2024-04-10 31:13

【1-4】君はいったい誰なんだー!男女差があるということは、女性脳・男性脳があるというわけではない【RADIO Kitsch 脳とジェンダー編4】

何が男脳・女脳たらしめるのでしょうか。何を指して、私たちはこれまで男脳・女脳と呼んできたのか。今回は、この曖昧さにスポットライトを当てることにしましょう!




【今回の内容】

男脳女脳の歴史は一体何だったのか/性差は重なり合う/脳はすぐに変化する/人間の実験/性ホルモンが脳の性別を変える説




【参考文献】

アンジェラ・サイニー『科学の女性差別とたたかう 脳科学から人類の進化史まで』東郷えりか訳、作品社、2019年

サイモン・ルベイ『脳が決める男と女 性の起源とジェンダー・アイデンティティ』新井康允訳、文光堂、2000年

ダフナ・ジョエルほか『ジェンダーと脳』鍛原多恵子訳、紀伊国屋書店、2021年

ポーラ・J・カプランほか『認知や行動に性差はあるのか』森永康子訳、北大路書房、2010年

リーズ・エリオット『女の子脳 男の子脳 神経科学から見る子供の育て方』竹田円訳、NHK出版、2010年

新井康允『男脳と女脳 こんなに違う』河出書房、1997年

竹内謙彰「空間能力の性差は生得的か?」『心理科学』第16巻第2号(1994)

田中冨久子『脳の進化学 男女の脳はなぜ違うのか』中公新書ラクレ、2004年




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サマリー

男性の女性脳の存在について、男女の脳の差があることを示す研究はありますが、女性的な特徴と男性的な特徴が実際に揃っているかは未だ不明です。男性の女性脳が存在することを示す実験について解説しています。実験結果から、男性の特徴と女性の特徴が混在しており、男女ともに異なる配線を持つ脳が存在することが示されています。そのため、男性の女性脳という概念は意味がなく、男女の脳は個別に異なる特徴を持っていることが明らかになっています。テストステロンの影響によって女性脳が男性脳に切り替わるという説を検証しています。女性脳・男性脳が存在するというわけではないと結論づけています。

男女の脳の差の歴史
おはようございます。STUDIO Kitschの三木裕蘭です。
さあ、前回からの続きでございます。前回までは、男の女の脳の歴史というものを見ていきました。
今回から、男の女の脳は存在するのかという話に入っていきたいと思います。
これまでの歴史の部分だと、大きさやテストを行って、男女差を発見していきました。
男の女の歴史というのが何だったのかというと、一貫して男は優秀な知性を持った生き物で、そのゆえんは男の脳を持つことにある。
こうして、男の脳の優秀さというのを説明し続ける歴史でした。
この証明のために、最初は精巣が使われ、それから脳に移って、脊髄とかも使われるわけですね。脳はそのいろんな脱脂に使われたやつらの一つだったということです。
さらには、男の女の歴史というのは、社会的な女性差別を生物学的な観点から正当化する歴史の一部でした。
もちろん脳の話もそうですけど、それこそ子供に似ている女性は、体の比率が子供に似ているから知的ではないとか、母性を持つから知的ではないとか、いろんなことが書いてありましたが、
結局言いたいことは、女性的な差別を正当化したい、しなければならない、という感覚の中に出てきた主張だったということですね。
なぜこれまでに不正確、今考えると不正確な学説が広まっていったのかというのは、
男の女の脳というのが存在する、男女の脳に差があるというのは、これは俗説との相性が良かったんですよね。
だからジェンダーのステレオタイプに合致しないような解釈というのはなされなかったということです。
例えば脳の変動体、これ前は紹介してないですけど、脳の変動体という感情を司る部分があるんですけど、
この変動体というのは平均して男性の方が大きいんですが、これを根拠に男の人の方が共感力があるみたいな解釈はなされなかったんですよね。
女性脳が共感力があるね、脳がどうたらこうたらねって言ったりするくせに。
でもこのステレオタイプに合致しない解釈はなされないということは、
現代のいわゆる一般通念ステレオタイプというのは、男女の差があまりない。
そんなステレオタイプだから現代は、から見ると昔の言説というのは何か間違っているように見えるという話でしたね。
さあそして本題に入っていこうかなと思います。
男性の女性脳の存在について
さあではここからは今回の本題、男性の脳と女性の脳に違いはあるのかというところから、男性の女性脳の存在について見ていきたいと思います。
まずですね、そもそも男性の脳と女性の脳の前に、男性の脳と女性の脳に違いがあるのかというところなんですが、
ちなみに2014年の論文によれば、男女の脳領域、脳の部位の体積とか密度とかを比較した研究が過去25年間の間で5600個もあったそうです。
つまり科学者はこれほどまでに男女の、男女差というのを発見し続けているわけですね。
いわゆる例えば脳の、女性と男性では脳全体の大きさとか、各部位の大きさが違うとか、そういうものですね。
ちなみに現代分かっていることで言えば、各領域の大きさに関して言えば、実はほとんど違いはないんです。
研究が例えば、この部位は男性の方が大きいですっていう論文とかその研究実験が一つあったとしても、
別の研究ではこの部位は女性の方が大きいって言って、同じ部位を指して答えが全く別の結果になることもよくあることです。
結構不思議なところなんですよね。
実はこれらっていうのは、このいわゆる科学者が発見する差、正差っていうものはあくまで平均の差に過ぎないんです。
そして個々人で比較をしてみれば、この多くの正差っていうのは男性と女性とで重なり合います。
つまり大半の女性と大半の男性ではほとんど変わらないということです。
大部分が重複するんです。
わかりやすく言うと、小学校の背の順みたいな。
中学校もあれだよ、背の順ありましたよね。
高校はないか。
小学校かな、わかりやすいのは。小学校の背の順みたいなものです。
小学校の背の順。今やってるのかな。やるでしょ。やらないのかな。わかんないけど。
男女別に分かれて、男子女子で分かれて、背の小さい方から後ろに行けば大きい方になるっていう風に習いますけど、
あれで確かに男子で一番背の高い人と女子で一番背の高い人って、おそらく男子の方がでかいんじゃないかなと思うんですよね。
同じように男子の背が一番小さい人と女子の背が一番小さい人って、そこにも差がありますよね。
けどそこで平均をとってみると男子の方が平均して背が高いですよね。
で女子の方が低くなる。
だがしかし端っこの極端、両極端の背が低いとか背が高いっていう人以外はほとんど男子と女子で背が一緒ですよね。
真ん中ぐらいの人とか少なくとも端にいない人は、両極端にいない人はほとんど背が同じじゃないですか。
あれです。あれが脳の精査にも起こっているということです。
これが個々人で比較すれば多くの男性と女性で精査が重なり合うということです。
男性の女性脳の定義と研究の不明点
つまり差はある。それは平均の差。平均とれば精査っていうものは出てくる。
けどもその精査っていうのは大部分で重複しているんです。
とすれば男性の女性脳っていうのは存在するんでしょうか。
ではまずは男性の女性脳を何と定義するかっていうところから入りましょうかね。
第1回のところで少し軽くやりましたね。
女性的な特徴を持った脳が女性脳とするならば、その特徴を持った男の人がいれば、その男の人の脳も女性脳なのか。
実は女性的な特徴と男性的な特徴を持ち合わせているのが普通の脳であるということ。
大抵の脳はそういうことになっているというのが最近わかったことですね。
つまり各人の各脳っていうのはそれぞれに異なる特徴を持ち、全体としてその人特有の脳のモザイクを形成するということです。
男の人っていうのが男性的な特徴の揃った男のっていうのを持つわけでもなく、女性が女性的な特徴の揃った女のっていうのを持つわけでもないということです。
みんなが女性的な特徴と男性的な特徴のパッチワークでできているということです。
そうすれば本当に男の女脳が存在するって言うのが難しそうとなってくるわけですね。
これは例えばRATに行われた実験ですけど、RATにストレスを与え続けるとオスの特徴がメスに現れたりする。
そして逆にメスの特徴っていうのがオスに現れたりするわけです。
つまり特定の条件下、例えばストレスが与えられるとかという条件下に至るとオスメスによく見られた特徴が反転することがあるらしいです。
不思議ですよね。
確かにすぐ脳が変化しちゃうのはわかったけど、ストレスを与えられる前の状態がその特徴が本当のオスメスの特徴なんじゃないのと思われるかもしれない。
だけどそんなに脳が変化しやすいんだったら、もともとオスに見られた特徴ももしかしたら何らかのストレスを受けるなどの事象によってすでに変化した後の特徴なのかもしれない。
なぜなら環境要因、例えばストレスとかによって脳が変化してしまうから。
とすれば、もともとあった男性的特徴って本当にそれが男性的な特徴と言えるんだろうかね。
っていう世界に入り込んでくるわけですよ。
ここでわかるのは、いわゆる何か男の女のっていうものの基盤のようなもの、つまりパソコンでいうマザーボードのようなもの、それが男女で分かれているわけではないということです。
脳にマザーボードなんていうものは存在せず、いわゆるアスロックのマザーボード、エースウスのマザーボードのように男のマザーボード、女のマザーボードっていうのが脳に組み込まれているわけではないということです。
そんなものは発見できないという話ですね。
とはいえ、今ここで紹介したのはRATの実験です。
人間ではありません。
RATの実験です。
RATの実験と人間の実験で結果が異なることがあるんです。
つまり、RATではこういう効果があった、みたいな効果も人間ではそんな効果は生じない、みたいなことが実際もあったりするので、
人間の実験で脳のパッチワーク、いわばこのモザイクというものが存在するのかを見ていきたいと思います。
そして、男性の女性脳についても見ていきます。
人間の実験!
え?なぜ栄光をつけたかって?
そんなものは気分でしかないわけですよ。
さあ、やっていきたいと思います。
これから実験を3つ見ていくんですけど、何をやっているのかが分かりにくいので、それをまず最初に整理したいと思います。
脳の中に、まずですね、実験の目的として、過程として、脳の中には女性的な特徴と男性的な特徴が混在しているんじゃないかという過程からスタートします。
これが要はパッチワーク状態ということですね。
そもそも男女に脳が違う、脳に精査があるということを示す研究はあるんだけど、
じゃあ本当に脳構造や肺線など、いわゆる女性的な特徴とか男性的な特徴っていうのが揃うのかどうかを調べた研究は未だないんです。
つまり、女性の脳の中に女性的な特徴が揃っているのか、男性の脳の中に男性的な特徴が揃っているのか、これを確かめた研究は未だないということです。
前回とシリーズ1回目の回で言ったように、男性の女性脳の定義っていうのがそもそもわけがわからなくて曖昧なものなんですよね。
例えば、女性的な特徴を持った脳があればその脳は女性脳なのか。
もしそう定義する場合、その女性的な特徴って脳の中の特徴って無限にあるわけですよ。
その数ある女性的な特徴が女性の脳には揃うのかということ、これを見なければそれが男性の女性脳なのかがわからないということですね。
つまり、男女の脳に差があることっていうのは、男性の女性脳が存在することを意味するのかというところでございますね。
というわけで、今回から見ていく実験では、男女の脳の精査というもの、女性的な特徴とか男性的な特徴っていうのが、
実験の前提と定義
女性の脳には女性的な特徴が男性の脳には男性の脳的な特徴が揃っているのかということ、これを見ていきたいと思います。
まず、実験の前提として、女性的な特徴とか男性的な特徴って○○的な特徴って一体何ということ。
この定義から入っていきたいと思います。
まずですね、例えばある体積が平均して女性の方が大きいってわかった場合、
この場合、この体積のスコアっていうのを小さい順にずらーっと数直線上に並べます。
そして、小さい方から33%、大きい方から33%、そして真ん中残りの中間の33%というふうに区分分けをします。
そして、この体積では平均して女性の方が大きいので、大きい方から33%をこれは女性的な特徴です。
そして、小さい方から33%を男性的な特徴と逆に定義するわけです。
つまりこの数値がある、その部位の体積の数値が大きい方から33%のところに入っていたら、
その体積っていうのは女性的な特徴として定義付けることができるよということですね。
身長でも同じことを言えると思います。
学校のクラスの全員の身長のデータを用意して男女で平均とって、
例えば男子によく見られるスコアと女子によく見られるスコア、身長の場合は男子の方が大きくなるかな。
大きい方から33%これが男性的な特徴、そして小さい方から33%を女性的な特徴というふうに定義する。
真ん中を中間というふうに、残った真ん中の33%を中間と定義する。
このようにして女性的な特徴と男性的な特徴を定義していきます。
実際の実験を見ていきましょう。
まず1個目ですね。開発室領域の大きさを見ていきます。
開発室領域というのは脳の部位の一つで開発室というところがあるんですけど、
ここの大きさを男女差を見ていきます。
ここは男女差が比較的大きいところなので、ここを検証していきます。
開発室の中にも領域分けができて区分分けができて、
男女差の大きい開発室領域10個まず見つけてくる。
その10個について対象となるサンプルの脳は281個の脳。
これを対象としてその1つ1つの脳内の開発室領域10個のうち、
いくつが際立って女性的、際立って男性的、中間、
このどこに当てはまるのかを検証していきます。
つまり10個全てが際立って女性的に当てはまる。
10個のうち5個が際立って女性的。
これの5個が際立って男性的。
みたいな、そんな数値が出てくると思います。
ではですね、結果を見ていきましょう、この実験。
男女差の大きい開発室領域10個について281個の脳をサンプルに調べてみました。
結果ですね、10個全ての領域が際立って女性的とか男性的に当てはまった脳は、
全体の約2%のみ、たったの7個のみだった。
えーって感じ。
だいぶ少ないんですよね、これ。
で、別の4%は全て中間に位置していました。
開発室領域の差異
そして残りの脳、これは各領域が際立って女性的、際立って男性的、
そして中間に分散していたんですね。
つまり、この際立って女性的とか際立って男性的に全て当てはまった全体の2%の脳以外は、
際立って女性的な特徴を持った開発室と男性的な特徴を持った開発室、これが混在していたということです。
これは女性、例えば女性の脳の中に女性的な開発室が2、3個とかあって、
逆に男性的な特徴の開発室も同時に同じくらいの数があるとか。
あとは際立って女性的な開発室が1個、男性的な開発室が1個、で残りは中間に位置しているみたいなね。
そういうことになっているわけです。
で、これが開発室領域でした。
で、次ですね、白室の体積も見ていきたいと思います。
白室っていうのは、これも脳の部位の一つなんですけど、ニューロンをつなぐ配線がある場所です。
何のこっちゃわかりませんけど、そういうとこだと思ってね、見てください。
白室という部分の体積を調べてみました。
脳の配線の男女差
結果としてですよね、際立って女性的、際立って男性的のみを示す脳は1%から8%だけだった。
最大でも8%だけの脳が際立って女性的、際立って男性的のみに位置していた。
そして、際立って女性的と際立って男性的な特徴を合わせ持つ脳っていうのは、だいたい23%から53%だった。
これは比較的多い数値ですね。
続いて脳の配線の男女差、ここについても検討してみます。
この実験が行われた背景としては、なぜ配線を見ていくかというと、
男性では各半球内の配線の平均強度が強いと言われ、その反面、女性というのは各半球間、半球と半球の間の平均強度が強いと発表されていたんですね。
これ2014年ですね。
よって脳には男性的な配線と女性的な配線が存在することを示唆するという風な結論付けられた研究が発表されたんですね。
この研究についてはメディアにも取り上げられていて、
これはイギリスのガーディアン氏が記載した内容によれば、
この研究は昔からのステレオタイプを裏付けている。
男性は知覚と組織的な配線が強く、女性は社会的能力と記憶に強いのでマルチタスクに向いているとガーディアン氏は述べたわけですね。
これはあれですね。
ほらよく言うじゃないですか、女子と男子で受験金恋愛をするか否かみたいなね、
クソどうでもいい議論がたびたび盛んに取り上げられている時期があったりしますけど、
女子はマルチタスクに向いているから恋愛をしていても受験をなんとかならせることができるという謎理論がありますけど、
これを助長させているのがAガーディアン氏だったんですね。
配線の男女差があるので、配線を調べていくというのがこの3つ目の実験ですね。
精査が大きい方から7つの配線を選び、その配線の平均強度というのをまず集計します。
そして前の実験と同じようなプロセスで際立って女性的、際立って男性的な特徴というのを定義して、
それがそれぞれの脳に存在するのか、それが揃って存在するのかというのを調べていきたいと思います。
もしこの男性的な特徴、男性的な配線と女性的な配線が存在すると言われているけど、
もしこれが男性的な配線と女性的な配線が混在している脳が存在するんだとすれば、
ましやそれが普通、大抵の脳は混在しているんだとすれば、
この男性的な配線と女性的な配線が存在するから、
男性は知覚に優れ組織的なことができて、
女性というのは社会的能力とか記憶とかに優れてマルチタスクができるみたいな理論って成り立たなくなるんですよ。
だからここを検証する必要がある。だからこの配線というのを見ていくということですね。
では結果見ていきます。
7個全ての配線強度が際立って男性的または際立って女性的に該当したのは0個でした。
1つも際立っての特徴が揃った脳はなかったんです。
そして7個全ての脳が中間に入ったのは0.7%だけ。
そして際立って男性的と際立って女性的な配線、
つまり男性の配線と女性の配線を合わせ持つ脳は全体の約48%でした。
そして残りはそれに中間とかも合わさっている。
脳が残りだったということです。
つまりこの実験からわかるのは男女とは実際様々な配線、
つまり男性の配線と女性の配線が混在しているのが普通であって、
その中には女性によく見られる配線もあれば男性によく見られる配線もあるし、
男女双方に見られる配線もあるということですね。
つまり男性の配線、女性の配線なんか存在しなかったということです。
もし存在するのであればそれがそろって存在するべきです。
しかし存在しなかったということですね。
さあ今3つの実験を見ていきましたが、
この実験の一体何をやっていたのかというと、
これはいわゆる集団レベルの精査、集団レベルの違いに焦点を当てるだけでなく、
個人レベルに視点を合わせてあげることで脳内で精査が一貫して蓄積することで、
男性の女性脳が出来上がるというわけではないということを示したという点。
ここがでかいんです。
いわゆる男性の配線、女性の配線みたいな男性の特徴、女性の特徴みたいなのが脳内には揃わないんです。
男性の特徴もあれば女性の特徴もある。
女性の配線もあれば男性の配線も持っている。
それを同時に同じ脳に合わせ持っているということ。
とすれば、そもそも女性の配線、男性の配線というのがまず意味がわからなくなってきますし、
そして女性の男性脳というのもどうやって出来上がるのか、
ましてや何を女性の男性脳と言えばいいのかもわからなくなってくる。
というところ、ここにこの実験の意義があるということですね。
さあさあということで、
じゃあ男性の特徴とか女性の特徴というのが揃わないということはなんとなくわかったと。
ただ、僕らが男性の女性脳というふうに言われてイメージするものって、
前のところで言ったマザーボードのような何か根幹となるベースの男女脳みたいなものというのを想像する。
それを生まれ持って持ってくる。
そういうベースの男性の女性脳というのがあるんじゃないかというのを想像するのが多分一般的なイメージだと思うんですけど、
じゃあこのベースの脳というのは存在しないのかということですね。
このベースの脳みたいなもの、ベース男女脳みたいなものが言われ始めてくるもののその由縁、
科学的根拠みたいなの発端ってこういうものなんです。
子宮内でテストステロンの影響によって女脳が男脳に切り替わる。
そして各人は女脳もしくは男脳のいずれかを所持して生まれてくる。
こういう言説がいわゆるベースのある男女脳とかがあるみたいなものの発端となっているものです。
テストステロンの影響
ということでこのテストステロンの影響によって女性脳が男性脳に切り替わるみたいな説を検証していきたいと思います。
まずこの説を分析すると、この説というのはいわゆるテストステロンの分泌量、これが多ければ脳は一貫して男性的になり、
このテストステロンの分泌量が低ければ一貫して女性的になるということを言っています。
つまりテストステロンにどれだけ晒されるか。
この程度の具合によって脳というのは男性から女性、男性から女性のこのスペクトルのどこかに位置するっていう。
こういうことを意味しています。
要は数直線上で端が男子、端が女子でこのどこかに位置するんだけど、
これはテストステロンにどれだけ晒されるかということでどこかに位置するようになるよということですね。
しかし実は脳の特徴を決定付けるのってテストステロンだけじゃないんです。
例えばエストロゲンとかそういう他のホルモンも影響を及ぼしているんですね。
例えばですね、RATの実験で分かっていることでは精巣ではなく卵巣が脳の特徴を決定に影響を及ぼしているということがあります。
精巣というのはテストステロンの由来です。卵巣はエストロゲンの由来ですね。
テストステロンというのはいわゆる男性ホルモン、エストロゲンというのはいわゆる女性ホルモンと呼ばれるやつです。
このRATの実験では卵巣によってグリア細胞の数が減るということが証明されたと。
グリア細胞というのは前頭前腰の上層部にある脳領域のことなんですが、こんなものは覚えなくていいです。
グリア細胞というものの数が卵巣によって決まるということ、これが発見されたということですね。
具体的な実験方法の内容としては、メスのRATというのはオスよりグリア細胞の数が少ないんですね。
卵巣を除去したメスではどうなるかというと、これはオスと同等の同数のグリア細胞の数になるんです。
そして通常のオスと精巣を除去したオスではグリア細胞の数に変化がないんです。
つまり精巣は影響を及ぼしていない。影響を及ぼしているのは卵巣だということが分かった。
つまり完全にテストステロン以外がオスの特徴からメスの特徴を変化させているということが分かるので、
テストステロンが女の男脳に変えるみたいな説とは食い違ってしまうんですよね。
このように複数のホルモンとかストレス反応という外病院とかも、いろんな要因が脳の各領域に影響を及ぼしていきます。
そしてそれらが男性的な特徴とか女性的な特徴を形作っていくので、単一の秩序のもとに男性脳とか女性脳が存在する、それが出来上がるというわけではないということですね。
男性脳・女性脳の存在について
というのが人間の実験、最後ラットを説明してしまいましたけど、人間の脳には男性の脳とか女性の脳っていうのは存在するとか、その存在が疑わしい状況で、
実際はその男性的な特徴、つまり男性の特徴、女性の特徴のパッチワークで出来ているといったほうが、実態を説明しているには近いかなということが分かったということですね。
さあ次回はこの続き、性別が分かっていればその人の脳がどういう特徴なのか、どういう構造になっているのか、どういう機能を果たすのかが分かるのか、そして平均より個人差の方が大きいんじゃないか説について検証していきたいと思います。
この話は次回まで続きます。
そしてTinderの話は次回ですね。
Tinderの話は次回です。
ここまでついてきた皆さんなら、次回の言っていることがだいぶ分かってくるんじゃないかなと思います。
というわけで、今回はここら辺でおしまいですね。
次回の配信をお楽しみに。
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