生物のデザインを医療に生かす!そもそも生物のデザインとは何なのか?細胞でレベルのお話から長寿の動物を使った実例、人工染色体ベクターなどについて
【ゲスト】
鳥取大学 医学系研究科
山崎匡太郎さん
最近発表された論文はこちら↓
【トピック】
・生物のデザインとは?
・CAR-T細胞はデザインされている。
・超高額なCAR-T細胞療法
・がんの種類
・他の生き物の能力をゲットする。
・ピカチュウ作れる?
・デンキナマズの仕組み
・ハダカデバネズミの秘密
熊本大学 大学院生命科学研究部 老化・健康長寿学講座
・遺伝子導入の方法
・人工染色体ベクター
・BACTERIAL ARTIFICIAL CHROMOSOME (BAC)
・ダウン症の原因について
・サリドマイドの性質
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BGM
00:01
こんにちは、レンです。今回のシーズンは、生物のデザインの世界です。
一体どんな話になるのか、タイトルからはなかなか想像がつかないと思うんですが、
遺伝子を操ることについて、わかりやすくお話ししてくれました。それではどうぞ。
今回のゲストは、鳥取大学医学系研究科の山崎京太郎さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
山崎さんはですね、生き物をデザインするという研究をされているそうで。
はい、そうなんですよ。なかなかイメージがしづらいかもしれないですけど。
そうですね。あんまり結びつかないっていうか、もしかしたら聞いている人は、
何やらマッドサイエンティストみたいな感じのキメラとか作るのかなみたいな思っちゃうかもしれないですけど。
ただ、僕が所属しているのが医学ってついてるぐらいで、もともと医学部から僕は上がってきたんですけど、
将来的には人の役に立てられるように生き物をデザインしたいと思ってるんですね。
なるほどなるほど。これなんか研究室としてはそういうのをメインのテーマみたいな感じでやってるところなんですか?
研究室としては幅広くやっていて、生き物をデザインする場合もあれば、
細胞までで、デザインを細胞までにするってこともあって、
じゃあデザインって何なんですかっていうと、
もうすでに医薬品として世に出ているものでいえば、
カーティ細胞両方っていうガンとかを治療するために使われている細胞医薬品があります。
それはデザインされた細胞っていう。
そうですそうです。カーティって聞いたことありますか?
僕は聞いたことありますけど、実際やっている人と話すのは初めてですね。
本当ですか?
ちょっとカーティの基本的なところからぜひ説明してもらえると。
わかりました。あれはガン細胞を攻撃する体の中の細胞がいるんですけど、
その細胞がガン細胞を認識できないと攻撃できないじゃないですか。
そうですね。
やたらめったら攻撃しないようにガン細胞だけを攻撃するようにしてあげたいということで、
始まったというかデザインされた細胞で、
具体的にはガン細胞の表面にだけ出ているガン細胞ですよという目印、これをガン抗原とか言うんですけど、
そういう抗原と呼ばれる目印を認識することができるタンパク質、これ抗体って言うんですけど、
03:01
抗体はコロナの関係で結構聞いたことがある人も多いと思うんですけど、
色んなものにくっつけるような抗体っていうのが作ることができて、
その中からガン細胞の表面の目印にくっつくようなものだけを取ってくることで、
抗体医薬品という形にするんですけど、
だから普通の細胞にはくっつかないけどガンにはくっつくっていう抗体をまず見つけるっていうところが始まりって感じですね。
そうですね、その抗体のままでも医薬品になってるんですけど、
抗体自体には細胞を攻撃する能力ってのなくて、くっつくことがメインの仕事なんですよ。
なるほど、殺しはしないっていう。
そうです。
くっつくことで結果的に、
抗体がくっついてるからこの細胞を攻撃しとこうみたいに免疫細胞が働いてくれたり、
その抗体がくっつくガン抗原が何か他の細胞のタンパク質とやり取りをすることで生存することに重要な役割を果たしてたりすると、
その生きるためのシグナルが入らなくなるので結果的に死んでしまったりっていうような、なんか間接的にガンを殺すっていうような形で。
なるほどなるほど、これすごい、これの前のゲストの方が免疫と共生の話をしてくれたんですよね。
ニワトリの方ですか?
いやちょっとまだ出てないんですけど、石川さんっていう共生上皮細胞の研究をされている方が、多分これが出る前に出るエピソードなんですけど、これすごい並びとしてちょうどいいなって今思ってて。
本当ですか。
ちょうどそこのT細胞ってどんなん、B細胞ってどんなんとか、あとはこういうサイト回みたいなやつが出ますとか、その話を結構概論みたいなのもしてくれて。
そうですか。
そことも繋がってきますよね。
あそこに繋がりますね、この後の話が。そういう抗体を作るのがB細胞っていう細胞の集団ですね。
でその抗体を認識して攻撃してくれたり、このタンパク質なんか外敵っぽいから抗体作ってよみたいな形で提示してくれるのもT細胞だったりするんですけど、
その攻撃に関わってくれるようなT細胞に直接がん細胞を認識してもらったら、そういうまどろっこしいことが必要なくなるじゃないですか、体の中で。発見即退治みたいな。
いきなりがん細胞を殺しに行く奴らが来るってことですよね、T細胞が。
そこでT細胞の膜表面にあるT細胞受容体、Tセルレセプターって言うんですけど。
06:01
TCRですね。
TCRですね。これの膜の外にいて物質を認識する部分を、さっきがん特異的に結合する抗体取ってきたじゃないですか。
これのがんの抗原を認識する部分と取っ替えてやるんですよ。
取っ替えちゃう。だから装備させるみたいなイメージですよね、細胞に。
そうですそうです。電動ドリルの先端を変えるみたいなイメージ。
確かに確かに。
そうすると初めて出会った分子とかじゃなくても、もうくっつくって分かってるものなのでくっつくことができるんですね。
T細胞のそのTCRの先っちょにあるやつががん細胞に。
で、くっつくと細胞の中にシグナルが入ってサイトカインが出たり、細胞を殺すぞっていう方向に全体としてシフトすることができるっていうのがカーT療法の基本的な原理をざっくりと話した感じになります。
なのでカーっていうのはキメリックアンチゲンレセプター。
CARで。
はい。
カーのT細胞。
T細胞ですね。
いやそれがある意味だから最初にデザインするって話ありましたけど、それはもう本当にさっきの電動ドリルの先端すげえ変えるみたいなのって細胞をデザインするみたいなことですもんね。
そうです。僕がイメージしているデザインするっていうのは、そういった他のものをこっちに持ってきて新しい機能を追加したりするっていうのをイメージしています。
なるほど。あるやつを持ってくるみたいな。
そうですね。実際にはその遺伝子の新しいフィードバックループって言って、だから回路ですかね。理論回路みたいなのを遺伝子で作ってあげることで新しい機能をデザインするっていうタイプの話もあると思うんですけど。
僕がイメージしているのは、そういう新しく何か回路を構築するっていうよりかは、既にあるものをカチャッとアタッチメントを付け替えるように、使えるようにするっていうところですね。
だから借りてくるみたいなイメージでもありますよね。
まさにその通りです。
なるほど。じゃあ実際にそういうカーティ療法みたいな、それも医薬品として使われてて実際に使えるってなってるわけですもんね。
そうですね。めちゃくちゃ高いんで手は出ないような気もしますけどね。
多分僕も最初に見たのが、いくらぐらいするんですかあれ。ものすごい高いみたいなので話題になってたような気がするんですけど。
僕もちょっと待ってくださいね。調べますね。
09:02
いくらぐらいでしたっけ。何かすごい。
何百万とかだと思うんですけど。
何百万何千万とかですよね。
はい。
だから一回多分自分の細胞を取ってきて、それに搭載して細胞を戻すみたいなことじゃないですか。
そうですそうです。あ、3349万って書いてあります。
うわー高いなー。いやーでもそれでがんばっちり治っちゃうんだったらっていうのはありますけど、すごいなっていう感じはありますけど。
でもこれ欠点が今のところあって。
欠点。
血液がんって言って、白血病みたいなさらさらしたがんしか適用じゃないんですよ。
さらさらしたがんっていうと全体的に広がってるみたいなことですか。
がんってざっくりですよ。臓器みたいにカチッと塊がある固形がんと血液中の血球細胞とかががんになってるっていう血液がんがあるんですけど。
だからなんかそうだなドラマとかで適出しますみたいな言ってるのは固形がんですね。
主要ってやつですよね。
そうですそうです。でこのカーティー細胞両方が適用されているのは血液がんだけです。
固形がんにはなかなか効かないっていうことですか。
そうなんですよ。固形がんって塊なんで外側は細胞とかアクセスしやすいんですけど、中の方ってなかなか到達できないんですよね。
あーなるほど分厚いみたいな感じですかね。
ペンギン南極北極かなペンギンが外側死んじゃうけど中大丈夫みたいな。
で中が残ってるとまた増えるみたいな。
そうですそうです。そんな感じで固形がんはやっぱちょっとまだ効きにくくて適用になってないっていうのがあって。
なるほどそうなんですね。
じゃあどういうデザインをしたら中まで行けるようになるんだろうって思いませんか。
確かにでもなかなか難しそうというかなんだろう物理的に侵入できるのかなとか思っちゃいますけど。
なんか物理的に侵入できるようなやつがいればそれの能力を取ってくればいいって思いませんか。
あーそうですねいれば。
はい。
いるんですか。
移動できる細胞っているんですけどマクロファージとか。
あーなんか免疫の細胞とか結構移動しますよね。
そうですそうです。T細胞よりももっとなんか積極的に動くやつ。
そういうのを真似てあげたらいいんじゃないとか。
あー。
あとがんの内側ってすごいギュってなってるんで酸欠状態なんですよ。
12:03
うんうんうん。
そういうその酸欠なところが好きな生き物とかっているんですよね。
献起性細菌って言ったりしますけど。
あーはいはいはい。なんかすごい昔の生物とかのなんか進化の過程とかでよく出てきますよね。
献起性とか抗起性とかって。
それを使うってことですか。
そういうのを使ったらあの中に届けられるんじゃないのって思うわけですよ。
僕はやってないんですけど。
はいはいでも面白いですねそれ。
なんで今ある問題を克服するためにはどういった生き物とかどういった細胞の能力を借りてきたらいいかなみたいなことを日々無双してますね。
なるほど面白いなそれ中から直すみたいな。
確かに切り取る手術で取るって言ってもなんか限界あったりしますもんね。
どうしてもちょっと残っちゃって転移しちゃうとかそういうイメージはすごいありますけど。
人の目とかってやっぱりどうしても細胞一個一個は見えないので取り残しがあるじゃないですか。
でも細胞の膜表面にあるなんかを感知する物質ってものすごい高感度なマシーンなんですよ。
はいはいマシーン。まさしくマシーン。
それを使わない手はないんですよね。
実際にさっきマクロファージみたいな話ありましたけどそういうのも今研究段階って感じなんですかその辺は。
カーのマクロファージってあったかな。
ナチュラルキラー細胞にカーを発現させるっていうカーN型細胞療法みたいなのは論文も出てきてますけどマクロファージがあったかまではちょっと。
でもちょっとずつその普通のT細胞以外のところ普通のって言ったらあるか。
でも他の免疫細胞にも。
適応していってるってことですね。
はい。
面白いな。
なるほど。
でもなんとなくその今のでちょっとデザインのイメージというかそんなの湧いてきましたね。
はい。
はいはい。
今細胞の話でしたよねデザインは。
はい。
僕が掲げてるのは生き物をデザインするなんですよ。
生き物。
いやもう全然違う世界そうですけど細胞と比べたら。
でもやってることは一緒で。
でこういう話の方が実は身近に感じられるかもしれないなって思うのがあって。
はい。
漫画とかアニメでなんか他の生き物の能力をゲットするみたいな結構見ませんか。
ありますね。
なんか手術をしたり。
手術したり。
身を食べたり。
あと僕が思い浮かぶのはスパイダーマンですね。
ああですねああいうのもしっかりですね。
雲に噛まれて雲の能力得るみたいな。
15:00
はいはいはい。
ありがちですよね結構。
ありがちですけどあれちょっとぶっ飛んでるなって思うじゃないですか。
まあそうですねそうはならんだろうっていう。
そうはならんのですけどじゃあどうやったらそうなるのかなみたいなことを考えるのが好きで。
はいはいはい。
ちょっとスパイダーマンはなんかないはずの穴から糸が出るようになるっていうちょっとどう改変していいかわからないものなので。
もともと何かが出る穴から出るようにすればそれっぽいものは作れるのかなって思うんですよ尿道とか。
できるんですかそんな。
でも糸になるタンパクってわかってますよねスパイバーっていう会社がクモ糸タンパクを作らせて服とか作ってましたよね。
そうですねこの番組でも出てきましたその話は。
尿道の内膜とかその奥の臓器でそういったタンパクをものすごいたくさん作れるようにさせたらクモ糸出てくるんじゃないですか。
すごい話。
あんま想像はしたくないですけど確かに原理的にはできなくはないってことですよね。
それものがわかってるからっていう。
はいちょっとそのスパイダーマンは嫌ですけど。
だいぶ嫌ですけどね。
放送できない。
そっかそっかそういうのが一種の生き物をデザインするっていうことってことですか。
そうですそうですこういうことをしたいなって今のままだとちょっと役に立つ方向にはいけないんですけど役に立たないことの方が考えて楽しくて。
どんなことですか役に立たない。
ピカチュウ作りたくないですか。
ピカチュウはリアルで作れたらすごいですけど。
あれは知性が結構あるから可愛いのかもしれないんですけど。
でもシンプルに言ったらネズミに電気使えるようにさせるっていうことですか。
そうですどうやったらできるかなどう思いますか。
いやでも電気発生させる生き物からやっぱ取ってくるってことですよね電気生図とか。
電気生図ってなんで自分が感電しないのかとかあと発電機関がどうなってるかみたいなのって割とわかってるじゃないですか。
いやちょっとあんま僕詳しくないですけど。
そうですか。
発電機関。
発電機関あの電気生図とか電気うなぎって結構魚の中でも体長い方じゃないですか。
そうですね。
生図とかいうぐらいですからうなぎとかなんかにょろにょろっと長いですよね。
あれの体の半分以上というかほとんど後方がほぼ発電機関になってて。
そうなんですか。
内臓の方はギュッと前の方に詰めてるんですよ。
18:02
しっぽの方ってことですよね。
そうですしっぽの方が発電用の機関にもなっててだから全身でビリビリってするわけじゃないんですよね。
そうなんですか。頭の方は別にビリビリしてないんですかあれ。
そうですそうです。
そうだったんだ全然知らなかった。
発電機関ってそれ何になるんですか。
何と言いますと。
そのなんかどういう臓器みたいな感じになってるんですかね。
えっとですね。
はい。
細胞なんですけど人の体とか他の動物の体でも微弱な電気は使っているじゃないですか。
そうですね神経信号みたいなとか。
ああいうのって結局はイオンが移動すれば発生するじゃないですか。
そうですね。
なんでカリウムとかナトリウムみたいなものを細胞に入れたり出したりしてあげれば電気は発生しますよね。
そうですねプラス極が移動して。
これの向きを一方向にしてあげると足並みが揃うんでバチバチっとでかい電気ができる。
だから尻尾が前から後ろまであったときに通常時だったら前側と後ろ側に向かって生えてるナトリウムとかカリウムが出入りできるポンプ。
これが自由に行き来してる状態なんですけど。
いざ電気流すぞってなったときだけ前の方に行くチャネルが閉じて後ろの方にだけ開いてると揃うじゃないですか電気の向きが。
本当に電極みたいな話ですねそれ。
そうですそうです。それで電気が発生するみたいですよ。あんま詳しくないですけど。
ああそっかだから別に臓器とかじゃなくて普通に細胞がいっぱいあってただ電気の向き揃えてるだけっちゃだけみたいな。
そうですそうです。
なんかこれってできそうじゃないですか。
確かになこれをネズミに搭載するっていう話ですよね。
そうです。
確かに細胞でできるんだったらなんかできそうな気がしますね電気使ってるし。
できそうだなって思うだけでどうせお金も取ってこれないし。
確かにピカチュウ作りますって言って誰がお金出すんだって。
あんまり現実的にこれ以上考えても無駄かなと思うのでこのぐらいでいつも妄想は終わるんですけど。
はいはい。てか作っていいのかなって思っちゃいますけどね。
なんか倫理的に大丈夫かっていう。
なんか多分開発段階で自分の電気で死んじゃうネズミとか出てくると思うんですよ。
いやですよね。
こういうのって多分倫理的に良くない。
心臓とかおかしくなっちゃいそうですよね。
21:01
はい。
その心臓がおかしくなっちゃうっていうのをもし心臓が止まった時だけ体の中で強い電気が流れるようにしたら結構医療とかに役立ちませんか。
確かに復活するみたいな。
そうですそうです。自分でAEDするみたいな。
これなんかあれみたいだな。ワンピース読んでますか。
もちろん読んでます。
エネルが一回死んで電気自分に流して心臓マッサージ引き換えるっていうのあったじゃないですか。
ありましたありました。
ああいうのですよね。
ああいうのですああいうのです。
急にエネルを思い出しました今。
最終的にそういうとこにつながれば申請書とかも書き用があるかなと思いますね。
確かに何か医療に役立つみたいなのはやっぱり分かりやすいですけど、今の話だとこの生き物をデザインするっていうところがどうやって医療につながるんだろうって思いますね。
なるほど。じゃあもう少し医療よりのデザインの話をしますと。
そうですね。レンさんが生きていく上で長い将来を見通した時にどういった不安がありますか。
どういった不安。
体のことでですね。医療なんて。
まあまあでもやっぱりふわっとしたら病気ですけど、例えばがんになっちゃうんじゃないかとか。
足腰とかは元気で痛いなとか。
はいはいはい。
動きが鈍くなったらちょっと生活もしづらいしとかは思いますよね。
はいはい。やっぱり健康寿命っていうところですよね。
そうですね健康寿命の話ですね。
はい。でピンピンコロリがいいっていうことですよね。その足腰がどうだっていうのは。
まあそうですね。
無限の寿命を手に入れたいとかじゃなくて死ぬのはいいけど動けなくなるような状態にはならないで元気なまま天井を全うしたいというようなイメージであってますか。
まあ難しい問題ですよね。あわよくば無限に生きたいと思ってるんですけど。
はいはいはい。
まあ多分無理なんで。
はい。
まあでもってなったらまあ死ぬならやっぱりそんな苦しみたくはないなみたいなやっぱありますよね。
はい。それは当然ですよあの不老長寿。でそれを考えた時にそういう生き物っているかなっていうのがまずスタート地点。
いつもこれなんですけど。
はいはい。
思いつきますか。
なかなか病気とかにならずに生き続ける生き物ってことですよね。
そうです。
えーこれ僕聞いたことあるのは裸デバネズミみたいなやつ。
あーいいですね。裸デバネズミはやっぱり真っ先に出てくると思うんですよ。
24:01
結構有名ですよね。
はい。あのネズミってまあ長生きで有名だと思うんですけど。
はい。
あのガンにならないんですよ。
ガンにならないって聞いたことあります。長生き寿命どんぐらいとかまでちょっとあんまり知らないですけど。
あの2,30年ですね。
あ2,30年いや長いですね。
あのマウスあの個体の大きさで言うと相当長いですよね。
相当長いですね。2,30年か。でガンにならない。
でなんかその老いるといろいろその表現系出てくるじゃないですか。
まあ白髪が生えるとかうっとう性が落ちるとか。
まああいつら毛ないんで白髪はどうかわかんないんですけど。
そういうなんか老化のフェノタイプが出てこないらしいんですよ。
えーじゃあ本当にピンピンコロリ的な感じなんですか。
感じじゃないかなと思うんですよね。
それすごいですね。
これなんか役に立たないかなーって思ってるんですけど。
熊本大学にあの三浦先生っていうその裸でバネズミの研究をされてる方がいらっしゃいまして。
はい。
なんかそこがそういうことをメインでやってるので。
えー。
あのいつも興味深くあの論文を読んでます。
すごいなー面白いなー。
あの一回あのちょっとまだ呼べてないんですけど裸でバネズミの話聞きたいですっていうコメントをもらってはいて。
はい。
で裸でバネズミ系VTuberっていう人がYouTubeにいたんですけど。
はいいらっしゃいますね。
あー知ってますか。
はい。
まああの人普通に面白い人なんですけど。
はい。
そんなに専門家ではないですみたいなちょっと知ってるぐらいですみたいなのはまあ一回ちょっとツイッターでやり取りしたんですけど。
はい。
いやガチの専門家いたら話してみたいなと思ってたんですよね。
なるほどそこのラボの学生さんとかにこうコネがあればいいですよね。
いいですね。
まあ僕ないんですけど。
いやちょっとなんかあの覚えておきますこれ。
はい。
はいはい。
なんであの僕はその裸でバネズミの研究はできないので。
うんうん。
あのそういう設備もありませんし。
なのである程度知見が揃ってないとあのデザインまでたどり着けないっていうあの悲しいレギュレーションがあって。
ある程度知っておかなきゃっていうのは。
はい。
例えばどういうことになるんですかその動物の仕組みみたいな話ですか。
まずメカニズムその能力着目する能力に関与している遺伝子がわかっていること。
ああ遺伝子。
はい。
でゲノム情報が空いていること。
はいはい。
まあつまりえっと遺伝子って遺伝子だけがあればいいわけではなくてその遺伝子があのいつどこでどれくらいあの働けばいいのかっていうのを決めている領域がその前とか後ろとかにあって。
27:11
うんうんうん。
そういう調節領域も含めてデザインしてあげないとやたらめったら動かれたらうまく機能しないんですよね。
ああだからなんか人でいうとここの場所このタイミングになったからこれは爪になりますとか。
はいはいそうです。
目になりますとかそういうことですよね場所とかも含めて。
はい。
そうですね。
で例えばなんかガンができたからじゃあガン殺してくださいみたいなシグナルが入らないと。
うんうんうん。
なんかいつも緊張状態なんかそういう状態が続いてるとエネルギーもたくさん使っちゃうし。
うーん。
エネルギーをたくさん使うことはあの体の中に活性酸素種とかの悪いものが溜まっていく原因になるので結果的に体に悪くなっちゃったりとか。
あるからそういう生き物たちがどういう条件でどういう位置である機能をオンオフにしてるみたいなのが。
はい。
まあ分かってた方がデザインがしやすいですね。
ああまあでもめちゃくちゃ難しそうですね。
でもそのオンオフのカセットってもうそのゲノム上にあるわけじゃないですか。
それはもう配列情報としてあるっていうことですよね。
ああそういうことです。
はいはい。
なのでそれに関連しているものをすべて取ってきて人とかネズミに入れてあげたらいいわけですよね。
ああもう丸まんま入れるってことですか。
そうですそうです。
はいはい。
それでレイさん有機のご出身ということなのでそういう遺伝子をこっちからこっちに移すみたいなときにベクターっていうものを使うんですけど聞いたことありますか。
あれですよねプラスミド的なイメージです。
そうですそうです。
輪っかになってるDNAみたいなのに乗せ替えたいやつを組み込んでその細胞に入れますとかそんな感じですか。
ああそんな感じですそんな感じです。
はいはい。
であのプラスミドとかはだいたい乗せられるDNAのサイズ上限があって。
おお。
まあだいたいそうですね50キロぐらいまでは乗るのかなと思うんです50キロベースですね。
50キロだから5万の塩基追い。
5万塩基追い。
まあでも結構大きいですね5万。
でも遺伝子ってさっき言ったみたいに1個で働くのじゃなくてそこにくっつく調節因子の遺伝子もあるわけじゃないですか。
はいはい。
で遺伝子だけじゃなくてその上流とか下流の調節どういうふうに調節するかとか調節因子がくっつくことでオンになるとかそういうのが決まってる配列も含めて入れてあげなきゃいけないってなると50キロだとちょっと心もとないんですよね。
30:09
ああそうかそれは基本一発で入れなきゃいけないみたいな感じですか。
いや何回も何回もやればいいんですけど。
まあ大変か。
まあ大変ですね大変っていうのもありますしあと感情のものを細胞に入れただけだと細胞の中で増えないんですよ。
増幅するシステムみたいのがないみたいなことですか。
そうですねあのその感情のプラスミドって大腸菌とかの中で増えるようになっててその複製つまりあのそのプラスミドが1個から2個になるためのシステムが大腸菌用だったりするんですよね。
人にはない。
ないので入るには入るんですけどそのままだと細胞分裂するごとにどんどん薄まってって最終的にはなくなっちゃう。
ああそっかそっか。
はいなのでできればその細胞分裂しても維持されてほしいですよね。
そうですね1回入れたらそれが全体に広がりますみたいな方がいいですよね。
はい次のやつ入れられないじゃないですか。
確かに今どんぐらい入ったんだみたいになりそうですよね。
はいそうなんですよ。
でこれを実現するためには入れた細胞のゲノムに乗せてあげればいいんですね。
入れた細胞のゲノムに乗せるだから直接核とかに持っていくみたいなことですか?
プラスミドも核にはいくんですけどその輪っかの形をしているものを人とかマウスとかその生き物のゲノム情報の中に挿入してあげる。
そうするとそういった生き物の染色体が複製されるときに一緒に複製してもらえるんですね。
ああそっか1回も本来人が倍々で増やしていくやつに紛れ込ませるみたいなことですよね。
ああそうですそうです。
なのでこうするといいんですけど何も考えずにそこにそういうことすると大事な遺伝子とか壊れちゃうかもしれないじゃないですか。
確かにそうですよね。本来ちゃんと設計されているDNAの中に異物が入るみたいなことですもんね。
そうですそうです。それにもし細胞の中で基本的にスイッチがオフになっているような領域にポンって入っちゃったらその領域のパワーで入ったせっかく入れた遺伝子もオフになっちゃって出てこないっていうことがあるんですね。
なるほど。
なのでどこに入れるかとか大事なんですよ。
ああもうその遺伝子の中の場所も狙って入れないといけないってことですね。
そうですそうです。あとその入る数も制御しないといけなくて。
ああ数。
さっきどれぐらい出るかも大事みたいな話をしたようなしてないようなスイッチがオンになった時に10でいいのに100出たら結構困ることってあるんですよね。
33:05
そうですね。
オーバードーズで死んじゃうみたいな。なので数も制御しなきゃいけないんですけどこれも結構プラスミドをポンって入れる方法だと制御が難しくて。
ああ何個も入っちゃうとか。
何個も入っちゃうことがあるんですよ。
そうコントロールしないといけないですねそれを。
今までずっとこういうところが問題なんですみたいな話をしてきたんですけどこういった問題を何か解決できないかなっていうことで。
難しそうだな。狙った場所にちゃんと指定した数を外から別の遺伝子の情報を組み込むみたいな。
はいそうです。
なるほど。
で僕の所属している研究室でなんかこういうものがあったらそれ全部解決できるんじゃないって開発されたのが人工染色体ベクターっていうものです。
人工染色体。
ベクター。
ベクター。
ベクターなんでなんかDNAを運ぶものっていうところは変わらないんですけど。
それがプラスミドから人工染色体に変わってるっていう。
そうですそうです。
ことですか。
人工染色体って作るベクターは他にもバックとかヤックとかあるんですけど、バクテリアルアーティフィシャルクロムゾームの略なんですけど、
こういうのは結局プラスミドとかはなくてバクテリアの中で増える感情のDNAなんですが、
うちで使っているその人工染色体ベクターっていうのはマウスとか人の染色体を改変して作っているものです。
なるほど。だから普通に人でも増えるってことですか?それ入れたら。
人の染色体ってもともと増える能力持ってるわけじゃないですか。
なのでその増える能力をそのままにして染色体が持ってる他の情報を全部削ぎ落としてあげたら空っぽの染色体ができるじゃないですか。
空っぽの染色体。
それDNA以外の要素は入ってるんですか?
例えばヒストンみたいなDNAが巻きついてるタンパク質とかありますよね。
はいはい。染色体の構造を取るので基本的にそういうタンパクも集まってきます。
それも込み込みで、だけど空っぽ。
空っぽ。染色体として振る舞うけど空っぽ。
そんなんできるんですね。
そうなんですよ。なので他の遺伝子を壊しちゃう心配もないし。
染色体だから染色体解析をすると細胞の中に何本あるか見えるわけですよ。
染色体解析っていうのは色つけるみたいなことですか?
そうですそうです。染色体を標識染めてあげて、染色してあげて顕微鏡で覗くと染色体一本一本を見ることができる解析があって。
それで見てあげるとその人工染色体ベクターが何本あるかわかるんですけど。
36:05
これって人の持っている染色体と同じサイズなんですか?もっとちっちゃい?
そうですね。人の持っている染色体とかマウスの持っている染色体をベースに削ぎ落としていってるんで、それよりもはるかに小さくなってます。
なるほど。最低限の機能を持っている染色体的なイメージですか?
はいはいはい。
元々が染色体じゃないですか。
なのでその染色体が持っていたぐらいのDNAは保持できるわけですよ。
だからプラスミドとかに比べると全然長いDNAもいけちゃうってことですね。
そうですね。ちょっと上限とかわかんないんですけど、さっきプラスミドが50キロベース5万液ついていたじゃないですか。
今まで人工染色体ベクターに35メガベースぐらいは載せたことがあります。
35メガ?全然桁が違う。
そうなんですよ。染色体なので。
すごいですね。35メガだから3500万?
700倍ですか。
3500万だから700倍だ。
でもそんだけを一気に入れられるっていうのはすごいですね。
ただその細胞の中に持っていくときはプラスミドなので。
どういうことですか?
細胞の外で人工染色体作れないんですよ。大きすぎて不安定なんですよね。切れちゃうんですよ。
はいはいはい。扱えないんだ。
だから細胞の中で組み上げなきゃいけない。大腸筋の中でプラスミドを作るみたいに細胞の中で人工染色体ベクター作らなきゃいけないっていう今はレギュレーションがあって。
それが大変そうだな確かに。
だからプラスミドとかバックだったら300キロベースぐらいまでは保持できるのでそういったものを使ってちまちま組み上げていったり。
それが一個の細胞の核にどんどん入れたいDNAを運んでいくみたいな感じで組み上がる?
はい。
すごいな面白い。
それで基本的に1細胞の中に1本が保持されている状態になるので、その上に1個だけ入るようなギミックを用意しておいてあげればたくさん入っちゃうってことはないんですよ。
どういうギミックですか?1個だけ入るギミック。
よく使われているのがクレロックスPのシステムって言って、ロックスP配列っていう配列があるんですよ。
そういう並びがある。
そういうシークエンスがあってこれを認識できるのがクレっていうタンパクなんですけど、それが2つあるとその配列同士をガッチャンコって組み替えてくれるんですよ。
えーすごいなめっちゃ便利ですねそれ。
39:02
これを乗せ体プラスミド側と人工染色体側に用意しておいてあげるとガッチャンコってなって輪っかが1個入ると。
あーだからなんだろう。まあでも乗り付け的なことですよね。
あらかじめここにくっつきますみたいな目印があって後から入れるようになってると。
すごいな。
クレロックスPは一例で他にもいろんなそういったものがあって、セリン型のそういうセリン型とか言うとあれですけど。
セリンって普通にアミノ酸のセリンですか?
そうです。酵素とその酵素が認識すると組み替わる配列っていういくつか組み合わせがファージとかから単にされてきてて、そういったシークエンスをあらかじめ仕込んでおくといっぱい乗せられると。
あーなるほどな。だから本来の染色体だとそういう仕組みがないから難しいけど、なんかそういう仕掛けみたいなのをいっぱい詰め込んでおくみたいな。
はい、そうですね。
あーなるほど、なんかパズルみたいなことですもんね。
あーそうですそうです。
はいはいはい。
で、それはもちろん人の染色体とかマウスの染色体にそういうギミックを仕込んでおけば狙った場所に入るんですよ。
うーん。
なんですけど、必ずしもその方法だけじゃなくて、さっき言ったみたいにやたらめったら入っちゃうこともあるんですよね。ランダムインテグレーションって言うんですけど。
その仕組みを入れててもですか?
入れててもです。だって入れてなくても入っちゃうんですから。
まあ確かに、そっか。その入れてない場所で同じように起きちゃったらあんまり意味ないみたいな感じになっちゃうんですね、確かに。
はい。
はい、そういう問題ですね。
なので、まあ組み込まれた時だけ光が光るようにしたり、
ほうほうほうほう。
あの薬剤耐性になったり、あのなんか抗生物質とか入れると細胞死んじゃうんですけど、それを分解する遺伝子をそのガッチャンコした時にうまく出るように仕組んどいてあげると。
あー。なんかよくプラスミドとかでもありますよね、確か。
ありますあります。
あのー何でしたっけ。リファンピシリンとかでしたっけ。
あーアンピシリンとか。
アンピシリンか。
はい。そういうものが、細胞だとブラストサイジンとかハイグロマイシンとかピューロマイシン、ネオマイシンってあるんですけど、そういったものを出るようにしておくと。
あーでうまくいってないやつは、それで死んじゃうんですか。なんか選べる。
死んじゃいます。
選べるってことですね。めっちゃ賢いですねそれ、確かに。
で、万が一その別のゲノム状に入っちゃっていたとしても、その染色体解析をすると、その遺伝子の配列がどこにあるかを染めることができるので。
あ、場所もわかるんですか。
場所もわかります。
細かいことはわかんないですけど、どの染色体状にあるかぐらいはわかるんですよ。
42:00
それはもう色が付けれるようになってるっていう。
はい、色が付けられるようになってます。
なるほど。
なので、人工染色体の色と、乗せた遺伝子とか、そのプラスミドの色が同じ場所にいなかったらこれは失敗だって。
うーん。
まあわかりますし。
そうですね。
でも、乗せた遺伝子がたくさんその人工染色体上にあったら、なんかシステムがうまくワークしてなくてたくさん乗っちゃったぞみたいにわかると。
なるほど、だからちゃんとうまくいったやつだけ選び取ってこれるみたいな、そういう仕組みになってるんですね。
うーん。
まあ、まどろっこシーンで読んでしまってもいいんですけど、配列をですね。
ああ、もうDNA配列読んじゃう。
まあ今だったら簡単に読めるからってことですか。
で、こういう方法を使って、じゃかじゃか乗せていくこともできますし、染色体のこの領域をゴソッと取っていきたいってなることがあるんですよ。
クラスター、なんか似たような機能を持った遺伝子が一箇所にギュッて集まってることがあるんですよ。
うーん。
なのでそういうところをゴソッと取ってくれば、そのまま欲しい構造ができるっていうときは、天然の染色体の領域をそのまま取ってくることがあって。
えー、それはなんかもう切って取ってくるみたいなことですか。
そうです、切って取ってきます。
うーん、それなんか酵素とかで。
えっと、たぶん今だったらクリスパーキャスナインっていう、狙った場所を切れるものを使う手もあるのかもしれないんですけど、
今までやってる研究だと、その切りたいところにロックスピーハイレツを入れておいて、
で、クレを入れてあげると、その取ってきたい領域が人工染色体上のロックスピーハイレツとガッチャンってくっついて人工染色体上に乗せられると。
あーなるほど、じゃあ結構でかい領域をそれで挟んで切り出して入れ替えるみたいなってことですね。
そうですね、これで取ってきたのが35メガのやつですね。
へー、すごいですね、でもそれ結構正確にできるってことですもんね、その目印みたいなのにちゃんと。
そうですね、目印、その入れる場所でちゃんと入るんで。
うーん、すごいな。これで今だから細胞の中でそういう自分が望みの染色体をどんどん組み上げていっているっていうとりあえず今段階ですよね。
あ、そうですそうです。すいませんね、道のりが長いんですよ、僕の研究は。
いやいやいや、一応確認しておこうと思って。だからある意味だから道具作りみたいなところですもんね、今。
そうですそうです。
いろんな方法あるんだなぁと思いますけど。
はい、なんかそれで初毛のものが全部乗りましたってなったら、じゃあいよいよ解析するために動物を作るなり、
人細胞だったら分化させて目的の細胞にするなりしましょうっていう感じになってくると思います。
あ、それは入れる相手を準備するっていう。
45:01
そうですね。もともとマウス作るんだったら、マウスのES細胞っていう多能性の幹細胞をマウスの受精卵に入れて発生させると、
もともとあった細胞と一緒に増えていって、その入れた細胞を体に持つマウスっていうのが生まれます。
なんか目的の遺伝子とかそういうのを持ってたり、あるいは持ってなかったりもするのかなみたいな。
そうですね、持ってなかったりする。キメラってよく言いますけど、モザイク状になってる動物ができますよね。
それが準備っていうことですね。
はい。で、出来上がってくればそれを使って何か乗せた遺伝子がちゃんと機能してるかなっていうのを見てあげたりすることができると。
さっきの35メガは人の21番染色体の腸腕を持ってきてて、腸腕とかってわかりますか?
腸腕?
染色体ってイメージつきますか?Xみたいな形した。
はいはいはい、Xあって真ん中に繋がってるとこあってみたいな。
はい、そうです。繋がってるところから上が短いので、短腕。短い腕って書いてたん腕で。
はいはいはい、腕ってことですね。
下が長い腕で腸腕って言うんですけど、21番染色体はくびれから下の腸腕しかないんですよね。
で、この21番染色体が3本あるとダウン症っていう病気になっちゃうんですけど。
あーはいはい、それは有名ですね。
ダウン症の原因になってる領域がどこかってまだわかってないんですよ。
あ、わかってないんですか?場所は。
21番染色体が3本になることが条件っていうのはわかってるんですけど、
じゃあ、というかその3本になることが原因なんだから、
なんか遺伝子が普段だったらお父さん型、お母さん型の2本、2個機能してるからOKなところが3個になっちゃうからなんか不都合が生じるんでしょうって考えるんですけど、
じゃあ、どの遺伝子が3個あったらまずいんですかっていうのはわかってないんですよ。
他のところも3個になる可能性があるというか実際に3個になったりするっていうことですか?
他のところって言いますとその21番染色体上のってことですか?
21番以外とかっていう話ですか?
21番以外は生まれてこれないので、21番以外って言ったら嘘になりますね。
生染色体、X染色体とかY染色体とかは数が多くなっても生まれてくることがあります。
あと8番と13番これも生まれてくることがあります。
先天的なみたいなことですよね。
そうですね。ただ他の染色体はもう3本になってくると生まれてこられないです。
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もう数が多いから発生の段階で不都合が生じてしまって生まれてくることができません。
なので21番は一番よくある染色体以上による先天性疾患になるんですけれども、
3本でもギリ生まれてこれるような状態なんですね。
ってことですよね。生きられなくなっちゃうぐらいのことは起きないけど。
そうですそうです。
ってことですね。
例えば新規系であるとか、白血病になりやすいとかそういった色々な症状が出てきてしまうようになってるところなんですよ。
それ何が悪さしてるのかって分かんないと治療の仕様がないじゃないですか。
そうですよね。取り除くわけにもいかないですもんね。
そういった例えば発達地帯とか、神経系に出てくるような症状もあるんですけど、
そういったものを緩やかにしてあげる薬があれば治療にはならないんですけど。
症状とかは抑えれる。
はい、とか発症、白血病になりやすいのであればそれを予防してあげるとかってことにつながるんですけど、
原因がわからないんじゃちょっとなーみたいなところなんですよね。
そっかもう、だから3本あるっていう事実は、場所がわからないってことですね、その中の。
はい、そうです。
で、これ人で研究することなかなか難しいじゃないですか。
いやーそうですよね。
発達とか、神経系とかっていうのを、この薬入れたら緩やかになったなーみたいなって何人の方にもご協力いただかないといけないですし、
あんまり激烈なことはできないと。
そうですね、なかなか難しいですよね。
はい、じゃあその21番染色体が3本あるっていう状態をマウスに移す。
これはデザインって言うとちょっと言葉じりが合わない感じがしますけど、状態をマウスにコピーしてあげるというか。
あーそういうことか。マウス自体もそういうことは起きる、もともと起きることはあるんですか?
マウスはですね、人の21番染色体に該当する染色体領域が複数の染色体に散らばっているので、
あーそうなんだ、じゃあ全く同じことは起きないっていう。
起きないです。でも人の21番染色体を1本入れてあげれば間違いなく3コピーになるじゃないですか。
まあそうですね、外から入れたら。
51:00
そうすると、マウスに人の21番トリソミをデザインしてあげるみたいな。
で、それが何かの治療法の研究につながるとか。
そうです。
そういうことになってくるってことですよね。
はい。
へーすごいな。
21番染色体のその調案、
したっかは35メガベースを持っているマウスと持ってないマウスと、じゃあ脳の発達はどうですか、学習能力はどうですか、
この薬入れたらどうなりますかみたいなことが調べられるようになる。
すごいな、それマウス生きれるんですか、それでも一応。
生きられます。
へー。
それはもう実際今やられてたりするってことですか、もう。
はい、パブリッシュしてます。
パブリッシュしてるんですね。実際にそれでやっぱ差が出てくるって感じなんですか、普通の正常のマウスと今の。
そうですね。
いやーでもそれすごいな、実際にそれで再現できて、まあちょっとどこまで再現できてるかってなかなか難しいと思いますけど、
人で起きてることとマウスで起きてることなんで。
そもそも知能が違いすぎて学習能力とか見れるんですかみたいなところがあって。
難しそうですね。
なので少し知能の高いラットも作っているんですよ。
いやーラット見たことすらないですね。
ティッシュ箱ぐらいありますよ。
あ、そんなでかいんですか。ティッシュ箱、でかいな。
あ、そんなでかいんだ。
マウスはなんか実習で、なんか実験で。
手のひらサイズみたいな。
はい、すごくちっちゃいかわいいやつですけど。
ラットってそんな大きいんですね。
ラットだったら少し学習能力が高いので、その知能がどうなってるかみたいなのを解析しやすいかなとは思います。
いやすごいな、でも結構、それもある意味生き物のデザインには入ってきますよね。
最初の話だと。
医療とかに役立てるデザインっていうのはこういう形のことを言うのかなと思います。
全然スパイダーマンとかではなかったですね。
あと、こういう例だと他にもあって、サリドマイド事件って知ってますか。
ありましたね、サリドマイド事件。それも新生児の寄生とか。
そうですね、妊婦のつわりを改善する薬として開発された薬を飲んだら、胎児が寄生になってしまったっていう事件なんですけど。
あれ何が悪かったかっていうと、動物実験はやってたんですよ。
で、大丈夫と思って人に飲んでもらったらそうなっちゃったっていうことで、
動物と人で結果が違ったことが招いた事故、薬害事件だったんですね。
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なるほど、まあまあなんか起きる可能性はもちろんありますもんね。
薬って体の中に入って退社されて働いたり、そのまま働いてその後害がない形に退社されて排出されたりっていう風になるじゃないですか。
このサリドマイド事件というかこのサリドマイド事態は結構有機化学の人は馴染み深いというか、
割と有名な話というか、構造式がすごいモロに影響してた話なんで。
その話出てきますかね、たぶん。
構造式はちょっと僕わかんないんですけど。
また違う話なのか。
そういった薬を退社する遺伝子がいるんですよね。
トランスポートとかSHIPっていうんですけど。
はいはいSHIP、CYP。
はいCYP、チトクロームPファミリーですか。
だから薬が体の中入った後に最終的におしっことかで出てくるとか、その前にいろいろ何だろう、酸化したりとか。
なんか中間体を経て、だんだん体の外に出していくために使う。
下毒みたいなことですよね。
そうですそうです。下毒になっているような遺伝子ファミリーがあるんですけど。
それが動物と人で違いがあったんですよね。
なるほど、その下毒の仕方が違ったみたいな。
なんでサリドマイドを試した動物ではちゃんと下毒できたけど、人ではできなかったと。
そういうことなんですか。
そういうことがあり得るし、今後もあり得ると思うんですよ。
確かに確かに。この大使者の、だから多分下毒されなくてかつ、確かに立体構造が変わっちゃったみたいなのも結構原因だったはずですね。
そうですね。それでちょっと毒性のある形になっちゃったのが良くなかった。
そうなんですよね。サリドマイドって右手型と左手型みたいなのがR対S体って言いますけどがあって、
作った時はその片方なんですよね。Rだったかな。確かRのサリドマイドで。
ただ体の中入っちゃうとそこの右手型と左手型が混ざっちゃうみたいな。
そうなんですか。
立体構造がラセミカって言うんですけど、要は狂って回っちゃったりして、その形が変わっちゃうと再帰形が出るようなものになっちゃったっていう。
まあなんかこれなんというか不運というかなんというか。
そんなこともあるんですねっていう後から知ると。
そうなんですよね。これだからなかなか特殊な例だと思いますけど。
できればそういうのって動物で可能な限り正確に知っておきたいじゃないですか。
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いやそうですね。もちろん。
薬になるまでの過程でも動物で調べて人で調べてっていうステップを踏むんですけど、やっぱ人に行く前にできる限りそのリスクのある薬は落としておきたい。
でも人と動物では薬の代謝の仕方が違う。
難しいですね。なかなか。
じゃあ人の薬を代謝する能力を動物に移してあげればいい。
なるほど。人っぽい動物を作るみたいな。
そうです。なんでシップのファミリーをダダダッとさっき言ったような方法で人工染色体上に乗せて、
でマウスなりラットなりを作ってあげるとどうですかっていう。
なるほどそれに例えば臨床試験みたいなのをやりたい薬を入れてやれば、
もしかしたらこういうサリドマイドみたいな変わっちゃうみたいなやつを防げたというか予測できるかもしれないっていうことですよね。
実際にサリドマイドを投与してて。
そうなんですね。もうやってるんですね。
実際に入れたマウスかラットでは獅子の再帰形成が確認できた。
そうなんだ。すごいな。なるほど。それでもめちゃくちゃ役に立ちそうですよね。
そういう薬の薬害っていうんですかね。そういう感じの防ぐっていう意味では。
なるほどそういうのに使えるのか。
なんで能力を移すっていうとすごいSFチックですけど、
人の能力を移せば人っぽい動物を作れますし、人っぽい動物はそういった病態とか薬のスクリーニングとかに役に立つと。
すごいな。
多分ですけど4月中くらいに出るので喋ってもいいかなっていう要があって。
そうなんですか。
もし出なかったらすいませんけど。
その時は一方をもらえれば。
でもそれちょっと厚い話ですね。論文化するんだったら。
これは薬品を作ろうっていうところの話なんですけど。
ここまでお聞きいただきありがとうございました。
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