みなさん、こんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、セミラジオです。
今日は、★型生物人でや、その仲間たちの体の仕組みについてお話ししたいと思います。
今回のエピソードなんですが、科学系ポッドキャストの日という企画に参加させていただいています。
これは、月ごとに違うお題についてのエピソードを参加する各ポッドキャスト番組が、毎月10日までに配信するというものなんですけども、
セミラジオとしては、第87回以来の久しぶりの参加となります。今回第142回なので、少し間が空きましたね。
前回は、環境というテーマでセントローレンス川の白イルカについてお話ししました。
科学系ポッドキャストの日では、月ごとにいろんなポッドキャスト番組がホストになって、テーマを決めたり企画の進行をしてくださっているんですが、
今回いつもお世話になっているポッドキャスト番組、工業高校農業部がホストを務めるということで、テーマについても話せそうだったということもあり、参加をさせていただきました。
科学系ポッドキャストの日については、概要欄に追加の情報や、今回のテーマに参加されている他のポッドキャスト番組さんの配信が聞けるプレイリストも貼っておきますので、よかったら概要欄もチェックしてみてくださいね。
というところで、2024年12月の科学系ポッドキャストの日なんですが、今回のテーマはシステムということなんですね。
僕が本業ウェブエンジニアということで、最初はウェブ関係のシステムのお話をしようかなと考えてたんですが、考えているうちに全然違う方向に行きました。
今回は、星型生物人手やその仲間たちの体の仕組み、つまりシステムについてお話ししていきたいと思います。
今回企画に参加ということで、皆さんからセミラジオにいただいたお便り、コメントについては、次回以降にまたご紹介させていただければと思います。
というところで、早速本編に行きたいと思います。
数ある生き物の中から、なぜ人手とその仲間について話すのかということなんですけども、実はずっと人手については話したいなと思ってたんですよね。
きっかけは、今年に入ってから読んだある人手についての記事だったんですが、それがとても印象的だったんですよ。
どういう記事かというと、人手は全身が頭だって言うんですね。
日経サイエンスの2024年6月号にそういう記事が載ってるんですけど、
人手という生き物を真っさらな目で見たとき、明確にここが頭だって指を指せるような場所ってないと思うんですよ。
人手は5本の腕があるというか腕しかないみたいな形をしていて、外見だけじゃなく体の内側の神経系もそうで、人手って人間で言う脳みたいな中枢神経ってないんですよね。
全身くまなく神経が張り巡らされて、体の各所の神経とか反射で動いてるんですが、全身を制御する脳みたいな中枢神経は存在しないみたいで、外見を見ても内部の神経を見ても頭部らしきものはないですよね。
ということで、人手は進化の過程で頭部を失ったんだろうというふうにも言われてきたんですね。
なんですけど、今回発表された研究によると、いやそうじゃないと、人手は頭部がないんじゃなくて全身が頭部だって言うんですね。
どういうことかというと、この研究チームは人手の体の構造を詳しく調べるために、人手の遺伝子と近縁な生き物であるギボシムシという生き物の遺伝子を比較したんですよ。
このギボシムシというのは海底の砂の中に住んでいる細長い生き物で、明確に頭部があるんですよ。
生き物は体の部位によって発現している遺伝子が違うんですが、この発言というのは発生の発に現れるという文字の発言ですね。
遺伝子が稼働しているというような意味になります。
ギボシムシの頭部で発現している遺伝子が人手のどの部位で発現しているかを調べれば、人手のどこが頭部なのかを突き止められると考えたわけなんですね。
そうやって調べたところ、かなり意外な結果が得られたわけなんですよ。
人手ではギボシムシの頭部で発現している遺伝子がほぼ全身にわたって発現していたんですよ。
その反面、ギボシムシの体幹、つまり胴体に関する遺伝子は人手では全く発現してなかったんですよね。
つまり人手は全身が頭ということになるわけなんですが、この記事を読んだ時から人手という生き物が自分の中でかなり気になる存在になりました。
人手という生き物はマイペースに海底を歩き回ったり貝を見つけて食べたり、割と自由気ままに生きているように見えるんですけど、実は全身が頭部だったということでいろいろ気になりますよね。
人手は他の生物でいうところの胴体がなくてもそういうふうに生きていけているわけなんですけど、人手がそれで問題ないということであれば、じゃあ胴体って必須じゃなかったの?何のためにあるの?という疑問が湧いてくるんですよね。
まあ人手って割とシンプルな体の構造を知ってますから意外と頭だけでもいけましたっていうことなのかもしれないんですけど、頭に5本の腕が生えてて海底を動き回れるっていうのがどういうことなのか。
人間の体の構造とか常識とかけ離れすぎててすごく興味をそそられますよね。
人手が頭しかない生き物だと知ってからずっと思っていることがあるんですが、寄生獣のパラサイトみたいっていうことなんですよね。
寄生獣は原作の漫画は80年代末から90年代にかけて連載されたそこそこ古い作品なんですけども、割と近年に映画化やアニメ化もされてたのでご存知の方も多いんじゃないかと思います。
寄生獣ではパラサイトと呼ばれる謎の生物が人間の頭に寄生して人間の頭とそっくり入れ替わっちゃうんですよね。
でパラサイトに寄生された人間は頭部がパラサイトで首から下が元の人間の体という状態になるんですが、
パラサイトはそれまでは人間の脳が行っていた全身への指令とか体の制御を行うことで血液も循環させたり体もスムーズに動かせたりと首から下の体をそのまま使うことができます。
首から下は元々の人間の体を使っているので、このパラサイトも人でと同じく頭部だけの生き物と言えるかもしれません。
まあ海で人でに遭遇してもパラサイトみたいにこの種を食い殺せなどと物騒なことを言って襲いかかってきたりはしないので人安心なんですけども、
そんなわけで人では頭しかないけど特に不自由なさそうに暮らしているということで、僕の中ですごく気になる存在だったわけです。
で、今回科学系ポッドキャストの日のテーマがシステムということで、この興味深い人でやその仲間たちの体の仕組みについて自分なりに調べてみましたのでお話ししていきたいと思います。
まず人でとその仲間たちについてどんな生き物がいるのかざっくりではあるんですがご紹介したいと思います。
どれもかなり個性的な生き物たちです。
人では生き物の系統図の中で極皮動物というグループに分類されてまして極皮の極はトゲ、皮は皮ですね。トゲがある皮を持つ生き物のグループという意味になります。
極皮動物には大きく分けて5つのグループがいまして、まず人で5本の腕を持って海底を動き回る生き物ですね。
星型をしていて英語ではシースター、海の星とも呼ばれています。
宮賢こと宮沢賢治の小説、双子の星でも海の人ではもともと星だったというくだりがありました。
次に蜘蛛人でというのがいます。
これは人でよりはだいぶマイナーな生き物じゃないかと思います。
人での一種ということではなくて極皮動物の中の違うグループの生き物なんですね。
蜘蛛人では人でと同じく5本の腕を持ってるんですが、その腕はかなり細長く体の中央部のバンと呼ばれる丸い板状の部分からその細長い5本の腕が伸びています。
その細長い腕の様子が蜘蛛を連想させることから蜘蛛人でと呼ばれています。
そしてウニ、人でとウニってだいぶ見た目は違いますけど、実はキンエンだったんですね。
全身をトゲに覆われた特徴的な見た目の生き物ですね。
そして日本では美味しい海産物としても大昔から愛されてきた生き物でもありますね。
続いてナマコ、ほぼチューブ状の姿をして海底をゆっくり移動するいかにも無害そうな生き物ですね。
自我を持ったちくわから進化したと思いきや、実はナマコもヒトデやウニに近い生き物なんですね。
そして極秘動物5人種のうち最後となるのがウミウリという生き物です。
ウミウリは植物のような茎とユリの花びらのように見える腕を持った生き物で、
普段は海底に固着してまるで海底に生えるユリの花のようにゆらゆらと揺れています。
なんですがウミウリは劣気とした動物で水質が悪くなったり何らかの理由で移動したくなると、
自分で茎を切って腕を使って歩き出すんですよね。
それまで垂直に立っていたのが海底に横倒しになって、花びらのように見えていた腕を足のようにうごめかせて歩き出すんですよ。
歩くスピードはかなり遅いんですが倍速の動画とかで見ると一見植物にしか見えない生命体が海底を歩いて移動する様が見れるので、
かなりびっくりするんじゃないかと思います。
概要欄にウミウリが歩く動画を貼っておきますので、よかったらぜひチェックしてみてくださいね。
またウミウリの中にはウミシダと呼ばれる茎のない種類もいまして、
こちらはたくさんある腕をアグレッシブに活用して海の中を泳ぎます。
このウミシダの泳ぐ映像もウミシダという生き物の幻想的なビジュアルも相まって、
本当に不思議でこの世のものとは思えない光景なんですよね。
こちらも概要欄に貼っておきますので、よかったら見てみてくださいね。
ということでヒトデの仲間たちである極秘動物は、
ヒトデ、クモヒトデ、ウニ、ナマコ、ウミウリがいるわけなんですね。
どれも個性的であんまり共通点がなさそうに思えるんですが、
実はこの極秘動物たちはどれも語法者相性という体の特徴を持っているという共通点があるんですよ。
語法者相性というとなじみがない言葉だと思うんですが、
左右対称の生き物はたくさんいますよね。
我々人間も基本的な体の構造は左右対称だと思います。
細かいところはいろいろと対称になってない箇所もあるんですが、
基本構造は左右対称ということですね。
それに対してヒトデやウニなどの極秘動物は語法者相性、
ざっくり言うと五角形を基本とした体の構造をしています。
ヒトデなんかは特にわかりやすくて、
5本の腕を持ち、それぞれの腕の頂点を直線で結ぶと五角形になってますよね。
クモヒトでもほぼ同じことが言えると思います。
ウニはどうかというと、
無数のトゲだらけで一見どう見ても五角形なところがないんですが、
トゲを全部取り払った本体にフォーカスすると、
実は語法者形になってるんですよね。
ヒトデもウニも骨があるんですが、
ウニの骨格標本を見ると骨が大きく5つのエリアに分かれていることがはっきりとわかります。
なのでウニも語法者形なんですね。
チューブ状のナマコはどうかなんですが、
ナマコも口を正面に見たとき体の内部構造は、
実は5つのエリアに分かれている語法者形になっています。
ウニよりも腕が分岐してたくさんあるように見えるんですが、
基本となる腕の数は5本なんですね。
ということで一見全く共通点のないように見える極秘動物は、
すべて語法者相性という体の基本構造を共有する仲間たちなんですよね。
それとさっきヒトデやウニに骨があると言ったんですが、
骨についても少しお話ししておきたいと思います。
ヒトデって見た目柔らかそうですし、
軟体動物みたいなイメージがあるので、
骨なんてあるの?と思われる方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
僕も今回調べるまでそんな風に思ってたんですが、
ヒトデもウニも骨があるんですよね。
ヒトデだとほぼ生きたヒトデそのままの形の骨格を持っていて、
日本の海沿いの地域で買えるお土産として、
ヒトデの骨格標本が売ってたりもします。
なので生きたヒトデって触ると意外と硬いんですよね。
そのヒトデそのものの姿の骨格を皮が覆っているという感じになってるんですが、
そんな風に全身を組まなく骨が入っているなら、
柔軟に動くことができないんじゃないかという気がするんですが、
ヒトデの骨格は非常によくできてまして、
硬さと柔軟さを兼ね備えてるんですよ。
ヒトデはある時はがっしりと硬く、ある時は柔軟に腕を曲げるということができるんですよね。
どうしてこんなことができるのかなんですが、
ヒトデを含む極秘動物の骨格というのは他にない特徴を持ってまして、
人間などの脊椎動物であれば、
まず腕とか頭とか体のそれぞれの部位の骨があって、
そこに筋肉がついて表面には皮膚がかぶさってという構造になってるんですが、
ヒトデの骨格はそういう構造とは違うんですよね。
ヒトデでは全身が骨ペンという骨の板、あるいは瓦のようなもので覆われていて、
その骨ペンというのは無数にあって、その骨ペンが組み合わさって全身の骨格を作ってるんですよ。
で、それぞれの骨ペンは筋肉などで連結されてるんですね。
ヒトデはこの構造によってある時はがっしりと固くなり、ある時は柔軟に体を動かすことができるんですよ。
腕をがっしりと固く保持したい時は骨ペン同士をつなぐ筋肉などをがっしりと引き締めれば良くて、
腕を柔軟に使いたい時は緩めればいいわけなんです。
ヒトデはこの独特の骨格構造によって頑丈さと柔軟さの両方を獲得できたわけなんですね。
ウニについても全身を骨ペンが覆っています。
ウニのトゲについては筋肉や軟組織で保持しているので、ウニが死ぬとポロリと取れてしまいます。
なのでウニの骨格標本はトゲなしのおまんじゅうみたいな形をしていることが多いんですね。
ナマコについては一見骨なんてありそうもないように見えるんですが、
実は全身に小さな骨ペンが無数に散らばっていて、
その骨ペンの形が種類によって大きく違うので、種類を見分ける決め手になったりもしています。
ということで極秘動物の仲間たちの特徴としては、
誤放射系の体の基本構造を持っている。
骨ペンを中心とした独特の内部骨格を持っているということになります。
ここからは極秘動物の仲間たちのうち、
ヒトデ、ウニ、ナマコの体の仕組み、システムについてお話ししていきたいと思います。
まずはヒトデの興味深い体の仕組みと、
それを使った行動についてお話ししたいと思います。
ヒトデをひっくり返してみると、
その中心部に穴が開いてるんですが、
これが口になります。
そうヒトデは口がある方を下に向けて海底を歩いてるんですよね。
肛門は逆側の面の中心部についてます。
ヒトデは海底に口がある方の面を向けて、
上に肛門がある面を向けて移動しながら獲物を探すわけですね。
獲物といったんですが、ヒトデの多くは肉食性で、
動きの遅いアサリやホタテガイなどの貝類やフジツボなどを好んで食べています。
で、ひっくり返したヒトデには口から5本の腕の先端に向かって、
ホタイコウと呼ばれる溝が走っていて、そこにはたくさんのクダが生えています。
これがヒトデの足で、クダのような足なので寒足と呼ばれています。
この寒足は水圧をかけることで硬くなったり動かせたりするので、
このたくさんの寒足を動かすことでヒトデは歩くことができるわけなんですね。
また寒足の先端は吸盤になってまして、
さらに糊状の粘着力のある物質も分泌できるので、
ヒトデはこれを使って切り立った壁面なんかにも吸い付いて移動することができます。
水族館でヒトデが垂直なガラス面にくっついているのは、
この吸盤と糊状の物質のおかげなんですね。
糊でくっついてしまったら剥がすのが大変じゃないかという気もするんですが、
ヒトデは自分で出した糊状の物質を分解する物質も出せるということでオンオフ自在なんですね。
またこの寒足は歩く以外にもいろんなことに使うことができます。
ヒトデは狩りをする時にもこの寒足を使っています。
どうするかというと、例えばヒトデの大好物である二枚貝に遭遇した時、
だらしなく貝殻を半開きにでもしてくれていれば狩りも楽なんですが、
普通は天敵であるヒトデに対して二枚貝はぴったりと貝殻を閉じて文字通り自分の殻に閉じこもるんですよね。
これが思春期の少年少女の心とかであれば、
無理やりこじ開けるというのは後々よろしくないケースが多いと思うんですが、
ヒトデにはそんな生ぬるい論理は通用しません。
力でこじ開けにかかります。
ただ、ぴったりと閉じた二枚貝というのはどこにもとっかかりがないですし、
一見なすすべがないように見えますよね。
この時ヒトデの寒足が役に立ちます。
ヒトデは5本の腕で二枚貝を挟み込み、
普段は歩くのに使っている寒足の吸盤を貝殻の表面に吸着させます。
吸盤や粘着性の物質で二枚貝に腕をぴったりとくっつけて、
全身の筋肉でこじ開けるんですね。
貝の方も死に物狂いですから、
そう簡単にはいかないんですが、
ヒトデからすると、実はほんの少しの隙間が空けばよかったりします。
実はヒトデにはもう一つ特殊能力がありまして、
胃を体の外に出して、体の外で獲物を消化することができるんですよ。
これは大きくて飲み込めない獲物を消化する時にも役立ちます。
口に入らないほど大きな獲物も体の外でゆっくり消化すればいいわけですね。
で、ヒトデが二枚貝を狩る時は、0.1ミリも隙間があれば、
その隙間から薄い膜状にした胃袋を差し込んで、
貝をじわじわ弱らせることができるんですよ。
0.1ミリの隙間、ヒトデにとってはそれで十分っていうことですよね。
ヒトデというのはファンシーな見た目で愛嬌を振りまきつつ、
実は恐ろしい捕食者なんですね。
そしてヒトデは高い再生能力、分裂能力も持っています。
天敵に攻撃されて腕を一本失ったとしても、しばらくすると生えてくるんですよね。
また、ヤツデヒトデというヒトデは、主に分裂によって個体数を増やすという芸当をやってのけます。
ヒトデの仲間は5法者系が基本と言ったんですが、
ヤツデヒトデはその例外で、名前の通り基本的に8本の腕を持っています。
で、分裂するときは体の中心部から自ら真っ二つに分かれて、
4本の腕を持つヤツデヒトデ×2になるんですね。
で、しばらくは4本腕のヤツデヒトデとしてやっていくんですが、
しばらくすると腕も再生して、またそれぞれ1匹ずつの8本の腕を持つヤツデヒトデになるんですよ。
人間だとなかなかこうはいきませんよね。
転生したら真ん中のナマコだったんだが、っていうライトノベルとかも辛いですよね。
で、ウニに関しては人手やナマコのような分裂能力は持ってないんですが、ウニもまたいろいろと興味深い体の仕組みを持っています。
まず我々日本人に愛されてきた寿司ネタとしての海産物としてのウニのお話からしたいと思います。
全世界に海産物として流通するウニの約7割が日本で消費されているということみたいで、
日本は世界屈指のウニ消費国ということになります。
日本では大昔からウニが食べられてきまして、縄文時代、弥生時代の遺跡からもウニが見つかっています。
結構独特の味わいの食べ物だとは思うので、好き嫌いは別れるのかなというイメージはあるんですが、僕はウニは好きな食べ物の一つです。
そんな美味しいウニなんですが、実は僕は最近まであのオレンジ色のウニというのがウニの何なのかというのがよくわかってませんでした。
僕は寿司屋に行くとウニとイクラってなんとなくセットで考えるんですが、イクラは鮭やマスなど魚類の卵ですよね。
最近は人工イクラとかそういうものも流通していると聞くんですが、それは置いておいて、じゃあウニは何なんだろうというのは正直考えたこともなかったんですよ。
で、今回資料を読んでいて初めてそれを知ったんですけども、寿司ネタのウニってウニの生殖層なんですね。
ウニの体の中には5つの生殖層が入っていて、寿司ネタとしてお店に並んでいるのはそれだったんですね。
生殖層というと卵層とか生層の総称であって、ウニは子猶異体、つまりオスのウニとメスのウニははっきり分かれているので、
で、オスメスのどちらかからしかウニの果食部って取れないのかというと、そうでもないんですよ。オスからもメスからもウニの果食部は取ることができて、しかもほぼほぼ同じ味なんですよね。
どういうことかというとウニの果食部、つまり生殖層には生殖細胞と栄養細胞という2種類の細胞が入ってるんですよ。
で、ウニっていう生き物はオスメスともに繁殖期じゃない時に生殖層に栄養細胞を蓄えておくんですよ。
このウニがせっせと蓄えてくれている栄養細胞がウニの美味しさの本質なんですよ。
この栄養細胞は何かっていうと繁殖に向けて生殖細胞を作るための栄養を蓄えている細胞なんですよ。
で、ウニは繁殖の準備期間に入ると、そうやって蓄えた栄養細胞の栄養を使ってオスだったら性子、メスだったら卵子を作るんですよ。
溜め込んだ栄養細胞が生殖細胞に変わっていくわけですね。
栄養細胞が減って生殖細胞が増えるほどウニの旨味っていうのは落ちていくわけなんです。
なのでウニの旬っていうのは栄養細胞を溜め込めるだけ溜め込んで、生殖細胞はこれから追々作っていきますっていうその寸前の期間なわけです。
ウニは生殖のために卵子や生子を海に放出して、そこで受精した卵が受精卵になってウニ妖精に成長していくわけなんですけども、
そうやって生殖細胞を出し切ったり、生殖細胞を大量生産して栄養細胞が枯渇した状態のウニは旬を過ぎて味も落ちているわけなんです。
で、ウニがオスメスでほぼ同じ味だというのもこれが原因で、もちろん生殖層で作られる生子や卵子などの生殖細胞はオスメスで違った構造を持ってるんですが、
生殖層の旨味の本質である栄養細胞に関してはウニのオスメスで共通なので、どちらも美味しく食べられるということなんですね。
なのでウニというのは基本的にはオスメスで同じ味なんですが、オスでは生子、メスでは卵子の生成が進めば進むほどオスメスで少しずつ味も変わってくるみたいです。
で、多くのウニというのは海の岩場に張り付いたり海底をゆっくり移動しながら海藻や微生物の破片なんかをのんびり食べて暮らしてるんですが、
ウニの中には海底の砂や泥の中に体ごと潜って砂や泥に含まれる微生物の破片を食べて生きている。
海のもぐらみたいな生活をしているウニもいたりします。
そういうブンブクと呼ばれる砂や泥に潜って暮らしているウニたちのグループがいまして、日本近海にもたくさん住んでるんですよ。
このブンブクというウニのグループ、まあ珍妙な生き物たちなんですよ。
普通のウニだとイガグリのような硬そうなトゲトゲがびっしり放射状に生えてると思うんですが、
このブンブクというウニはほんのりと楕円形で粗い毛のように見えるトゲが生えていて、一見海底を歩くカメのこだわしという感じの生き物です。
何の前情報もなく写真を見せられてウニと即答できる人はほぼいないんじゃないかと思います。
ブンブクの仲間のオカメブンブクという種類がいるんですが、このオカメブンブクは日本各地の海底に多数生息しています。
このオカメブンブクは海底の砂の中泥の中という環境で餌を探すため、いろんな体の仕組みを発達させています。
まずオカメブンブクは呼吸用のシュノーケルを持っています。
海に住んでいる生き物にシュノーケルとは?と思われるかもしれないんですが、
オカメブンブクが暮らしている海底の砂や泥の中というのは水中に溶け込んだ酸素の量がかなり少ないところなんですよ。
なので、いかに海の生き物と言っても手ぶらで言っては息が詰まってしまうそんな場所なわけです。
そこでオカメブンブクは背中側からにゅーっと伸ばした穴掘り用の観測を使って、
自分が潜っている砂や泥の中から海底の表面まで呼吸用のトンネルを掘って、
そこからシュノーケル用の観測を出して、きれいな水に溶け込んだ酸素を吸ってるんですよ。
また、オカメブンブクが穴を掘り進むとき、基本的に前にしか進めなくてバックできないんですが、
自分の後ろにやはり観測を伸ばして穴を掘ることで自分の周りの水の通りを良くして酸素を取り込みやすいようにもしています。
ブンブクはこうすることで豊かな酸素があった海底表面での暮らしから、
酸素の乏しい海底の砂の中、泥の中という過酷な環境に進出できるようになったわけなんですね。
ウニはそんなところなんですが、人でウニときて最後はナマコのお話になります。
先ほどナマコの分身についてはお話ししたので、それ以外のナマコの体の仕組みについてお話ししたいと思います。
ナマコは割とシンプルなチューブ状の体を持った海底の生き物なんですが、
実はいろんな興味深い体の特徴や特殊能力を持っています。
ナマコは体の前端部が栄養分を取り込むための口、後端部には肛門があるんですが、
実は呼吸を行うのは口からではなく肛門からなんですよね。
ナマコはお尻から海水をうーんと言って吸い込んで、
そのお尻から吸い込んだ酸素を含んだ海水を呼吸樹という器官に送り込むことで呼吸をしてるんですよ。
人間だと栄養素を取り込む口と呼吸する口というのは同じ部位を使ってるんですが、
ナマコの場合、栄養素は口から取り込むものの、呼吸は肛門からしてるんですね。
ナマコを呼吸困難でやっつけようと思ったら、口ではなくて肛門を塞がないといけないんですね。
あとナマコは生殖細胞も思いもよらないところから出てきます。
繁殖期のナマコは体内でクビフリンという物質の濃度が高まって、
これが名前の通りナマコのクビフリ行動を誘発します。
日本のナマコで発見されたホルモンなので、日本語混じりのクビフリンという名前がついたんだそうです。
で、何のために首を振るのかなんですが、ナマコの首根っこから生殖細胞、つまり精子や卵子を放出する穴があって、
そこから放出された精子や卵子はクビフリ運動によって広く海に向かって放出されて、
で、海の中で卵が受精して受精卵になり、いずれナマコの養成へと成長していくということなんですね。
ナマコは肛門で呼吸して首根っこから生殖細胞を出すということで、なかなか人間の感覚からはかけ離れた生き物ですよね。
あとナマコのすごい能力としては、敵に襲われた時、内臓を吐くというのがあります。
内臓を吐くことで捕食者を驚かせたり、内臓を身代わりにして自分は助かるということもできるのかもしれません。
ナマコの再生能力のすごさについては先ほども少しお話ししたんですが、
内臓を吐いたナマコも1、2週間ほどで細い内臓が再生し、1、2ヶ月もするとすっかり元通りになるそうです。
内臓が再生するまで食事はできなくなってしまうんですが、特に支障はないみたいです。
ナマコにとって内臓というのは、あればあったで便利だけど、なきゃないでなんとかなるというくらいの距離感なのかもしれません。
ちなみにさっき寿司ネタとしてのウニのお話をしたんですが、ナマコの内臓を塩漬けにしたこのワタも日本では昔から珍味として食べられてますね。
あと実はナマコは中華料理の高級食材としても陳調されていて、中華料理では乾燥させたナマコを何日かかけて水戻しして煮付けにして食べるんだそうです。
ヒトデに関してはサポニンという苦味があり、また毒でもある物質が含まれているので、あまり食用にはされてこなかったんですが、