みなさん、こんばんは。DogsorCaravan Iwasaです。
【Monday Night Run】powered by Goldwin、今週も始めてまいります。
先週1週間は、日本のトレイルランニングにとって特別な1週間だったと思います。
トランスジャパンアルプスレース、TJARの2026年大会が、8月9日日曜日の午前0時にスタートして、
昨日16日に全日程を終えました。415キロ、累積標高差が27,000メートルと、
8日間以内で完走を目指すこの大会が、今年2つの記録を同時に塗り替えています。
しかもその2つは、普通なら同時には起きないはずの組み合わせなんですね。
ここを今夜の中心としてお話ししていきたいと思います。
もう1つ、今週は世界のトレイルランニングが開幕前の静けさに入っているという週でもあります。
来週いよいよ、他UTMBモンブラン始まります。
その直前のタイミングで、UTMB側から1つのキャンペーンが発表されています。
同時にブランド側からは、また別の種類の声も聞こえてきている。
この2つを並べて考えてみたいと思います。
そして番組の最後では、今年11月に中国福建省のウインシャンで行われます
アジア太平洋トレイルランニング選手権に向けて、
日本と中国、それぞれ違うやり方で代表チームを作り、
中国としては初めての代表チームを送ろうという話が出てきている。
このこともご紹介します。
ではまず、DCリザルツから参りましょう。
毎週日曜日、ドクサキャラ版のインスタグラムストーリーズで
今週末どこへ行った?という質問スタンプを皆さんにお届けしています。
今週いただいた投稿をご紹介します。
今週いただいたのは、ふうよんがおじさんですかね。
TJRの幹線に大浜海岸へという投稿をいただきました。
ありがとうございます。
今週はやっぱりこれ来るだろうなと思いました。
中国、今週末はやっぱり大浜海岸、TJRのフィニッシュ地点が
熱く盛り上がった週末だったと思います。
いつもはですね、どこかのレースを走ってきましたというような
ご報告が中心なんですけれども、今週はですね、
本当にこの大浜海岸に行きましたという報告がいただけたということなんですね。
TJRって選手は30人しかいない大会なんですけれども、
しかもエントリーして誰でも走れるというようなものでもないわけですよね。
でもこの30人を追いかけて大浜海岸まで足を運ぶ方々が
たくさんいらっしゃるということなんですね。
あとTJRに関して言うならば、今年のTJR何と言っても
いぶきですよね。
いぶきのYouTubeチャンネルの方で
8日間全日程にわたってライブ配信を行ってくださいました。
前半は毎晩19時から3時間におよび配信だったんですよね。
しかも後半はもう毎日フィニッシュの
全選手のインタビューをお届けするということで
非常に素晴らしい配信だったと思います。
いぶきの皆さんありがとうございました。
このライブ配信の存在が改めて大きいなというふうに思いました。
映像メディアというものの力を改めて見せつけてくれた
今回のいぶきの試みだったんじゃないでしょうか。
本当に心から大会の主催者の方、そしていぶきの近藤さん
はじめとするチームの皆さんに心から拍手を送りたいと思います。
そしてもう一つ注目したいのが今回のTJRのフィールドなんですね。
このTJRがこれまで生み出してきたヒーローとも言うべき存在
例えば餅月翔子さん、あるいは土井孝さんといった
大会記録を更新したり優勝を重ねてきたレジェンドたちが
今回は出ていなかったんですよね。
それでも一人一人の選手のストーリーが
ライブ配信を通してファンの間で共有されて
大きな応援の声につながっていったと
ここは非常に注目すべき出来事だったと思います。
これはTJRだけじゃなく
トレインランニングというスポーツの盛り上がりの
新しい可能性を感じた大会だったと私は思いました。
まず最初の話題、今週の最初の話題はTJRのことですよね。
記録づく目の8日間でありました。
トランスジャパンアルプスレース2026は第13回大会として
今年開催されました。2年に1度の開催です。
富山湾の篤川河口をスタートして
北アルプス、中央アルプス、そして南アルプス、
そして約200キロのロードの区間を経て
駿河湾の大浜海岸に至るという約415キロ
累積獲得標高差がおよそ27,000メートル
制限時間は8日間。
これに出場するためには書類選考
そして実際に走る選考会
そして抽選を通過した30人だけという
非常に狭き門となっています。
2026年大会の優勝は石尾和樹選手です。
タイムは5日と12時間59分でした。
石尾選手は序盤の北アルプスで単独走に入ると
そこから最後まで一度も先頭を譲ることがありませんでした。
この石尾選手は前回2024年大会を
膝の状態を理由にして直前で辞退されているんですね。
つまり今回はその復帰戦
リベンジというふうに言っていいんでしょうか。
そのレースですね。
スタートからフィニッシュまで完全に前を走り切ったという
素晴らしいレースでした。
2位になったのは湯谷誠選手。
5日と18時間27分。
湯谷選手は初出場です。
3位は岡本隆選手。
5日と20時間15分。
原木椎茸農家ということで椎茸太郎というニックネームでも
ずっとこの配信の中で呼ばれていました。
4位には高岸志郎選手。
5日と21時間15分。
5位が伊藤祐介選手。
5日と22時間37分でした。
今年の大会でですね。
このTJRの記録が2つ更新されているんですよね。
1つ目は完走者が28人に上ったこと。
これはですね。2018年大会の27人を上回って
大会史上最多ということになりました。
2つ目の記録は島健一選手ですね。
63歳での完走を果たしました。
今回は25番目のフィニッシュ。
7日と19時間58分。
これまでの最年長完走記録は
2018年大会の竹内選手の58歳の時でしたので
そこから5歳一気に更新したということになります。
そしてここからが今日の本題と言えるところなんですけれども
この大会の記録の分布。
フィニッシュタイムの分布を見ていくと
すごい面白いことが起こっているというふうに気がついたんですね。
まず上位の5人の選手が全員5日台でフィニッシュしている。
そして5位の伊藤選手が
5日と22時間37分ですから
5人が5日のうちに入っている。
6日を切っているということなんですね。
さらに完走者の28人のうち15人が7日を切っているということです。
15位の鹿野壮太選手が6日と23時間51分。
16位の脇谷隆選手が7日と0時間17分。
ここが境目なんですけれども
この完走者のちょうど半分より多くが7日を切っているということなんですよね。
そして最終完走者の28位鈴木亮次選手が7日と21時間22分です。
制限時間の8日間に対して最後の1人までまだ余裕を残してのフィニッシュということになりました。
このことはつまり速さの水準が上がったということ
それと同時に完走者数が過去最多にもなっているということですよね。
これはすごいことだと思います。
もう一つ今回の大会を語る上で外せないのが天候です。
大会の期間中に台風15号が中央アルプス南アルプス方面へと接近しましたよね。
この時主催者側は一切の停止措置などはとりませんでした。
行動の判断は各選手に委ねるということです。
実行委員会は山の天気予報をもとに各自が自分の経験と技量を見極めて判断するようにと呼びかけています。
自己判断自己責任を原則とするこの大会の運営方針が改めて示された形になりました。
そしてこの大会の期間中もう一つ話題になっていたことが
30人全員の感想が渡されるんじゃないか。
史上初の記録が生まれるんじゃないかという期待もあったかと思います。
これは最終盤2人の選手によってがリタイアしたことによって達成することはできませんでした。
辻元有人選手こちらはですね。
小平小屋付近での市の府庁によってリタイアを選択しています。
安井和文選手は伊川の関門でタイムアウトということになっています。
どちらも詳しいお話はですねライブ配信の中で私も聞きましたけれども
非常に壮絶な本当にもう胸が締め付けられるようなお話でした。
30人がスタートして28人が完走して2人が最終盤まで進んでそこで終わったということなんですね。
もう一つ記録として残しておくべきというふうに感じたことがありました。
それは11位でフィニッシュした前田玉樹選手ですね。
ぼっこさんというニックネームで大会の間もう人気者でしたけれども
前田玉樹選手は6日と16時間34分でフィニッシュしています。
この方はですねこの大会で山小屋とか自動販売機の利用を一切しないといわゆる完全補給での完走というのを目指していてそれを成し遂げたんですね。
スタート時に背負った荷物だけで415キロ渡りだと水は途中で補給はしましたけれども
完走したということなんです。
それから私気がついたことなんですけれども今年の大会ゴール地点でですね
この長い準備期間について思ったことを感じたことを語る選手はですね多かったと思うんです。
8年9年という単位で挑戦を続けてきたというお話
選考会を通過しながらも最後の抽選で落選したという経験をお話しされる方もいました。
今回最年長記録を更新した飯島選手も61歳の時に抽選で出場を逃した後
2年間トレーニングを継続して今年の大会に臨んだというふうにお話しされていましたよね。
TJRは処理選考そして選考会そして抽選こういう複数の関門を経ることが必要なんですね。
スタートラインに立つ資格を得るまでに複数の大会年にわたる期間を要する選手が少なくない。
しかも2年に1回の開催ですもんね。
今回のTJRについて選手の皆さんのお話であったり
ソーシャルメディアでの投稿そういったお話が次々これから出てくると思います。
ただ私が第一印象として感じたことはこれは皆さんもお感じになったと思うんですけれども
上位を走る選手たちが同じくらいの区間をグループになって進んでいく。
あまり前後の差を大きく離れることなく進んでいる展開になったということなんですよね。
一部のトップ選手たちが一部のトップ選手だけが他の選手を大きく突き放して独走するというような展開ではなかった。
それぞれ早い選手たちがお互いに近い位置でまとまって
戦闘集団を形成していたということです。
上位の5人の選手が5日台に収まって28人中15人が7日を切っているという記録の分布は
まさにこの早い選手たちが固まっていたということの表れだというふうに思うんです。
これはおそらくたまたま実力が逆行していたということだけではないんじゃないかなという私は思っています。
おそらく背景にあるのは今回上位に来た選手の皆さん多くが何年もかけてTJRに向き合ってきたということ。
長い方になると8年9年という時間をかけてこの2026年大会本番を迎えているということなんです。
それだけの経験を積みいろんなギアの知見経験値を積み重ね
長時間日本アルクスルの中で行動している間に何が起きたら何をしないといけないかというノウハウが蓄積されている
コミュニティの中でも多分シェアされているということもあるんだと思うんです。
そう考えると今年のTJRは日本におけるスーパーウルトラディスタンスのトレイルランニングの歴史の中でも
驚くべき年だったんじゃないかなと大きな一歩を歩み出した大会として記憶されるんじゃないかなというふうに思います。
今年のTJRの報告会が11月の1日に長野県稲市の西澤稲瀬ホールで開催される予定です。
すべてのリザルトと今年のTJRのレポート独作キャラバンに記事でまとめていますのでそちらもぜひご覧いただければと思います。
それでは続いての話題に移りましょう。国内に目を移します。
2つのレースをあえて並べて見ていきたいと思います。
片方は新しく始まった大会、もう片方は途中で止まった大会ということになります。
一つ目はカナダケベック州のモントランブランで行われたボリアリスモントランブラン by UTMBですね。
8月14日から16日の日程で開催されました。
この大会の舞台文句は一つありまして、
それはカナダにおいてカナディアンロッキーより東の大会で唯一のUTMBワールドシリーズ戦になったということなんですね。
この北米大陸の北東部分にですねUTMBの拠点となるレースができたということを意味しています。
15日に行われたオデッセイ100K、こちらのレースには543人がスタートして477人が完走。
男性はダニー・ラシーヌ選手、7時間51分54秒で優勝。
2位はクレマン・ペリエ選手、マチュ・サリュ選手が8時間2分55秒で同タイムでフィニッシュしています。
女子はクロディ・ヌ・スーシ選手、9時間9分43秒でのフィニッシュでした。
翌日日曜日16日にはトレンブランテ50Kが行われました。
こちらは785人がスタートして729人が完走。
男子はブロア・ガイアール選手、これはフランス人の選手になりますが4時間42分28秒。
女子はエリザ・モラン選手、こちらが4時間44分39秒でした。
100K、50K、どちらも女子の部門は地元のカナダ勢が制したということになります。
そしてもう一つはフランスのピレネ山脈からの話題です。
フランスのアリエージ地方に行われたシャランジュ・ル・モンコルム
こちらは8月13日から16日にかけて複数の距離がカテゴリーのレースが行われる大会なんですが
期間中に警報級の熱波が到来したということが波乱の要素となりました。
まず主催者は子ども向けのプログラムレースを中止と発表しました。
そして40キロのマラソンカテゴリーについては前日の会見でスタート時刻を朝5時へ前倒しして
ヘッドライトを傾向するということを筆記装備の中に加えたんですね。
さらに標高2900メートル地点の峠を4時間30分
これがモンコルム山頂を5時間という通過目安時間時刻を新設したんです。
ただこれは超過しても失格にはならないという目安として示されました。
さらに2日目はピカピカという109キロ累積標高が11500メートルというとこもないコアアップダウンがあるレース
こちらは開催されたんですけどもこちらはより深刻な対応となりました。
主催者はまず全出走者に対してスールセムという方向にコースをアクセスを閉鎖したということなんですね。
さらにその後フランスの気象局メテオフランスとの協議を経てレースの再開を断念
これを最終決定としたとつまりレースは中止となったということなんですね。
この結果として主催者は中断時点でのレースの進行状況を考慮して4つのランキングを発表しました。
一つはフルの区間を完走した人の公式のランキングということ。
もう一つはアルティーグという地点まででの順位で発表する。
そしてスールセムという地点での順位で発表する。
そしてクルーク避難小屋というこの地点でも発表する。
4つのリザルトを作って発表したと。
それでいずれかの該当する完走者には記念品が贈られたということなんですね。
公式ランキングの結果だけご紹介しておくと男子はテオソリアノ選手22時間36分39秒。
女子はアンヌビダラン選手が30時間22分12秒でした。
まずこれについてはこのモンカルム熱波によってレースが中止になったということ自体が非常に衝撃的なことだなというふうに思いました。
今シーズン皆さんニュースでもご覧の通りヨーロッパの各地で気温の高い熱波が沿ってきているというお話です。
このドクターキャラバンのレポートでもDCウィークリーの中でご紹介してきました。
ただそれが1回の週末だけの出来事ではなくて今年のもう夏全体に及ぼうとしているということなんですね。
しかもそれがトレーラーニング大会の中止というところまで来ているというのはちょっと衝撃的なお話だというふうに感じたんです。
そして次の話題はモンブランです。他UTMBモンブラン2026来週から始まりますよね。
その直前となる今週シャモニーに関連してちょっと2つの話題を私ちょっと耳にしました。
1つはUTMBの大会側からのお話です。マナー啓発のキャンペーンが始まったんですね。
こういうスローガンのキャンペーンなんです。
トレーラーニングは自由だと。しかし責任を伴わない自由ではない。
トレーラーニングでマナーを呼びかけるというお話なんですけれどもちょっと面白いなと思ったのはちょっとアプローチがユニークなんですよね。
しちゃいけないこと禁止事項を並べたりお説教をしたりするということではなくてちょっとイラストで笑わせるという方法を取っているんですね。
それをラーニングの世界で長く親しまれるイラストのプロジェクト
特にUTMBのポスターとかにもなってますけれども
ボセス・デ・ブレのマチュー・フォリションさんがタイアップして
11点の風刺のイラストを制作してソーシャルメディアに投稿されてるんですね。
例えばカンカンデリの中でランナーたちが牧草地にある牛用の給水オケに
どぼーんと使って嬉しそうに体を冷やしている。
その横で水が飲めなくなった牛が開けた顔でそれを見ていると。
そのイラストのメッセージはトレーラーニングは限界に挑むもの。
ただし隣人の限界を試すものではない。こんなメッセージがついてるんですね。
もう一つサポーターが山の上に巨大なスピーカーを持ち込んで
大音量の音楽とカウベルとホルモンで応援していると。
その騒音に驚いた野生の動物が義務を塞いで崖を逃げ惑っていると。
このメッセージが次の通りトレーラーニングは声を張り上げるもの。
ただしやりすぎは禁物。全部で11のテーマについてこうしたイラストが用意されています。
ゴミマークされたトレイルの尊重、大牧地の横断、トレイルの共有、
私有地、動植物、保護エリア、地元の監修、騒音、他者への敬意、そしてゲートの開閉。
こういったテーマなんですね。背景には数字があります。
The Running Eventというイベントのデータがあるんですけれども、
トレイルランニングでは毎年およそ8%の新規ランナーを集め続けている。
つまり毎年山のローカルルールを知らない人たちが一定数入ってくる。
その人たちにマナーとかルール、そういったことをどういうふうに伝えていくかということです。
この取り組みはシャモニーのこのUTMBファイナルだけではなくて、
UTMBワールドシリーズの全ての大会で展開していく計画というふうに発表されています。
もう一つUTMBに関するお話、こちらはブランド側から出ているというお話なんですけれども、
私が今週のリートレイルのポッドキャストの中で聞いた話なんですね。
そちらをちょっとご紹介したいと思います。
このシャモニーのUTMBウィークというのは、トレイルランニング業界にとって
いわばスーパーボールと呼ばれるような最大のイベントなんですね。
ところがブースの出店費用と現地の宿泊費、それから移動とかに伴うロジスティックス、
これは小さなブランドでも数千ドルから数万ドルに上るコストなんだそうです。
それに対して得られる投資対効果はあるんだろうかという疑問不可が
そういったブランド関係者の皆さんの間では起こってきているということなんだそうです。
大手のブランドは非常に花々しい展開をしますけれども、
一部のブランドにはこのシャモニーでの展開を縮小して
アメリカのランニングイベントというTREというイベントがあるんですけれども、
そういうところに出したり、あるいはウェスタンステイツ、ブロークンアローといった
アメリカ国内のイベントにプロモーション予算をシフトし始めている。
そういう様子が伺えるという話がリトレイルで話されていたんですね。
この2つを並べて見えてくるのはUTMBモンブランという
トレイルランニング界で最も有名な大会、イベントに
これだけの人と関心が集中していることから来る
意外デメリットも無視できないということだと思うんです。
ランナーの側から見れば、十分な経験を詰めないまま
モンブランを目指してしまう人が出てくる。
業界側から見れば、モンブランに出展して
コミュニティやランナーの皆さんとコンタクトを取るためのコストが
どんどん上がってしまっている。
これは業界を活性化させるという意味では
あまり良い兆候ではないと思うんです。
やはりここで痛感するのは、UTMBモンブランに並ぶような
トレイルランニングのイベント、ブランドが求められているということです。
そうしたイベントの成長が求められているのは
間違いないというふうに感じます。
まだまだ業界には成長の余地があるけれども
ブレイクスルーが必要とされているということだと感じます。
最後には、11月に予定されている