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皆さん、おはようございます。野菜大好き野菜農家です。
私は岡山県の県北、標高500メートルの山の中で野菜を作る農家をしています。
今日は、これで私たちは長時間労働を脱却したという話をしたいと思います。
これはどういうことかというと、私が以前勤めていた有機無農薬で人参を作る会社にいたとき、
実は最初の頃、とても長時間過密労働に悩まされていました。
中には、精神がおかしくなって自殺しそうになる子や、
睡眠不足で通勤退勤の時、事故寸前で危うく事故を起こしたり、
命を落とす危険があるほどの長時間過密労働がありました。
それではいけないということで、会社も協力して、
働いている側自身も色々勉強したり工夫したりして、そこから見事脱却したという話をしたいと思います。
なぜ今日この話をしようかなと思ったかというと、
私がスタイファイシングを聞いているシストレレ農民のK君という方がいらっしゃって、
その方の配信を聞いていた時に、
農業の経営をする時の生産コスト、時間のコストについて少し触れられていたので、
私も農業の経営の、一応農業の経営者、小規模ではあるんですが経営をしているので、
ちゃんとコストとかのことを意識して、これからそういうことも発信していきたいなと思ったので、
自分のアウトプットのためにも、今日ちょっと放送収録していきたいと思います。
冒頭に述べたように、私と私の同僚たちは有機無農薬で野菜を作る会社に務めていました。
実際のところ長時間過密労働があって、とても大変な状況に最初の頃は置かれていました。
ですけれども、その状態というのは会社の経営としても健全な状態ではないですし、
労働者の安全衛生の面からもとても良くないということで、
私たちは色々勉強して3つほど改善をしていきました。
その3つというのが、まず1つ目は農業を工場のように農業をするということなんですよ。
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まず1つ目、2つ目、3つ目と、とりあえず結論だけ言っていきます。
1つ目、先ほど言ったように農業を工場のように行うということです。
2つ目が、科学的な農業のやり方を取り入れて品質と収量を上げていくということです。
3つ目が、ITを取り入れて作業を楽にということの3つを行いました。
1つ目の農業を工場のように行うということなんですけど、
私が勤めていた会社は人参を2ヘクタール、3ヘクタールほど育てていました。
というのが、1枚の大きな広大な土地で育てていたというよりは、
もう農業をしなくなった方の補助を借りて、元田んぼだったところを借りて、
点々と小さな田んぼが、小さな土地が点在しているようなところで、そこで人参を作っていたということです。
では、この工場のように農業をするというのは、具体的にはどういうことかというと、
まず1つ目が、農業をする作物を作るときに、種をまいたり、肥料をまいたり、水やりをしたりということがあるんですけれども、
これを均一にすべて、均一に行うということなんですよね。
畑全体にこれを均一に施して、そうすることによって生育の揃った、ミメ形の揃った製品ができるということなんですよね。
ミメ形が揃った製品ができるということは、工場で言えば同じ部品がラインに流れてくるというようなものなので、
流れ作業で工程の手間数、1つ1つの工程の作業の手間が省けて、スムーズに出荷まで至るということなんですよ。
これがもしミメ形のバラバラなものができたとしたら、出荷までに至る工程の中で、人間の手をたくさん入れないといけないんですよ。
私たちは3ヘクタールほどの畑で採れた作物を機械を使って選別したり処理をしていたりしたんですが、
ミメ形や大きさが揃ったものじゃないと機械というのはうまく選別してくれなくて、
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それ以外の形の揃わないものは人間の手でまた選別してやる必要があるんですよ。
ここに膨大な時間がかかっていました。
なので、まずは同じ形や大きさ、品質のものを揃えて作る必要があったんです。
だからこれをするということは、詰まるところ、肥料をまいたり水をやったり、種をまっすぐきれいにまいたりだとか、
そういう数学的な工場のような生産をしなければならなかったんです。
これを目指したんですが、なかなかそこには技術が必要で、
肥料をまいたりするのも機械でまいたりするので、
人によって上手な人は均一にまけるし、下手な人は均一にまけないということで、
これはもう本当に一人一人が努力して経験値を積むことでしか補えなかったんですが、
みんな頑張って経験値を積んできれいにまくことができるようになりました。
それから2つ目の科学的な農業のやり方を取り入れたということなんですが、
これは社長がこういう科学的な農業のやり方があるから勉強会に参加してこいということで、
みんな一生懸命参加して勉強しました。
その結果得られたものは、農業というのは結局土が一番重要なんだと。
その土が育てる作物に適したものでないと、やっぱりいい作物ができないということなんですよね。
そのいい作物を作るための土づくりの方法を学んで、
具体的な内容はまた違う時の放送でお知らせしようかなと思うんですけれども、
このいい土をまず作るように心がけたんですが、
これ作るのに実は一昼夜ですぐできるようなものとかではないので、これが3年かかったんです。
土づくりをするのってじわじわと毎年繰り返して、これが3年かかりました。
このつらかった3年間を乗り越えていい土づくりができたらどうなったかというと、
人参の収穫量と品質が爆上がりしたんですよ。
これは土が良くなったということは、作物が健康に育つようになったということに変えられて、
この作物が健康に育つということこそが、先ほど最初の一つ目で言ったように、
ミメ形や大きさの揃ったものができるということにつながったんですよ。
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だから一つの種から育てるときに、
必要なものを十分それぞれ同じ量を与えて同じ環境で育ててやると、
同じように健康で大きさや形や見た目のバランスの良いものができるということにつながったんです。
これは最初のことにもつながってくる話になるんですけど、
大きさや形が揃ったものは機械で処理するのが非常に楽ですので、
人件費、人の手間をあまり取らずに生産コストをその分カットできて、
生産性の良い収穫から出荷までできるようになったということです。
それから三つ目ですね。
三つ目はIT化を取り入れるということです。
私以前の配信の中でも言ったんですけれども、
社長がITに詳しい人をちょっと引っ張ってきてくださって、
それによって現場、今まで事務所と現場が結構離れていたところ、離れている会社だったので、
人参を現場で収穫して、その後事務作業は事務所に帰ってしないといけないという状態だったんですが、
これをオンライン上で済ませれるように教えていただいて、ITコンサルの人に教えていただいて、
現場で事務処理ができるようになりました。
これによってかなり時間の節約と、車の燃料代の節約などができたので、
大きな生産コストのカットにつながったと思います。
すみません、最初の一つ目の農業向上のようにするという話の中で一つ言い忘れていたんですけれども、
この中に5S、6Sというのも入っています。
大きな会社では当たり前の5Sとか6S、整理・整頓・清掃・清潔・仕付けの頭文字をとって5Sや6Sということが多いんですけれども、
これが徹底できていなかった部分を徹底しました。
これによって、やっぱり複数人で作業するときは、見てすぐどの道具がどこにあるかということがわからないと、
一人が例えば違うところに置いていたりすると、他の人はそれを探す羽目になったり電話をしなくてはいけない手間が発生しますよね。
これが非常に最初の頃多かったので、整理・整頓・清掃・清潔・仕付けということで、
使ったものはちゃんと元の位置に戻しましょうということを徹底しました。
これで小さな時間が少しずつカットできて、これも大きなことだったのかなと思います。
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例えば1日1分の探し物をしたとしたら、30日のうち20日間出勤したとしたら、1ヶ月で20分間使って探し物に費やしています。
この1ヶ月20分間ということは、12ヶ月1年間で240分ですよね。
240分というのは4時間の時間を1年間で探し物に費やしているということになりますよね。
4時間使っているということは、時給換算すると、時給が1000円だとしたら4000円無駄にしているということで、
整理・整頓ができていればこの時間をカットできるわけで、その分4000円というお金も浮くわけですよね。
これが従業員が例えば5人の会社だったら、4000円×5人だとしたら、1年間で2万円無駄にしているということなので、
やっぱり整理・整頓をするということと、使ったものを元に返すということは、
複数人で仕事をするときは、これは絶対にしないと無駄な経費を使うことになるなということを思います。
はい、ということで、この3つ、農業を工場のようにする、まず1つ目で、
2つ目が科学的な農業を取り入れて勉強したということが2つ目で、
3つ目が農業にIT化を取り入れたということで、この3つで私たちは、
毎日ほぼ12時間労働をしていた生産性のとても悪い利益率の低い生産をしていたわけですが、
それが改善されて、ちゃんと一般サラリーマンのように8時に始まって、
夕方5時に終わるという生活ができるようになって、心の余裕も生まれて楽しく仕事ができるようになりました。
ということで、皆さんは、大きい会社に勤められている方からすると当たり前だと思われますし、
経営者の知識のある方とかだと、わりと当たり前にこういうことは知っていることって思われるかもしれないんですけど、
私はこれからちょっとそういうことも勉強していきたいなと思いますので、
自分のアウトプットのためと、
今現在こういうことで悩んでいる方がもしいらっしゃったら何かの参考になればいいかなと思って収録させていただきました。
今日長くなりましたが、ここまで配信お聞きくださり本当にありがとうございました。
じゃあね!