祖父の日記と疎開先・食卓の話
昨日、京都の職場を半休で1時半過ぎに離れ、
3時半、3時半じゃない、3時8分の新幹線に乗って東京に着き、
1夜明けて、今日が7月の2日になります。
これから、いとこの家に泊まらせてもらったんですけど、
これから朝食を食べて、新幹線に乗って青森に行こうと思いますが、
その前に、祖父の日記、昭和20年の日記も持ってきたので、
秋田に疎開を考えているところを読んでいきますね。
6月19日、秋田に行くべきか、いつかいつに泊まるべきか、生活のこと、選挙区のことを思い悩む。
吉田氏にも相談しようと銀座の店に行ったが不在。
新庁舎では僕の秋田行きを大歓迎なり、5月分の現行料、残31円を受け取る。
これ読みましたね、この間、すいません。
6月22日、秋田県大曲町と決定し、駅に行くと行き先変更は区役所の承認が必要とのことであった。
午後、おだくりくん来る。
国民酒場で招致をやっているから並ぼうと誘われ、やらいのやけの腹にて一ご飯ばかり飲む。
岡林くんに会い、現行を採測される。
こういうことが続き、6月26日、区役所に行き、出先変更届を済ます。
飯田町駅に行って、これを提出したところ、あす午前中に来る。
こいとのことだった。
午後、おだりくりくん来る。
今夕も国民酒場に行って、ビールを3人して8本飲む。
6月29日、午前中、飯田町駅に行き、疎開荷物の積出先変更届をする。
京橋の千字火災保険に行き、昨日で期限の切れた保険の1年間延長契約をする。
岩田市不在で、成茂市に手続きをしてもらう。
100円、ひし払う。
午後、新庁舎に行き、月給をもらう。
4時近くにおだぎりくん来る。
秋田行貨物1両動きそうだが、荷を都合してもよいとのことなり、
夕方、礼に寄って国民酒場にてビールを飲む。
国民酒場っていうのがよく出てくるんですけど、
どうやら、戦時中廃給下のもとでもビール飲めるようにみたいな感じで酒場が、
廃給キップ使える酒場があったようで、
祖父の住んでいた神楽坂界隈、丑米界隈にはどうやら、
神楽坂にあったのかな、美車門あたりにと思うんですけど。
あと飯田町駅っていうのがあるんですけど、
昨日、いとことこの日記のことを話していて、
知ったのが、今、飯田橋駅っていうのがあるんですけれども、
そのあたりに貨物専用の線路があって、
そこあったというので、多分この飯田町駅というのは、
人が乗ったりする駅を言ったりするんじゃなくて、
貨物専用の駅のようだなと思われます。
じゃあ、ちょっとまた読み進めましょう。2日間ばかり。
6月28日、国民牛隊幹部として芋の植え方とお釈迦様前で抗議を受ける。
小田切君来る。お礼なりにてキャベツ1個持参。
篠切の弟、湯本市秋田県東京都出張町となりて赴任するゆえで、
貨物一行が都合つくかもしれぬから便乗してはどうかということだった。
渡り舟に船とはこのことなり、夕方小田切君と国民学校に出席。
どうやら小田切君という人が秋田行きを応援してくれてたんですかね。
秋田のところの湯本さん。湯本さんというのも秋田に疎開するときのキーパーさんになりそうですね。
6月29日、湯本市秋田に出発とのことにつき一度面会しておくため、
午前10時ごろ、祖師ヶ谷の小田切君宅へ訪問。
湯本市はかつて宅へ入浴に来た人なので一面式あり。
小田切君宅で話すうち、東京都の食卓になって湯本市の仕事を応援してほしいということまでになる。
東方としてこう都合なり、即座に引き受ける。
1時半辞去し、清浄学園前の加藤武雄氏を訪ねる。
加藤氏も疎開中とかで座敷内は散らかっていた。
加藤先生は神奈川県口井郡三井村住方へ行かれるよし。
2時間ほど話し、本を10冊ほど頂戴して辞去す。
小田切の超満員電車に並行す。
本日は佐尾澤良君の35日にあたりき。
ささやかなる法事を営むため、後藤氏宅に当地の刑防団員が集まる。
国民酒場も今月は今日限りなので例によって出席の上、
大薬瓶、大薬缶に5、6本ほど詰めて後藤君宅へ回送しておく。
白金公園にもうで6時ごろから一度後藤氏宅に行く。
先日取っておいた焼酎やビールにて大いに賑わう。
夜になって雨となる。夜2時半ごろ小田切君来て泊まりに来る。
小田切君、めちゃくちゃ仲良しみたいですね。
神楽坂と白金公園について
あと白金公園って出てくるんですけど、ここは今も神楽坂にある公園で、
祖父のこの日記を読んでいるとどうやら爆撃とかにやられた人たちの死体がここに
いろいろ連れて、死体置き場になってたようで、
なのでここにあるように白金公園にもうでって書いてあるわけなんだと思います。
今日は6月、昭和20年の6月29日まででした。
そして私は今、令和6年でしたっけ、2024年の7月5日、
祖父が最後に住んでいたところの神楽坂界隈跡地に建ったいとこの家におります。
というわけで以上です。
