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犬さんと、くもさんと、かへるさん、村山籌子
犬のおばあさんは、一人で暮らしていましたが、 一人で暮らすのは、大変寂しうございました。
お仕事をしていても、夜寝ていても、 一人でいるのは辛いことでした。
それで、仲間を探すことにして、 新聞へ広告を出しました。
広告文はこうでした。
私は犬ですが、歳をとりましたので、 一人で暮らすのは寂しうございます。
どなたか、私の家へ一緒に住んでくださる方はありませんか。 ただし、私の家にはお皿とナイフとフォークが一つずつしかありませんから。
おいでくださる方は、どうぞご自分のお皿とナイフとフォークを持っていらしてください。
いつもおいしいごちそうを食べさせてあげます。
東京犬小屋町、犬山籌子
この広告文を見て、お皿とナイフとフォークを持ってやってきたのがクモさんでした。
クモさんは2階に住むことになりました。
おばあさんは大変喜びました。
けれども、二人目にやってきたのがカエルさんでした。
カエルさんはあんまり急いできたものですから、 お皿とナイフとフォークを持ってくるのを忘れました。
おばあさんもクモさんも大変困りました。
するとカエルさんが言いました。
おばあさん、クモさん、ちっともお困りになることはありません。
私は皆さんが召し上がった後のお皿を貸していただきますから大丈夫です。
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するとクモさんとおばあさんは手を打って胸を撫でおろしました。
それは全くいい考えです。
と、3人は仲良く暮らしました。
