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2023-05-30 19:11

#031 「AI時代にプロのデザイナーしかできないことは何か?」

第31回は、AIを使ってメガネやサングラスのブランドのキャンペーンを手がけたクリエイティブディレクターのPum Lefebureさんがゲストで登場。AI時代に人間にしかできないことは?AIを使ってもクリエイティブディレクターの価値をクライアントに示すことの重要性、再確認される手作業の良さなどについてお話を伺いました。


◆番組で紹介したPum Lefebureさんの作品"ADVENTURES in A-EYE"

https://www.georgetownoptician.com/georgetown-blog/2023-adventures-in-a-eye


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00:02
This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is Reina Moro.
みなさんこんにちは、ニューヨークと東京を拠点にするグローバルイノベーションファーム I&CO 共同創業パートナーのReina Moroです。
この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを捧げます。
今回のゲストも、タイ出身でアメリカでデザインアーミーというクリエイティブエージェンシーを創業したフム・デフェーブラさんです。
前回はフムさんがクリエイティブディレクターとして、今年制作したAIによるメガネやサングラスのブランドキャンペーン、Adventures in AI について具体的な制作方法を伺いました。
今回は、AI時代のクリエイティビティの発揮の仕方について語っていただきました。
So, let's get started.
クリエイティブ・ボイス
If you were to produce this in a traditional way, the way you had done it,
I mean, you had done many, many photos.
I mean, you've done beautiful work for the same client, you know, in the past.
And all of them, how much time did you have to spend?
And how much would they have paid for something, including production?
Like, I would say…
AIを使うことで制作期間は短くなったと思いますが、
それだけではなく、撮影をしないことで予算面の負担も軽減されたんでしょうか?
I mean, imagine this campaign, shoot for real, that's half a million,
for at the very bottom, for the people, for the class, for… right?
But this is all digital. It's all… not exist.
The model doesn't exist. You know, the land doesn't exist.
So, you know, it's good and bad.
実際に撮影をしたら、最低でも7000万円くらいかかったと思います。
AIの場合、モデルやカメラマンが必要ありませんから、
撮影費用という意味ではお金はかかりません。
ただ、AIなら安く作れるのか、というと、それは違うと思います。
But then, you know, we have to protect our creativity
and we need to put the value and dollar sign into it.
You know, I think everyone tried to figure out how to charge the client using AI.
どんなデザインをAIに作らせるのか、
そのアイディアはクリエイティビティのある人にしか生み出せませんから、
その能力にクライアントはきちんとお金を払うべきです。
実際のモデルを使わなくても、AIでモデルをデザインするときに、
肌の色、目の色、あらゆることを作り手はクリエイティビティで決めているんです。
だからその分はクライアントにきちんと請求しなくてはいけません。
I mean, imagine, I mean, we do photo shoot a lot.
This is expensive.
03:01
You're gonna have to fly into Arizona or desert.
You have to get 50 different models for us as a creative agency.
また、実際に50人ものモデルを引き連れて、
アリゾナかどこかの砂漠で撮影をしていたら、
このスピードで広告を制作することはできません。
事前にアイデアをクライアントに見せて、
カメラマンやメイクを誰にするか決める。
AIならそういうプロセスを踏まずに、
とても早く制作を進めることができますから。
Do you think that the same client or another client would come to you and say,
Hey, we only have four weeks and we don't have a lot of money,
but we know you can do great work in AI. Do it.
Like, what would you say to them?
もし、またAIを使ってキャンペーンをやってくれないか、
という依頼が来たら、どうしますか?
4週間でいいものを作ることはできますが、
デザイン業はたくさん請求しますとクライアントに交渉しますね。
実際にAIを使ったキャンペーンの後、
3件の問い合わせがありました。
短時間で低予算で制作できるから興味を持っているというより、
AIにしか作れない新感覚のビジュアルだから、
みんな興味津々なんです。
同じようなAIキャンペーンをやらないか、
と依頼されたら、どうしますか?
やりますよ。同じような依頼でも、
ファッションならシーズンごとにアイテムが変わりますし、
緑や花が咲き乱れる別の大陸を想定して、
制作するのもいいかもしれません。
制作のどの部分がAIに置き換わり、
どの部分が人間にしかできないこととして残るのでしょうか?
06:07
洋服を洗濯するときに洗濯機があれば、
いちいち手でやらなくても済むように、
AIで自動化される仕事は出てくると思います。
ただ、そもそもどんな作品を作るのか、
アイディアを考えることや、
AIで作ったものの中からどれがいいか選ぶ仕事は、
人間にしかできません。
ブランドのキャンペーンの画像として使えるぐらいの
クオリティのところまでできるわけですよね。
じゃあ、どこまでとか、
どういう場面でAIを使って、
どういう場面に人間で作ったものを
世の中に出すべきかという判断は、
ちょっとまだ僕も見えてないところが正直あるんですね。
一つ、彼女が言っていたことで、
例えの一つとして、
AIと洗濯機のことを
企画されていたんですが、
なるほどなと思ったのは、
100年とか何十年とか、
洗濯機がない時代は、
人間が手で洗濯をしていました。
それを洗濯機というものが発明されたことによって、
洗濯機に任せて、
かなりそこが効率化されて、
かといってこの時代に、
洗濯機が手に入る社会に住んでいる人たちは、
じゃあこれは手で洗ったほうがいいよねって、
なかなかならないんじゃないかなと思うんですよね。
なんですが、
これだけ技術が、
いろいろなテクノロジーとか技術が発達した今でも、
洗濯物を折るっていうのは、
なかなかまだできてないですよね。
その仕上げの部分ですよね。
仕上げの部分が、
人間が力を発揮する領域なのかなと、
その辺のところが仕上げの最後の、
10%だったりとか、
5%もしくは1%だけかもしれないんですが、
その部分が人間の力を発揮する、
逆に汚れた洗濯物を洗う作業ではないですけど、
その作業のところは機械に任せて、
人間の手でしかできないところだったりとか、
っていうのは、
人間がまだ活躍する領域なのかなと思います。
だからまとめて言うと、
今までたぶん10%がAIで、
90%が人間だったのが、
それが逆転して、
90%がAIで、
10%は人間の仕事になるのかなと思います。
09:22
私には17歳のゲーム好きな娘がいるので、
きっと娘が気に入るだろうと思って、
AIで作った作品を見せたんですが、
娘は実際に撮影した過去の作品の方が、
好きだと言っていました。
AIで作ったものは人間味がないから、
気に入らなかったようです。
やっぱり広告でもブランドのバックでも、
手作業で作られたものには、
全然違った魅力があります。
私は過去の栄光にしがみつくのではなく、
いつまでも必要とされる存在で、
ありたいと思っています。
だからこそ、慣れないことでも、
新たな挑戦をしていくんです。
エネルギーを作って、
人間を作って、
人間を作って、
エネルギーを作って、
いつまでも新たな挑戦をしていくんです。
AIだって初めは全然使いたいと思いませんでしたが、
いつまでも必要とされる存在でいるためには、
使わないわけにはいきません。
こうして、新たな領域に踏み出したんです。
クリエイティビティとは、
ストーリーを伝えることであり、
美しいデザインをすることであり、
私たちはその価値を守っていかなくてはいけません。
一日にどれだけの人が見たか、
そういった基準で、
クリエイティビティの価値を判断することはできないからです。
その基準で判断できるのは、
自分の価値を守ることです。
その基準で判断できるのは、
人気があるかどうかだけでしょう。
私たちのクリエイティビティやアイデアは、
決して安いものではありません。
12:00
ここまでお送りしてきました、
レイナモトの世界のクリエイティブ思考。
今回もクリエイティブディレクターのプム・レフェブリさんにお話を伺いました。
前回のお話では、
制作の過程を結構詳しく聞いたんですが、
今回は、何がそのAI時代の時に大切になるのか、
そして人間とAIの違いみたいなことを
彼女が語っていたんですが、
僕なりのテーカウェイがありました。
まず一つ、視点が大事。
彼女の言い方で、
It's the point of view that counts.
二つ目が、人間味が物を言う。
そして三つ目、必要とされる存在であること。
まず聞いた言葉でナンバーワン。
It's the point of view that counts.
視点が大事ということなんですが、
AIに物を作ってもらうと、もちろん効率化されて、
彼女の今回の作品も普通だったら
4、5ヶ月かかるものを
ほんの4週間でやってしまったという
すごい圧倒的なスピードだったわけですよね。
ただ、その裏側にあるのは
そこがただ早くなっただけではなくて、
ちゃんと彼女の中にクライアントからいただいた
お題を理解をして、
じゃあそれをどうやって打ち返そうか。
打ち返そうとした時に、ちゃんと視点があるかというところを
持っていたからこそ、
このキャンペーンが成り立っているのかなと思います。
きれいな絵を作るだけだと、
それは誰でもできることで、
それこそ経験がない
アマチュアの人がきれいな絵を作って
このブランドのキャンペーンにするということも
できなくはないとは思いますね。
でも今回違ったのは、彼女が
想像上でできた宇宙の旅行という
アイディアをクライアントに提案をして、
そのために目を守るために
サングラスをかけているキャラクターがいるという
そういうストーリーをちゃんと
持った上での画像だったりとか
映像の制作だったのが
ここの違いかなと思います。
あと彼女が言っていたことでもう一つ印象的だったのは
クライアントが我々のようなプロに
お金を払うのは、その人の
プロが持っている視点に対して払うわけで
技術的なところは
昔だったらフォトショップだったりとか
いろんなツールを使うことによって
効率化されていたんですが
今からはAIを使うことによって効率化される。
でも大切なのはそこに対してお金を払うのではなくて
その人が持っている視点
経験から来た、そして才能から来る
その視点に対してお金を払ってもらうわけで
そしてクライアントもそこに払うべきだということを
おっしゃっていました。
15:10
今回のこのAIで作った作品を
彼女の娘さんに見せたそうなんですね。
彼女の娘さんは今大学生で
ゲーム制作に関わりたくて
アニメーションなどを勉強されているそうなんですが
その彼女は人間が手で作ったものが良かった
というふうに言っていたみたいなんですね。
プムさんもすごく興奮して
これだったら自分の娘が喜んでくれると思って見せたそうなんですが
逆にしらけた反応が来たらしくて
今の段階だとAIで作ったものっていうのを
結構分かってしまうところも少なくないので
そこもあるのかなと思うんですが
もちろんそのAIを使って効率的に
ものを作るっていうのはどんどん活用していくべきですし
そういうシーンも増えてくるとは思うんですが
やっぱりそうやってしっかり作り込んだもの
っていうものの良さっていうのは
なかなかなくならないのかなと思います。
なのでこの人間味がものを言うっていうのは
今後も大事にしていきたいポイントだなと
個人的にも思いました。
そして3つ目、必要とされる存在であること。
これはですね、彼女の言葉だと
relevanceということを言っていたんですが
relevanceがなくなることを恐れているというふうに
おっしゃっていました。
このrelevanceっていう言葉、いい翻訳がないんですよ
実は。っていうのは
英語ですごくよく使われる言葉で
僕も個人的によく使う言葉ではあるんですね
このrelevanceっていう言葉は。
グーグルネーザーとか翻訳を見てみると
関連性とか適切さ
妥当性
っていうふうに翻訳されているんですね
ただそれだとちょっと意味が
間違っていて
僕はですね
必然性かなと思うんですね
relevanceがなくなるっていうことは
必要のないものだったりとか
必要のない存在になっちゃうことが
relevanceがなくなるっていうことで
英語でいうとirrelevantっていう言葉なんですけども
relevant
cじゃなくてtoだと
必要不可欠な存在
というのが個人的には
一番しっくりきている理解の仕方ですね
なのでrelevanceっていうのは必然性
そしてrelevanceがなくなっちゃうと
必然性がなくなって
存在しなくてもいいもの
どうでもいいものになっちゃう
この彼女の発言は
18:00
僕もすっごく同じことをずっと思っていて
新しいことをやってみようとか
新しい技術を身につけようと思っている裏側にあるのは
必要とされないと1年後2年後そして5年後には
自分が必要とされない存在になっちゃうことを
に対しての恐怖感ですよね
だからrelevanceをずっと保つっていうことは
非常にこれは年代に関係なく
世代に関係なく永遠の課題かなと思います
それではまとめます
まず1つ視点が大事
2つ目は人間味が物を言う
そして3つ目
必要とされる存在であること
relevanceを保つこと
これが3つのキーテークでした
次回はAI時代のクリエイティビティの発揮の仕方について
ふむさんとの対談の続きをお届けします
どうぞお楽しみに
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