1. サイエントーク
  2. 67. 素粒子研究のリアルに迫る..

【AD】KEK 高エネルギー加速器研究機構 高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、加速器と呼ばれる装置を使って基礎科学を推進する研究機関です。

その中の一つである、素粒子原子核研究所では、素粒子、原子核という極微な世界から広大な宇宙までの幅広い分野に対して、理論と実験の両側面から研究を行っています。

〇KEKウェブサイト

⁠https://www.kek.jp/ja/⁠ 

〇SuperKEKB 世界最強の加速器

円周3kmの加速器を動画で紹介しています。粒子ビームがどのように加速器を通って衝突するかわかりやすく説明しています。

⁠https://youtu.be/f4pfGl-x7zY⁠ 

〇Belle II実験ウェブサイト 27の国と地域から1,200名の研究者が参加する国際共同実験

⁠https://belle2.jp/ja/⁠ 

〇小林益川理論50周年記念講演会特設サイト

⁠https://www2.kek.jp/outreach/km50/⁠ 

―――――――――――――――――――――――――

素粒子の研究所ってどんなところ?世界中から研究者がくる?リアルな研究現場のお話を伺いました。

このエピソードは全2回の後編です。 【ゲスト】

中山浩幸さん

高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所 准教授

⁠https://www.kek.jp/ja/topics/20210405/⁠

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【トピック】

・ 高エネルギー加速器研究機構とは?

・大量のデータをどう解析する?

・加速器の現場

・光の粒1個をみたい

・Belle実験のアップデート

・素粒子をどう検出しているか?

・理論と実験はどう交わる?

・豆大福がぶつかるか、豆がぶつかるか

・基礎研究の面白さを共有したい


【お知らせ】

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【BGM】

オープニング:オリジナル曲

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研究所の位置づけと役割
スピーカー 2
今回のゲストは、前回に引き続き、高エネルギー加速器研究機構 ソリューシー原子核研究所 潤教授 中山博之さんにお越しいただいてます。
前回は、ソリューシーと宇宙の関係について、ざっくり聞きました。
ざっくり?
ざっくりではないですけど。
小林マスカー理論、すげーとかね。
そうですね。とか、物質、半物質とか、そういうことについても聞いたので、ちょっとざっくりではないかもしれないですけど、いろいろなお話を伺いました。
今回は、もっと具体的に、高エネルギー加速器研究機構ではどんなことをしているのか、聞いていきたいと思います。
よろしくお願いします。
言いにくいですよね。名前長いですよね。高エネルギー加速器。
加速器、加速器研究機構がちょっと難しい。
KKKですね。
スピーカー 1
しかも、法人名が大学共同利用機関法人っていうすごい難しい法人で、日本にそんなにたくさんないですけど。
確かに、そもそもどういう組織なのかっていうところからも、ちょっと聞いてみたいですね。
スピーカー 2
確かに、どういう位置づけなのかみたいな。
スピーカー 1
基本的には、加速器ってすごい大きい装置なんで、一つの大学とかで維持管理するの無理じゃないですか。
スピーカー 2
いや、無理ですね。ディズニーランド一周分のサイズの、なかなかみんな作るわけにもいかないですもんね。
スピーカー 1
なので、我々の研究所でそういう大きいものを作って動かしておくので、日本全国の大学の人がうちに来て一緒に実験やりましょうっていう、そういう研究所ですね。
スピーカー 2
そういう共同利用法人でしょ、共同法人。
スピーカー 1
大学共同利用機関法人です。
研究分野と研究者数
スピーカー 2
大学共同利用機関法人、なるほど。
スピーカー 1
じゃあ国立なんですか?
もともと国の研究所だったんですけど、大学とか国立法人の中のほぼ同じ時期の法人に関わりましたけど、基本的には国からいただいた運営国金を使っているんですけど。
スピーカー 2
その研究機構の中にもまたいろんな研究所があったりするんですよね。
スピーカー 1
そうですね。その中に、僕がいるのは素粒子原子核研究所っていうことなんですけど、
つまり先週に話したぶつけた粒子を観測する物理学、粒子の実験の専門の人がいっぱいいる。
他にも化学機能統治を作る専門の人とか、
物工研といっても、もっとたとえばタンバク質、スリップ、そういう素粒子じゃなくて、もうちょっと大きなものを研究している人。
あとはたくさん計算機を使うので、計算機を放出線にするいろいろな業務ができる。
低温に冷やすためのいろいろな装置が必要なのに、そういったものを作っている。
そういう空気分子説っていうところもあって、いろんな人がとにかく集まっているというところですね。
スピーカー 2
加速機のいろんな面をそれぞれやっているわけですか。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
いろんな分野のスペシャリストたちが集まっているわけなんですね。
スピーカー 1
だいたい職員数、さっき見たら700人ぐらいって書いてあって、
研究者がそのうち、どれぐらいですかね、400人ぐらいかな。
300人ぐらいいるんじゃないかなと思います。
スピーカー 2
確かに実際そういう機械を作るっていうのと、出てきたデータから計算するとか、
やっていることは全然違うし、それだけ研究者の数も必要そうだなって思いましたね。
スピーカー 1
そうですね。
Belle II実験とコラボレーション
スピーカー 1
さっき郷土利用機関だという話をしましたけど、我々のところで雇用している人がそれぐらいの人数という話で、
実際には日本の大学だけじゃなくて海外のいろんな研究所と共同でさまざまな実験をやっているんですけど、
僕がやっているベルツー実験っていうのは本当に多分めちゃめちゃ大きいコラボレーションで、
参加している機関だけで25とか6カ国ぐらい、25とか6の国と地域からで、
スピーカー 2
人数でいうと本当に1200人とかそれぐらいいます。
すごいな。一大プロジェクトですね。
スピーカー 1
本当にすごい大きいです。なので普段のやり取りは基本的に英語でやるんですけど。
スピーカー 2
そうですよね。そんだけの国の人たちと交流しないといけないんだったらそうですよね。
スピーカー 1
そうですね。基本的にその実験が始まると24時間365日、
365日はいい過ぎですけど、本当に土日も関係なくずっと動かし続けるんですけど、
そうするとやっぱりその実験の装置の重りをするシフトっていうのがあって、
1日3交代制で8時間ずつ何人かがついてやってるっていう感じですね。
スピーカー 2
本当にずっと動いてるんですか?加速し続けてる状態なんですか?
スピーカー 1
ずっと衝突を常にキープしてる状態っていう感じですね。
だいたい2週間に1度ぐらい止めて何か必要なメンテナンスをしたりとかするんですけど、
基本的には実験期間中って言われる期間をずっと運転します。
スピーカー 2
だからその24時間のうちのどっかの時間はこの大学が使う時間とかそういう感じで分かれてるってことですか?
スピーカー 1
大学児が使うっていうよりは、我々の実験の場合はもう装置はずっと一緒なんで、
スピーカー 2
みんなで共通のことをやってる感じですね。
スピーカー 1
結構放射光施設とかちょっと違うタイプの加速機だと、
ビームタイムっていうのをそれぞれのグループに与えて、その時間その人たちがやるって感じです。
それぞれのプロジェクトをやるって感じですけど、
我々のベル実験ではもうプロジェクトっていうのはドーンって一つあって、
それをみんなで手分けしながらやるっていう感じです。
スピーカー 2
その実験中は基本的に皆さんはもう日本に来て、一緒に実験してるっていう感じなんですか?
スピーカー 1
基本的に千何百人がずっと日本に来るっていうのは全然なくて、
実験をさせるのに必要な10人とか20人ぐらいですかね、常駐してる海外の人っていうのは。
基本的には皆さん自分の国にいて、それぞれリモートでできることたくさんあるので、
年に3回だけコラボレーションミーティングっていうのがあって、
1200人全員は来ないですけど、200人、300人ぐらいが、
無理ですね。
そうですね。
一箇所に集まって、いろんな議論をするっていう感じですね。
スピーカー 2
すごいな。
年に3回も結構多いですよね。
スピーカー 1
そうですね。結構多いです。
4ヶ月に1回ぐらい。
スピーカー 2
確かに。
これちょっとどこまで分かるか分かんないですけど、
1回動かして、また2週間後に止めるわけですよね。
どれぐらい電気使ったりお金かかるとか分かったりするんですか?
加速器の運用とエネルギー制御
スピーカー 1
電気代、どれぐらい加速器をフルパワーで動かすかによるんですけど、
昔のデータ見ると、1年間フルパワーで大体動かしてた時期って、
年間の電気代が、大体東京、さっきも言いましたけど、
東京ディズニーランドとディズニーシー足した分ぐらいだって。
スピーカー 2
年間で。
年間がそれと一緒ぐらい?
スピーカー 1
そう、年間の電気代、電気使用料が。
すごい。
スピーカー 2
そうですね。
電磁力とかありましたし、温度とかコントロールとかも大事そうじゃないですか。
スピーカー 1
そうですね。一番いろんなところで電気使うのはあるんですけど、
粒子を加速するエネルギーもそうですし、
あと液体ヘリウムとかを大量に使うので、そういったものを作るためのプラントも。
スピーカー 2
液体ヘリウムですごい冷やすっていうことですね。
スピーカー 1
そうですね、そういった電気とかいろんなところにありますので。
粒子を加速するところも、粒子自体に与えてるエネルギーって大したことないんですけど、
与え方が結構難しくて。
与え方。
コップの水を、お水をあげるみたいなイメージで言うと、
コップの水をバシャンってリムにかけちゃうと、波打っちゃって、乱れちゃってダメなんですよね。
だからお風呂みたいなところにたくさん溜めといて、
そっからちょろちょろってお風呂の水面があんまり揺れないような感じでちょろちょろって出さなきゃいけないんで、
実際に供給するエネルギーよりもすごいたくさんエネルギーを作らなきゃいけないんですよ。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
その辺は結構難しいところではあるんです。
スピーカー 2
なるべく安定してやらないと、きれいな実験データも取れない。
スピーカー 1
そうなんですよ、ビームが乱れちゃうんですよ。
それこそきれいな正面衝突のデータ取れないみたいな感じになっちゃうってことですよね。
スピーカー 2
だからどうしてもやっぱり電気代。
実験データの処理と監視
スピーカー 1
なので我々の実験は夏の日本の国中の電気の消費量が低迫するような時期っていうのはお休みしていて、
夏の間は1ヶ月とか2ヶ月お休みしてます。
スピーカー 2
じゃあその時期は基本的にプロジェクトの人とかはもう夏休みみたいな?
スピーカー 1
いやいや全然違います。
むしろその時期の方が忙しくて。
普段実験やってるとやっぱり大掛かりの改造とかできないじゃないですか。
だからそのシャットダウンの期間中にもういっぱい宿題があるんでそれをなんとか。
大学生じゃないんだから。
スピーカー 2
夏休み満喫できるのかと。
スピーカー 1
24時間じゃなくなるのは楽になりますけど、やることはいっぱいありますね。
その期間しかできないことってやっぱりいっぱいあるんで。
スピーカー 2
でもそうですよね。
全然だって論文書いたりとかもあったりするから。
出てきたデータを1週間でものすごい量のデータ出てくるわけじゃないですか。
スピーカー 1
中山さんはそれを結構解析とかもしてるっていう。
本当にいろんな人がいるんですけど、1200人いるんで。
基本的に出てきたデータってものすごい量なんで、
日本にある計算機パワーだけじゃ全然足りないです、処理するのに。
世界中の参加してる機関の中に大きい計算機を持ってるところがたくさんあるんで、
それをグリッドコンピューティングで結んで、いろんなところで分担して。
スピーカー 2
ちょっと借りながら処理して。
スピーカー 1
解析してますね。
スピーカー 2
あとなんか実際どういうことやってるとかありますか。
スピーカー 1
そうですね。さっき24時間のシフトがあるって言ったんですけど、
コロナの時めちゃくちゃ大変で何でかっていうと、それをみんなで分担してくる。
海外の人が全然来れなかったじゃないですか。
入国制限。
だから本当に日本にいる日本人とずっと常駐してくれてる海外の人たちだけでシフトを回さなきゃいけなかったんで、
もう大変でした。
スピーカー 2
それはなんかもう体力的にしんどいですね。
スピーカー 1
普段は入れ替わり立ち替わり海外の人が来てくれて、
シフトを分担してくれるんでだいぶ楽だったんですけど、
あの時期は相当大変でしたね。
スピーカー 2
それも誰でもできるようなバイトを雇ってできるようなものでもないですよね。
スピーカー 1
いやー難しい話ですけどね。
スピーカー 2
そう、なんかのボルト緩んだら閉めてねみたいなそういうレベルじゃないですか。
そうですよね。
スピーカー 1
基本的にはデータを見てるやつなんで、
リモートからやっていただいた部分が大きかったんですけど。
スピーカー 2
確かに。出てくるものを見ることができる。
スピーカー 1
そうそう。
その装置がちゃんと動いてれば綺麗なデータが出るんだけど、
なんか変なデータが出てるぞってなったら一回リセットしてもう一回撮り直しとか。
リアルタイムに気づかないと無駄になっちゃうんで。
そういうのを常に監視しておく必要がある。
スピーカー 2
それってなんか実際にさっき言ってたプラスとマイナスのやつを飛ばして、
その通る通路みたいなのがあったりするわけじゃないですか。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
そういう通路がなんかおかしくなっちゃったりとかなんですかね。
スピーカー 1
えっとですね、我々はその飛ばす方の面倒を見るというよりは、
飛ばして出てきたいろんな粒子を捕まえる装置、測定器って言われてます。
スピーカー 2
あ、そうか。測定器の方か。
スピーカー 1
の方がちゃんと動いてるのを常に監視してるって感じですかね。
なんかたくさんプロップが並んでる液晶パネルがたくさん並んで。
スピーカー 2
デイトレーダーみたいな。
スピーカー 1
そうです。
なんか通常と違うデータが出てくるとなんかピコーン高くなって、
プラダンサーを調べるとかそういう感じですかね。
スピーカー 2
えー、それでも原因調べるの大変ですよね。
受信してるのがちょっと違うっていうので。
スピーカー 1
そうですね、だから。
どこにって。
シフト取ってる人が全部わかるわけではなくて、
エキスパートの人に夜中かもしれないですけど、
起こしてなんか変なこと起きてるけど大丈夫?とか。
人的リソースの管理とシフト
スピーカー 2
大変そうだね。
スピーカー 1
だからエキスパートの人は夜中でも電話かけてくるPHSとかも。
スピーカー 2
いや、それなんかお医者さんみたいな。
スピーカー 1
まさにそうです。オンコールシフトって言って、
自分の担当してる装置の変なことが起きると、
いつ何時呼ばれるかわからない。
そういうのがありますね。
スピーカー 2
眠れなくなりそうですね。
スピーカー 1
僕も学生の頃にすごい偉い先生。
当時まだ携帯とかなかったんで、家電に電話しなきゃいけなくて。
スピーカー 2
いや、なんか深夜だったらちょっと嫌ですね。
スピーカー 1
嫌ですよね。奥さんとかが出てきて、
すいませんって言われて。
そういう時代も昔でありました。
今はスマホがあるから大丈夫ですけど。
スピーカー 2
しかもだから、前半でもちょっと機械を自分たちで作んないといけないみたいな話もありましたけど、
オリジナルだから、なかなか業者とかもいなかったりするわけですよね。
スピーカー 1
そうですね。やっぱりもちろんオシロスポークとか、
いろんな汎用な機械を使って開発はもちろん進めていくんですけど、
素粒子の捕捉に関する技術開発
スピーカー 1
やっぱり一番肝心な部分っていうのは、
我々の実験でしか作ってないものなので、
本当にもう10年とかそれぐらいの時間をかけて、
会社の方と一緒に作っていく感じになるんですけど、
例えば、ビームパイプっていうビームが通る札があるんですけど、
我々の要求するのはすごい変なことを要求するんですよ。
ものすごい軽い金属と重い金属を溶接してくださいみたいな。
スピーカー 2
確かにどういう要望なんですか、それは。
スピーカー 1
なんでその種類が普段一般には全然使わないような金属を使うわけですよ。
スピーカー 2
家建てるとかでやるようなことは全然ないっていう。
スピーカー 1
そうすると、この金属とこの金属溶接なんかやったことないんだけどみたいな感じで断られるわけですよ。
だから本当にどういう条件でやったらちゃんと引き付くかみたいなところから
一緒にやってくれるような業者さんを探して、
もちろんその条件を探すための予算っていうのもちゃんと支払いしてやっていただくんですけど、
だから本当にまず無理難題を一緒に考えてくれる人を探すところからがすごい大変ですね。
スピーカー 2
すごいね、そこが探すところから始まるんだ。
大変ですね。
スピーカー 1
複雑な形状のパイプとかを作りたいってなってもやっぱり重い金属って削るのがすごい大変ですよ。
スピーカー 2
鉄みたいなのとか簡単にそこら辺にあるようなものじゃないからってことですね。
スピーカー 1
そういうのをチャレンジしてくれる、いろんな削りにくい金属を削った実績があるようなところに
我々これ削りたいんですけど。
スピーカー 2
いろんな業者あるな。
スピーカー 1
そういうのとか、それはすごく金属を加工するみたいな話ですけど、
それ以外にも、例えば我々素粒子が出すすごい弱い光を捕まえて電気信号に変換してみたいっていう
そういう要請があるんですけど、そんな素粒子が出すみたいなすごい弱い光って普通扱わないじゃないですか。
もうちょっと目に見えるみたいな光じゃないですか。
スピーカー 2
普通の生活ではないですよね。
何のためにっていうところから始まります。
スピーカー 1
素粒子ってやっぱりすごいちっちゃいんで光を出しても光がすごい弱いんですね。
でも光ってどんどんどんどん弱くしていくと最後光の粒1個とかになるんですけど、
その光の粒1個でもちゃんと見えるぐらいのものが欲しいとか言うと、
もうなかなか大変じゃないですか。
実験装置の改良
スピーカー 2
え?ってなりますね。
スピーカー 1
だいたいその月に置いてある懐中電灯を地球から見て光ってるかなってわかるなきゃいけないとかそれぐらいのレベルなんですけど。
スピーカー 2
すごいな。
なんかもうそれこそ業者っていうよりも研究、そういう技術を開発してる人たちに頼むレベルですよね。
スピーカー 1
そうですね。だから光けんすきで言うと本当に我々浜松モトニクスっていう浜松にある会社さんともう本当にずっと一緒に共同研究してるんですけど、
向こうにもその会社の方で社会人に乗ってから博士号を取った方がいらっしゃって、
そういう方と一緒に僕も浜松の工場に通ってた時期ありますけど。
スピーカー 2
本当に作るところから見てるんですか?
スピーカー 1
本当に一緒にやっていった感じですね。
だから研究者1200人って今言いましたけど、
スピーカー 1
そこに関わってるいろんな外部の業者の方とかも加えるともうすごい人数ですよね。
いろんな各国の研究者の人が何かものを作るときにそこの国の会社を引っ越しになる。
なんか一個のパーツだけでやっぱこの業者だみたいなのもありそうですしね。
本当に関わってるプロジェクトだなっていつも思います。
スピーカー 2
これってベル2実験みたいなお話もありましたけど、もともとだからベル実験。
スピーカー 1
そうですね。ベル1実験。当時は単にベル実験って言ってましたけど、今区別するためにベル1実験って呼んだりもしますけど。
ベル1実験は1999年から2010年くらいまで走ってたんですね。
10年間走ってアメリカの実験に勝ってすごいたくさんデータを込めて終了したんですけど、
そのまま走り続けるっていうもちろん選択肢もあったと思うんですけど、
何年か休んででも大幅に改造してそこで性能をグンって上げれば休んだ分取り返せるだろうっていう、
そういうところで多分どこかで上手くいってる実験を1回ストップして、
より新しい最先端の技術を使ったものに作り変えるっていうことを必ずやる必要があるんですよね。
それを我々の場合は2010年に決断して。
スピーカー 2
なんかもうアップデートどんどん早そうだし、他の国とかも。
スピーカー 1
特に粒子を捕まえるセンサーの中で半導体を使ってるようなセンサーもあるんですけど、
そういう技術って10年経てば全然違うすごい技術があるわけなんですよね。
だからそれにやっぱり入れ替えて実験しないと、どんだけたくさんデータを取ってもデータのクオリティもやっぱり違うのでもったいない。
スピーカー 2
2000年前半とか考えたら今僕らが持ってるスマホとかも全然ないレベルじゃないですか。
考えたらそれだけやっぱり機械も進化してますよね。
そうですね。
スピーカー 1
我々は特に半導体の部分とか、あとは出てきた素粒子の種類を判別する測定器の中にセンサーがあるんですけど、
素粒子とその分析の仕組み
スピーカー 1
それも大幅に新しいアイデアを使ったものに改造して、つまり同じだけ衝突回数があってもよりクオリティが高いデータを取れるように測定器に生まれています。
スピーカー 2
素粒子の種類、何から分かるみたいなのって結構深そうですけど。
スピーカー 1
そう、面白いですよ。素粒子の種類って別に顔があるわけじゃないから、どうやって見ても確かに不思議になると思うんですけど、
基本的には素粒子それぞれに違う重さがあるので、重さが判別できればいいんですね、質量が。
スピーカー 2
なるほど、重さ。
スピーカー 1
質量を判別するためには、速度と運動量が分かっていると割り算するとできる。運動量っていうのは質量かける速度なので、運動量を速度で割ると質量が出てくるんですね。
要するに、粒子の運動量と速度を測ってやると粒子の種類が分かる、そういう仕組みでやってるんですけど。
スピーカー 2
なるほど、そのすっごい微妙な差とかですかね。
スピーカー 1
そうですね。
例えば面白いのが、エアロゲルって呼ばれる透明な、ものすごい軽い透明にした発泡スチロールみたいなのがあるんですけど。
スピーカー 2
エアロゲル?
スピーカー 1
エアロゲル、エアジェル、エアロゲル。
ゲルですか。
ゲルって言っても手に持てるような固い塊なんですけど。
スピーカー 2
発泡スチロールですもんね。
スピーカー 1
そうそう、それを粒子の通り道に置いておくと、一定の速さの超えた粒子が通ったときだけピカッと光るっていうのがある。
そういう性質があるんですよ、チレンコフコフってことは。
そうすると、これ今光ったからこっちの粒子っぽいとか、これ光らなかったから遅いってことはこっちの粒子っぽいとか、そういうのが分かるっていう、そういう仕組みが例えばあるんです。
スピーカー 2
なるほど、スピードをそうやって見えるようにしてるってことですね。
スピーカー 1
そうですね。
ベルツー実験の検出器の大きさと見学について
スピーカー 1
もしくは様を挑んでぶつけた点から、今センサーがあるところまで粒子が飛んでくるのにかかった時間をものすごい精度良く測ってあげれば、距離は一緒なんで時間で割れば速さが出るじゃないですか。
そういう風にして速さを測るという方法もあって、そういういろんなアプローチで出てきた粒子の種類を見合ってきます。
ベルツー検出器の中にはそういったいろんな違う種類のセンサーが何種類も入っていて、なので複数のセンサーのデータを後からガッチャンとして解析してやると、
起こったB中間子の壊れ方の全貌がまるでデジカメで写真を撮ったように見えるって表現することがあります。
スピーカー 2
これちょっと音だけなんで伝えられないですけど、実際見てみてほしいですね。
スピーカー 1
この辺の話って我々のベルツー実験のYouTubeのビデオでかっこいいCG使って説明してるので是非見てみてください。後でリンクを貼ってもらえると。
スピーカー 2
よく多分素粒子の研究所とかを調べるとものすごいいかつい機械の写真とかいっぱい出てくるじゃないですか。
配線だらけででっかい丸みたいなのがあって。
スピーカー 1
まさにそうです。
スピーカー 2
あれって大体さっき言ってた検出するところですか?
スピーカー 1
そうですね。我々の検出機は大体8メートル、8メートル、8メートルとかあるので、3階建ての1軒屋ぐらいのサイズですよね。
それが地下4階まで吹き抜けになっている大きな実験ホールの地下の部分にドーンと置いてあります。
スピーカー 2
すごいでかい。
そこ行ってみたら異空間感がありそうですね。
スピーカー 1
いやー本当にすごいですよ。
やっぱり見学に来られた方、皆さん間近で見るとやっぱり写真と全然迫力が違うって知ってて。
過去、いろんなドラマとかにも使われてて。
ガリレオの、福山正平さんのガリレオのドラマの撮影とかでも使われてるんで。
スピーカー 2
物理学といえばみたいな感じしますもん、やっぱり。
スピーカー 1
再放送とかあると見ていただくとわかりますけど、まさにベルツ検索の中で福山さんが仕上げてますね。
スピーカー 2
ここを高速で通ってんだって考えたらちょっと熱いですよね。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
でもそんだけ高速で素粒子が動いてたら危なくないんですか?事故とかじゃないですか?
溜まってる特技ですよね。
スピーカー 1
さっきも言いましたけど、粒子自体が持ってるエネルギーってそんなに出したことないんですよ。
もちろん変なことが起きてストッパーとかに当たっちゃうとストッパーがちょっと動けたりとかしますけど。
なんていうか、ドーンって爆発するとかそういうことはあります。
ビームが出てるエリアっていうのはコンプリートに壁で仕切られてるので、その外側にいればいいんです。
スピーカー 2
ちょっと行ってみたいです。
スピーカー 1
ぜひ来てみてください。
スピーカー 2
普通の人って入れるんですか?
スピーカー 1
例えば一般公開のときとかだと本当に近くまでご覧いただけますし、普段も見学っていうのは受け付けてるので、
ある程度グループで受け付けてるんですけど、
いれば我々普段の業務で見学の方に決めつけてもらえるようになります。
スピーカー 2
さっき言ってた夏の間はお休みしてるとか、そういう期間とかですかね。
そうですね。
スピーカー 1
今実はベルツー事件、長期のシャットダウン期間中でして、
大幅な改造をやるために一度2019年ぐらいから運転を1回止めて、今大きな改造をしてるんですけど、
なので今年の夏いっぱいは検出機の中の方まで空いた状態っていうんですかね。
普段は蓋で隠れてるんですけど、今結構検出機の内側の心臓部のところまで見える状態になってるので。
この夏の間に見学に来られる方は多分数年に一度しか見えない、奥の方が見える状態になってると思います。
スピーカー 2
そうですね。1回走っちゃったら全然見れないから。
ベルツー実験のアップデート
スピーカー 2
そうなんですよね。
期間限定みたいな。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
ちょっと見てみたいな。
絶対これ聞いていきたいってなる人いると思います。
スピーカー 1
いるそう。
今9月の下旬ぐらいに一般公開の準備が進めてるので、
また情報が確定すると公園根県のホームページに出てくると思います。
スピーカー 2
ちなみにこれ、どんなアップデートしてるんですか?
スピーカー 1
いろんなアレがあるんですけど、加速機の方も協力していて、
検出機の方では一番中心部分の半導体のセンサーっていうのが、
まだ実はフルには入ってなかったんですけど、
それをフルに全部のセンサーを入れて動かすっていう、
実験現場の様子
スピーカー 1
そういう効果の作業をやってます。
スピーカー 2
一部でももう稼働始まってたっていうことなんですね。
スピーカー 1
はい、そうです。
スピーカー 2
確かにセンサー1個1個作るのもまた大変そうですしね。
スピーカー 1
そうですね。さらに詳しいデータが取れるようになると期待してます。
スピーカー 2
実験の感じがイメージするの難しいなって思いますけど、
CGとかで見たらかっこいい軌道みたいなやつが見えるかもしれないですけど、
実際は波形みたいなのですか?
スピーカー 1
実際は複数のセンサーから出てきた電気的な、デジタルの信号を組み合わせると、
イベントディスプレイって言うんですけど、
粒子が散らばっている状態をビジュアルで示すことももちろんできて、
そうすると確かにぶっかけて出てきた粒子が
主砲発砲に飛び散ってるなっていうのを目で見ることもできますけど、
でも1秒間に何万回って起きるので、それで別にチェックしてるわけじゃなくて、
それはもうすぐ間引いてたまに出してるだけなんですよ、ディスプレイに。
実際には取ったデータのいろんなパラメーターを見て、
理論と実験の関係
スピーカー 1
ちゃんと取れてるかなっていうのを確認しています。
スピーカー 2
確かにそれをまた1個1個計算するというか、
するのも大変そうだなって思いましたけど。
スピーカー 1
そうですね。だから粒子に顔がついてないんで、
この出てきた粒子の種類が何かなっていうのは、
ある程度の確率でしか分からないですね。
これは多分9割くらいこの粒子だなとか、
そういう計算を全部してやってるんですけど。
スピーカー 2
だから1回やっただけだと、例えば1回の実験で点が1つ打てるとして、
それを何回も何回もやったら、
これは直線の一部だったんだなみたいなのが分かってくるみたいな。
スピーカー 1
そうですね。例えば、ある特定のパターンに壊れるデータを集めたいって思ったら、
いろんな他のパターンにも壊れるパターンがたくさんあるので、
いろんな中から自分が今探したいと思っているパターンのやつっぽいやつを集めてきて、
それが何回中何回あったかなみたいなのを調べるとか、
そういう感じですね。
スピーカー 2
それで割合とかを計算するっていう感じなんですかね。
スピーカー 1
それが理論で予測してたのは何パターンだったのか、
理論で予測してたのは、例えば100万回に1回起こるって予測してたけど、
データだと100万回に10回起こったら何か変なことですよね。
例えば。
そうすると何か変なことが起きてるかもしれない。
そういう感じで調べます。
今単純に回数の話だけしましたけど、
出てくる、公開してくる粒子の角度のパターンとか、
いろんなところを理論で測ると実際の実験結果との差があると。
統計的に意味がある差があると。
スピーカー 2
とてつもない量ですね。
とてつもない量。
僕すごい思うのが、
こういう理論と実験する人ってそれぞれいるわけじゃないですか。
今回はその実験からこういうことが分かるみたいな話とかで、
今でも理論をやってる人もいるわけじゃないですか。
どういう関係性というか、どう関わってるのかなっていうのもちょっと気になったんですけど。
スピーカー 1
例えばその理論っていうのは標準理論っていう、
すごい完成したっぽい理論があるっていうふうに言ったんですけど、
手で説明できないことを何とか説明しようっていうために、
拡張版の理論みたいなのはいろんな仮説があるんですね。
例えばそういうのを考えてるとか、
何百種類もある仮説の中で、
これは生き残るけど、
これは否定される。
実験結果から否定されるみたいなことを延々やっていくわけですね。
例えば標準理論で説明できないっぽいような新しい結果が見つかったら、
もう2、3日のうちにそれを説明できるかもしれないっていう新しい理論が、
ペーパーが出てきたりとか。
へー。
すごいスピード。
スピーカー 2
すごいスピードで世界中の人がやってたりしますね。
スピーカー 1
でもその理論が何かできたってなったら、
スピーカー 2
それをやっぱり実証したいってなって測定しに来るみたいな。
そんな感じのイメージですかね。
そうですね。
スピーカー 1
あとは、やっぱり理論ってすごい理想的な場合っていうか、
実験特有の、固有の事情とかあんまり考えずにやっぱり理論を作るんで、
それをじゃあ実験結果と比べるときに、
測定器の方のいろんな情報とかを組み合わせて、
実験結果と直接比較できるような、
結果を出しとかないとすぐに比べられないじゃないですか。
そういう間を橋渡しするのを専門にしてる方もいらっしゃって、
現象論、フェノメノロジーって言われるんですけど、
素粒子の研究分野
スピーカー 1
そういうお互いを繋いでくれるような理論のことを言っている方もいらっしゃいます。
なるほど。だから単純な一対一関係じゃないですね、そう考えたら。
そうですね。はい。
スピーカー 2
そこまで細かい分野分けまで分かってなかったですね。
スピーカー 1
そうですね。はい。
スピーカー 2
その素粒子っていうジャンルの中で、
さらに結構いろんな種類があるんだなって。
そうですね。理論と実験と加速器屋さんと、
スピーカー 1
理論と実験に繋ぐ現象論ですね。
しかも説明も難しそうだなって思いましたね。
スピーカー 2
そうですね。
やってることの説明が。
基本的に加速器は加速器だと思うんですけど、
さっき用紙をぶつけるやつもあるっていう話で、
いろんな種類があるっていう感じですね。
そうですね。
スピーカー 1
セルンでやってるLarge Hadron Collider LHC実験っていうのは、
用紙と用紙をぶつけて実験してるんですね。
用紙っていうのは電子よりもめちゃくちゃ重い。
我々がぶつけてる電子よりめちゃくちゃ重いんで、
ぶつけたときに起こせるエネルギーっていうのは、
もうすごい高いんですよ。
その代わりに、
用紙の中には3つのスポークがあるんですけど、
その片方の用紙の中の1個のスポーク、
もう片方の用紙の中の1個のスポークだけが反応して、
素粒子研究の特徴
スピーカー 1
残り2つのスポークって引きちぎられて、
ものすごい周りにゴミというか、
見たい現象じゃない、関係ないのをばらまくんですね。
なので、ものすごい腰草の中から針を探すような、
実際に見たいものだけを探すのがすごい大変になるっていう、
彼らはチャレンジしてるんですね。
われわれの場合は電子と溶電子で、
完全にお互いに消えちゃって、
見たいものだけが出てくるんで、われわれの場合は。
非常にクリーンで見えるっていう、
エネルギーというとスイスの実験には、
われわれの実験は全然かなわないんですけど、
むしろクリーンで見える、
でも綺麗な現象が見えるっていうところで、
勝負してるっていう感じですね。
結構性質は違いますね、やってること。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
ときどきわれわれは豆と豆をぶつけてるんだけど、
スイスの実験は、
豆大福と豆大福をぶつけてるっていう人がいて、
その大福部分が散らばったらノイズになっちゃうみたいな。
スピーカー 2
あんこが飛び散るみたいな。
スピーカー 1
それ分かりやすいですね。
スピーカー 2
確かに。
純粋に豆を見たいっすもんね。
そうそう。
でもそれぞれ違う現象で、
つながるわけじゃないですか。
電子純粋に見たら、
物質と半物質の話になるみたいな。
そっちはそっちで。
違う方向のアプローチですね。
スピーカー 1
すごいな。
スピーカー 2
もっと詳しく聞いたら、
宇宙の始まりの、
すっごい細かい話とか、
出てきそうだなと思うんですけど。
画像が必要ですよね。
そうですね。
スピーカー 1
音で伝えるの難しいですね。
スピーカー 2
宇宙と素粒子が、
スピーカー 1
すごい近い関係にあるんだよっていうのを、
表す時によく使う絵で、
ウロボロスのヘビっていうのがあるんですけど、
鏡の錬金術師のマークとか、
もし知ってる方がいたら、
思い出してほしいんですけど、
ヘビが自分の尻尾をパクって、
噛んでる。
輪っかになってるっていうのがあって、
尻尾に行けば行けるほど、
ヘビって細いじゃないですか。
頭の方が太いって考えると、
頭の方にあるのは大きい宇宙。
そこからだんだん小さくなっていって、
どんどんどんどん小さくなって、
それがその尻尾の先にある素粒子。
スピーカー 2
それがヘビが真っすぐだと、
スピーカー 1
宇宙と素粒子って一番遠いんですけど、
ヘビが狂って自分の尻尾を噛まれてると、
宇宙と素粒子がすごい近いっていう、
そういう風に表現することが結構ありますね。
一般の方からそう思うと、
宇宙素粒子大きさ全然違うから、
全然違う話だなって思われるのは、
普通だと思うんですけど、
ウロボロスのヘビの絵で表されるように、
宇宙と素粒子っていうのはすごく近い。
個人的な素粒子研究の道のり
スピーカー 1
なんか全部繋がってるんだよってことですよね。
そうですね。
ちっちゃいものから大きいものまで。
いろんなジャンルの話とか、
スピーカー 2
そのポッドキャストとかでもしますけど、
スピーカー 1
結構やっぱその共通点が見えると面白いみたいな、
スピーカー 2
のってあると思うんですよね。
生物の話と科学の話が繋がるとか、
よくあることであると思うんですけど、
そんだけ一番真逆の宇宙と素粒子が繋がってると、
結構面白いと思うんですよね。
そういうふうに思いますね。
そういうふうに思いますね。
そういうふうに思いますね。
そんだけ一番真逆の宇宙と素粒子が繋がっても、
面白いなっていう。
スピーカー 1
これは元々中山さん自身は、
スピーカー 2
もう素粒子の研究をやりたいっていうことで、
始められたんですか?
いやでも僕高校生の時代とかって、
NHKスペシャルで相対性理論の特集とか、
スピーカー 1
面白いなとか思ってはいましたけど、
素粒子とか別に特にあんま分かってなくて、
ものすごいなんかこう、
もっと身近な、
ブランコなんで焦げるんだろうとか、
なんで焦げるんだろうとか、
そういうのがあって、
なんか結構素朴な物理の興味とかの方が、
スピーカー 2
元々はあったんですけど、
スピーカー 1
なんかでもやっぱりそのいろんな大学に入って、
その物理のどういう研究をやろうかなと思ったときに、
やっぱりその基礎的なところが一番、
なんかしっくりくるなっていうので、
素粒子を選んだんですけど、
なんか最近の高校生の人とかと喋ってると、
なんかもうめちゃくちゃ詳しいじゃないですか。
あーいやいますよね、詳しい人。
うんうんうん。
そういうのがあって、
そういうのがあって、
そういうのがあって、
スピーカー 2
そういうのがあって、
スピーカー 1
びっくりしますよね、ほんとに。
英語の論文とか読んでるし、
すごいなと思って、
僕自身は全然ほんとに高校時代は、
何も知らなかったです。
スピーカー 2
なんか僕らのポッドキャストでも、
素粒子の勉強したいですっていう人が、
聞いてたりするんですけど、
多分全然僕らより詳しいだろうな、
みたいなテンションで書いてたりするんで、
いやすごいよな、
今だから調べる手段がいっぱいあるからなのか、
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
ネットとかで調べるのもすごい良いですよね。
スピーカー 1
僕が高校生の頃、
NASAのホームページぐらいしかなかったですからね。
NASAのホームページから、
写真を30分ぐらいかけてダウンロードして、
きれいって言ってたような、
スピーカー 2
そういう時代なんで。
全然違いますね、今と。
スピーカー 1
そうですね。
羨ましいですよね。
スピーカー 2
なんかいろんな研究所も、
インターネットを通じた科学の情報収集
スピーカー 2
それぞれやってることを伝えようとしているというか、
そんな感じもすごいありますよね。
スピーカー 1
そうですね。
それは本当にあると思います。
やっぱり基礎研究って、
昔は、
本当にそういうのが好きな人が、
勝手に好きにやってるってイメージがあったんですけど、
やっぱりそういう、
最近になって、
基礎研究だからこそアウトリッチっていって、
一般の方に、
基礎研究の面白さとか重要性を分かっていただくための、
いろんな取り組みをするっていう、
やっぱり方向性にどんどんなってきているので、
僕たちもそういうのをかなり力入れてやってるんですけど、
やっぱり我々の研究って、
国から予算をいただいてやってるわけなんで、
我々が楽しいことを、
面白いなってやってるだけでもいいかもしれないんですけど、
やっぱり、
なぜこういうことをやると面白いのかとか、
将来、
もしかしたら何かすごいことにつながるんじゃないかっていうことを、
やっぱり、
いろんな方とシェアしたいというか、
この面白さを皆さんと共有したいっていうところはあって、
今日こういうところにお話しさせていただく機会をもらったのも、
そういう取り組みの一環ではあるんですけど。
いや、そうですよね。
なんかもう、
スピーカー 2
ただただ電子ぶつけてる人ですみたいな感じに思われたら、
ちょっと嫌じゃないですか。
いやいやいやみたいな。
でも実際こうやってなんか、
本当に僕らがみんな、
宇宙の始まりとかって気になることだと思うんですよ。
うん。
スピーカー 1
誰しも一度は考えたことあることに、
スピーカー 2
なんかそういう最先端の技術で取り組んでるって聞くと、
ああ、そうなんだっていう、
そこがちゃんと繋がってくる。
すごくワクワクしますよね。
宇宙と繋げると。
あとはやっぱり、
スピーカー 1
若い世代の方にもどんどんこういう情報を伝えていきたいなっていうのは、
すごい切実に感じてて、
実験自体、
一つ前の実験は10年です。
論文から、
実験でデータが出るまでに30年とかかかってるわけなんで、
そういう長いスパンでやる実験だっていうことを考えると、
今、我々が若い世代の人たちに、
ちゃんとリーチしておかないと、
10年後、20年後にこういう実験に参加してくれる人っていうのは、
科学への興味を促す取り組み
スピーカー 1
やっぱりなかなか出てこないんじゃないかっていう危機感はすごいあって。
うーん。
まあそれこそ、
スピーカー 2
小林増川理論みたいな感じで、
もうすごい、論文出てから何十年後の人たちが実験してるみたいなことって、
今後も全然起きることですよね、きっと。
そうですね。
わかんないですけどどのくらいか。
今年だからあれなんですよ、節目の年なんですよね。
そうなんですよ。小林増川理論が出たのが1973年で、
スピーカー 1
そこからちょうど50周年っていうことで、
いろんな講演会とかイベントを我々の研究所でやっていて、
小林先生が我々の研究所の主催者になっているんですけど、
なので、その講演会のYouTube、
6月に見れるように、
見ていただければいいかなと思います。
小林先生もなんか考え深いだろうなと思って、
思って見てますけど。
スピーカー 2
そうですよね。
50年、すごくないですか?
スピーカー 1
50年前に出した自分の論文が評価されて、
スピーカー 2
こうやって特別講演みたいなのがあったらもう考え深いですね。
だし、それがまたバージョンアップして、
今でも鈴木の研究もやっていて、
時を感じそうですよね。
そうですね、我々の研究所のホームページから
スピーカー 1
いろいろ調べていただければ、
スピーカー 2
その講演会以外にもいろんな、
スピーカー 1
うちでやっている実験の紹介の動画の一部を
見ることができると思います。
なかなか、こういうがっつり物理の話とか、
ちょっとできていないところがあって、
スピーカー 2
というのも私たちの研究所の中では、
音声だと難しいなって感じるところもあるんですけど、
こうやって実際に直接話を聞くと、
細かい計算式とかは、
なくてもやっていることは伝わるというか、
こういう研究所がまずあって、
研究者が何百人も力を合わせてやっているんだぞ、
というのを知ってもらうだけでも
結構意味があることだと思います。
そうですね。
エマさん、知ってました?
知らないです。
こんな大掛かりの実験だということも知らなかったですし、
素粒子ってなんとなく宇宙につながってそうだな、
みたいなイメージはなんとなくあったんですけど、
どういうふうにつながっているのかというのが
全く分かっていなかったので、
こうやって加速させることで、
赤ちゃん宇宙の様子を再現しているのかというのを知れて、
すごく勉強になりました。
これで興味を持ってもらって、
YouTubeとかネット見てもらうとか、
あとは実際に基盤のところを見に行ってもらうとか、
してもらったらすごくいいですよね。
またはこの話をきっかけに
素粒子物理学者になりたいという人が現れたらいいですね。
高校生との研究実践
スピーカー 2
まさにそう。
次の理論を作るのは俺だみたいな人が出てきてもいいですし、
実際実験をやる人とかもね。
そうですね。
スピーカー 1
僕たちの実験グループでは毎年夏に全国の高校生を
20人ぐらい紹介して、
横浜の研究体験クラスに行って、
旅費も全部こっちで支払っているんですけど、
もうそこで本当に、
我々は本当に月切りで高校生と一緒に、
もう本当に大学院生とかやってるようなことを
一緒にやるんですけど、
そういうので、
そういうので高校生の人たちが楽しんでくると
こっちもすごく嬉しいんですよね。
どんな感じの感想をもらうんですか?
高校生とか。
スピーカー 2
最終日に発表してもらうんですけど、
2日目、3日目とかでやった実験の内容を
まとめてスライド作って、
スピーカー 1
本当に我々が普段研究発表しているような
フォールを使って研究発表してもらうんですけど、
研究者たちのモチベーションと協力
スピーカー 1
やっぱりそういうのをやってもらって、
それがすごい楽しくて、
その後物理の道に進んだりとか、
研究の道に進んだりとか、
何だったら我々の実験に参加してくれる人とかもいて、
え〜実際。
もう本当に、
僕たちの実験に参加してくれる人とかもいて、
もう15〜6年やってるんですけど、
それぐらいやってると、
いろんな機会を通じてすごい楽しみに取り上がってます。
イチローがどっかの野球部に教えに行くみたいな感じじゃないですか。
スピーカー 2
それで最終的に同じチームで野球やるみたいな状態というか、
なんかそういうのいいですよね。
世代に伝わっていってる感があるし。
高校生たちと一緒にやるっていうのもやってるんですけど、
その他にもですね、
スピーカー 1
我々最近始めたプロジェクトで、
素粒子に関する展示の本を作ろうっていうプロジェクトを最近やってまして、
やはり、
視覚障害がある方とはお話しする機会があったんですけど、
高校生ぐらいまでの内容だと、
いろんな教科書を見ることができるので、
我々の研究所の中の研究者、有志が集まって、
最初から視覚障害がある方が読むっていうことを前提にした、
素粒子とか宇宙の本を書いてみようということで、
今、開発しているんですけど、
やはり、
やはり、
やはり、
やはり、
やはり、
やはり、
やはり、
やはり、
やはり、
やはり、
現實、
スピーカー 2
繋がりみたいなのも結構あるって感じなんですね
スピーカー 1
今回やっぱりたまたま近くにいらっしゃるってことで
ぜひ一緒にやりたいですって言ってくださったので
非常にありがたかったですね
スピーカー 2
すごいなんかいいコラボレーションですよね
確かにそこにハードルって本来あってあんま欲しくないですよね
誰でもやっぱ考えたりはできるじゃないですか
みたいなところをみんなに知って欲しいというか
スピーカー 1
やってもらいたいなって思います
スピーカー 2
ちょっと最後にすごい聞きたいんですけど
中山さんが一番面白いなって思うところ
研究とか
それちょっと聞きたいなって思ったんですけど最後
スピーカー 1
そうですね
もちろん研究って別に
ノベル賞とかもらおうとしてやってるわけじゃなくて
いろんな大きい目標がありつつも
それに向かっていくためには解決しなきゃいけない
すごい小さいステップもたくさん無数にあって
それ一つ一つを
装置ちゃんと動いたとか
ちゃんとデータ取れたとか
そういうのでもいいんですけど
そういうのを日々組み重ねていくところに
やっぱり僕自身は面白さを感じていて
1年に1回ぐらいしかご褒美がないパターンだと
僕はちょっと生きていけないタイプなのですけど
スピーカー 2
そういう分野もありますよね実際
スピーカー 1
だから僕は日々の小さい問題解決できたっていうのが
楽しいと思うタイプの人間だと思います
あと研究じゃないんですけど
研究のグループっていう意味では
さっきも言ったように
20何カ国の人が一緒に集まってやってると
いろんな価値観がやっぱりあるんですよね
人生観だったりとか
子供の育て方とか教育とか
別に仕事の話だけするわけじゃなくて
そういう雑談もするじゃないですか
やっぱり一緒にやってると
ということは夜中シフト
8時間の夜中のシフトとかとっておいて暇だから
スピーカー 2
絶対仲良くなるよなって思いますね
スピーカー 1
いろいろ話じゃないですか
それがすごい
自分にとってはやりがいのひとつになっていて
やっぱりいろんな価値観がかかる人がいると
自分が人生で悩んでることとかが
全然違うスケールのことで
向こうは悩んでたりとかして
そうするとそっちの悩みがちっぽけっていうか
アホらしくなってきて
そっかそっかこの国の人は
こんなことで悩んでるのか
じゃあ俺の悩みなんて大したことねえな
みたいなことを思うと
スピーカー 2
急に楽になったりとか
意外と自分幸せだったみたいな
スピーカー 1
だからもう全然自分が思いもよらなかったような
考え方があるんだなとかいうのに
触れたりとかすることで
やっぱりいろいろ面白いことがたくさんあるので
そういう意味で別にこの実験に
研究に限らず国際的なプロジェクトで
仕事してる方って
皆さんそういうことを体験されると思うんですけど
そういうところはすごく今の
スピーカー 2
確かにそれで実際にチームで
みんなで力を合わせてやって
それこそノーベル賞に繋がるような
結果が出たとか
なってるわけじゃないですか
実際だからすごいですよね
そういう意味ではいいチームを作って
スピーカー 1
っていうところが面白そう
チームをリーダーとして動かす時に
国際的な研究プロジェクトの魅力
スピーカー 1
どういうふうな言い方したら
うまく動いてくれるだろうって
やっぱりいろんなこと考えなきゃいけないじゃないですか
全然向こうは違うバックグラウンドがあると思うので
スピーカー 2
そういうところとかそういうのかな
結局研究もやっぱり人だよなっていう
スピーカー 1
もうそうです
特に我々は本当にもう人がたくさんいて
そういう人たちが力を合わせて
やらなきゃいけないプロジェクトなので
スピーカー 2
ワンマンじゃあ加速機は動かないっていう
スピーカー 1
そうですね
スピーカー 2
なんかさっきの仲良くなるって話を聞いて
いろんな国の人と
生涯の友達ができそうだなみたいな
楽しそうって思いました
研究の意義と大切さ
スピーカー 1
どこの国行っても大体なんかこう
知り合いの人がいるみたいな感じになるかもしれません
スピーカー 2
将来なんか何で知り合ったのって聞かれて
いや一緒に加速機作っててさみたいな話になった
すごいなみたいな
なりそう
なりそう
そういう仲間も出会えるっていう
最終的にいい友達ができるっていう話になったら
すごいよかったな
そういうのも必要ですよね
なんか研究だけだったら大変なこともあるかもしれないですけど
スピーカー 1
ほんとそうですね
環境とかっていうのはすごい大事ですよね
やっぱりうちもトンボ働きで子供はいるんで
海外の人とかでやってんの?みたいな話よく聞きますし
スピーカー 2
世界共通ですね
スピーカー 1
英語じゃない国の人とかにね
子供にさ英語って何歳から教えるとか
それ確かに聞きたいみたいな話
スピーカー 2
なんかヨーロッパ系の人とかって別に
スピーカー 1
僕は英語じゃなくてもすごくうまい国の人とかいますもんね
あとは例えば僕今東京に住んでるんですけど
研究所は筑波にあって
それで結局奥さんの実家とか仕事場が東京にあるから
僕は遠距離通勤してるんですけど
やっぱり海外でもやっぱりトンボ働きだと
ほんとにね町が違う感じで
週末ごと飛行機で帰ってるみたいな人とかもいるんで
僕の場合はギリまだ電車で通いますけど
そういう時に出会ってんの?みたいなこととか聞くと
僕はまだ電車だからそれでも悩んでるのに
向こうは飛行機か
スピーカー 2
そういうことだったんですよねさっきのスケール
なるほどね見た目もすごいし時間もすごいっす
スピーカー 1
なんかイギリスからドイツ渡っちゃってるとかね
高エネルギー加速研究機構のPR活動と出前授業
スピーカー 2
ありがとうございますなんかいろいろ
ザックさんに聞かせていただきましたけど
スピーカー 1
すごい楽しかったです
スピーカー 2
ありがとうございます
実際途中でもお話たくさん出ましたけど
この高エネルギー加速研究機構のPR活動とか
こういう機会があるっていう見学とか
あと高校生にもいろいろ説明する機会もあったりとか
そういうのもあるんで
そういうのもぜひこれで気になった方は
自分でちょっと調べてみたりもしてほしいですし
スピーカー 1
そうですね
あと我々研究者がいろんな地方の学校とかに行って
出前授業するみたいな経営系キャラバンで
研究していただけるとか
そういったプロジェクトもありますので
我々本当どこでも行きますのでぜひ
スピーカー 2
ぜひチェックしてほしいですね
そうですね
すごい楽しかったですありがとうございます
スピーカー 1
ありがとうございます
スピーカー 2
本日のゲストは高エネルギー加速研究機構から
中山さんに来ていただきました
ありがとうございました
スピーカー 1
どうもありがとうございました
スピーカー 2
ありがとうございました
51:00

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