作品名:オツベルと象
著者:宮沢賢治
図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card466.html
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html
ブンゴウサーチ for Kids:https://bungo-search.com/juvenile
BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile060.html
DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play17520.html
7・15・23・31日更新予定
#青空文庫 #朗読 #podcast
【活動まとめ】 https://lit.link/azekura
【青空文庫関連商品】 https://amzn.to/4hEMRXV
著者:宮沢賢治
図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card466.html
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html
ブンゴウサーチ for Kids:https://bungo-search.com/juvenile
BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile060.html
DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play17520.html
7・15・23・31日更新予定
#青空文庫 #朗読 #podcast
【活動まとめ】 https://lit.link/azekura
【青空文庫関連商品】 https://amzn.to/4hEMRXV
サマリー
オツベルと象の物語では、象が主人のオツベルに導かれ、さまざまな仕事をしています。象は自己主張をしながらも、主人の期待に応え続ける様子が印象的です。
オツベルの指示
第二日曜。オツベルと来たら大したもんだ。
それにこの前稲穀小屋で、うまく自分のものにした象も実際大したもんだ。
力も二十馬力もある。第一、見かけが真っ白で、牙は全体きれいな象毛でできている。
皮も全体立派で丈夫な象皮なのだ。 そしてずいぶん働くもんだ。
けれどもそんなに稼ぐのも、やっぱり主人が偉いのだ。
「おい、お前は時計はいらないか?」 丸太で立てたその象小屋の前に来て、
オツベルは琥珀のパイプを加え、顔をしかめてこう聞いた。
「僕は時計はいらないよ。」 象が笑って返事した。
「まあ持ってみろ。いいもんだ。」 こう言いながらオツベルはブリキでこさえた大きな時計を象の首からぶら下げた。
「なかなかいいねえ。」 象も言う。
「鎖もなくちゃダメだろう?」 オツベルと来たら100キロもある鎖をさ、その前足にくっつけた。
「うん、なかなか鎖はいいね。」 見足歩いて象が言う。
「靴を履いたらどうだろう?」 「僕は靴など履かないよ。」
「まあ履いてみろ。いいもんだ。」 オツベルは顔をしかめながら赤いハリコの大きな靴を象の後ろのかかとにはめた。
「なかなかいいねえ。」 象も言う。
靴に飾りをつけなくちゃ。 オツベルはもう大急ぎで400キロあるブンドウを靴の上からはめ込んだ。
「うん、なかなかいいね。」 象は二足歩いてみて、さもうれしそうにそう言った。
次の日、ブリキの大きな時計とヤクザな紙の靴とはやぶけ、
象は鎖とブンドウだけで大よろこびで歩いておった。
「すまないが税金も高いから、今日は少し川から水を汲んでくれ。」
オツベルは両手を後ろで汲んで、顔をしかめて象に言う。
「ああ、僕水を汲んでこよう。 もう何倍でも汲んでやるよ。」
象は目を細くして喜んで、その昼すぎに五重だけ川から水を汲んできた。
そしてナッパの畑にかけた。 夕方象は小屋にいて、
じっぱの藁を食べながら、 西の三日の月を見て、
「ああ、稼ぐのは愉快だね。 さっぱりするね。」
と言っていた。
象の働き
「すまないが税金がまた上がる。 今日は少し森から滝木を運んでくれ。」
オツベルはふさのついた赤い帽子をかぶり、 両手を隠しに突っ込んで、
次の日象にそう言った。
「ああ、僕滝木を持ってこよう。 いい天気だね。
僕は全体森へ行くのは大好きなんだ。」 象は笑ってこう言った。
オツベルは少しぎょっとして、 パイプを手から危なく落としそうにしたが、
もうあの時は象がいかにも愉快なふうで ゆっくり歩き出したので、
また安心してパイプをくわえ、 小さな席をひとつして、
百姓どもの仕事の方を見に行った。
その昼過ぎの半日に、 象は九百羽滝木を運び、
目を細くして喜んだ。 晩方象は小屋にいて、
葉っぱの藁を食べながら、 西の四日の月を見て、
「ああ、せいせいした。 サンタマリア。」
と、こう独り言をしたそうだ。 その次の日だ。
「すまないが、税金が五倍になった。 今日は少し鍛冶場へ行って、
炭火を吹いてくれないか。」
「ああ、吹いてやろう。 本気でやったら、僕も息で石も投げ飛ばせるよ。」
オツベルはまたドキッとしたが、 気を落ち着けて笑っていた。
象はのそのそ鍛冶場へ行って、 ベタンと足を折って座り、
ふいごの代わりに半日炭を吹いたのだ。 その晩、象は象小屋で、
七羽の藁を食べながら、 空の五日の月を見て、
「はあ、疲れたな。嬉しいな。 サンタマリア。」
と、こう言った。 どうだ。
そうして次の日から、象は朝から稼ぐのだ。 藁も昨日はただ五羽だ。
よくまあ、五羽の藁などで、あんな力が出るもんだ。 実際、象は経済だよ。
それというのもオツベルが頭が良くて偉いためだ。 オツベルと来たら、大したもんさ。
07:20
コメント
スクロール