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  2. たまごとおつきさま /村山籌子
2024-04-10 03:20

たまごとおつきさま /村山籌子

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作品名:たまごとおつきさま
著者:村山籌子

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00:04
たまごとおつきさま 村山籌子
昔野原の一軒家に 鶏が一羽住んでいました。
その野原の向こうには 低い綺麗な山が三つ並んで立っていました。
ある月のいい晩のこと その鶏が卵を一つ産みました。
その卵にちょうど昇ってきた月が 光を射しかけましたので
卵はそれは美しくて 真珠の玉のように見えました。
鶏は嬉しくてたまらないので 卵ばかり見ていました。
けれどもそのうちに 卵はだんだん消えていって
影ばかりになり おしまいにはその影さえも見えなくなってしまいました。
ぼんやりそれを見ていた鶏は 大変びっくりして
お月さまのところへかけて言って
お月さまどうぞ私の卵を返してください と頼みました。
すると今度は急にお月さまが笑いながら だんだんしぼんで卵になってしまいました。
鶏は大変喜んで 本当ですかお月さま
これが私の卵ですか と言ってそれを羽の下に入れようとしますと
それが見る間に大きく膨れて 三つ並んだ山の向こうから
お月さまになって登ってきました 翌る朝
鶏が目を覚まして野原に行ってみますと 前の晩のお月さまが白く透き通って
空に登っていました そこで鶏は大きい声で泣きました
03:08
それは卵か お月さまか
こけこけ
03:20

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