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2023-06-19 55:42

第121回 16歳の少女が挑む、生死をかけたキャンプ「グレイス・イヤー」キム・リゲット 著

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【今回の紹介本】
■『グレイス・イヤー』キム・リゲット 著 堀江 里美 訳 早川書房
オンラインビブリオバトルでチャンプ本に選ばれた一冊を遂に紹介!
ガーナー郡に住む16歳のすべての少女は、危険な魔力を持つとされ、森の奥のキャンプへ一年間追放される。少女ティアニーが、謎に包まれた通過儀礼〈グレイス・イヤー〉でのサバイバルの果てに見た真実。『侍女の物語』×『蠅の王』のポスト・ディストピア小説!
2023年本屋大賞翻訳小説部門第三位を受賞!

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京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ
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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック




00:03
16歳を迎える全ての少女を待ち受ける、謎の風習、グレイス・イヤー。 生死をかけた1年後、少女は生き抜けるか。
フェミニズム・ディストピア小説と呼ばれる、グレイス・イヤーを紹介します。 どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティは、私大地と三重の2人でお送りします。 文学のプロではない2人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快に、それぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、キム・リゲットのグレイス・イヤーです。 堀江さとみさん役で、早川書房から2022年に出版された本になります。
皆さんこれは、あれですね、例のビブリオバトルでのチャンプ本ですね。
そうですね、これですね、半大ビブリオバトルの堀内さんがプレゼンしてくれた本で、ラジオにも堀内さんゲストで出てくれたことあるんですけども、すごい面白そうに喋りが上手いんで、もう投票で1位になって、確かに面白そうだと。
なんか話聞くと魔力があるとかですね、ということはファンタジーなのかなと思いきや、そんな単純なファンタジーとかではなさそうだと。フェミニズムのテーマとかを扱っていてですね、確か堀内さんが言っていたのが、この男性が読んだ時にどういう感想を持つんだろうかというですね、ちょっと聞きたいなぁというのも言われていて、ということで僕と大地さんで今回このグレイス・イヤー、結構その女性たちが主人公、主役の小説なんですけど、男性が読んだらどう思うのかとかね。
その辺りは今日話したいなとは思いましたね。
堀内さん一押しの一冊なので、ちょっとこれはというところでやろうとなりましたが、グレイス・イヤー自体は正直めちゃめちゃ売れてる印象があって、えっとなんだっけ、2023なのか、本屋大賞翻訳小説部門3位かなとか選ばれてましたよね。
なので、その大賞に選ばれる前から本屋でめっちゃ見るし、結構私がフォローしてるSNSの方々なんかは独力ツイートしてるなとか、独力投稿してるなという印象があったんで、正直めちゃめちゃ売れてるという印象がありました。
そうですね。僕もそれは同じく思ってました。
まあなので、たぶん間違いなく面白い本なんだろうなとはちょっと思っていたところはあるんですけど、改めてね、ビビデオバトルの力すごくて、あのプレゼンを受けちゃうと、ああ読もうってなる。
読んだもう一発目の感想としては、エンタメ小説としてめちゃめちゃ面白かったなっていうところで、映画化が決定してるそうで、まあそれも頷ける。
03:02
本当これはちょっと映像でも見たい作品だなというところ。ジャンルで言うとミステリーなのかね?ホラー?
ホラーミステリー?ホラーソーセージ?なんのかな?かなりあの展開が面白いので、後半はかなり一気読みで止まらない作品でしたね。
で、作品としてはですね、フェミニズム要素が結構強くて、ここに共感をしてしまう人とか、まあ読んでると自身の体験に結びついちゃう人も結構いるのかなというところがあって、この辺りもおそらく売れてる要素の一つかなとは思いますね。
ちょっとこの部分多分触れていくんですけれども、ちょっと我々男性2人で語っていいのかどうかっていうちょっと怖い部分でもちょっとあるなと思いながら、今日ちょっと話させていただきたいと思います。
僕はすごい設定が面白いなと思いまして、世界観もすごく独特で、この後話していくんですけども、最初数十ページぐらいは世界観にちょっとついていくのにちょっと慎重に読んでいきましたけど、
その後ですね、すごい面白い展開になっていくと、まあそこからだんだんちょっとホラーミステリー、ホラーサスペンス要素が出てきて、まあ一気読みしていったんですけども、まあすごい面白かったです。
で、これをフェミニズム要素強いんですけど、なんかそのフィクションとしてこの作品を対岸の舵として眺めているのか、結構現実の中でそういえば身近にもあったなって置き換えて読むか、
なんかこれ読んだ人によってだいぶこの小説に対しての印象って変わってきそうだなとは思いましたね。
お話として単純に面白いっていうのはあると思うんですけども、まあその感情移入というかですね、そういうところは結構人によってなんか差が出てきそうだなという、まあそういうのはちょっと思いましたね。
引っかかるポイントが多分だいぶ違うだろうね、これね。
今回はですね、なかなかいろんな要素があるので、これネタが分かっちゃうとですね、結構楽しみをだいぶ奪ってしまう部分があるので、ネタバレなしで話していきたいと思いますので、まだ読んでない人も安心してお聞きください。
そうですね。で、読んだよっていう人はですね、僕らもネタバレはしないんですけど、独語感ですね。読み終わった後、どういうものが残ったとかですね、気になったとか、なんかそういう話はするので楽しんでいただけるかなとは思いますね。
ではですね、著者のキム・リゲットさんの紹介を簡単にしたいと思います。
アメリカ出身の方で、もともとミュージシャンですね、ロックバンドのバックシンガーとかを勤めていた方で、40代の時ですね、結婚されて子供さんもいてっていう、確かね最初子供さんに読み聞かせるためにストーリーを書いていたんですけど、まあそれがだんだん小説になっていって、小説家デビューになったっていうですね。
もともと小説家になろうとして書いたというよりかは、子供のためにっていうところから小説家になっていったという方で、で、グレースイヤーが長編5作目で、これがすごくベストセラーになって、ハリウッドで映画化もされる、まあそういう予定があるっていう、まあそのような作家さんですね。
06:14
で、キム・リグレットさんは一応ジャンルとしてはヤングアダルトの作品を書かれている方で、で今回のグレースイヤーも一応どうなんですかね、YA文学って言われる、まあヤングアダルトに当たるのかもしれないんですけど、まあただ内容的には結構大人向けなものかなとは思っています。
で、あとちょっとホラーとかもね書いているんですけども、まあ今回作品もちょっとホラー要素があるかなと。たぶん小説より映画化された時、映画の方が絶対怖いなぁと思うような、ちょっとそのような著者の方ですね。
じゃあ具体的に先紹介いきましょうか。あらすじを私の方からお話しします。
というのが本のあらすじで、ちょっとこれだけだと怖そうだなっていう印象しか持たないと思うんですけど、まあこの後いろいろ語っていきます。
このグレースイヤーなんですけども、ディストピア小説っていう風にですね、ちょっとあの触れ込みで言われていたり、なんかそのフェミニズムディストピアとかですね、言われていて、絶望的な世界を描いているんですけども、
で、その中にそのまあ男尊女卑が結構極端な世界を描いていて、なんでそんな女性がその差別されるような世界なんだっていう。で、なんで著者がこの話を書いたかっていうのがですね、あのまあ最後本の写真で説明されていて、
実際この作者の人が駅のホームで電車待っているときに、1人の女の子13歳か14歳ぐらいの女の子がいてですね、その少女なんですけど大人の女性にも変わりつつあるような、まあそのような雰囲気を漂わせていて、
で、そこにですね、ビジネススーツの男が通りかかったときに結構ですね、その女の子を舐め回すような、なんかその獲物を狙うかのようなですね、視線でじっと見て、
で、一方で女性1人の、これ大人の女性が通りかかったときに、少女がちょっとエネルギーを放っているというか、女性が嫉妬なのか軽蔑なのかなんかわかんないですけど、しげしげと眺めていると。
なんかある意味そのこの女の子はもう少女というよりかは、なんか女性としてのライバルなのだみたいなですね、ふうに眺めているっていうのをですね、この著者のキム・リゲットさんがそんなある光景を駅のホームで目にして、
09:12
なんかすごく思うところがあって、まあ、それって個人的なアレというよりかはですね、そういう少女たちを商品のように扱う社会への抵抗として、やっぱり今もその女性の社会進出とか、差別をなくす動きってこの時代の流れとともに進んではいるんですけど、現実問題、やっぱりそのまだ社会は女性を商品のように見ているところがあるっていうのをですね。
それはちょっとあのインタビューでそういうふうにちょっと語ったところから今の引用したんですけれども、というのでそのこの作品ですね、この世界観であったりプロットっていうのが生まれたっていう語っていて、なんです、もうものすごくあのフィクションで極端な世界描いてるんですけど、でも始まりはその本当に現実で目にした風景から生まれたっていうですね、ちょっとそのあたりは結構フィクションなんですけど、現実と重ね合わせて作られたものなんだなっていうので、特に著者の写真とかインタビューとか読むと感じましたね。
そうですね、この一瞬のことからまたたく間にプロットを描いたみたいなエピソードは、すごくそのこのキム・リゲットさんがこのことをなんか世に生み出さなきゃいけないみたいな強い気持ちを感じますよね。
ちょっとそんな経緯がある作品ですが、これからちょっとあのいろいろこの作品について話していきたいと思います。
まずですね、ちょっとこの作品の特徴とか魅力をですね、3点ほどお話ししてからストーリーの方にちょっと入っていきたいと思います。
まずですね、何を置いてもおそらくこれが一番最初に来るだろうなと思うところは、緊迫したストーリー展開ですね。
本当これ導入からラストまでですね、読ませるかきっぷりっていうのは本当徹底してるなと思ってまして、
1文目の誰もグレースイヤーの話をしない禁じられてるからだという文章から始まるんですけれども、
この時点でもう結構引きが良くて、最初のこれ秋冬夏春っていう感じで章が進んでいくんですけど、
最初の2ページ分ぐらいかな、その秋に入る前の2ページ分ぐらいの文章がかなり印象的で、
そこからもうどんどんどんどん話が始まっていくと展開が良いので、ラストまでぐいぐい読ませてくれたなと思ってます。
で、グレースイヤーちょっとあらすじで話しましたけど、これキャンプに主人たちが行くんですけど、
そのキャンプ地で起きる展開がですね、かなりスリリングで、これはもう精子をかけたものになるし、
結構人も知るので、ちょっと怖い部分もあるんですけど、その辺りも引き込まれてしまう部分で、
私は結構キャンプ地に入ってから一気読みかな、一気読みしましたね。
まあ一回ちょっと睡眠挟みながら、一回寝て朝起きて、その後昼にまでかけて一気読みしましたっていうぐらいですね、なかなか面白い本でしたね。
で、ちょっと思ったのは、ちょっと人が結構知るので、この辺の描写とか、まあホラー小説までいかないんですけど、
12:00
怖いっちゃ怖いので、苦手な人はもしかしたら苦手かもなっていうちょっとアラートはしておきたいなと思います。
思った以上に人死んだなっていうのは僕も印象的に思いましたね。
これはでもやっぱり映像化の方がやっぱ怖いですね。死に方もね、ちょっとね、
こうエグいもんな。
エグい死に方とか、なんかそういう人の死体が出てきたりとか、そういうのあったりするんで、キャンプというかもうなんかサバイバルですよね、本当にもう。
僕見たことないんですけど、バトルロワイヤルとか、なんか生きるか死ぬかとか、それが合ってるかわかんないですけど、なんか勝手にそんなのに近いのかもっていう印象は感じましたね。
最近で言う、最近でもないかもしれないけど、なんかアート書きかな?に書いてあったハンガーゲームとか映画の近いみたいな印象ですね。
ハンガーゲーム見たことないんですけど、ある場所に集められて、本当に生きるか死ぬかみたいな生活を1年間送るっていう、そんな緊迫したストーリーですよね。
あと、これはやっぱりミステリーの要素も強いので、このグレースイヤーっていうのは何なんだっていうこと、それに対してですね、主人公が疑問に思っているので、このグレースイヤーの秘密とか謎みたいのにどんどん迫っていくんですね。
そのあたりもかなりミステリー要素が強いので、個人的にこのあたりは絶対エンタメ小説好きは絶対ハマるポイントだろうなと思ってます。
グレースイヤーっていうのはすごく大きな言葉だと思うんですけど、作品に出てくるいろんな要素に伏線回収があってですね、この辺はやっぱり面白かったですね。
エンタメ作品として最初読んでるとちょっと辛いところもあるんですけど、最後まで読んでいくといろんな伏線があってですね、この辺の作品の作り込みというんですかね。
エンタメ小説としての面白さがすごいあるなと思いましたね。
ちょっとすごい個人的な感覚になっちゃうんですけど、これを読む前に、私今回ラジオを紹介して順番に読んでるんで、この前の前の先がチェベングールというロシアのとんでもない大作で、
その後がアフリカの過去を売る男っていう結構トリッキーな小説を読んできていて、どっちも小説としてはですね、かなりぶっ飛んだものだったなと思っていて、
その感じでちょっと入っちゃったからかもしれないですけど、結構展開はすごい面白いしスリリングで、グレースイヤーは面白かったんですけど、
ただ、ちょっとやっぱり読んでて斜め上を行くような、このソークルみたいなすごいパンチ力のある展開っていうのは、
うまく作られてはいるんですけど、衝撃度としてはそこまで感じなかったんで、読み終わった後なんか知らないけどちょっと不満だったっていう。
これはもう完全に前2作がやばかったっていうところなので、もし我々のラジオをこの紹介した順番で読んでる強者がいたらですね、もしかしたらちょっと同じ気持ちをあげようかもしれない。
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なるほどね。この辺はでもなんか難しいところですね。グレースイヤーは、僕が感じたのはストーリーがどうこういうよりかやっぱり強烈な世界観を入り込めるっていう。
しかも主人公の女の子の一人称の視点で語られていくんですけども、この女の子が常に本当に追い込まれている状況で、
で、読んでる側もですね、僕も結構やっぱり読んでる時にすごく心理的に圧迫された感覚っていうのを味わってたんですけども、本当にヒヤヒヤしますし、
そういうところの良さというか、それはやっぱりグレースイヤーが持っている、なんかこの緊迫したストーリー展開が持っている良さかなと思うんですね。
斜め上を行く小説って、そもそもなかなかないですもんね。 そうだよね。なんかちょっとまひいてたなって思って。
読んでる時に、あれなんかなんだこの物足りなさはみたいな。 いや確かにその。
ちょっとね、チェヴェングールとカコウウル男にだいぶやられてましたね。 そうですね。その2つが、そうですね。もう相当な変化球なんで。
久しぶりに普通に面白い土直球の物が来たなって思っただけなんだけど、もちろんすごい面白い小説でしたね。
で、今三枝さんが言った通り、ちょっと2点目はですね、お話ししたいのはこの独特の世界観のある設定ですね。
これで魅力とともにですね、このグレースイヤーという小説が持っている設定をですね、ちょっと説明していきたいと思います。
グレースイヤーというのは、16歳の少女たちをキャンプに行かせるという風習がある。 このガーナーという土地はですね、そういう風習があります。
で、具体的にはですね、どのような場所にあるか全く明かされていなくて、まあその分ですね、これ読み手もそうだし、
まあ主人公ティアニーのですね、想像も掻き立ててくるというようなものになっています。
で、このガーナー以外の周辺の場所っていうのは貧困街というか、なんていうのかな、アウトスカーツと呼ばれてるんですけど、まあバスウェイという意味なのかな。
と呼ばれていて、まあ野良とかっていう表現もされるぐらいですね、なんか貧しいイメージがあります。で、ガーナーに住んでる人たちからすると、ちょっと落ちたイメージという形があって、
まあ、あのちょっとガーナーという場所があって、その周辺にはちょっと貧しい場所があって、でも多分そこを越えるとまた違う世界が広がっているようなイメージがあって、
まあ主人公のティアニーはちょっとそちらをちょっとこう思いを馳せているような部分もありますね。
時代設定も明かされてはないんですが、この魔力というのが信じられているので、イメージとしては中世ヨーロッパみたいなイメージなのかなと思っています。
16歳という年なんですけれども、少女たちの魔力が高まり、なんていうか、それを放たないと清らかな女性になれない、妻になれないという訳のわからない風習が信じられている世界なので、とんでもなくダンジョン上品な世界観だなと。
この魔力なんですけれども、この土地に住んでいる人たちはもう堅くなに信じていて、この魔力がある体というのが高額で売れるということからですね、
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密漁舎というものもいて、このキャンプは1年間ですね、このガーナーの外で行われるので、この密漁舎から狙われ続ける1年間ともなります。
まあざっくり言うとそんな感じなんですけれども、かなりダークな小説で、この設定が故にですね、読者を惹きつけるポイントでもありますね。
そうですね、僕もやっぱりだいぶ惹きつけられた設定で、イメージとして浮かぶのは中世ヨーロッパの魔女狩りとかですね。
うんうんうん。
なんかそういったの重なりましたね。あの本当に女性で疑惑があると、この人はちょっと魔力があるんじゃないかって言うんですね。
それは例えばその夢を見たとか、その夢の内容がこうだったとかっていうのがですね、ちょっとでも噂話で出たら、なんかその裁判みたいなものにかけられて、
まあその議会、まあ議長みたいな人がいて、あれやこれやでもう死刑か、まあもしかその家族というか、なんか一族の人がそういう野良というかですね、
まあより階級の低いところに推奉されるとかですね、ちょっとでも疑いがあるともう一発アウトみたいなものすごい厳しい、でそれを全部男性が取り仕切っていて、
で女性は逆らうこともできないし、自由もないし、極端な世界でなんか生きているっていう。
そうなんですよね。完全に男性側の都合でしかこう成り立ってない世界で、男性側に都合が悪いことがあるともう女性が割り置くっていうところで、
だから男性が新しい妻が欲しいから今の妻を魔力があると、魔力がまだ残っていたみたいなことを主張しちゃって、そしたらもう処刑されるっていうとんでもない世界観なんですけど。
結婚に行っても男性が決めるんですよね、なんか子供を何に産むか、子供の名前どうするかっていうのも男性が決めるっていう。
結婚もね、女性側に選択の選択権がないもんね。完全にある日、ある日というか儀式で妻を選ばれたらもうそうなっちゃうっていう、もうひどい話ですよね、本当ね。
そうですよね、でそれでね、作中でもこの人に選ばれたってなって、こんな汚い男性に選ばれたってなって、もうちょっとショックを受けたりとか、そういうのありましたしね。
というちょっともうやばい世界観ですね。
こういう話をしてるとあれですよ、なんかこの作品、ちょっと日本でも面白いんだろうかってちょっとね、ちょっと思っちゃうかもしれないですけど。
この後ちょっとストーリーとその後にフェミニニューズの文脈のところもちょっと語ろうと思ってるんで、そこまで聞いて読むかどうか判断していただければなと思います。
あとですね、結構これ世界観という面で言うと、表紙、早川さんの、おそらく文庫化すると思うから聞くタイミング読んだら文庫出てるかもしれないんだけど、あの単行本の方の表紙はですね、結構印象的な少女が凛とした形で何かに立ち向かっているような絵が描かれているんですけれども、その周りに花が咲いてたり、あとリボンですね、三つ編みにリボンがついてるんですけど、結構この物語ですね、
21:00
花とかリボン、リボンの色とか結構重要なポイントになってくるんで、これ読み終わった後、この表紙を改めて見ると、ちゃんとこういう要素が含まれてるなっていうのがわかる作りになってるなと思いましたね。
読んでいくとだんだんこの表紙の絵がなんかね、よく思えてきましたね。主人公がもう本当この表紙の絵の女の子に、どんどんなんかそのイメージがやっぱりついてきて、なんかいい表紙だと思いましたね。やっぱ絵が絶対あった方が良かったなと思う。
この表紙を見ただけでも多分顔一人いるそうですよね。結構ね、印象的な表紙ですね。
で、最後にちょっとお話ししたいのがこの登場人物たちですね。この登場人物たちが結構魅力的というか立体感のある描かれ方をしてるなと思っています。
で、基本的にこれ主人公ティアニーという少女の視点で描かれるので、ティアニーの目を通していろんな人物が見えてくるんですけれども、結構ですね、これ脇役にもですね、それぞれの背景やドラマがあって、
結構ですね、そのあたり過誤不足なく描かれている印象があり、この人物を作り込むのも結構うまい小説だなと思いました。
ちょっと全員はもう本当紹介しないんですけれども、主要でいうとですね、やっぱりこの主人公のティアニー、そしてこのティアニーのライバル役というか、ずっと対立し続けるキルステンっていう女性がいるんですけれども、
その2人をちょっとメインにお話ししたいなと思います。 主人公のティアニーはですね、この物語の視点となる人物で、基本的には、
今回このティアニーが16歳を迎えるところから話は始まるんですけれども、このグレイスイヤーという風習にですね、だいぶ疑問に思っています。
そもそもこのガーナーという土地が持つ男性優位な価値観っていうのも疑問に思っていて、ここからちょっと変えたいというか、外に出たいなと思っている人物ですね。
結構ですね、思い込みが強いと言ってしまえばそれまでなんですけど、結構自分が正しいと思っている節があって、これは読んでると全然感情移入していくんで、
ティアニーが正しいっていうのは間違いないところもあるんですけれども、結構他人の意見に耳を傾けない部分っていうのはたびたび描かれていて、
意思は強いんだが、ちょっとそのあたりが弱いかなというような人物ですね。
そうですね、ティアニーがちょっとこっそり見たあの光景は絶対この人がこれをしてるに違いないとか、背後にいる人は誰々に違いないとかってね、
思い込んで、じゃあ背後にこの人がいるんだったらこうしようとかですね、するんですけど、結構思い込みで動いてしまうタイプかなと。
まあでもそれも仕方ないというか、それだけティアニーってすごく追い込まれている状況な人かなと思っていてですね。
それはグレースイヤーっていうキャンプ地での出来事だけではなくて、そもそもこのガーナーで生まれ育った日常の中で価値観に疑問を持ってますし、
結構ね、その土地の中では周りからちょっとね、あの冷たい視線で見られているというか、ちょっと浮いているような女の子ではそのティアニーがだんだん行動を起こしていくというかですね、
24:07
グレースイヤーの風習を通していろんな真実を知っていくんで視野を広げていくと。
で、一人称なんで小説読んでいてもだんだんティアニーの視点の広がりとともにこの作品も広がっていくっていうティアニーのあれですよね。
最初はティアニーってすごい大変そうだって思うんですが、だんだんティアニーがいろんなことを知っていくとともにね、読者もね、なんかその見方も変わってくるんで。
で、もう一人重要な人物としてはキルステンっていうティアニーと同い年のこのガーナーで一番の美人と言われているのかな、そんな感じの女性がいます。
で、このキルステンはですね、同世代の少女たちから圧倒的な支持を集めているんですが、ちょっと自分勝手な面が強いというか、もう自分の思い通りに周りを動かしたいみたいな、
タイプで。で、実際にですね、彼女はそういう影響力を少女たちに与えることができる。お父さんが結構偉い人とかっていう部分もあるんですけど、まあ分かりやすい学校のクラスでいうと仕切り屋みたいなイメージかな。
なんかもう女番長ですよね。だからめっちゃ怖い。なんかヤンキーとかではないんですけど、正直ヤンキーより怖い。
めっちゃね、いじめとかしますし、陰質ないじめもすれば、物理的に殴る蹴るというか、なんか斧で切るみたいなですね、物理的なこともやってくるし、一番綺麗だと言われている女性なんですけど、
正直な一番怖い。自分こいつでもありましたね。
読んでてね、だからもうキャンプにいる時さ、なんか中にはキルステンがいるし、外には密漁舎がいそうだし、超怖えなこの状況。
キャンプのね、一歩境界出るとすごい怖い世界になるんですけど、キャンプの中もキルステンがいるからめっちゃ怖いっていうね。
キャンプ地になんで密漁舎が入ってこないというか、設定で言い忘れちゃったんですけど、魔力が強いのでそこに入ると呪われるっていうことが信じられているので、魔力のある少女達しか入れないんですよね。
っていう状況ですね。その中でキルステンがどんどん主導権を握っていくので、めっちゃ怖えっていう。
キルステンはなんでティアニーを嫌ってるかっていうと、ティアニーが本来結構自分の感覚に従って生きている女性なので、
このいわゆる少女達の輪にもどからあんまり入ってこなかったんですね。そのガーナーにいる時にも。だからこの済ましたやつみたいな感じで嫌っているという状況ですね。
あとは多分直接は書かれてないかもしれないですけど、ティアニーのことを好きな男の子がいてですね、マイケルっていう。
そのマイケルが結局村の議長の息子で、村で一番将来的に偉い人間になる立場なんですけど、
なんていうか、キルステンがマイケルに相応しいんじゃないかと周りからは見られてたんですけど、でもマイケルはティアニーのことが好きだっていう。
27:04
なんかその辺でティアニーのことを嫌ってたり嫉妬があったりとかっていうのもね、おそらくあるんだろうなとは思いますね。
同世代の同い年の女の子たちはですね、30人ぐらい実はいまして、まあ33人いたのかな。この2人含めてキャンプに一緒に行くんで、まあその人たちもですね、まあいろんな人たちがいて、背景まで描かれる女性なんかも結構いますね。
他にはティアニーの家族、父と母、あとお姉さん2人と妹3人だったっけな。
6人姉妹なんですけど、まあそのあたりが描かれたりとか、さっき出てきたマイケルという男の子、あとグレースイヤーの少女たちをですね、キャンプ地に連れて行き、まあちょっとその外でそのキャンプの兵とかですね、ちょっと補修するために留まる警備隊の人たちとかもいるし、
あとさっきからちょいちょい出てきた密漁舎ですね、彼らも出てきて、結構いろんな立場の人たちがいて、この小説を彩っていくんですけれども、まあこのあたりもですね、結構うまく描かれていて、小説としての強度は高いなと思いました。
で、基本的にはこれ何度も言うようにティアニーの視点で描かれるので、最初こう思ってたけど、まあ接してみるとこうなっていくみたいな感じで、そのあたりのストーリーもですね、結構描かれるので、まあこのあたりは本当に面白いなと思いましたね。
あとはティアニーの視点なんで、基本なんかね、村にいる人全員悪者というかね、なんかもう味方、まあマイケル以外味方は誰もいないけど。
ね、なんかね、ちょっとそんな感じでね、あのお父さんお母さんもね、だいぶね、最初ね。
あ、そうです。まあティアニーにすごい厳しいんですよね。なんかティアニーがね、その村の中で浮くようなことをするなっていうね、バルールに従えみたいなね、そういう良心ですし。
ここからはですね、この小説のストーリーを簡単にざっくり紹介しようと思います。
まずあの舞台はガーナー群という土地なんですけど、そこにはある風習がありました。
グレースイヤーと呼ばれる16歳の少女たちが森の奥深くで1年間キャンプをするという、先ほどからの話ですけど、そのキャンプの目的は少女たちの魔力を解き放つことで、
その魔力を解き放って純潔になれば、後に男性たちと結婚をしていったりするというですね。
このガーナーという土地では少女たちに魔力があると信じられていて、その魔力があると男性誘惑したり妻たちを嫉妬に殺したりできるというところで、
なのでね、その悪いものとされていました。
そのガーナーに住む女性たちなんですけども、16歳より上の人たちですね、妻になっている人たちとか全員が妻になっているというわけではないんですけども、
16歳以上の人はグレースイヤーを、その風習というのも経験しているんですけど、ただ誰もそのことについては語らないと。
下の子供がいたりしてもグレースイヤーとは何かみたいな、そういう話は語らないと。それは禁じられているからと。
30:00
というのでグレースイヤーという風習があるけども、すごくベールに包まれた、かなり未知なものとして存在していると。
しかもですね、このグレースイヤーというのが無事に帰ってこれる保証がない、非常に厳しい1年間のキャンプ生活になっていて、
それがなぜかというと、魔力が宿ると言われる少女たちの体には若返りなどの力があると信じられていて、
高値で取引されると。そういう少女の体を狙って密漏者というですね、土地の外の人間というか、そういう人からの盗賊みたいなものかもしれないですね。
標的になると。なのでちょっとキャンプ、森の奥深くであるんですけど、やっぱり危険なところで、ちょっと外に出てくるともうそういうね、密漏者に殺されるんじゃないかというね、
そういう怖さ、そこもあるという。しかもその密漏者というのがもう不気味な存在で、正体不明で、しかもその殺され方もなんかその皮を剥ぐんじゃないかとかですね。
相当残酷なことをされるんじゃないかという。なので、かなり怯えながらグレースイヤーを迎えることになります。
主人公のティアニーはこのグレースイヤーというのに疑問を持っていて、そもそもティアニーもね、16歳に迎える女の子なので魔力があると言われているけれども、ただ自分にそんな魔力が存在するとは思えないと。
この生死をかけた風習も間違ってるんじゃないかと。何よりですね、この男性中心の社会、男性たちから家畜のようにしか扱われない。
この社会に嫌気もさせているというので、この村の中ではその女性は結婚して男性の妻になるっていうのが一つのステータスではあるんですけど、
ティアニーとしてはこの村でそういう結婚して妻になるよりかは、このガーナーというところを抜けて、労働者になってもいいから暮らしていきたいという、そういう願望を持っていました。
とはいえですね、16歳になったら同年齢の少女たちはみんなグレースイヤーの1年間の風習にたび立たないといけないというので、そこに向かいます。
ここからですね、すごくスリーリングが展開になっていくんですけども、そういった森奥に32人かな、32、3人の女の子が連れてこられて、
このラインにはですね、さっき話にあった女番長のキルステンという怖い女性がいて、
キルステンがとにかくみんなの主導権を握っていると、リーダーというかもう本当恐怖で人を支配するようなタイプなんですけど、
キルステンは魔力を扱うことができると。それでキルステンは相手を思いのままに操ることができるというですね、そういう魔力を自分は持っているといって。
あとはですね、他の少女ですね、ガードルードという少女もいるんですけども、この女の子はもともとキルステンと親友だったんですけど、
あることがきっかけでキルステンから嫌われるようになって、いじめの対象になっていたと。
33:00
主人公のティアニーもガードルードと仲が良くて、彼女を助けようとしたりとかね、他にもいろんな少女たちが出てくるんですけども、
いろんな人間関係とか思いとかが交差しながら、グレースイヤーで少女たちがキャンプ生活を始めると。
ただですね、その目的地のキャンプに着いた時に、ちょっとこれもね作品で書かれていたんですけども、前の年もグレースイヤーはあって先輩というか一個上の人たちが参加してたんですけど、
ただ何も残してくれなかったと。トイレはめちゃめちゃ汚れていたし、ベッドもまともなものがなくてもボロボロと。
ベッドも数が足りなくてですね。人が死んだらその空いたベッドを使うようにみたいなんですね。
本当にサバイバルな環境というかもう何もないという。井戸水も水が貴重なんですけども、井戸水もなんか妙な匂いがするような、なんともちょっと微妙な水でというですね。
ただこの前年ですね、一個上の人が何も残してくれなかったというのも、やっぱりこれも作品を読んでいくと。後々その理由というかですね、その辺りも説明されていきます。
そういうので、かなり過酷な環境でキャンプ始まっていくんですけども、驚くことにですね、少女たちがもう次々に魔力を発揮し始めます。
例えばある少女は太陽を動かしたり、またある少女は動物と会話ができたりとかですね、自分はこれをやるって言って、どんどん不思議な魔力を披露し始めます。
ティアニーもですね、自分には魔力はないし、そんな魔力なんておとぎ話なんじゃないかと思っていたんですけど、だんだんですね、その魔力の力っていうのをですね、ティアニー自身も感じ始めてしまうというですね。
このキャンプ生活も、やっぱりキルステンがいるんで、だんだんこの構造ですね、30何人、学校の一クラスぐらいの人数なんですけど、だんだんキルステンがリーダーとしての構造が出来上がっていって、ティアニーとさっきのガードルートというですね、ちょっといじめられた女の子、他にもですね、何人かいるんですけど、ちょっとね、そういう一部の女の子が孤立していくと。
で、さらにですね、ティアニーが一番目をつけられているんで、ティアニーはもうキルステンから、もうこのキャンプからも追放、出て行けとなって、追放されて、で、ティアニーがね、危険なんですけど、森の奥の中で一人で生きていこうとするというですね、そういう展開ですね。
で、この本がちょっとね、500ページ近いんですけど、まだこれで半分言ってないぐらいですよね。ここからまだまだ話に展開が盛りだくさんあって、最後どうなるのかっていうね、すごく面白い話、特に後半一気読みね、してしまったんで。
ここから2点も3点もしますからね。4点ぐらいですか。
そうですね。
そうですね。
正直ね、そう、ティアニーがね、キャンプから追放されたら、もうこれ生きていくのは絶対無理だろう、小説のね、ちょっと半分手前ぐらいでね、ちょっと思っちゃったんですけどね。まだまだ続きがあるっていう。
そうですね。で、だいぶ今大枠の話で、かなり重要な要素は結構、まあ入れつつですね、こう伏線だとか、ネタバレになりそうなところはだいぶ端折って、あのご説明しているので、安心していただければなと思います。
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そうですね。まだあの、そうですね。大丈夫だと思います。このくらいの説明だったら。
ちょうどいいぐらいかなと思いますね。だから実際この200ページぐらいだと思うんですけど、中は結構これだけじゃなくて、結構いろんな話が詰め込まれているので。
で、この後ちょっとこの話、少し印象に残ったとこ話していきたいなと思ってるんですけど、まずは独語感の話をここでちょっとしてみましょうか。
独語感、いや正直どうでしたか?
最後、まあ絶望的な展開も待ってたから、どう最後転がっていくかなと思ってたんですけど、個人的にはこのやっぱりティアニーは、なんか一つも二つも強くなって話が終わったなと思ってるんで、いろんな状況はありつつなんですけど、
このティアニーのこの後、彼女がどう生きていくのか、そこがすごく気になる終わり方だったなと私は思ってますね。
おそらくこのグレースイヤーを終わらせるために動くんだろうなっていうところが描かれるので、そこはだいぶなんていうか、希望はある終わり方はしてたので、
自分としては結構そこはちょっと良かったなと思いつつ、でも実際ちょっと自分はこのグレースイヤーという仕組み自体はなぜ生まれてしまったのかとか、
なんでこんなに信じてるんだろうみたいなのは、やっぱり疑問に思いながら終わったところはありますけどね。
グレースイヤーの歴史も何だっけ、3,40年ぐらいでしたね。確かグレースイヤーの風習ができたので、
なんで意外とこの世界の中では伝統的なものではあるんですけど、そこまで歴史のあるものでもないというかですね。
3,40年前に何かあったのかなっていう。その辺りは明かされませんもんね、このね。そうですね、全くこの今回の小説では明かされていないんですけど、
もしですね、続編とかあったりしたら、過去に何があったとかっていうのは語られそうかなと思いましたし、僕も独語館としてはちょっと希望を感じる部分はありましたね。
すごくディストピアな、本当絶望的な世界観だったんですけど、ティアニーを通してですけど、この世界の見方が変わった人っていうのが出てきたりしてですね。
それがこの未来につながるんじゃないかなっていうね、そういう想像はかけたてられたので。
ヤバいな、これね、あれだね、ちょっと今ネタバレにならないように話したいところが1個あるんだけど。
やっぱりちょっと最後、グレースイヤーを終わらせるレベルまで持って行ってほしかったなっていうのはちょっと。
そこをグレースイヤーを終わらせようとするには、まだまだストーリー必要なんじゃないかなと思ったんです。
今回ティアニーがグレースイヤーを体験して、それを通して自分の人たちと仲間ができたぐらいの話なのかなとは思いましたし、
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イメージだと三部作の一部みたいな。なんかまだそんな長編小説なんですけど、シリーズの中の第一巻ぐらいなのかなみたいな。
映画だと確かにね、続いてきそうな。小説だとどうなのかな。
ちょっとあと、僕がやっぱり読み終わって思ったのはですね、怖い小説だなとは思っていてですね、やっぱり人が殺されたりとかっていうのはあると思うんですが、
本当に怖いのは何かっていうのが、これもですね、ちょっと終盤に書かれていてですね、ちょっと印象的なセリフがあって、
傷つけ合うのはそれが私たちに許された唯一の怒りを示す方法だからっていうのがあってですね、すごい極端な男性が偉くて女性が下手みたいな社会の中で、
女性同士がキャンプで1年間サバイバルをするっていう、すごい不気味な描かれ方をしてるんですけど、
ただ本当に怖いのは何というか、人の内面的な部分ですかね、そういう社会にしてしまってるってところもね、もちろん怖いですし、
極限状態の時に、やっぱりその怒りとかを持ってる時に、傷つけ合うっていうセリフがあったんですけど、そうなってしまうというところとかね、
なんかその人への怖さみたいなものって結構感じましたね。
そうだね、あとこれその構造的にこの怖いという面で言うと、男性が優位になるような構造になってるのに、女性たちはなんか女性たち同士でこう憎しみ合ってるっていうか、
いがみ合ってるっていう構造もすごく怖いなっていうか、いろんな社会構造の中で怒りうる、あのこれ男性女性とかじゃなくて、まあ何だろう組織みたいな、
なった時にも怒りうることかもなーとか思ったり、したら確かにこの人間の怖さみたいなところがありましたね。
あとそれで言うと、俺あのキャンプ地にストーリーでもちょっと出てきたけど、前年の人たちが何も残してないっていうかね、ぐちゃぐちゃなままっていうね。
これはあの、まあこれはティアニーの考え方だけれども、自分たちと同じ苦しみ、何も残されてなかったとこから始めよう、始めてくれっていうことで、
自分たちがこう、おそらくキャンプで作り上げたものとかも全部燃やしていたっていう、まあゼロから始めろよっていう、自分たちと同じようにっていう、自分たちと同じ苦しみを味わせたいみたいな思いがあるっていうのは、もうちょっとすごい怖かったし、
あとこの小説あれだよね、このグレイスイヤーの入れ替わりっていうかさ、この生き残った人たちが、少女たちが帰ってくるのと同時に、あのガーナから旅立つじゃないですか、新しいグレイスイヤーが。
このボロボロになったのを見ながら、そこに向かっていく、この絵面って結構すごいなって思って。
そうですよね。本当に入れ替わりですもんね。
もうなんか消水しきった仙台を見て、なんかもう絶望しかないじゃないですか。すごい構造だったなって思いますね。
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結構現実でもやっぱり重なりそうですよね。ちょっとさっきの、なんかその先輩が後輩に何も残さず、むしろ全部ボロボロにしていったとかっていうのも実際あると思いますし、そういうところって。
いやだよね。まあすげーシンプルなこと言うと、報告書とか会社で会った時に、フォーマットか何か何まで全部残してないみたいなことでしょ。
このグレイスイヤーという風習で、結局残ったものが苦しみとか憎しみとか、だからそういうふうの連鎖になっていくんだろうっていうね。
で、ここから最後ですね。テーマトークという形で、ちょっとフェミニズムについて触れていきたいんですけれども、
グレイスイヤーを読んで感じたちょっとフェミニズムについて、ちょっと我々男性2人ですが、ちょっと話してみたいなと思います。
ここで描かれるのはやはりですね、何度もお伝えしている通り、極端な男尊女卑の世界観なので、結構読んでいると鬱となるような部分がありましたね。
かなりこのグレイスイヤーは本当に理不尽だったなと思いますね。
作品のスタート地点がすでにもう100ゼロの世界というかですね、男性にすべての権利権力が偏っていて、
女性には何もないというか、ゼロの立場っていう。本当に女性は人間として見られていなくて。
あれだもんね、普通に夜勤とかいられるもんね、これね。
ああ、そうでしたね。
男性にとって都合のいいものでしかないっていう扱い方をしている。
完全に搾取される側だよね。
だいぶ、まあちょっと我々男性なんで、ちょっともしかしたら聞いてない部分ってのはもしかしたらあるかもしれないんですけど、
かなりこのあたりは多分読む人によって、おそらく怒りにまで沸騰する人もいるだろうなと思いますし、
自分でさえ、男性の自分でさえなんか虐げられた時の気持ちとかちょっとなんだろう、思い出してしまうような部分もあって、
不当に扱われたというか、誰しもちょっとあると思うんですけど、そういう風に結構リンクしてくるところもあったし、
これはやっぱり、読む人によってかなり感情引入の仕方も変わってくるだろうし、
まあ怒り悲しみっていう感情を呼び起こすこともあるんだろうなと思いながら読んでましたね。
やっぱ実際これが共感とか売れたりするっていうのは、
この物語の面白さの部分プラスこの女性の生きにくさのようなもののところを描いているのはあるんだろうなと思いましたね。
男女差別だけではないなと思うと思いますし、人と人って本来対等と思うんですけど、
そこになんか理不尽なことがあったりとかですね、なんか差別があったりすれば、そういうのもこのグレースイヤーは重なってくると思いますし、
あと僕がちょっと個人的な話なんですけど、最近読んだ本で韓国のSF作家のチョンソヨンさんのエッセイの
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発言する女性として生きるということっていうのをですね、これがチョンソヨンさんがSF作家なんですけど弁護士でもあって、
結構その社会問題に対していろいろ提起している文章を書かれていてですね、そこにはチョンソヨンさんも女性なので、やはりその男女の問題とかですね、
それだけではなくて、いろんなところに対する差別の問題、社会差別があることに対して社会がどのように受け止めてきたのかとかですね、
なんかそのようなことを書かれていて、すごいそういう本を読んだばっかりだったので、僕の中ではですね、差別への意識というところは自分の中では高まっていた状態で今回グレースイヤーを偶然にも読むことになってですね。
そういう意味ではこのグレースイヤーってこの主人公のティアニーってやっぱり最初一人称で、最初ティアニーってすごい思い込みが激しくて視野が狭い状況で、
だから読んでる人からするとですね、もちろんティアニーってすごいかわいそうな立場、女性全体がかわいそうな立場でティアニーもそうなんですけども、
ティアニーちょっと思い込み激しすぎないんじゃないかとかですね、ティアニーそこは大胆に行き過ぎじゃないかと、もうちょっと慎重に、
なんかもうちょっとその空気読んでいったらいいんじゃないかとかですね、思うこともあるかもしれないですけど、ただやっぱり僕もこのチョンソヨンさんですね、読んでちょっと意識高まってたんで、
その全てでも何も変わらないと思っていてですね、やっぱりその団子としても戦っていくというか、団子として声を上げていくっていう、ティアニーのように周りはそこはもう慎重にとか、
っていう空気があったとしても、ティアニーのように抵抗していくっていう、そうしないと社会もそうだし、自分の置かれている立場ですね、もうそうだし、本当変わんないなってすごく思いましたし、
そういう意味ではこのグレースイヤーって、読んでるとすごく特に最初の世界観とか嫌な気持ちになる本なんですけど、ただ僕がちょうどちょっと意識が高まっていた時に読んだんで、
だからこのティアニーからちょっと勇気をもらえたところもありましたね。
あれですよね、クォンの本ですよね。私もちょっと一応手元にあるんで、機にはまだ読んでないですけど、確かにこのティアニーは立ち上がらなきゃいけないみたいな、上がらい続けなきゃいけないみたいな意思はありますよね。
これやっぱあれなんだな、その声を上げなきゃいけないっていうところで言うと、なんか色々今、世界中でも香港のこともあるし、
色んなことってやっぱり諦めちゃうっていうか、自分も変えなきゃいけないよなって思ってることあるけど、でもなんか声を上げ続けられないというか、そういう部分ってあったなって思ったし、それってでも諦めたら終わりだよなっていうのは確かに。
このチョン・ソヨンさんのエッセイで印象的だったのが、発言する権利、発言できる、喋れる時間の長さって男性より女性の方が少ないっていうのを言われていてですね。
会議とかでもやっぱり偉い人が喋って、下の人は聞いてるとかってなるときに、男性の方が喋れる時間が多くて、女性は少ないっていう、まあそういうちょっと傾向が全体的にあったりとか。
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で、あと例えばデモでプラカードで〇〇反対とかって出してるのも、あれって単語一文字、簡単な単語一言二言しか書いてなかったりするんですけど、それもですね。
一種のそういう発言できる機会がないと。本当はちゃんと説明できたら理想なんですけど、そういう機会が与えられてないから、そういうデモとかですね、そういう場でプラカードに一言二言しか書けなくて〇〇反対とやってると。
で、今回のグレースイアンも、もしかするとそういうものかもしれないなと。なんかそのティアニーがやってることって、すごくわかりやすい抵抗ですし、中には。
で、もちろんこの読者はティアニーの一人称の視点でティアニーの内側を知って読んでるんで納得しながら読んでると思うんですけども、
これがもし三人称で別の視点でこういうティアニーみたいなめっちゃ抵抗してくる人がいたとしたときに、なんでその人はそこまでして抵抗するんだと、なんでそんなに反対するのかっていうのを想像したり、ちょっと調べたりするっていう、まあそれ現実に置き換えたときですね、大事なのかなと思いましたね。
そういうのをもし見たときに、一方的にまるまる反対って言っていて、なんかそんなの反対って言っても意味がわからないとか、そんなのどうせ無駄だとか、なんかそういうちょっと突き放した見方に陥りがちなところってちょっと自分の中にはあったのかもしれないなと思っていて、でも本当そういうすごくその単純なメッセージとか単純な行動に現れるのっていうのはやっぱりちゃんと理由があって、
で、今回のグレースエアーもちょっとそこと重なるところあると思っていて、なんでそんな単純化された行動とかメッセージになっていたのかっていうところを汲み取っていくっていうのが、なんかもしそういうのを目にしたときに、まあちょっとこれがフェミニズムも含まれていると思うんですけど、
ね、世の中全体、そうですね、なんか今の社会で生きていく上で、こういう話、前あれですね、行く行った行ってしまったっていうの、ドイツの産民の人の話を書いた。でもやっぱりそういう気持ちになりましたし、
そうだよね、なんか個人的に感じるのは、やっぱり今国とか社会が用意している制度っていうのは、もともと多分そういう権利っていうものを考えられないところ、考えずに作られているものが多分多いので、この今世界的に個々の権利っていうのを認めようっていうとなんかすげー上からなんだけどさ、
あるものとしてちゃんと扱おうみたいな考えが広まっている中で、やっぱりすごくこの現代の言ってしまいはOBSみたいなのがもう全然機能というかうまく噛み合わないんだろうね。だから本当いろんなことが問題になるし、まあ問題になって当たり前なんだけど、本当根本から変えなきゃいけないことが多すぎるから、
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やっぱりどうしてもなんだろう、執行側も執行される側も諦めみたいなモードが多分どうしても出ちゃうんだけど、何にしても変わらないんじゃないかみたいな。でもやっぱりめいさんの話を聞いて、その主張し続けることとか、まあすごく重要なんだなって改めてちょっと思いましたっていうだけですけど、そういう意味で見ていくと確かにちょっとグレースイヤー、また違った輝きを持った作品に見えてくるかもしれませんね。
グレースイヤーという独特な世界観は男性中心の社会が作り上げたシステムだと思うんですけども、その中でもティアニーのようにとにかくも抵抗していくっていう話っていうのは、そうですね、なんかそれが今もやっぱりあるんだなっていう。
だからなんかこのグレースイヤーの始まり方とか、なぜこうなってるのかって描かれてないのは、もう本当それが当たり前としてある社会に我々も生きてるから、そういうことなんだなってちょっと思いました。
そうですね、僕の感覚ではですね、こんなグレースイヤーの世界なんてファンタジーだって思うところは、ある一方でやっぱ想像力というかですね、やっぱり現実問題、目にしたことから生まれた作品なんで、やっぱり今の社会でまだまだあるんだっていうティアニーのように声を上げてる人は絶対抵抗してる人はいますし、そう、なんか忘れてはいけないなっていうね。
じゃあ最後、感想とどんな人に読んでもらいたいかお話しして終わりたいと思います。私から今回ですね、何度も申してますが、一挙見してしまうエンタメ作品だったんだと。いろんな話しましたけれども、面白い作品でグイグイ読ませてくれた作品でした。
で、やっぱりこの虐げられた人たちのこととか、自分が本当にちょっと不当に扱われたりとか、虐げられてしまった時のことを思い出してしまう、そういう感情にリンクする作品だろうなと思っています。
で、またちょっとこの三重さんと今日話した上で読み返すと多分違ったものが見えてくるんだろうなと思うんですが、確実にこのフェミニズムの文脈で読んでいくと迫ってくるものが必ずある作品です。
物語としてはですね、最後、カタルシスもありながら、主人公ティアニーのその先というのが気になってしまう作品だったので、私の中では結構印象に残り続ける作品だろうなと思いました。
読み物として単純に面白かったですし、僕は個人的なホラー映画とか苦手なんで、もし今回これが映画化とかされてもですね、小説のようには楽しめないかもとはちょっと思いました。
ちょっと映画化された時に若干心配を感じましたね。小説で読んでるとね、そこまでの怖さってね、ちょっとはあったなぐらいだったんですけどね。
フェミニズムの要素が非常にあるので、現実にですね、そういったとこで怒りとか、そういったなんで世の中こうなんだって思っている思いを持たれている人なら、より強い感情を持って読めると思いますし、
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やっぱりですね、作者のキム・リゲットさんがなんでこの作品を書いたのかっていうのがですね、やっぱり最後とかインタビューで語られているんですけども、そこに思い馳せて読むとですね、僕の作品の持っている力強さっていうのはより感じれると思いましたし、
そういったところではですね、単純な面白さももちろんあるんですけども、すごいやっぱり感情を高ぶらせてくれるような、そういうすごい力強い本だなと思いました。
じゃあ次回を告知して終わりたいと思います。次回はですね、番外編第4回お便り紹介会を配信したいと思っております。6月3日までにいただいたお便りはすべて読ませていただけますので、お便り出していただいた方お楽しみに。
番組の最後になりますが、メルマガ会員というのを募集しております。メルマガは無料版、有料版とありまして、無料版は毎回のエピソードで長すぎた部分をカットして音源化して配布しております。
もっと我々のエピソードが聞きたい人のためにやっております。有料版はですね、サポーター特典のような形になっていて、我々を応援したい人向けに作ってますので、ぜひ番組概要欄を確認いただいてですね、もし気になったらご登録ください。
番組の完成はリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、読み返しましたのでございましたら、ハッシュタグするとめねこたちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
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ありがとうございました。
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