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スピーカー 2
今日は実際に今、理科の教科書を作っている方をちょっとゲストとしてお呼びしていて、
ちょっと理科の教科書のあれこれを聞いていきたいなと思っています。
ということで今回のゲスト、東京書籍から理科編集部編集長の森田祐介さんです。よろしくお願いします。
スピーカー 1
よろしくお願いします。皆さん初めまして。
スピーカー 2
よろしくお願いします。
いやまさか教科書の編集長さんまでこの番組に登場してくるとは思わなかったですよ僕は。
嬉しい。
スピーカー 1
おえです。
スピーカー 2
最初にじゃあ簡単に自己紹介お願いしてもいいですか。
スピーカー 1
はい今ご紹介いただきましたけれども、
スピーカー 2
私東京書籍という会社で小学校の理科の教科書の編集を担当しています。森田といいます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
いやもう東京書籍といえば日本シェアナンバーワンですよね教科書メーカーとして。
スピーカー 1
そうですねはいあのいろんな教科書出してるんで結果的にそうなってるって感じですけれども、
小学校から高校まで主要教科といいますか芸術系以外はだいたい出してるって感じですね。
それはずっとトップだったんですか。
ずっとトップだったわけじゃないかもしれないですね。どうなんだろうな。
スピーカー 2
私たちの時代とかにも東京書籍さんの教科書とか使ってたのかなとか思って、そうなるとすごいエモいなって思って。
スピーカー 1
全然そうだと思いますね。何かしらおそらく使っている方が多いんじゃないかなと思いますね。何かの教科で。
例えばそうですねここまでの間で使ってない人の方がおそらく少ないんじゃないですかね。
スピーカー 2
多分僕も東京書籍の教科書を使ったような記憶は本当にうすらありますね。
スピーカー 1
有名なとこだと英語のニューホライズンですね。
使ってましたニューホライズン。
スピーカー 2
本当ですか。
スピーカー 1
懐かしい。
だいたいこれ響くんだよなニューホライズン。
スピーカー 2
ミスグリーンみたいな先生出てくるやつ。
そうですそうですグリーン先生。
あんま覚えてないですけど。山さん違った?
スピーカー 1
いやもう全く覚えてないですね。
でもニューホライズンっていう響きはちょっと覚えてるような気がするから、もしかしたら使ってたのかもしれないですね。
スピーカー 2
結構使ったことある人多いんじゃないかなって気はして。
僕も調べたらこれ1909年に創業してますよね東京書籍って。
スピーカー 1
そうですね明治に創業した会社ですね。
明治42年ですよ。
スピーカー 2
はい。
すげーなと思う。
今生きてる日本人はもうほとんどお世話になっていると言っても過言ではない。
今の日本人は作ってるっていうことですよね。
本当に僕らの親世代からずっとそうですよね。
スピーカー 1
教科書としてはさっきニューホライズンっていうのが有名っていうふうに言ったんですけれども、
書名に新しいっていうふうにつくのが東京書籍の教科書ですね。
特に小学校中学校だと理科だと新しい理科とか算数だったら新しい算数っていうようなそういうシリーズになってます。
スピーカー 2
いやすごい1909年からやってて新しいシリーズっていう。
スピーカー 1
新しいシリーズになったのは戦後の話なんですけれども。
戦後だからってことですね。
そうですね。
そういうことなんだ。
もともとは印刷する会社だったんです。
印刷会社で戦前っていわゆる国定教科書っていうのがあって、
今みたいにいろんな出版社がたくさんいろんな種類の教科書を出しているって言われて、
国が定めたものでそれを印刷する会社。
そういうことか。
だから今でいう文科省みたいなところが作ってたみたいなイメージですかね。
そうですそうです。
スピーカー 2
文部省が当時そういうものをコンテンツだけ出して、
スピーカー 1
教科書印刷会社は印刷をするっていうようなそういうところからスタートして、
それで戦後そうやって自由化されて、
民間に出していく、教科書の出版を出していくっていうことになったときに、
手を挙げて出版するようになったっていうような形ですね。
それもすごい話ですよね。
印刷してただけっちゃだけの会社が作る側になるって結構ハードル高そうだなって思うんですけど。
スピーカー 1
確かに確かに。
そうなんですよそうなんですよ。
スピーカー 2
そうなんですよ。
だいぶ違いますよねそこで。
スピーカー 1
でも戦後一般の会社がそうやって出版できるようになったとしても、
それでも文科省のチェックとか受けるんですか。
スピーカー 2
そうですね。教科書って日本の場合なんですけれども、
スピーカー 1
学習指導要領というものがまず大元にあって、
それを文部科学省が出しているものなんですけど、
文部科学省が出しているものなんですけど、
それに沿って作らなければならないということになってまして、
それにちゃんと沿ってるかどうかっていうのを、
教科書検定っていうですね、そういう仕組みがあって、
なので出すっていう風になったときに、
大体出版される2年ぐらい前に文部科学省に提出するんですね。
2年くらい前ですね。
そこからだいたい半年ぐらいかけて、
その検定作業っていうのを文部科学省の方でするんです。
それで内容的に問題ないってなったら合格をいただいて、
大変そうですね。
そういう流れですね。
その文科省の検定っていうのも、
その検定については、
いわゆるいろんな専門家の大学の先生、研究者ですね。
その本を送って、
専門家のチェックをするっていうような、
そういう仕組みになってますね。
誰がそういうのチェックしてるのかっていうのは、
本当に全く明かされてないっていう、
公平性を保つためにですね。
論文の茶読みたいな感じになってますね。
そうですね。
そういう流れですね。
その文科の検定っていうのも、
文部科学省の中だけでするんじゃなくて、
スピーカー 2
論文の茶読みたいな感じになるかな。
スピーカー 1
そうですね。すごく近いと思いますね。
スピーカー 2
でも2年前から茶読みたいなものが発生するとなると、
結局最新情報は載せられないですよね。
スピーカー 1
そうなんですよね。
理科の場合なんかはあんまりないんですけれども、
社会の場合は、
例えば社会科の場合なんかは、
結構統計の数字とかが最新のものにやらなければいけないので、
その部分だけ差し替えたりしますね。出る直前に。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
確か出る、1回差し替えると思いますね。
スピーカー 2
理科は結構普遍的な感じはありますよね。
スピーカー 1
そうなんですよね。
なのでそういう更新がないので、
社会科の場合は2年に1回そういう、
統計の数字の更新っていうのを行っているので、
結構作業大変そうですね。
というのも教科書って1回出すとだいたい4年間使われるんですね。
同じものが。
なので4年に1回作るっていう、そういう感じになっています。
スピーカー 2
すごい、なんかオリンピックみたいですね。
スピーカー 1
そうなんですよね。
オリンピックイヤーみたいなこと言ったりしますね、作る年は。
スピーカー 2
そうだね。
そうだよな、作る年だけ明らかに大変そうだもんな。
スピーカー 1
そうなんですよ。
本当に忙しいですね。
スピーカー 2
それ以外はそんなに忙しくないですけど。
スピーカー 1
ちなみに今はオリンピックイヤーではない?
じゃないですね。
こうやってポッドキャストにかまけてますよ、だから。
スピーカー 1
もうオリンピックイヤーの時はポッドキャストとかしてる暇はないっていうこと?
いやだからそれちょっとどうしようかなっていうふうに思ってまして。
というのも我々もポッドキャスト番組実はやってまして、
おしゃべりなりかという番組をですね、
私と現役の先生2人ですね、小学校の先生2人と一緒にやってるんですね。
スピーカー 2
もうこれ結構経ってますよね、スタートしてから。
スピーカー 1
1年半ぐらいですかね。
スピーカー 2
いやだから教科書メーカーがポッドキャストやるっていうのは
最初はすごく僕はびっくりしたんですけど。
スピーカー 1
確かに。
スピーカー 2
これあれですか、森田さんがやろうって言ったんですか?
スピーカー 1
そうですね、はい。
スピーカー 2
いやすごいですよね、それも。
スピーカー 1
ポッドキャスト好きなんでっていう、本当それだけなんですけど。
いやすごい、ポッドキャスト好きっていうのでやっちゃおうっていう。
そうですね、臨機通して。
スピーカー 2
だからいろいろポッドキャスト聞いたりとかしてたってことですよね、それまでも。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
まあというか配信も含めてかもしれないですけど。
スピーカー 1
もちろんサイエントークも拝聴しております。
ありがとうございます。
スピーカー 2
サイファーです。
スピーカー 1
自分がこれ言ったの初めてじゃないですかね。
スピーカー 2
確かにこれ初っすね。
スピーカー 1
狙ってたんですよ。
スピーカー 2
狙ってたんですかね。
確かに生サイファー初めて聞いたかもしれない。
生サイファー初めてサイエンファミリーの一員でした。
いや嬉しいっすよね。
嬉しいですね。
で、東京書籍こういう風にできてきたみたいなのめっちゃ面白いなと思ったんですけど、
せっかくなんで他のねサイファーの皆さんも含めて、
せっかく東京書籍の方が来るんで質問ありませんかっていう募集をしまして、
結構いろいろと届いてますので、ちょっとそれも紹介しながら、
今日話を聞いていきたいなと思ってます。
スピーカー 1
ありがとうございます。よろしくお願いします。
お願いします。
スピーカー 2
じゃあ最初、たまちゃんさん。学科は教育系ではないのですが、大学生で教職課程にいるものです。
その中で教科書のこだわりの凄さに驚きました。
コラムだったり、吹き出しだったり、本文以外にも子どもたちの関心を引こうとする取り組みが多いと思います。
特に最近は教科を超えた繋がりもあると思うのですが、
別の教科を担当している人と仕事でもプライベートでも議論したり仲良くしたりすることはあるんですかっていう質問ですね。
スピーカー 1
そうですね。ありますね。同僚ですからやっぱり普通に。
東京書籍は小中高文系理系ほぼ全ての教科の教科書ですね。
出してまして、美術とか図工は出してないんですけど音楽とかそれ以外はだいたい出してるんですけども、
まず自分がいるのは理科編集部っていう部で、そこには小中高の編集チームがあるんですね。
小学校の理科と小学校の理科の編集チーム、あと高校の編集チームがあって、そういう構成になってます。
スピーカー 2
それぞれ何人ぐらいなんですか。
スピーカー 1
それぞれ4,5人ぐらいかな。
高校はもうちょっと多いですけど、やっぱり教科数が。高校は一人一書目みたいな形で、物理とか科学とか生物地学とか、
あとその難しいのとちょっと簡単なやつとみたいな、そういうのでちょっと分かれたりもしてますね。
スピーカー 2
確かに複雑になってきますもんね。
スピーカー 1
そうなんですよね。
スピーカー 2
でも4,5人で作ってるってのはすごいですね。
スピーカー 2
確かにな。
スピーカー 1
あんまりそこ深く突っ込んで聞いたことないですけど。
スピーカー 2
確かに何か科目によってその教授たちのカラーみたいな違いそうですよね。
スピーカー 1
そうですね。わかんないですけど、理科の先生はサバサバしてるなっていうふうに思いますね。なんとなく。
スピーカー 2
それどういう人たちなんですか。あまり知らないですけど、教育関係の教授とかの方が01のところはやられてるってことですか。
スピーカー 1
そうですね。01のところ、これも本当に会社によると思うんですけれども、書くのは結構小学校とか中学の現場の先生が多いですね。
現場の先生。
そうですね。小学校の先生、中学校の先生。それをチェックするのが大学の先生研究者で、小学校の場合は教育学系の先生が多いですね。
中学校とか高校に行くともう完全にそれぞれの分野の専門家の先生。
それはだから大学の学部でいうと小学校は教育学部の先生方が多いんですけれども、中学高校に行くと理学部とか農学部とか。
理科の場合はですね、そういう先生が多いっていうような形ですね。
スピーカー 2
面白いなあ、これ。全然自分が教科書読んでる時にそんなこと考えなかったですもん。誰が書いてるのかなと。
スピーカー 1
そうですね。うちのこの新しい理科っていうのだと、例えば監修者は、というか新しいの代表の先生の一人が山崎直子さんですね。宇宙飛行士の。
他社さんだと養老武先生がいたりとか。
スピーカー 2
そっかそっか。会社によってそこの、だからカラーみたいのはちょっと出そうですよね。
スピーカー 1
ちなみにこの質問では、この仕事でも議論、別の教科のグループと仕事でも議論をしたりしますかってあるんですけど、仕事で他の教科のグループの人たちとコラボとかしたりあるんですか。
そうですね。それも全然ありますね。
特に多いのはやっぱりその小学校の中で、小学校の国語の編集部と一緒にいろいろ話をしたりとか、あと算数と内容的に算数はこうなってるみたいな話を教えてもらったりとか、
やっぱりその会社としてその東京大学の小学校の教科書ってこういうものだよねみたいなものを一応そこをもうちょっと押し出してこうよとか、なんかそういう話とかはずっとしてますね。
スピーカー 2
面白い。
スピーカー 1
そうですか。会社の話をしてるだけなんですけど。
スピーカー 2
ほんと聞く機会ないと思うんで。
しかもそれが日本人の教育を支えてるって思うと、やっぱり責任が重い仕事というか、それが裏側でこうなってるのが分かるの面白いですよね。
インフラですよね。
インフラだ。
スピーカー 1
そうなんですよね。だからやっぱりミスとかが怖いですね。それでいうと責任という意味で言うと。
教科書に書いてあるからって。あと子供はやっぱり教科書に書いてあること間違ってるって思ってないじゃないですか。
スピーカー 2
そうっすよね。
スピーカー 1
だからこそ間違えられないっていうのはありますね。
スピーカー 2
しかもなんかもう全部正確に書こうと思ったら難しくなっちゃうじゃないですか。
スピーカー 1
いやそれ本当にそうなんですよ。
スピーカー 2
バランス難しそうだなと思うんですよ。
スピーカー 1
いや本当にそうなんですよね。結構教科書編集あるあるで、そこをごまかすために文章になどとか主にっていうのがめちゃくちゃ多いんですよ。
スピーカー 2
なるほど。ちょっとぼんやりさせるみたいな。
スピーカー 1
そうちょっとぼんやりさせるっていう。本当はなど入れたくないんだけど、など入れないと科学的に不正確な場合とかもあるじゃないですか。
スピーカー 2
僕がパッと思いつくのはこれちょっと小学校じゃなくて中学とか高校かもしれないですけど、原始ってこういう感じのイメージですっていうイラストって
大体ちょっと宇宙の太陽系っぽいイラストとかああいうのが出てきたりすると思うんですけど、あれ本当にそういう形かって言ったら全然違うと思うんですよね。
とか本当はもっともっと原子核ってめっちゃちっちゃいしとかそういう性格性を求めたら全然違う絵になるかなと思っててとか。
そうですね。
上げたら結構いろいろありそうだなと思うんですけど。
スピーカー 1
そうですね。これパッと開いたところで鉄アルミニウム銅などを金属と言いますっていうふうに書いてあるんですけど、
やっぱりなど入れたくないんですけど、など入れないとやっぱりそれ不正確じゃないですか。
確かに。
多分普通の本だったら別にこれなどなくてもいいと思うんですよね。意味としてはそれだけだと誰も思わないし、別にいいじゃんって話になると思うんですよ。
鉄アルミニウム銅を金属と言いますって言ってもまあまあいいかなって感じかなと思うんですけど、そうですね。そういうとこですね。
大変だ。
スピーカー 2
大変。ある意味受け手側が小学生でめちゃくちゃ純粋だから故にちゃんとしないと小学生が惑わされちゃうっていう感じになっちゃうんですね。
スピーカー 1
そうなんですよ。結構細かいことを見つけてくれたりするんで。
すごい専門家顔負けみたいな子どももいて、魚にめちゃくちゃ詳しいとか。
スピーカー 2
いますね。
スピーカー 1
いるじゃないですか天体めちゃくちゃ詳しいとか。
僕が一個あったのは昔、自分が直接担当してたんじゃないんですけど中学校にタコの写真載せてたんですよ。
タコ?
タコ。海にいるタコ。
それを砂凧とかっていう風にやってたんだけど、いやこれは砂凧じゃなくてなんとか凧ですみたいな指摘が中学生から来たんですよ。
つまりそれっていろんな専門家の目をくぐり抜けて、間違ってたのでこれ危機として話すことじゃ全然ないんですけど、
スピーカー 2
発売後か。
スピーカー 1
この通り抜けたものを中学生のタコ博士が指摘したんですよ。
本当にすいませんって言ってすぐ修正したんですけど、修正するって言っても1年に1回しか修正はできないので。
スピーカー 2
そうっすね。
スピーカー 1
修正するにも文部科学省に提出してこれ直してもいいですかっていう風にやらなきゃって許可をもらわないといけないんですよ。
スピーカー 2
すっげー大変だなそれは。でもすごいですねその中学生。
スピーカー 1
そうなんですよ。本当に忘れられないですね。
スピーカー 2
本当たまにいますよね。
スピーカー 1
いますいます。
その科学館とかに見学に来た小学生がこれ何だっけな、なんか新種の生き物なんじゃないかみたいなのを監修とこで見つけてみたいなそういう話とかありますね。
化石とかでもそういう話ありますよね。
スピーカー 2
教科書でもそういうことあるんだ。
スピーカー 1
そういうこと本当あっちゃいけないんですけど。
いやでも完全になくすのはもう無理ですよね。
完全になくす気持ちでやってると言わないとちょっと怒られるので。
スピーカー 2
じゃあ次こしDさんより、私の出身が東京書籍さんのゆかりの地でもある東京の王子なので、小学生の頃社会科見学で訪問させていただくなど勝手にとても身近に感じています。
ありがとうございます。
質問ですが、小学理科編集の部署にはどのような人が多いのでしょうか。どのような人が向いているなどご意見があればぜひ教えてくださいとのことです。
スピーカー 1
そうですね、これ向き不向きっていうのは自分たちでいうのもなかなか難しいなと思うんですけど、
まずこれなんとなくその専門性の話からするとわかりやすいのかなというふうに思って、どんな人っていうときに。
その理科編集部、編集部全体としては専門性的には理学部、農学部系の理系ガチ勢と、あと教育学系の大きく二系統の人たちがいますね。
スピーカー 2
混ざってる感じなんですね、そこは。
スピーカー 1
混ざってる感じですね。
その理系ガチ勢は修士とかまで専門的な研究してたような人が多い印象ですかね。
自分も農学部出身なので。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
どっちかっていうと、はい、そうなんですよ、そっちですね。
遺伝子とかのことを多少やってたみたいな、そういう感じなんですけど。
で、そのもう一方の教育学系っていうのは、いわゆる教育学部出身で教員免許を持っているような人たち。
で、先生になろうかなって途中まで思ってたような人たちですね。
そういう人がいます。
で、小学校の理科の編集部にはどっちかっていうと、教育学系の人の方が多い印象ですが、今までのこれを想像すると。
でも、今は半々ぐらいですかね、その理系ガチ勢と教育学系が。
スピーカー 2
入る入り口はもう一緒なんですか、採用の。
スピーカー 1
一緒ですね。
そこは一緒なんだ。
あとたまになんか哲学科出身の人とかもいたりするんですけど。
いろんな流れで、今一人いますよ、哲学科出身の人。
スピーカー 2
一緒に入るときに、この教科やりたいです、みたいな感じなんですか。
スピーカー 1
それは言いますね、やっぱり。
でも、理系っていう低くりで、理学部とか農学部出身の人が数学やってたりはしますね。
スピーカー 2
広く理系っていう意味で。
スピーカー 1
そうですね。数学の専門家ってやっぱり少ないのですごく。
スピーカー 2
確かに、母数が少なそうですよね。
スピーカー 1
そうですね。
あとどんな人かというと、理系ガチ勢の中でもちょっと変わってる人が多いかなとは思いますけどね。
出版社、出版社行こうと思わないじゃないですか。
確かに。
農学部だったら食品系とかそういうところに行くだろうし、研究者にならないにしたって。
スピーカー 2
私も理系でしたけど、そういう採用の枠があるっていうの知らなかったので、考えてすらいなかったですよね。
結構マイナーなイメージ。
スピーカー 1
そうですね。理系ガチ勢の人たちは、割と本が好きとか、そういう人が多い印象ですね。
出版社として受けに来てるっていうような印象ですからね。
スピーカー 2
そっかそっか、出版業界の人は多分検討する会社。
スピーカー 1
そうなんです、そうなんです。
スピーカー 2
確かに確かに。
でも確かに知り合いで教科書作ってますっていう人、会ったことないもんな。いないもんな。
でも確かに私の理系の修士の友達で、新聞の科学部門に就職した人がいるんで、多分そういう系統なのかなってちょっと今思いました。
スピーカー 1
そうですね。近しい感性の持ち主なんだろうなみたいな風には思ってみてますね、科学記者の人とかは。
スピーカー 2
確かに。あとサイエンスライターになった人とかはいますね。
スピーカー 1
そうですね。割と隣にいる感じですかね。サイエンスコミュニケーターとかサイエンスライターみたいな人たちが。
スピーカー 2
なるほどな。自分は考えもしなかったな。
スピーカー 1
それはだからスクスクいけばやっぱり研究者とかになるから理系の中で。
スピーカー 1
我々はそれをどういうふうに上手く伝えるかというか分かりやすく伝えるか楽しく伝えるかみたいなことをやる仕事なのかなというふうに思ってますね。
だからコシディさんのどのような人が向いているかっていうことに関して言うと、
ちょっと面白がれたりとか好奇心が強かったりとかそういう人とか。
あとやっぱりとはいえめちゃくちゃ地味な仕事なんで作業的には。
スピーカー 2
大変ですよね。
スピーカー 1
だから真面目にコツコツ積み上げられる人が向いてるかなと思ってますね。
スピーカー 2
いやーこれ就活中の人が聞いたら受けたくなるかもしれない。
本当ですか?
スピーカー 1
わかんないけど。
ぜひ来てください。
スピーカー 2
将来いるかもしれないですもんね。聞いてる人でも。
スピーカー 1
めちゃくちゃ嬉しいですね。そんなことあったら。サイエントークで聞いて。
スピーカー 2
いや僕めちゃくちゃ嬉しいですよ。そんなこと起きたら。
確かに。
スピーカー 1
熱いな。
スピーカー 2
いやー面白いな。
じゃあちょっと次の質問なんですけど。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
小学生で使ってた理科の教科書は学校図書でしたっていうお名前なんですけど。
スピーカー 1
競合他社ですね。
スピーカー 2
教科書は学習指導要領に載っとったものであるため書かれている内容自体はどの会社も同じだと思うんですが。
他社と比較してこれを工夫していることがあれば教えてくださいっていうことで。
どういうところが東京書籍らしいのかっていうところですかね。
スピーカー 1
そうですね。結構写真が綺麗って言われることが多いですね。
そこは結構こだわってるところかなっていうふうには思います。
自分たちで撮影する場合もあるし。
いわゆるストックフォトって写真化してくれるところから借りてる場合もあるんですけれども。
あとは理科って問題解決っていう過程があって問題を発見して予想して計画して実験して考察するみたいな。
そういう問題解決の過程って言うんですけど。
そこをできるだけわかりやすく示すみたいなところもこだわってるところですかね。
それはデザイン的なところだったりするんですけれども。
スピーカー 2
なんか実験のストーリー立てみたいなそういう意味ですか。
スピーカー 1
そうですね。そういう意味での内容的なつながりのわかりやすさとか。
あと視覚的に見てこの予想というところで何をすればいいのかっていうのがパッとわかるとか。
実験の指名見たときに何すればいいのかそれこそ手順がパッとわかるみたいな。
そういうところはすごくこだわっているところかなというふうに思います。
でもそれはどこの会社もこだわってるのかなというふうには思うんですけど。
そうですね。
あとは制作作り方としては結構現場の調査ですかね。
作り方というか作る前の段階ではあるんですけど。
それこそ授業見学に行ったりとか先生方にインタビューしたりとかっていうのは相当重ねますね。
そこでやっぱり使い勝手とかニーズとかを救い取って形にしていきたいなというふうにずっと思っていて。
この学校図書でしたさんも内容的には学習要領にのっとってるっていうことを書いてくれてるんですけども。
それはそうなんですけども。
それって結構なんか上から降りてくる天の声的なものではあるんですけど。
それだけじゃなくてやっぱりその現場その地上部分大事にしたいっていうかそこをとにかくそこに寄り添いたいみたいな気持ちはありますね。
そうやって作っていきたいっていうそこは作り方のこだわりみたいなところかなと思います。
スピーカー 2
そんなめちゃくちゃ細かく書いてるわけではなさそうですよね。
僕もあんま指導要領見たことないですけど。
私もないかも。
スピーカー 1
学習指導要領ですよね。
いやそうなんですよそうなんですよ。
その指導要領に書かれてる内容を本当にざっくり書かれてるんで。
じゃあどんな題材扱うかとかそれをどういう紙面で表現するかっていうのは基本的に教科書会社に委ねられてるので。
それをビジュアライズするというか翻訳してビジュアライズするような仕事で。
その時にやっぱりその上から降りてくるものだけじゃなくてやっぱり先生とか子供に寄り添って作りたいなみたいなそういう気持ちはありますね。
すごいなあ。
スピーカー 2
でも森田さんも実際小学校行って見学とかされてるってことですよね。
スピーカー 1
もう全然しますね。
スピーカー 2
結構いっぱい行ってるんですか。
スピーカー 1
そうですね行きますね。
結構見るの好きなんですよね授業。
面白い本当に面白いですよ授業って。
スピーカー 2
授業参加みたいな感じなんですか本当に。
スピーカー 1
授業参加みたいな感じで後ろで見てるんですね。
今日は教科書の人が来てくれたよみたいな感じで。
そういう紹介をしてもらうこともあるしただなんか大人がいるなあみたいな場合もありますね。
スピーカー 2
面白い。
スピーカー 1
子供の発言はやっぱりめちゃくちゃ面白いですね。
スピーカー 2
確かにそれ面白そうだな。
スピーカー 1
本当に面白いです。
そこでこう来るんだとかこれ先生困ってるなどうするんだろうとかそういうの面白いですね。
スピーカー 2
それを教科書に活かしていくっていうことか。
スピーカー 1
そうですね具体的にどこがどうっていうのはちょっとわかんないですけどなんかそういうエッセンスは乗っけたいなみたいな。
スピーカー 2
そういうセンスとかが必要になってきそうですね。
デザインもそうですしどこにどの情報を載せるかみたいなのってすごくセンスが問われそうだなって今話を聞いて思いました。
スピーカー 1
どっちかというともう技術って感じだと思いますけどねそのあたりは編集の技術っていうようなことになってくるのかなと思うんですけど。
情報整理みたいなところでもあるのでそれで言うと。
そのデザインのセンスはデザイナーさんが持っているものなのでデザイナーさんがデザインをしてくれるのでそうですね写真撮ってくれるのはカメラマンさんですし。
編集は別に何ができるってわけじゃないんですけど。
スピーカー 2
どこに何を置くみたいなところもデザイナーさんがやってるんですか?
スピーカー 1
そうですねでもこの要素としてこの情報はこのまとまりの中に入れたいみたいなのは指定したりしますけど。
どこに置くと一番分かりやすいかっていうのは結構デザイナーさんが決めてくれたりしますね。
スピーカー 2
そういう感じの分担ですね。
スピーカー 1
そうですね。いろんな人が関わってできてるっていう感じですかね教科書っていうのは。いろんな職能の人が。
スピーカー 2
しかも歴史があるからめちゃくちゃノウハウは溜まっていってそうだなとか思います?
スピーカー 1
確かに。
そうですねそういうものなんだと思いますね。
スピーカー 2
でちょっと次もちょっと短い質問なんですけどゆずっ子さんから。
おそらく他の講習中学とか高校とかの教科書なども参考にされると思うんですがどのあたりまでを使いますか?
これ小学校の教科書を作るにあたってっていうことですね。
スピーカー 1
そうですね。
確かに。
これ面白い質問だなと思ったんですけど。
その系統性があるんですけれどもその物価性値で。
そういう意味で学習指導要領で整理されたりもするんですけど。
でも小学校で見るのはやっぱり隣にいる中学校の教科書ですかね。
はよく見ますかね。
あと分かんないことがあったら質問したりもしますね。
特に高校の物理科学生物地学の担当者にちょっとこれ難しすぎてわかんないんだけどとかこれってどういうことかなみたいなのを聞いたりはしますね。
そうすると教えてくれるっていう。
スピーカー 2
そうか小学校でも難しすぎるというか難しいとこ難しいって感じなんですか。
なんかわかんないですけど。
スピーカー 1
そういう場面は多いのはどうかな質問が来たりとか教科書の内容について。
学校の先生から。
そもそもこれってどういうことですかみたいなこと聞かれたりするとうーんってこっちかなってそれで高校の担当者に聞きに行くみたいなそういう場面は結構ありますね。
スピーカー 2
そうかそういう対応もあるのか。
スピーカー 1
ありますね。
スピーカー 2
小学生から電話かかってきたりもしますたまに。
スピーカー 1
今年は多かったけどすごい多いのが8月31日とかに宿題終わってから電話かかってくるっていうのは結構教科書あるあるですね。
そうなんですか。
スピーカー 2
めっちゃ面白いなそれ。
スピーカー 1
今かけてこないでよっていうかそれ大丈夫かみたいなのは思ったりするんですけど。
でもこの辺でも自由研究やっててこういうことを知りたいみたいな教科書に関してそういう問い合わせが来たりもしましたね。
スピーカー 2
そのまま電話を受けて受け答えするんですか小学生に対して。
スピーカー 1
そうですね。
ちょっともうそういうオールドスタイルなやり方が時代に合ってないんじゃないかということで。
多分来年出る教科書ぐらいからいわゆるお客様相談室というかその問い合わせの窓口を一本化するっていう風になってたんですけど。
今出てるやつまでは普通に編集部の電話番号書いてあるんですよ。
そこを直接かかってくるっていう非常にオールドスタイルな。
すごいですね。
直接話せるから楽しっちゃ楽しいんですけどすごい忙しい時とか大変ですね。
スピーカー 2
無限にもできないし。
確かに。
スピーカー 1
いやそれはそうですよ。お客様なので。
スピーカー 2
いやー考えもしなかったの。教科書読んでて作ってる人に電話して聞こうみたいな。ある意味勇気ありますよね。
スピーカー 1
いやそうですよね。自分もこんなにいるんだって思いましたけど。
あと保護者の方からの問い合わせとかもたまにありますね。
へー。
教科書に載ってる問題に先生に罰をつけられてテストとかで。
うちの子のこれは間違ってないんじゃないかっていうことを問い合わせてくるんですね。
でもそういう時一番困りますね。
でもそれはもう先生にいろいろお考えがあると思うので。
我々としてはこう考えますけどその指導のご指導の意図もありますのでみたいなそういうふわっとした回答をするんですけど。
スピーカー 2
その熱量はすごいなと思いましたけど。
スピーカー 1
いやそうですね。
スピーカー 2
続いて地球科学ラバーさんより。
地学って面白いと思うんですが今の教科書ではどういう扱いなのでしょうか。
天気予報も空が青いのも夕日が赤いのも身近だし。
建物を建てる時の地盤や建築材も汚されるための金属も地球から取ってきたものって共通認識があったらみんなもっと地球にも人にも優しくなるんじゃないかなって思っているので。
教育の中にも日常の中にも入ったらいいなって思っています。
地学熱量が高い方からのお便りですね。
そうですね。
スピーカー 1
ラバーなんですね。地学ラバー。
教科書。さっきもちょっと話したんですけど。
学習指導要領で整理されている理科の系統って4つあって。
エネルギー、粒子、生命、地球。
スピーカー 2
そういう括りなんだ。
スピーカー 1
そういう括りですね。
エネルギーは要は物理で粒子が化学化学で生命が生物、地球が地学という形になるんですけども。
スピーカー 1
地球科学っていうのが地球っていう括りで整理されている系統なんですけれども。
そこには3つさらに細分化してて。
地球の内部と地表面の変動。
地球の大気と水の循環。
地球と天体の運動。
この3つに分けて考えられていて。
小学校だとそれぞれいろいろ。
例えば地球と天体の運動だと月と星があったりとか。
地球の大気と水の循環だと流れる水の働きとか。
地表面の変動みたいな話だと地層とか地震とかの。
あともちろん天気ですね。
天気の話とかもあるんですね。
なのでそうやって各学年に散らばって学んでいくみたいな。
そういうような形ですね。
あとは地球科学で特徴的なのは結構防災の話とすごい結びついている分野かなとは思ってますね。
台風にしてもさっきの地震にしても。
流れる水の働きみたいなそういうところに関してもですね。
それが特徴かなと思います。
スピーカー 2
すごく僕は思うのは地学以外の物理科学生物とかって身近なところも多いかなと思ってて。
手に触れられたりとか生き物も周りにいるしとか。
地学ってスケールが大きすぎて身近ではあるんですけど。
じゃあそれがどういうものかって思ったときに自分から調べて分かるもんじゃないじゃないですか。
地震の仕組みとかって見れないし。
スピーカー 1
そうなんですよね。
スピーカー 2
宇宙も見ることはできるけどどういう動きしてるのかとかってちゃんと学ばないと分からんって思うんですよ。
スピーカー 1
そうですね。確かに。
スピーカー 2
だからこそ昔は天動説だったりとか地震も迷信だったりとかいろいろあったわけで。
っていうのを学ぶ上でやっぱ地学って教科書だと僕もすごく重要だなってすごい思うんですよね。
スピーカー 1
教科書だとそういうモデル実験にしたりとか流れる水の働きとかそういう。
スピーカー 2
モデル実験。
スピーカー 1
モデル実験ちょっとこうバットみたいなところに砂とか土を敷き詰めてそこにこう川の流れみたいなのを作って上から水流すとか。
スピーカー 2
なんかやった気するなそういうこと。
スピーカー 1
そういうやつですね。
あとは月の見え方を片っぽに懐中電灯みたいな光源があって手にボールを持ってぐるって回るみたいな。
そういうようなことでモデル実験をやって理解するっていうようなことも地学の特徴かなというふうに思いますね。
それはだから認識できるものにするっていうことですよね。
スピーカー 2
なるほどなるほど。
スピーカー 1
あとは小学校の理科の場合は観察できるものを基本的に対象にするんですよ。
観察したその結果に基づいて考えるっていうそこが結構大きな違いなんですよね。
中学校以降の科学とそこが結構はっきりと違っているところで。
スピーカー 2
ただ覚えようとかそういうのじゃなくてっていう感じなんですか。
スピーカー 1
というか理論の話例えば月の見え方に関して言うと極論ちょっと天動説っぽいんですよ。
観察できる観察した事実に基づいて東から上って西にとか光の当たり方がこうなっているとか
太陽がこっちにあるからそうやって満ち欠けがあるとかっていうようなことをやるわけですけど
でも子供が地球から地球とか地上から観察できることで地動説って多分理解できないですよね。
スピーカー 2
そうですね難しいですね。
スピーカー 1
要は天の視点みたいなのがないと絶対それは無理なんですけど天の視点では見ないんですよ。
小学校理科においてはあくまで地上から観察できることを基に考察まで持っていくっていうのが小学校の理科なんですよね。
アリストテレスだこれ。
そうですね結構そういうところでそこは批判されたりもするわけですね。
いや中学校行っていきなりそれが地動説的な宇宙の視点入ってくるんだから最初から宇宙の視点でやれよみたいなそういう人もいるんですけど
やっぱりそこは結構その文部科学者の考えでもあると思うんですけれども教育学の研究者の考え方で
いやそこはやっぱり観察大事にしようよとか実験できること大事にしようよってそこからじゃないとどんどん離れていっちゃうっていう理科がどんどん離れていっちゃうから
やっぱりその身近なことからまずやりたいよねとかちゃんと観察を結果から考えられるっていうそういう子供に育ってほしいよねとかそういう思いがあると思うんですけど。
スピーカー 2
学習用語にそういう風に書いてるんですか観察できる範囲でって。
スピーカー 1
そうですねあの観察できる範囲でというか観察した結果に基づいてみたいなそういう記述はありますね。
逆に言うとだから観察はしなきゃいけないっていう縛りにはなってるんですよね。観察とか実験を必ず入れなければいけないっていう縛りはありますね。
スピーカー 2
なんか観察癖みたいのめっちゃ大事そうですしね自分で考えるっていう。
スピーカー 1
僕は小学校に来る前は編集部に来る前は中学校に結構7,8年いてそっちでもやってたんですけど結構そこが大きく違うなというふうには思いましたね。
遺伝子の話とかもしないですね。
スピーカー 2
確かに観察できるものでもないしな。
スピーカー 1
そうですね正確には観察しようと思えばできなくはないけど。
スピーカー 2
結構難しいですもんね。
原子の話とかもしないですか。
スピーカー 1
原子の話とかもしないですね。だから理論から入るってことをしないっていう感じですかね。
なんかもっとはっきり言うと。
ありますね。
やっぱり理論から入らなきゃいけない部分ってあるじゃないですか中学校以降は。
スピーカー 2
中学校の時に化学始まった時に結構あれなんか全然わかんないみたいな思った記憶があります。
それまではわかりやすかったんですけど。
スピーカー 1
そこもだから課題ではあるんですね。中学校でいきなり内容が高度化するっていう。
それは大きな課題なんですけどそこで結構くじけちゃう子が多いっていう。中1ギャップっていう。
スピーカー 2
そういう言葉があるんですか。
スピーカー 1
ありますね。
ある気がします。
スピーカー 2
だからこそさっき言った中学校の人たちとも関わりながらやるみたいなのは結構大事そうですね。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
じゃあちょっと次の質問なんですけど、英語でサイエンスしない人の朝見さん。
いくつかの論文、海外の論文で女子生徒のSTEM科目への苦手意識は小学校高学年頃から始まるという報告がされており、
またこの苦手意識は実際の成績とは関連性が薄いこともデータで明らかになっています。
この方もガチガチに研究者の方なんですけど。
男性が多い分野で研究をしている女性研究者としてとても残念な事象だと思うし、
ジェンダーギャップ数値でまだまだ世界諸国に追いつけていない日本の女子生徒たちはこの現象がさらに顕著なのではないかと想像します。
苦手意識を持ち始める前に教育システムができることはないのか。
または苦手意識を持っていたとしても高校大学大学院とSTEM科目を志せる好奇心の土台をどうやって小学校の頃から作っていくのか。
教科書を作られている出版社さんからの視点でぜひ伺いたいです。
これもめちゃくちゃ難しいと思うんですけど。
スピーカー 1
大前提としてこの質問に答えるためには前提として会社としての見解じゃなくて、
私個人の見解にさせてもらえるかなと思います。
ある種の思想みたいなものが入ってくると思うので、
教育システムについて教科書会社が何か提案するという立場としてはおかしいと思うので、
あくまでこれは私の個人の感覚なんですけども、
個人的には自分はジェンダーの問題とかフェミニズムの問題に関心があるので、
そういう視点で少し回答させていただくと、
理系科目への苦手意識みたいなことで教育システムができることないのかというと、あると思っているんですね。
それってたぶん一番必要なのはしっかりしたジェンダー教育がおそらく必要なんだろうなというふうに思いますね。
理系の科目の中でとかっていうよりは、ちゃんとしたジェンダー教育がないとおそらく、
これと言えばいわゆるアンコンシャスバイアスみたいなものだと思うんですよ。
意識の思い込みみたいなもので。
そういうものを取っ払うためには、やっぱりそのジェンダー教育というのがきっと必要なんだろうなというふうには思いますね。
国際調査の結果でも結構男女差がはっきり出てるんですよね。
TIMSっていうやつとかでも結構明確な差が出ていて、女子の方が理系は苦手だみたいな。
そういう思い込みがあって。
これちょっと朝日新聞の記事があってそれを読んでたんですけど、
その中で文科省の担当者が女子の方が理数系教科が苦手だというアンコンシャスバイアスが学校現場にあり、
子供の意識に影響している可能性があると話すという。
そういう記述があったんですけど。
スピーカー 2
僕も多分それを見ましたね。
スピーカー 1
だから要はそもそも小学校5年生とか6年生でも結構ジェンダーバイアスがかかっているという調査もあって。
なのでそれは教科の枠組みの中でどうこうするよりはやっぱりそのジェンダー教育をきちんとやることで
そういうアンコンシャスバイアスを取っ払うということが大事なんじゃないかなというふうには思ってますね。
スピーカー 2
そうですよね。どっかで多分それが生まれちゃってるってことですもんね。
ちょっとどこがとか多分どこが原因みたいなのってはっきり分からないと思うんですけど。
スピーカー 1
そうなんですよね。
まあでもだから教育っていうことで言うとまず教員へのジェンダー教育。
教える人がバイアス持ってるっていう可能性もあるじゃないですか。
スピーカー 2
確かにそうですね。
スピーカー 1
だからそこを何とかしないといけないなっていうのは思いますよね。
だからもっと遡って教員養成課程でちゃんとジェンダー教育をして、
そのジェンダー教育をしっかり授業できるような子どもたちのアンコンシャスバイアスがあったとしても
それを解きほぐせるような先生が必要で。
だからすごい長い時間をかけて下地を作って克服できるような問題なのかなというふうに思います。
スピーカー 2
これだけで多分めちゃくちゃしゃべることいっぱいあるかもしれないですけど。
スピーカー 1
ちょっとバーッと話しちゃいましたけど。
スピーカー 2
これはもう終わらないと思うんであれですけど。
これってでも日本がまだまだ追いついてない状態じゃないですか。
そうなると海外ではそういうジェンダー教育がすでに結構進んでるけど日本はまだ進んでないっていうような状態なんですか。
スピーカー 1
そういう状況あると思いますね。
ジェンダー教育っていうのがあんまりピンとこないんですけど。
スピーカー 2
そういう科目として扱うみたいな。
スピーカー 1
でも科目っていうよりは例えばその総合的な学習の時間みたいな中で議論をするとか。
そういうことだと思いますねきっと。
教科の中であるとしたら道徳とかの中で多少そういうのはあるかなというふうに思うんですけど。
でもあんまりそういうのはそこまで積極的に取り入れられてないのでそういうようなことかなと思いますね。
スピーカー 2
もっと対話する時間とか議論する時間が若い頃からあったらそういうアンコンシャスバイアスを取り除けるかもっていうことですね。
スピーカー 1
そうですそうですそういう取り組みやられてる人たちもいるので。
そもそも学校自体が男性性が強いみたいな指摘もあって。
例えば校長って今でもやっぱり男性の方が圧倒的に多いですよね。
小学校の校長でようやく3割ぐらいになったのかな女性が。
スピーカー 2
3割ぐらいなんですね。
スピーカー 1
そういう部分からそもそも変えていかなきゃいけないっていう話ありますよね。
たぶん小学校の教員の割合は女性の方が多いぐらいだと思うんですけど。
校長は男性の方が多いとか。
そういう問題を指摘している本とかも。
ちょっと前に学校の男性性を問うっていう本が結構面白い本が出たんですけど。
そういう本もあったりして活動されてる方も学校現場でですねいらっしゃるので。
スピーカー 2
なるほどな。別に小学校っていうものに性別があるわけじゃないじゃないですか。
なのにやっぱり無意識でそういったものがあったりとか。
スピーカー 1
そうなんですよ。
スピーカー 2
小学校だけじゃなくて科目も別に科目に性別があるわけじゃないけど。
スピーカー 1
なんとなく男女こっちが得意とかあったりするのも。
スピーカー 2
そうですね。
ただの読み物じゃなくてAIだったら質問とかもできるわけで。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
やっぱりもうやられてるんだ。
スピーカー 1
そうですね。
自学自習する場合とかあと今の個別最適みたいなそういうキーワードもあるんですけれども。
一人一人が自分の興味関心に沿って進めていくみたいな。
そういう時には結構有効なのかなっていう気はしますけど。
スピーカー 2
確かにな。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
いろいろなんか影響ありそうですよね。
個人のレベルに合わせてAIが教えてくれるっていうのはいいけど。
でも宿題とかをAIに任せたりとかして考えない子ができちゃわないかみたいな。
そういう心配とかも若干私はありますね。
スピーカー 1
めちゃくちゃありますよね。
できちゃうもんな。
スピーカー 2
そう。
スピーカー 1
AIで答えられないようなとかAI使うにしてもすごい考えなきゃいけないものとか。
そういう出し方になってきちゃうのかなって気がしますよね。
そもそもAIが使えばできるような問題出してもしょうがないよねっていう話になっていくのは悪いことじゃないような気がするんですけど。
でも難しいですねそこはね。
スピーカー 2
でもちょっと僕が思うのは全部が全部AIで置き換わるわけじゃないと思ってて。
やっぱりさっき言ってた観察するとか自分でその辺は絶対自分でやらなきゃいけないことだと思うんですよ。
もっと大事になっていくと思うんですよね今後。
スピーカー 1
そうなんですよね。
実験とかもそうですよね。
スピーカー 2
いやそうだと思いますね。
スピーカー 1
それこそインターネット上にはいろんな動画があって実験の動画とかもたくさんあるんですけど。
そういうものではなくてやっぱり自分でやってやるっていうことの効果って相当あるなっていうふうに思ってて。
スピーカー 2
分かりますね。
スピーカー 1
うまくいかなかったりもするじゃないですか。
教科書通りやってるのにうまくいかないとか。
いやそうそう。
スピーカー 2
なんかうまくいかない。
スピーカー 1
そういう体験の方が結構大事だなっていうふうに最近すごい思ってて。
そういうのって多分AIとか動画とかだと得られないものだなっていうふうに思うので。
テクノロジーだけでは得られないものだと思うので。
そういう体験という意味ではそういうのを大事にした方がいいかなというふうには考えてますね。
スピーカー 2
なるほどな。
あくまでアシスタントとしてうまく使うみたいなところがやっぱお年どころになりそうですよね。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
これもすごいいい質問だ。
そうですね。
続いて早貴さんから。
ちょっといくつか質問あったんですけどピックアップして。
理科離れとよく聞きますが本当に怒っているのでしょうか。
もし怒っている場合何が要因だと考えられるのか。
また東京書籍さんとして何か打ち手を考えていることはあるのでしょうか。
っていうこれもちょっと個人のあれになるかもしれないですけど。
スピーカー 1
そうですね。でも小学校レベルで言うと理科ってやっぱりすごく好きなんですよね。
その小学生は理科好きでそれやっぱり実験があるからっていうことだと思うんですけど。
小学校の先生に話を聞いても子供たちは理科大好きっていうふうに言うんですよ。
なんか僕もそのイメージはありますね。
実際その調査とかでも小学校だとやっぱり理科好きっていう子が多い。
それはずっと変わらないんですよ。
それはだから先ほど言ったように観察できることしか基本的には対象にしないとか。
そういうレベル感の問題もあると思うんですけれども。
他の教科に比べて実験っていうそういうものがあったりとかずっと座ってないとか。
そういうのもあると思うんですけど。
でも本質的な面白さみたいなのはありますよね。
実物がちょっと変わっていくワクワク感とか。
スピーカー 2
いやそうです。
スピーカー 1
科学変化を送るワクワク感とか。
そういうものがあるので、教科としては結構強い教科なんですけど。
要は好きって言われがちな教科なんですけど。
それが中学校に行った時にやっぱり理科苦手っていう子供が増えてしまうんですよね。
スピーカー 2
中一ギャップですか。
スピーカー 1
そうですね。そこの問題何とかしなきゃなっていうのはずっと話してはいますね。
明確な打ち手みたいなものはまだ押し出せてないんですけれども。
難しいな。
グラデーション、そこのグラデーションどうやってうまくそっちの世界に乗っけられるかみたいなのはありますけれども。
スピーカー 2
でもそもそも学習内容が結構高度化するのでいきなり難しいなと思います。
中学高校では理科バナネがあるっていうことなんですか。
それともあんまりその時代でみんな昔から小学校の時は好きだけど中学生になって苦手になるってのはあんまり変わってない。
スピーカー 1
そんなに変わってないと思いますけどね。
ちょっとすいません。統計的にどうかっていうのは今はっきり思ってないんですけれども。
あとは理科が暮らしとつながってるとか役に立つみたいな感覚がちょっと減ってるみたいなそういうデータは確かありますね。
そういう意味でのそういう方向での理科バナネみたいなのもしかしたらあるかもしれないですね。
スピーカー 2
そうですね最近あったのはだから社会に出た後に役に立たないんじゃないかって感じる人が増えてるとかそういうのはありますね。
スピーカー 1
そうなんですよね。めっちゃ役に立つんですけどね。
スピーカー 2
いやそうなんですよね。
スピーカー 1
役に立つというか全部理科だしな。
スピーカー 2
そう全部理科ですよねって思っちゃうけど。
でもなんか小難しくて嫌だって思う気持ちもわからんでもない。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
なんか好奇心っていう意味では理科とかそういう身近なことを何でだろうっていうので探求するのは結構人間の根源的な欲求だと思ってて。
スピーカー 1
いや分かります分かります。
分かります?
スピーカー 2
その色がやっぱり小学校だと強いからみんな好きなのかなとか。
スピーカー 1
そうかもしれないですね。
スピーカー 2
とか思いますよね。
これはなんか引き続き考えていきたい問題ではあるんですけど。
スピーカー 1
確かに根源的な。
まあ素朴な疑問だったりもするしすごくいいですよねそういうの素朴な疑問って。
面白い。
あと素朴な誤解とかもね面白いんですけど小学生の誤概念みたいな。
誤概念ってそれこそ天動説とかも誤概念だと思うんですけど。
まあそういうやつとかは面白いなと思いますけど。
スピーカー 2
まあ確かにな昔の科学者も間違ってたこととか。
スピーカー 1
そうですねそうですね。
スピーカー 2
同じ重さの羽と鉄球は同じように落ちるとかなんかそういう概念とかってことですよね。
はい。
スピーカー 1
確かに。
素朴に考えるとそれはそうだろうみたいな。
スピーカー 2
面白い。
あと理科は子どもたちの好奇心や短期心をくすぐったり仮説検証や試行錯誤を体験できる科目の一つだと思います。
理科という科目が開く教育の可能性をお聞きしたいです。
これ同じ方から。
だいぶもう壮大な質問。
スピーカー 1
そうですね。
今出ているこの新しい理科っていう教科書の裏表紙にこういう言葉が載っていて。
未知との向き合い方を学ぶっていう。
そういう言葉が載せてるんですけれども。
これは教科書全体のコンセプトで。
気候変動とか技術革新とかで社会が急激に変化する中で予測こんなこと増えてるじゃないですか。
そういう時にじゃあ何が大事かというとそういう未知なことに向き合った。
ぶつかった時にそれに対処できるような力がやっぱり大事だよねって。
それってもう要は理科ってもうそのものじゃないですか。
未知との向き合い方を学ぶような教科だと思うんですよね。
そうですね。
なのでそういうところをやっぱりすごいベーシックな話ですけど。
そこを大事にしていったら未来につながっていくんじゃないかなみたいなことですね。
そういうコンセプトで一応我々としては作っていて。
これあれなんですよね。
この教科書作ってる時に今出てる教科書作ってる時にちょうど編集部が立ち上がったのがチームが立ち上がったのがコロナ禍だったんですよ。
2020年緊急事態宣言の時にちょうど作り始めたんですよね。
本当にもう何これみたいな状況だったじゃないですかあの頃って。
確かにな。
全然今まで通りいかないんだけどみたいな。
スピーカー 2
そうっすよね。
スピーカー 1
その時にやっぱり理科めっちゃ大事じゃんって思ったんですよ。
スピーカー 2
何信じていいんだろうって分かんなくなりましたよね多分みんな。
スピーカー 1
理科ってそういう未知を探してそれをどういうふうに解決して未知の疑問をどういうふうに解決していったりとか解明していくっていうようなプロセスだと思うんですけれども。
だからすごい大事だなってその時に思ってそれでみんなでこういうコンセプトを作ってこの教科書作ったっていうような形なんですけど。
だから大事だなって思いますね。
スピーカー 2
めっちゃ大事だ。
スピーカー 1
みたいな感じでしょうか。
スピーカー 2
未知に向き合おうっていうコンセプトは理科だけじゃなくてどの科目にもコロナ禍に当てはまったっていうことなんですか。
スピーカー 1
これは一応理科の教科書で作ったコンセプトですね。
でもまあ結構どの教科にも共通するようなことかなとは思うんですけど。
でも問題解決ってそうですねどの教科でも結構大事にしてるんで社会とかでも。
スピーカー 2
なんかこういくら時代がこうめちゃくちゃ教育に変わろうがその土台の部分の重要性っていうのはむしろ増してってるじゃないですか。
そういう土台がないとどんどんどんどん周りが変わって多分流されちゃうとよくないからちゃんとした土台を持ってる人がいないとなんだろうな本当に何信じていいかわかんないしブレブレになっちゃうって思うんで。
っていう意味ではその根本の小学校の教育とか本当大事だなっていろんなコロナ禍の時を見てて思いましたねすごい。