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迷子ノジャガイモ 村山籌子 玉ネギさんは絵描きさんでんた。
それで田舎の景色ばかり描いているのに飽きて、 町の写生をしようと思って
町に来ましたが 田舎者の玉ネギさんは道に迷ってしまいました。
交番に行きますと かわいらしい女の子のおまわりさんがいて
町面を調べてくれましたが さっぱり玉ネギさんの住んでいる村というのがわかりませんでした。
玉ネギの絵描きさんなんて聞いたことがない。 これには玉ネギさんも困りました。
けれども不思議なことがあればあるものです。
ひょっこりそこへ洋服を着たジャガイモ紳士が来ました。
玉ネギさんの友達です。 そして申しました。
本当にこれは絵描きの玉ネギです。 けれどもおまわりさんは嘘です、嘘です。
そんな嘘をつくような玉ネギやジャガイモは でき損ないだろう
と申しましたので 二人は腹が立つやら
恥ずかしいやらで困ってしまいました。 二度目の不思議が起こりました。
向こうから玉ネギさんの村のおまわりさんが走ってきました。
親切なガチョウさんです。 玉ネギさんが迷子になるかもしれないと思って
後から追っかけてきたところです。 本当にこの玉ネギさんは絵描きさんです。
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アヒルのおまわりさんがこう言ってくれたので 玉ネギさんとジャガイモさんはどんなに嬉しかったでしょう。
まあ本当ですか。 人間の中でもそんなに利口な子供はあまりいませんよ。
女の子のおまわりさんが こう褒めてくれたのですから。
