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皆さんこんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、セミヤマです。
今日は、絶滅していなかった動物についてお話したいと思います。
本題の前にちょっとお知らせがありまして、先日、ポッドキャストのキュレーションサイト、ジャパンポッドキャストピックアップさんに、このラジオ、セミラジオ、生き物とサブカルをご紹介いただきました。
ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです。
ちょっとジャパンポッドキャストピックアップさんのセミラジオの紹介記事を引用させていただきたいんですけども、
ウェブエンジニアが生き物とサブカルをメインに掘り下げていく番組。
ウェブエンジニア生き物サブカルチャー。繋がりがないと思われる方、その通り。
この番組はカテゴリーに分けにくい魅力を持っている。
おすすめ回ではゴトウチキャラクターの動向をとうとうと語っているが、落ち着いた語り口で、
ヤハタイヌとは犬と芋をハイブリッドした生物で突然変異で発生したなどと、非常にシュールでついつい笑ってしまう。
笑ってしまうで反応は合ってるのだろうか。合ってるか。とにかく癖になる。おすすめだ。
はい。非常にシュールでついつい笑ってしまうというお言葉をいただきまして、
シュールでついつい笑ってしまうというのは僕自身意識はしているところではあるので、
最高の褒め言葉をいただきました。本当にありがとうございます。
ご紹介いただいたジャパン・ポッドキャストピックアップさんは、
面白いポッドキャストを知りたい人と自分のポッドキャストを広めたい人のためのポッドキャストのキュレーションサイトです。
始めたばかりのポッドキャストってリアクションがなかなかもらえなくて、モチベーションを維持するのが大変なところがあるんですよね。
でも面白いコンテンツを発信している人はたくさんいるし、面白いポッドキャストを求めている人もたくさんいるので、
そういう中で面白いポッドキャストをキュレーションしてくれるジャパン・ポッドキャストピックアップさんは本当にありがたい存在です。
本当にありがとうございました。
それでは本題の絶滅していなかった動物なんですけども、
僕もともと絶滅した動物というのがすごく好きで、
特に割と近代に滅んでしまった生き物にすごく惹かれるところがあるんですよね。
今は白黒写真とかカロージュで残された標本とかそういうものしか残っていなくて、
想像するしかないけど、かつては人間のそばにいた、そういう生き物がたまらなく好きなんですよね。
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僕は生き物の本が好きでいろいろ買って読んでるんですけども、
自宅の本棚を見た人によく言われるのが、
絶滅動物の本多すぎないっていうことなんですよね。
そんなに多いかなと思って本棚を見てみると、
失われた動物たち、20世紀絶滅動物の記録、地球絶滅動物記、
審判絶滅哺乳類図鑑、世界絶滅危機動物、
絶滅という言葉がタイトルに入った本が本棚に4冊ありました。
世界絶滅危機動物は絶滅した動物の本じゃなく、絶滅危惧種についての本なんですけども、
4冊が多いかどうかは、いや多いよっていう方も、
4冊しかないのという方も、うちも4冊あるよという方もいるのかなと思います。
そんな僕の大好きな絶滅動物なんですけども、
絶滅したと思われていた動物が目撃されたという目撃団って結構あるんですよね。
例えば日本だと有名な日本狼という絶滅した肉食獣がいます。
一応公式には日本狼は1905年に絶滅したということになっているんですけども、
その日本狼の目撃団結構あるんですよね。
日本狼を目撃したという辞典みたいのもあったり、結構本も出ていて。
ただあくまで目撃例のレベルで、実は日本狼生き残ってましたということには現状はなってないんですけども、
ドラえもんにそういう回ありましたけどね。
日本狼が山奥にひっそり生き残っているっていう。
ただ実は近代になってから正式に絶滅が宣言されたにもかかわらず、再発見された動物というのは少なからず存在しています。
今回はそういう生き物についてご紹介したいと思います。
まずはバーバリーライオンという動物についてご紹介したいと思います。
かつてエジプトからモロッコにかけてのアフリカ北部に生息していたライオンの種で、
そのサイズは南アフリカに生息し、こちらも絶滅してしまったケープライオンと並んで最大級だったと言われています。
アトラス山脈など寒冷地に住んでいたバーバリーライオン。
オスの縦髪は黒く大きくとても立派で、まさに最強のライオンといった風格がありました。
ローマ帝国のコロシアムで剣刀師と戦わされていたのもこの種だったと考えられています。
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近代以降狩猟と動物園用の捕獲で数を減らし、1922年モロッコで最後の野生個体が射殺され絶滅したとされていました。
しかし1996年モザンビークの放棄されたサーカスからバーバリーライオンの特徴を持った3頭のライオンが発見されます。
さらにモロッコの元国王の祖父ムハンマド5世の史的動物園に純血種の特徴を持つライオンが生き残っていたことが判明したんですね。
東大元暮らしというか山奥にひっそり生き残っていたとかじゃなくサーカスとか動物園に生き残っていたというのが面白いですよね。
西洋の研究者がどこ探しても見つからないしもう絶滅かなという結論を出した頃に、
バーバリーライオンならうちの動物園にいますけど、32頭ほどという感じでひょっこり発見されるという。
これらのライオンはかつて国内の部族から王への忠誠の証として献上されたライオンの子孫たちでした。
ただこのロイヤルライオンズと呼ばれている個体群なんですけども、過去にサハラ砂漠の以南に生息するライオンの亜種と交配したことがあるようで、
完全に純粋なバーバリーライオンなのかは議論があるようです。
純血のバーバリーライオンの良質なDNAサンプルが少ないこともあって、どの程度純血のバーバリーライオンに近いのかははっきりしていないようです。
モロッコのラバト動物園では全世界で飼育されているバーバリーライオンの血統を受け継ぐ個体の半数、32頭が飼育されているとのことです。
他にもヨーロッパの各地にとかにですね、バーバリーライオンの血筋を受け継ぐライオンは飼育されていて、
どの程度バーバリーライオンの血を引き継いでいるかというのは個体によるんですけども、
そのバーバリーライオンの子孫の約半数にあたる32頭がこのモロッコのラバト動物園で飼育されているということですね。
バーバリーライオンなんですけども、昔手塚治虫のアニメジャングル大帝レオという白いライオンの子供が主人公のアニメがあったんですけども、
そこにもバーバリーライオンのキャラクターが出てきていて、体全体が黒っぽいデザインになってましたね。
その黒いライオンということで、バーバリーライオンめちゃくちゃかっこいいなと子供心に思って、
当時持っていた普通のライオンのフィギュアを墨汁か何かで真っ黒に塗ったりしてました。
小学生の塗装技術だったのであんまりいい感じにはならなかったんですけども、そんなバーバリーライオンでした。
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続いてはロードハウナナフシについてご紹介させていただきます。
こちらロードハウナナフシという昆虫なんですけども、ナナフシっていうのは日本にも生息しているほっそりした木の枝にそっくりな擬態能力を持った昆虫ですね。
その仲間の虫なんですが、このロードハウナナフシは木の枝とかいう生やさしい生き物じゃなく、超ごく太のナナフシです。
体長約15センチ。赤茶色で太くてリクノロブスター、樹上のザリガニと呼ばれていました。
オーストラリア本土から600キロ離れた古島、ロードハウ島に生息していたんですが、
1918年にイギリスの補給船が島の近海で座礁、これがロードハウナナフシの悲劇の始まりでした。
座礁により船に乗っていたクマネズミが島に侵入してしまい、そういう捕食者に対して脆弱だったロードハウナナフシは抵抗する術を持たず、次々と餌にされてしまいました。
このクマネズミの侵入によってロードハウナナフシと5種の蝶類、ナナフシ以外の12種の昆虫が絶滅に追い込まれたと言われています。
クマネズミの侵入後、あっという間に絶滅してしまったロードハウナナフシなんですが、話はここで終わりませんでした。
時代は下って1560年代、ロードハウ島近くの絶壁のこと、ボールズピラミッドを訪れたロッククライミングの一団が、ロードハウ島のナナフシによく似た巨大な昆虫の死骸を発見しました。
このボールズピラミッド、ピラミッドと聞いて想像する以上に切り立った絶壁に囲まれていて、これは本当に上陸するのが大変だったろうなという感じの場所です。
巨大な昆虫の死骸を発見されたんですが、あまりにも険しい地形に遮られて、その後も長らく調査が行われることはありませんでした。
そして2001年、オーストラリアの科学者デビッド・プリデルさんとニコラス・カーリルさんという方が、アシスタントとともにボールズピラミッドに上陸しました。
島に着いた当初はコオロギしか発見することができなかったんですが、島に自生するメラルーカの木の下で、巨大な昆虫の糞を発見します。
そしてついに、夜行性のナナフシの行動に合わせ、夜間に調査したところ、メラルーカの木の下にいる生きた24匹のナナフシを発見しました。
ただし、ボールズピラミッドで発見されたナナフシとロードハウナナフシの残された標本には、外見的に異なる部分があり、同一種ではない可能性もあったんですね。
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ロードハウ島のナナフシが赤茶色で全体的に太くて、特に後脚がすごく太いのに対して、ボールズピラミッドのナナフシは黒っぽく、ロードハウ島のナナフシより細く、後脚もほっそりしていました。
ボールズピラミッドのナナフシがロードハウナナフシと同一種なのかどうかというのは、このナナフシを繁殖して増やしたとき、ロードハウ島に再導入すべきなのかどうかという問題につながる重要なポイントだったんですね。
詳細なDNA分析の結果、両者の遺伝的差異は1%以下で、遺伝的に同一の種であるとされ、再導入計画への弾みになりました。
過去にロードハウ島と陸続きになったことがないボールズピラミッドにロードハウナナフシが以下にたどり着いたかは不明で、流木に乗ってたどり着いたか、海鳥に運ばれたのではないか、などの説が考えられています。
このロードハウナナフシ、飼育家での繁殖が成功しており、2012年4月の時点でメルボルン大学だけで9000匹以上のロードハウナナフシが飼育されているそうです。
知らない間にめちゃくちゃ増えてたんですね、ロードハウナナフシ。
絶滅危惧種のスマトラサイが30頭以下という説もあるので、そう考えるとすごく多いなという印象を受けます。
それとロードハウナナフシの卵って蓋がついた丸い壺みたいな形をしてるんですけども、これ孵化するときめちゃくちゃ大変そうなんですね。
卵が丸っこくて、でも虫は細長いので、これこのラジオのベースになった僕のブログの記事で動画が見れますのでぜひ見てほしいんですけども、
この丸い卵に細長いナナフシがギッチギチに詰まってて、どう考えても入らないだろうっていうところから時間をかけて出てくるんですよ。
圧巻なのでぜひ見てほしいです。
ロードハウ島への再導入が決まったロードハウナナフシなんですが、そもそもの絶滅を引き起こしたクマネズミを殺生剤を使って駆除する計画が立案されました。
ただ殺生剤がもたらす人や野生動物への悪影響、観光地としてのイメージの低下を懸念する島民も大勢いて、すんなりとは決まりませんでした。
それはそうですよね。
最終的にはこの問題、国を二分する国民投票にも連れ込んでしまい、その結果52%の島民が賛成に票を投じて2017年に計画の実行が決定しました。
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僅差、僅差すぎるんですね。
48%は反対ですから。
いやーこれ、あいつあの時反対派だったからなーみたいな嫌なしがらみが至るところで生まれてんじゃないかなっていうちょっと重い気持ちになりますね。
ロードハウ島では2019年からネズミ根絶プロジェクトが本格的に開始し、22,000個の罠が設置され、ヘリコプターで40トン以上の毒物が投下されました。
根絶プロジェクトの開始前はロードハウ島のネズミの個体数は約30万匹と推定されていたんですけども、プロジェクト以降は数を激減させました。
その後どうなったのかを調べてみたんですが、2021年10月にロードハウ島のネズミ根絶プロジェクトについて書かれた記事を見つけました。
それによると2021年4月以降も島全体で約100匹のネズミが発見されているそうです。
間接に根絶はされていないようですが、少なくとも個体数を激減させているのは間違いないようです。
その結果、ロードハウ島の固有種である飛べない鳥のロードハウクイナの個体数が急激に回復し、250羽だったのが約600羽に増えたようです。
人が持ち込んだネズミによって数を減らしていた島の生き物にとっては、その数を回復させるきっかけになったということなんですね。
そんなロードハウ島とロードハウナナフシでした。
続いては日本の固有種、クニマスです。
見た目は全体に黒っぽく、体長30センチから40センチほどの淡水魚です。
このクニマス、秋田県の田沢湖にのみ生息していたんですが、田沢湖の水を利用した水力発電所が建設されたことから状況が一変してしまいます。
水力発電によって流出する水量を補うため、付近を流れる多摩川の水が導入されたんですが、実はこの多摩川の水質は強度の酸性でした。
その結果流入直後、クニマスを含む田沢湖の魚はほとんどが死滅してしまいました。
湖が酸性化したため、酸性に弱い鮭かや鯉の魚類は死滅してしまい、逆に酸性に強いウグイが生き残って、田沢湖の中で優位な種になって大型化をしているようです。
1940年代に絶滅したとされていたクニマスなんですが、70年後の2010年、皆さんご存知のある人物がこのクニマスの物語に登場します。
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それは誰かというと、魚類学者・タレントの坂名くんなんですけども。
2010年、京都大学の中坊哲次教授という方が、坂名くんにクニマスのイラスト制作を依頼しました。
坂名くんは、禁煙酒のヒメマスをイラストの参考にするため、全国からヒメマスを取り寄せたんですね。
そしたら、最古から送られてきたヒメマスの個体に黒っぽくクニマスに近い外見のものがいたため、中坊教授に調査を依頼しました。
そしてなんと、解剖や遺伝子解析の結果、この坂名くんが最古からヒメマスとして取り寄せた魚がクニマスであることが判明したんです。
で、なんで秋田県の田沢湖にしかいなかったはずのクニマスが山梨県の最古にいるのっていうことなんですけども、
実は田沢湖に酸性の水が流れ込むとクニマスが絶滅するということはもともとわかってたんですね。
このままでは確実にクニマスはいなくなってしまう。
なんとかしてクニマスを救いたい、という一心で動いた人たちがいたんですね。
そうした人たちの活動で絶滅前の1930年代に琵琶湖や富山県、山梨県の最古や本須湖にクニマスの卵が移植されていました。
その全国各地の湖にクニマスの卵を移植したという記録は残されていて、
クニマス絶滅後に調査が行われたんですが、その時にはクニマスを再発見することはできませんでした。
しかしこの時に最古に移植された卵が孵化・繁殖を繰り返して、今現在まで生き延びていたんですね。
これすごく素敵な話だと思うんですよね。
クニマスを救いたいという人たちの思いもすごく共感できますし、
そしてなんといっても発見したのはあの魚くんだという、いろんな意味ですごい話だなぁと思います。
クニマスは日本の絶滅動物についての本とか特集なんかでよく知っている存在でした。
なので2010年に再発見された時はものすごく驚きましたし、
しかも魚くんが発見したということでさらにその驚きが倍増しましたね。
そんなクニマスでした。
最後に我が家に置いてある絶滅動物の本のうちの一冊、
この本、NHK衛星第一で放送されていた
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20世紀生き物目視録という番組をベースに書かれた本で、
この番組は絶滅してしまった生き物一種一種について、
絶滅してしまった生き物の一種一種について、
かなり骨太な番組でした。
この本には番組からよりすぐった91種類の動物たちの滅びの物語が収録されているんですけども、
なんとこの91種類の動物たちの滅びの物語は、
この番組についての話を聞いていただけたらとても嬉しいです。
すぐった91種類の動物たちの滅びの物語が収録されているんですけども、
なんとこの91種のうち8種はまだ絶滅していなかったということが現在わかっているんですね。
いやすごいな、いるもんだなぁと思いましたね。
内訳に触れますと、このラジオで紹介したバーバリライオン、ロードハウナナフシと
アスエロチューベイクモザル、バーチェルサバンナシマウマ、ポリネシアマイマイ、
パレスチナイロアケガエル、ネグロスケナシフルーツコウモリ、
ギルバートネズミカンガル、ゴートランドサイイグアナ、別名ジャマイカツチイグアナ、
この8種が絶滅していなかったということなんですね。
ギルバートネズミカンガルについては僕のブログでも詳しく書いていますので、
ご興味のある方は概要欄からご覧ください。
20世紀生き物目視録は現在無料のアーカイブ動画を見ることができますので、
こちらも概要欄にリンクを貼っておきます。
セミラジオではお便りを募集しております。
概要欄のフォームより、ご意見ご感想、こういうネタやってよーとか、
何でも結構ですのでメッセージをいただけると嬉しいです。
今日は絶滅していなかった動物についてお話しさせていただきました。
ご視聴ありがとうございました。