なグランデリニアン軍との戦いの物語です。
ヘンリー・ダーガーは南北戦争マニアで、グランデリニアン軍の兵士の服装は南北戦争当時の南軍の制服のデザインをアレンジしたものでした。
主人公のビビアンガールズは、5歳から7歳の7人姉妹で、善良な心を持ち決して年を取らない、そういう風に設定された女の子たちです。
非現実の王国での写真絵では、奇妙な姿をした化け物、人の顔をしたキメラ的な生物、独自の奇妙な植物などが色鮮やかに描かれています。
ヘンリー・ダーガーはキャラクターのイラストを描く時に、シンプルにフリーハンドで描くということはしていなくて、彼は新聞や雑誌に掲載されていた少女のイラストや写真を大量に切り抜いてコレクションしてたんですが、それらをトレースしたりアレンジしたり、あるいはコラージュして彼の作品世界に取り込んでいました。
主人公のビビアン・ガールズも7人の少女ですし、非現実の王国ではビビアン・ガールズ以外にもたくさんの少女が登場します。少女と兵士と化け物しか存在しないような世界なんですよ。
12:03
ヘンリー・ダーガーの少女という存在への執着心は凄まじいものがありました。そしてヘンリー・ダーガーの作品に登場する少女には一つ特徴がありまして、彼の作品にはしばしばゼンラの女の子が描かれてたんですが、その股間には必ずチンチンが描かれてたんですよね。
と言っても生々しいものじゃなくて、言ったらクレヨンしんちゃんとか、もっと前の作品で言うとおぼっちゃまくんとかああいう感じのなんですけども、これについてはヘンリー・ダーガーが男女の性差というものを知らなかった可能性がありますが、はっきりしたことはわかりません。
ヘンリー・ダーガーはもともとは服を着ている女の子のイラストをトレスして、わざわざゼンラにアレンジしたりもしていました。
また当時広告に使われていたちょっと性的なニュアンスのある女の子のイラストを大量に収集してもいました。彼にとってはそうする内的な理由があったんだと思います。
よりはっきり言うとヘンリー・ダーガーにとって少女というのはそういう性的な興味の対象であり、一方で信仰の対象でもあったと思います。
彼はまた実生活でも少女と暮らすことを夢見て養子縁組を申請したりもしてたんですが、子供を養うための収入のないダーガーに里親の許可が下りることはありませんでした。
彼はより一層自分の生み出した創作の世界に没頭していくことになりました。
彼が少女に執着を燃やすことになった理由の一つには、彼の老いたちが深く関係しているかもしれません。
彼が3歳の時に妹が生まれたんですが、母親は出産時の感染症のために亡くなってしまい、さらに妹は養子に出され、幼いヘンリーと妹は離れ離れになってしまったんですね。
この体験が彼の生涯に影を落とすことになりました。
その一緒に暮らせるはずだった母親と妹を同時に奪われてしまったという体験が、彼が非現実の王国でを生み出す原動力になったんだと思います。
15:05
非現実の王国では、現実とも深くリンクしていて、作品中にはジャック・エヴァンスというダーガーの理想的な分身とも言える存在が登場するんですが、このジャック・エヴァンスの息別れの妹というのが、実は主人公のビビアン・ガールズたちの母であるという設定もあって、
非現実の王国でが、ヘンリー・ダーガーの内的世界、こうあってほしいという世界を反映していたことが感じられます。
一方で非現実の王国ででは、大勢の少女たちが無惨に殺されているという凄まじい絵も描かれていて、ダーガーの内面と作品世界の混沌を感じます。
4歳で母を亡くし、妹と離れ離れになったダーガーは、8歳の時に父が体調を崩してからは、キリスト教系の施設や精神的に障害を抱えているとされた子供が収容される施設を転々としました。
高い知的能力を持っていたダーガーだったんですが、周囲とうまくコミュニケーションを取ることができず、そういった施設に入れられることになったようです。
16歳の時に父親が亡くなり、それ以来彼は天外孤独の身となります。
翌年には施設を脱走し、いろんな病院を転々としながら清掃の仕事で食いつなぎ、さっきもお話ししたように40歳の時にその後40年を暮らすアパートの一室を借りることになります。
そして1972年80歳の時に老人養護施設に入居、その翌年に亡くなっています。
彼の死後、彼が残した大量の作品を見つけた公のネイサン・ラーナーは、彼自身写真家でありアーティストで、
ヘンリー・ダーガーの作品が美術的に高い価値があると考えて、彼の部屋をそのままの状態で保存することを決めました。
残念ながらダーガーの部屋は2000年に取り壊されてしまったそうなんですが、残されたダーガーの作品は世界中をめぐるアート展でも話題を読んで、世界中のアートファンやアーティストたちの度肝を抜きました。
18:05
僕もヘンリー・ダーガーの画集を持ってるんですが、彼の描いた絵を見てると、彼の抱えていた凄まじい孤独を感じずにはいられません。
親のネイサン・ラーナーがいなかったら、ダーガーの作品はひっそりと処分されて、僕らが彼について知ることも一切なかったわけです。
だからヘンリー・ダーガーの作品に向き合うとき、彼の心の本当に奥深くを覗き見てしまったような気持ちになりますし、
実際そういうことなんだと思います。
ヘンリー・ダーガーのお墓には、親のネイサン・ラーナーが送った墓碑に、アーティスト、子供たちを守りし者と刻まれているんですが、
ダーガーは商業ベースで活動している、いわゆるアーティストと呼ばれる人たちとは、あまりにもかけ離れた唯一無二の存在でした。
僕は彼の生涯、彼の作品に以前から心を揺さぶられてきたので、今回改めてセミラジオでご紹介させていただきました。
セミラジオではお便りを募集しています。
Xのハッシュタグセミラジオや概要欄のフォームからお送りいただけると嬉しいです。
今回はヘンリー・ダーガーと彼のビビアン・ガールズについてご紹介させていただきました。
ご視聴ありがとうございました。
20:02

コメント

スクロール