作品名:えぞおばけ列伝
作者不詳
編訳:知里 真志保
図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/001529/card52211.html
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html
BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile060.html
DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play17520.html
7・15・23・31日更新予定
#青空文庫 #朗読 #podcast
【活動まとめ】 https://lit.link/azekura
【青空文庫関連商品】 https://amzn.to/4hEMRXV
作者不詳
編訳:知里 真志保
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BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
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サマリー
このエピソードでは、魔の船とそれに関わる妖怪たちの物語が展開され、主人公が友人たちを救うために奮闘する様子が描かれています。
妖怪との遭遇
⑦キキンマ
ヤイレスポとポニポニクフは、毎年、木兵の見継ぎものを俺に捧げて、俺を敬ってくれたので、季節季節の食物を豊かに恵んでやっていた。
今年はどうしたわけか、寮の季節に入ってもう二か月にもなるのに、全く寮がない。
いくら待っても魚群は全く姿を見せなかった。
そこで俺は、その原因を探るために、糸編みの敷物を畳んで奥にしまい込み、窓を閉め、
戸をひもで縛って、山手の小原を越え、浜出の小原を越え、
山を下って里へ来た。
見れば辺りの景色の美しさ、草原が矢の行くように打ち続き、
その向こうに砂原が矢の行くようにずっと続いている。
海上には黄金の美しい小鳥どもが水に潜り、また浮かび上がる。
その音の楽しさ。
しばしこの景色に見とれていたが、ふと八重レスポの家を眺めると、
天窓から煙が出ていない。 ポニポニクフの家の天窓のあたりにも煙はなかった。
不思議に思って八重レスポの家の戸を開けて中を見たが、人影がない。
ポニポニクフの家の戸を開けてみたが、やはり人影がなかった。
外へ出て、あちらこちら見回すと沖の方を大きな船が行く。
船の中には八重レスポとポニポニクフとその部下の死体が、
へさきに積み上げられ、共に積み上げられてあった。
そこで俺は草原の小鳥に身を返じて、浜手の小原に飛び行き、
赤いトリカブトの根を掘って胸に抱き、 山手の小原に飛んで行って、白いトリカブトの根を掘って、
背負って、丘を飛び越え、砂浜を飛び越え、魔の船を追った。
昼6日、夜6日、 魔の船を追って、魔の国へ着いた。
魔物は家来を指揮して、八重レスポとその部下の死体を船からあげて、
浜手の砂山、山手の砂山を越えて家の下へ運び入れた。
俺は横窓から家の中を覗いた。 魔物の妻がこう言って尋ねた。
この人間の肉は新しいのを炊きましょうか。 すると魔物が反対した。
古い肉の方がいい。新しい人間の肉は海に浸かれ、 船に浸かれた時には悪いものだ。
そこで魔物の妻は6つの耳のついた大鍋に水を入れ、火にかけた。
そして古い人肉を大びらに切って煮た。 俺はその時窓から入って、まず赤いトリカブトの根を小刀で細かく刻んで鍋に入れた。
赤い泡が炉縁にこぼれた。 ついで白いトリカブトの根を鍋の上で切り刻んだ。
肉が煮えたので魔物の妻は鍋を取り下ろして、 木の輪に入れて一同の者に食べさせた。
この肉汁を吸った者はたちまち死んだ。 肉を切って食べた者も立ちどころに死んだ。
俺はそこで魔物の船を出して、 ヤイレスポとポニポニクフとその部下の死体を運び入れ、
魔の火罪のうち悪い者は破棄し、 良い者は船に積んだ。
魔物の家は灰に焼いてしまった。 魔物の船はヤイレスポの国へ着いた。
死体を家の中へ運び入れて、二つのたくさを作り、 それで死体を払って彼らを蘇生させた。
ヤイレスポとポニポニクフは大変俺に感謝して、 おびただしい木兵の荷、食物の荷を俺に捧げた。
俺は安心して自分の家に帰って彼らを見守っている。 彼らは海狩りに出ても山狩りに出ても幸運に恵まれた。
05:53
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