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2021-03-08 52:18

第33回 海外文学好きにはたまらない競訳「MONKEY vol.23 特集 ここにいいものがある。」柴田元幸&岸本佐知子訳

【今回の紹介本】

■柴田元幸責任編集『MONKEY vol.23 特集 ここにいいものがある。』

今回紹介するのは翻訳家柴田元幸さん責任編集の文芸誌 MOKEY!

特集の「ここにいいものがある。」は同じく翻訳家岸本佐知子さんとの競訳と題し、二人が今紹介したい作家を選び、翻訳しております。

文芸誌ですが、翻訳小説好きにとってはたまらない企画だったので、今回ご紹介させていただきました!

ぜひお聴きください!

【番組内で紹介したトピック】

■ 雑誌『MONKEY vol.23 特集 ここにいいものがある。』 スイッチパブリッシング

https://www.switch-store.net/SHOP/MO0023.html

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

【SNSでご投稿ください】

番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください!

よろしくお願いします!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:03
どうもみなさん、こんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。お相手は、私小説が好きの貝野大地と羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、東京と京都を繋いでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
お互いの紹介に関しては、2021年、最初の回で話しているので、そちらを聞きください。
で、今回ですね、初めての試みなんですけれども、文芸誌をちょっと今回ご紹介しようと思っております。なかなか、文芸誌って聞くと、読む人が限られてくると思うので、なかなかね、本好きの人でもこの文芸誌毎回読んでますみたいな人ってやっぱ少ないですよね。
そもそも文芸誌自体読んでる人ってね。
今回、文芸誌を取り上げたいと思ってます。で、今回取り上げるのは柴田本幸さん、責任編集のMONKEY Vol.23をちょっとご紹介したいと思ってます。
ちょっと正式名称をお伝えしますと、柴田本幸プラス岸本幸、短編共訳、MONKEY Vol.23特集、ここにいいものがある、になります。
出版社はスイッチパブリッシング、2021年2月15日に発売となった雑誌になります。
じゃあ、MONKEYの概要なんですけども、編集長は翻訳家の柴田本幸さんがされています。
MONKEYは小説を通して今、私たちが住む世界の魅力を伝えるための文芸誌で、いい文学とは何か、人の心に残る言葉とは何か、編集はその先の生き方を探しています。
未来へのラッシュマンとなるために、年3回刊行されてるんですね。2月と6月と10月。
今回の特集なんですけど、2月15日発売のMONKEY Vol.23はですね、これはですね、翻訳家岸本幸さんと柴田本幸さんが、今一番訳したい英語圏の作家6名を見つけてきて、その短編8作品をお届けしているという内容になっています。
柴田さんと翻訳作品というのが、実はラジオで初めてと。
そうですね、半年やってないってちょっと振り返って結構自分びっくりしました。
意外だなって思いました。
でも確かに私たちってこう、割と知られている作品は避ける傾向にあるじゃないですか、名作と言われる。
ポール・オースターとかやってないし、
そうですね。
あと、スティーブ・ミルハウザーとかもやってないから、確かに柴田さんが訳しそうなラインを外していってる感は今まであったんでしょうね。
だからちょっと取り上げたい作品とかあるんですけどね、結構。
多分また増えていくと思いますけど。
今回、もうなんでこの雑誌を取り上げようと思ったかというと、
岸本幸子さんと柴田さんが協約をすると。
これ、共通の今日じゃなくて競争の今日で協約なんですけど、
03:02
この企画はですね、翻訳本好きにとってはかなり熱い企画だなと思いまして、ちょっと取り上げようと思いました。
そうです。お互い時代の流れを無視して協力したものを訳そうっていうのを、
確か岸本さんが書いてるのがそれによってすごい面白そうだなと思って、
そうですね。
結構ラインナップ、今回8編紹介されてるんですけど、
どの作家も本当に知らなかった作家さんばかり。
面白いですよね。
何だろうな、柴田さんと岸本さんって何だろう。
ちょっと上手い例えがないですけど、音楽業界でわかるんですけど、
ミスター・ジェルドネット。
何だろう。
ミスター・ジェルドネット、シーナリンゴみたいな感じ。
違うかな。全然違うかもしれない。
でも、翻訳本好きにとっては二大スターみたいな感じですよね。
信頼できるしっていうところではあると思います。
岸本幸子さんはションタンだけかな。
ションタンだけか。私取り上げた。
ですよね。
そうですよね。
たぶん無いですよね。
そうですね。
それも意外だな。
今回、私二人とも知らなかった作家が訳されていて、
本当にタイトル通り、テーマ通りですね。
ここにいいものがあるというのを教えてもらったなと思った雑誌でございます。
柴田さんと岸本さんがそれぞれ、作家一人を訳した後に対談が入っているんですけど、
その内容もかなり良かったです。
二人の読書界を覗いているような気分になれて、私はすごく楽しく読めました。
簡単に解説もしてくれているので、
作家の背景とか作品の背景とかも知れて理解も深まる内容になっていて、
特殊な構成自体すごく良い構成だなと思いました。
そうです。
僕もこの二人が何でその作品を訳したのか説明も書かれていて、
そことかすごい読んでいくと、
それぞれに意図があって訳したり、理由があって訳しているというのがあって、
中で面白かったです。
選ぶ感覚が良いですよね、お二人の。
後で触れていくと思いますが、
しばたさんはちゃんと理屈があって、
岸本さんは直感で訳す傾向があったかなと思います。
そこも面白かったですね。
この後具体的に作品の話もしつつ、
その対談で書かれたことも触れつつご紹介していきたいと思います。
これから具体的にお話をしていきたいと思っているんですけれども、
しばたさん、岸本さんの順番で1作家ずつご紹介していきます。
これは雑誌の流れと同じですね。
6作家いるので全部詳しく触れると、
時間がどんだけあっても足りないので、
結構さらさらいきたいと思っているんですけれども、
なるべくここが面白かったとか、
こういうところが良かったみたいなのは伝えていきたいと思っております。
これから具体的にお話をしていきたいと思っているんですけれども、
しばたさん、岸本さんの順番で1作家ずつご紹介していきます。
06:04
これは雑誌の流れと同じですね。
6作家いるので全部詳しく触れると、
時間がどんだけあっても足りないので、
結構さらさらいきたいと思っているんですけれども、
なるべくここが面白かったとか、
こういうところが良かったみたいなのは伝えていきたいと思っております。
一番最初の作家なんですけれども、
レイテル・クシュナーさんの大きな赤いスーツケースを持った女の子という作品で、
これは柴田本幸さんが役しました。
ちょっとあらすじを簡単に説明させていただきますと、
これ一応コロナが発生した直後くらいの設定の話ですね。
コロナでうつうつとした時にたまたま集まっていた作家たち、
毎晩一人一人楽しい話を語ろうという、
これ多分アメリカだと思うんですけど、
まだアメリカまでコロナが来てないって感じなんですけど、
その時になんかちょっと世の中悪くなりそうだからさ、
暗い話をしてもさ、みたいな感じで楽しい話をみんなで話そうよみたいな、
聞かせてくれよみたいな流れで、
作家が一人一人話を語っていくという内容になっています。
で、今晩はノルウェー作家の番です。
ノルウェーの作家が来てて、奥さんと一緒に。
そのノルウェーの作家は英語がうまくないのか、
その作家の話を妻が訳してそこに集っている方に聞かせ始めます。
で、これ楽しい話をしようって話だったのに、
それは楽しい話ではなかったんですね。
で、その話の内容はある男が空港で偶然出会った女性、美女が忘れられず、
数年後探しに行って結婚はするが、
そして男が自分の国に連れて行くんですけれども、
その後連れてきたにも関わらず幻滅し、
その妻を置いていくというか、旅行に行っている間に自分が去る話です。
でもですね、これはノルウェー作家にとっては楽しい話というかいい話だったんです。
っていうのは、そのノルウェー作家がその置いていかれた妻と結婚して、
別れてくれたおかげで結婚することができたという話で、
その妻っていうのが今彼の話を訳していた女性になりますという、
ちょっと構造が複雑な話なんですけども、なってます。
そしてちょっとこれ、自分が、私がこれあらすじを書いたんで、
ちょっとわかりにくいところがあったかもしれないですけど、
まあざっくり言うとそんな感じの話ですね。
結構ね、あらすじ聞くと複雑なので、
どういう話かって、なんかわかりづらいかと思うんですけども、
読むと最後にあ、なるほどってなって結構面白かったですよね。
何が面白いかっていうと、結局これ小説内小説じゃないですけど、
作家が語る話があるんですけど、それを妻ってフィルターを通しているんで、
結局これ、作家がその話をしているのか、妻がその話をしているのか全くわからないし、
その語られている内容も本当なのかどうなのかみたいな、
わからないっていうのがすごく面白くて、
結局この話は、何が本当なの?みたいなのがぐるぐるぐるぐるなるっていう面白さがある話ですね。
福月などがこの小説内小説の主人公がヨハンっていう男なんですけども、
09:00
ヨハンのキャラクターもすごい面白くて、
なんかすごい、なんていうかだらしなくて、夢見がちなところがあって、
一目惚れした女性が忘れられなくて、そういう理想っていうのを追っていくんですけども、
でもその目論みが外れていくというところで、
短編で、短い中でこのヨハンっていう人となりがすごい描かれていて、
ちょっと笑えるような、好きになりますね。
でも逆に私これかなり嫌な話だと思ってて、
結局このヨハン、だらしなくとか、ちょっとあんまりちゃんとしないみたいな感じで描かれてるけど、
でもそれを語ってるのって、どっちかわかんないけど、
もうこの別れた妻かもしれないし、
ヨハンが別れてくれたおかげで結婚することができたこのノルウェーの作家かもしれないじゃないですか。
ってことはこの昔の男?もしくは妻の元旦那?
っていうか面白おかしく描いてるこの人、どっちなんだかわかんない。
もしかしたら二人なのかもしれないですけど、この構図って結構やらしいなって思いましたね。
ゾッとするって、ゾッとまでいかないんだけど、なんかもやっとする感じだなって。
いい意味ですけどね。小説読んでて楽しいなっていう意味ですけど。
でも実際にこういう人たちと出会ったら、自分は結構もやもやすると思います。
思いましたね。
実際出会ってこんなの出会ってしまったら、それこそ本当にこれ現実なのか非現実なのかってちょっと疑ってしまいますよね。
小説らしくて良い話、いい話というか小説らしい話だったなと思ってますね。
岸本さんも後書きで描いてて、どこまで本当かわからなくて、
全部創作、ノルウェー人作家の作り話の可能性もあるし、
本当に曖昧な感じが残されている小説です。
そこも良さかなと思いました。
次に紹介するのが、ルイス・ノーダンのオール女子フットボールチームという作品です。
これは岸本さつこさんが訳しています。
あらすじは年に2度だけ女装する父を持つ高校2年生の男の子の話になります。
主人公の学校で資金集めが必要になって、
そこで女子だけでフットボールチームを組んで、
2組に分かれて試合をしようという企画が出るんですけども、
試合で入場料を取って資金をまた加えようと、
そういう女子だけのフットボールチームを作るというのが生まれて、
そしたらその主人公の男の子がフットボールチームにメロメロになって、
女子フットボールチームが大好きになってしまってというお話なんですけども、
そこからさらに主人公の男の子がチアリーダーになったら面白いんじゃないかという話が周辺で出て、
12:05
その主人公が抜擢されてしまって、
最初は自分がチアリーダーになるのを嫌がっていたんですけども、
周りのみんなに担がれてチアリーダーになってしまったと。
もちろん男の子、主人公は最初チアリーダーになっていきたくないと思っていたんですけど、
お父さんに助走させられて、行くことになってしまうという、そんなストーリーの話です。
おもしろかったです、これ。私結構好きでした。
そもそもね、これ僕もめっちゃ面白かった。
そもそもお父さんが念にそれを助走するってこれなんだっていう話なんです。
最初の方ですぐ出てくるんですよ、その話。
そうなんです。
もうそこでえっみたいになる。
なんかさらっと書かれてるんですけど、
これ要は年に2回そういうイベント的なのがあるんですよね。
そうですね。
1回目はハロウィンで仮装した子供たちが家にやってくる。
それを助走したお父さんが迎え打つという。
もう一つが女のいない結婚式という。
なんかそういうのが年に1回そういうショーがあるみたいで、
そこで男たちが総出で助走してドタバタ劇っていうのを演じるんですけど、
そこにお父さん参加していると。
演劇生きとるね、これおそらく。
ちなみにこの舞台はアメリカの南部に立ってますんで。
そもそも、だからお父さんは多分この年に2回助走してるけど、
この助走したいから多分ここに当ててきてるだけで絶対。
そうですね。お父さんが助走本当に大好きな人で。
なんか結構普段は本当に男っぽい男のように。
職業的にもそうですよね。
今はもうガラッとキャラが変わってしまっている。
でも結構このお父さんすごい良い人ですよね。
読んでファンになってしまったんですけど。
分かります。
そこの全てを肯定してくれるようなお父さんで。
結構私、面白かったですけどね。
お父さんが助走を進めるところ。
そうですよね。すごい良かったですよね。
息子は躊躇してというか、親もさすがにそれは止めてくれるだろうと。
ただもう意外や意外、絶対やるべきだみたいな。
面白いよね、父が。
きっと自分を美しいと思うぞって。
自分を美しいと思ったことないだろうって。
ここのあたりすごい好きだった。
背中を押してくれるっていうね。
最終的に主人公の男の子はチェアリーダーになって、
みんなの前に出ることを誇らしく思う。
しかもお母さんも見に来てくれてて、
15:00
2人とも僕のことを誇らしく思っているに違いないみたいな。
個人的にはこのところがすごい好きで、
この主人公の気持ちの変化ですよね。
最後に一生懸命チアをしているんですけど、
そこの描写はぜひ読んでほしいなと思いますね。
あとこれ、私結構面白いなと思ったのは、
主人公の感情の流れっていうか、
気持ちがすごく丁寧に描かれている小説だと思って。
あらすじにもあった、
オール女子フットボールチームに、
主人公がメロメロになってくる。
面白いですよね。
同級生の子と大した女じゃないと思ってたのに、
ユニフォームを着るとめっちゃいい女に見えるみたいな感じになってて。
この主人公は少しでもこの子たちの側にいたいから、
いろんな雑用を買って出てるんですよね。
雑用とかやる前、毎日放課後、
駐車場でずっと待ってるんですよね。
練習終わって帰るところまで。
その辺が主人公が完全にストーカーみたいに読めて、
結構面白かったですよね。
だいぶヤバいやつですよね。
コメディーの感じもすごく今、
私とめいさんが話してると分かったんですけど、
これって面白いけど、
父と子の話でもあるので、
その辺の良さみたいなのがあって、
いい感じに短編だから締まる話だなと思ってますね。
今回の私の中で一番好きな短編で、
主人公の気持ちとか、
お父さんの存在とかですね。
すごいそういうのが調和されてるように覚えてですね。
これ16歳の秋の時期なんですけど、
そこの短い期間なんですけど、
その瞬間っていうのはすごい綺麗に、
きりと撮ってる短編かなと思っていて。
確かにそうですね。
そういう意味ではすごく綺麗ですよね。
あとやっぱりすごい印象的だったのが、
主人公が、
最後、フィットボールチームの試合当日ですよね。
最終的にそこから家に向かって走り去っていく時に、
真理と呼べるようなものを見てしまうというか、
発見してしまうというか、
そういうのに主人公が真理というのを見出してしまうんですけども、
そういう瞬間って確かに16歳ぐらいの時ってあるのかなと思ってしまったんです。
周囲を置き去りにして走り出してしまうという瞬間ですかね。
分かるなと思って読んでました。
なるほど、ここね、確かに。
これ最後あれですもんね。
45歳になった僕がちょっと思い出したりしてるんですよね。
最後その16歳のフットボールチームのことをね。
18:03
そんな感じで最初2人の作家から入ってますね。
これに関して柴田さんと岸本さんがちょっと解説踏まえて、
ヨワって、ヨバナシって読むのか?
ヨワかなって入ってるんですけど、そこでちょっと解説とかされてますね。
私このレイチェル・クシュナーって結構面白かったなって思ったんで、
柴田さんがなんでこのレイチェル・クシュナーを今回訳したかっていう話をしてて、
それが2020年で読んだ小説ですごいと思ったものが2本あって、
うち1本がこのレイチェル・クシュナーの終身刑の女っていうタイトルで訳されてる長編があるみたいですけど、
これ池田真希子さんって方が訳してて、
ちょうど2021年2月に小学館文庫から文庫で文庫化されましたね。
もともと単行本だったっぽいんですけど、
柴田さんのことは原文で読んだのかな、そこ触れられてなかったんですけど、
面白かったと、衝撃的に面白かったので、
この作家は紹介したいっていう気持ちがあって、今回紹介されてるんですけど、
終身刑の女、めっちゃ今読みたいんですよ。
あらすじ、面白そうですよねこれね。
めっちゃ欲しくなりました。
しかも文庫なんだっていうデカルさもあって。
柴田さんの話だと、刑務所にいられちゃった女性の話みたいなんですけど、ざっくり言うと。
ここにあるのはリアルに刑務所の実態を書きましたみたいなものではなく、
どこにいても人間が勝手に頭の中で物語を作って勝手に踏み回らせられてる様子っていうのが描かれてるらしいですね。
この文章を読んだだけで、めっちゃ面白そうだなって思っちゃって。
今回の大きな赤いスーツケースを持った女の子も、確かにね、
ノルウェーサッカーの話、妻なのか分かんないけど、
どっちかの話が本当なのかっていうのがずっとグルグルする話なんで、
そういうのが得意なのかなとか思ったりしましたね。
ちょっと気になってます。
岸本さんも今回のオール女子フットボールチームというのは、
いつか訳したいと思っていたものみたいだったんですね。
いくつか訳している中でも抜群に好きだって書かれていて、
コテコテのアメリカの南部が舞台なんですけど、
作者もアメリカの南部出身の人で、
女性の美に目覚める男の子の話を。
岸本さんが今回自由に選んでいいよ、
あまり日本に捨てられない作家でっていう状況がついてるみたいですけど、
真っ先に訳したいと思ったのが、
オール女子フットボールチームだったみたいで、
岸本さんが本当にこれ紹介したいんだって思った一本だと思うんですけど、
読んでみるとわかるっていうか、
面白いし、話もカチッとしっかりしてるし、
構成もいいし、
21:01
確かにめちゃくちゃ自分も読んですごく面白かったなと思って。
なんかすごい爽やかな。
でも意外だったのこれが、
1986年にアメリカで出たみたいなんですけど、
そんな前の時代の話だった。
確かに。
本当にね、結構ここ最近の話かなと思いきや、
ここはちょっと意外でしたね。
そうですね。
次の2人の作家なんですけど、
まずですね、柴田さんが訳したアンクインっていう作家の、
足の悪い人にはそれぞれの歩き方があるという小説になります。
短編になります。
こちらですね、私ちょっと端的にあらさじを伝えられる自信がないんですけど、
ちょっとお話しさせてもらうと、
主人公は女の子です。
子供の視点で話が進みます。
ちょっと横はなんですけど、
古い家に住んでて、
そこには祖母、おばあちゃんと2人のおばさんと暮らしてるようです。
この家の人たちは、モンティっていう男性の帰りを待ちわびてますね。
このモンティっていうのが主人公の父親らしいんですけど、
ピアノを演奏したりするんですけど、
ピアノを演奏したりしてるか、演奏家かなんかなんですかね。
設定がよくわかんないんですけど、
音楽をやってる人で、
コンサートが近くにあるから寄ったったみたいな感じで、
久しぶりにやってきて、
ちょっと子供と触れ合って出てくるんですけど、
残されたおばあとか祖母とか、
主人公はモンティのように日常に戻ってくっていう感じなんですけど、
うまく全然話さないですけど、
全体的にすごく不穏な空気が漂っていて、
家族がギスギスしてる感じとかがいい感じに描かれてて、
読んでて私は終始落ち着かない気持ちになるような小説でした。
そこがすごく良かったんですけど、っていう話ですね。
難しいな。
何回だな。
なんか読んでもよくわからないっていうのがありましたね。
明確な答えがないタイプの小説ですね。
原文もそうみたいなんですけど、カンマがないみたいで、
柴田さんも訳したときに、
等典がないので、
典がないので、読みにくい作品。
日本語によるとそんなに感じな…
感じなところもあるか。
そこまで感じにくいかもしれないですけど、
読みにくいさはちょっとありましたね。
それによってちょっと独特の雰囲気も出してます。
リズム感とかなのかな。
本当に読みにくいし、
大地さん言われてみたように、
落ち着かないような気持ちになる小説なんですけど、
読んでいると子供の目線が、
少女の話にはなるんですけど、
少女の目線で見ている世界が書かれているように読めて、
そこが雰囲気があって、
面白いところではあるんですけど、
その分ちょっと読みづらかったり、
落ち着かなさっていうのがあったりして。
多分これ長編読んだら結構ハマりそう。
24:03
絶対読みにくいけど。
そうですね。
この短い中でも全然話が整理されにくかったなと思っているんですけどね。
でも面白かったな。
おばさんと祖母の関係がうまくいってなさそうな感じとかね。
状態化しちゃってる感じ。
日常化しちゃってる感じがすごく。
確かに正確に理解するのはちょっと難しかったんですけど、
でもこの少女の気持ちというか、
何か感じるところはあったんで、
役人としてはすごいんだなって思いましたね。
そうですね。
次に紹介するのが、
デイジー・ジョンソンの魔法鳥の迷信という作品です。
こちら岸本幸さんが役しています。
あらすじは船乗りの若者と結婚した若い女性の話で、
一晩の過ちから妊娠してしまって、
結婚に至ったという設定になるんですけども、
これが若い女性にとっては望まない結婚になってしまったと。
結婚相手が船乗りなので、
基本的には家にいなくて、
ずっと航海に出ているという設定にはなっていて、
船乗りから手紙が4通届くんですね、女性のもとに。
この船乗りというのが迷信深い男で、
妙なことばかり信じているんですけども、
その中で一つアホ踊りというのも迷信にあって、
これは船に乗っている時に見るアホ踊りというのは、
実はその中に死んだ船乗りの魂が、
そういう言い伝えがあって、
それを男性が信じていて、
結婚相手の女性にそういう話をすると。
そういうアホ踊りだけじゃないんですけど、
いろんな迷信を聞かされた女性は、
次第に自分もちょっと迷信を気にするようになっていて、
家の中も迷信に取り憑かれたような、
例えば家の中が海になってしまうというような、
そういう錯覚というのを持つようになっていってしまいます。
最後なんですけど、
家の中にアホ踊りが入ってきて、
女性とバッチリ目が合って、
というところで終わるというそんな小説です。
これ本当に短い小説ですけど、
すごくまとまっているなってちょっと思いましたね、話が。
シーンがすごくいいなって思いましたね。
暗い話だと思うんですけど、
でも面白いんですよね。
そうですね。
全体的に暗さみたいのは少し漂っていて、
私は好きでしたね。
岸本さんが書いていた、
ドメッとした雰囲気の小説というようなニュアンスのことを書かれていて、
確かにそういう雰囲気ってすごい出ていて、
ちょっと思ったのが、
27:00
以前にラジオで紹介したポール・セローの
World's Endという作品の中に、
緑滴る島という短編があって、
その緑滴る島にすごい近い雰囲気なのかなと思いました。
確かに、そうですね。
あの暗さありますね。
そうですね。
あれも望まない結婚というのかな。
まあ、妊娠かな。
全体的に、若いけど人生が閉じていくような悲しさみたいなのが、
哀愁みたいなのがあるんですけど、
でもその中で、個人的にはこの最後、
旦那さんの船乗りが4通手紙を送ってきたきっかけに、
温信が届いちゃうんですよ。
まあ、おそらく死んだんだろうと思うんですね。
何か。
ちょっとネタバレっぽくなっちゃうけど、
最後、ある朝起きたら、
アホ踊りがいるんですよね、家に。
窓のガラス割ってて。
これは、もう解釈するとしたら、
旦那さんの魂が入ったアホ踊りが戻ってきたんだっていうことしかないと思うんですけど、
でもそれを、彼女が信じてるのか信じないのかっていうのが、
読み手に委ねられた解釈の幅だと思ってて、
そこを短いながら味わえるのが本当に面白かったなって思ってます。
僕は本当に最後の終わり方とかすごい好きで、
まあでもね、どこまでがこれも本当の話なのかっていう、
最初のクシュナーの伝説的にそう思った女の子と同じく、
結構この女性も、何かいろんな錯覚みたいなものを見るようになっていたんで、
どこまでが本当でどこまでが幻想なのかっていうのはね、
これも本当にいろんな読み方ができるなってところですよね。
そうですね。
この二人の作家に関して、柴田さんと岸本さんがお話しされてるんですけど、
アンクインはですね、柴田さんが今回ちょっと紹介したいなと思った理由はですね、
柴田さんと岸本さんってお二人とも日本翻訳大賞の先行委員っていうか、
昨年、私たちもラジオで紹介しましたけど、
デブラ・ホーゲルのアカシアは花作を翻訳大賞で選んだんですけど、
アンクインも女性作家で、デブラ・ホーゲルも女性作家で、
その生前というか活動されてる時にあまり評価されてなくて、
最近になって誰かが発見して評価されていくっていう流れがあって、
やっぱりその昔の時代の人の作品ってやっぱり今と違うよなみたいなのをちょっと柴田さんが言って、
これ面白いなと思ったんですけど、
広角しかないみたいな、なんか希薄みたいなのを感じるっていう話をしてて、
何が書いてあるかよりも、こう書かなければいけないんだという希薄で選んだと言ってもいいですって、
ちょっと柴田さん言ってるんですけど、
足の悪い人にはそれぞれの書き方があるわですね。
なんかこう、本当100%全く理解できないんですけど、
この書き方でしか多分描けなかったんだろうなみたいなのは確かに感じるものはあって、
30:04
そういう作家って今もいるとは思うんですけど、
確かにちょっと希薄っていう意味では、確かにちょっと減ってるんじゃないかなと。
もうちょっと柴田さんの言葉まんま読みますね。
現代は書き手が自分を100%シリアスに捉えることが何となく禁じられていて、
どこかでなんちゃってっていう自分つこみがないとダメみたいなところがある。
私、自分を相対化してますから、みたいなことを動機が利きな形でできるかで勝負しないといけないような空気がある。
だからこのアンクインのように、そういうことをしないでもよかった時代、
真剣勝負が当然だろうという中で書いていた時代の空気には、
時々触れた方がいいんじゃないかなと思っていますと言ってるんですけど、
なんかこれすごく納得感が自分もあって、
なんかちょっとね、現代いろんな見られるポイントが多くなってきてるのかわからないですけど、
確かになんちゃって感あるときあるなと思ってて、
ちょっとそれはあるので、確かにこういう時代の真剣勝負感っていうのは、
今あんまりないから触れてみるとすごく揺さぶられるものがあるなと思いましたね。
この話で面白い、柴田さんがその変わった書き方をしている、
なんか世間になかなか受け入れられないすごい女性作家って、
まだいるんじゃないかっていう話をしていて、
一人一ジャンル、文学の世界でも誰ともつながってないけど、
でもその人一人で確固とした作品を確立しているような作家って、
孤独な感じはするけど、でもいますよねって話、岸本さんと。
そういう中で、やっぱりこういうアンクインのような作家って、
本当に翻訳されてなかったけどもいるんだなっていうのを思って、
世界中を探したらもっとそういう人ってやっぱりいるんだろうなっていうのは。
日本にもいるでしょうし。
岸本さんが描くしたこのデイジー・ジョンソンなんですけども、
まずその岸本さんが今回描く作品で多いのが、
現実8割、幻想2割ぐらいの作品が多くてですね。
どこか幻想もちょっと混じっているような、
そういうのにはすごい当てはまっている作品で、
あとこのアホ鳥の滅神っていうのは、
描いてある業館にぬめっとした地形が漂っているっていうのが、
ちょっとどんよりした感じというんですかね。
あと変な話なんですけど、が多いんですけど、
でもなんかぬめっとした感じがあるというか、
そういうのを描く傾向の作家みたいで、
その中でも今回のアホ鳥っていうのが結構イメージが、
結構アホ鳥って大きいみたいで、
それでそこの場面がパッて見えて多分訳されたのかなと。
なんかこの場面を訳したいみたいな気持ちが結構強いみたいですね。
さっきのオール女子フットボールチームも、
主人公がこのチアリーダーに目覚める瞬間とかが好きだって、
岸本さん言ってたんですけど。
あとこのアホ鳥の滅神、
33:01
これ入っている短編集フェンっていう、
フェンっていう短編集みたいですけど、
それが何だろうな、湿地帯って意味の言葉らしいんですね。
どうやらこの全部同じ街の話をしているみたいで、
湿気がある街を舞台にした話のうちの一つみたいな感じなんですけど、
ちょっとそれすごく気になる。
読んでみたいから全部訳してくんねえかと思ったりしたんですけど、
難しいかもしれないですけどね。
意外だったのは、この作者のデイジー・ジョンソンという人が、
1990年生まれて、
そう、うん、わかる。
それすごい思った。
この短編出したのが2016年ですかね。
で、26歳の時には発表していて、
これそんな若い人が書いてたんだっていうのがびっくりしてしまった。
あと、なんかこの、
読んだ雰囲気だともう本当40代、50代、
カリカリじゃないかって思えるような、
このヌベッとした感じなんですけど。
私どっちかっていうと時代の方が気になりましたね。
これ、最近書かれた小説じゃないだろうなと思いました。
結構、まあ50年くらい昔でも、
なんていうか、なんかもうスマホとか絶対ないじゃん、これ。
手紙が読んじゃうから。
思いますよね。
その時代なんだって。
時代的にはもう50年くらい前の話なんだろうなと思ってたら、
あの、その書いてる人がどういう時代設定をしてるかちょっとあれですけど、
でも、書かれたのは2016年とかなんだと思うんで、
しかも90年生まれの若い作家さんが書いてるのはかなり意外でしたね。
ほんと他の作品もなんか読みたくなりましたね。
このフェンは読みたい。
次の2人の作家なんですけど、
まず柴田さんが訳した方は、
神田グルーバさんって方で、
アガタの機械って、
柴田さんは訳した名前つけた短編なんですけど、
これかなり私面白かったんですけど、
ちょっとあらすじを端的に伝えるのが難しくて、
ちょっと長くなっちゃうかもしれないですけど。
これ、ある村の話で、
アガタという優秀な同級生と、
急に接近した11歳の女の子の話です。
アガタという女の子の家には、
受話器みたいのを耳に当てると、
頭の中にあるものが出てくるっていう機械を持ってて、
アガタはそれを使うと、ピエロが出てくるんですね。
ピエロを私に見せてくれました。
それを私が使うと、天使が出てくる。
不思議な機械で、
アガタと私は毎晩夢中で、
その機械を使うようになってしまい、
その機械に取り憑かれたようになっていく感じになってきます。
中毒みたいな感じですかね。
それを見かけた私の親は、
都会に住むおばのところに、
強制的に引っ越しをさせられて、
36:01
アガタの機械から離れてしまいます。
その後、普通に生きていき、
歳月が経ち、私は成長して子供も生まれ、
自分の生まれた村に戻る機会があり、
再びアガタの家を訪れると、
アガタは月が経っても、
まだその機械をいじっていたままだったという話になります。
ちょっといろいろ端折ったんですけど、
全然そんな話になります。
私はこの話がかなり面白いと思いましたね。
僕もこれすごい良かったですね。
何がすごいかというと、
そんなに長い話じゃないですよ。
短編なんですけど、
長編を読んだ時のような厚みを感じましたね。
話がいろいろある中でも、
お互いがちゃんとしているし、
その時々の緊迫感も読ませる面白さもあって、
短いけど長編を読んだ時のような
満足感を味わえる独語感でした。
結構後味の悪い作品感だと思っていて、
すごい面白いんですけど、
僕はこれは良かったんじゃないかなと思ったのは、
やっぱり後半になって、
主人公の女の子が大人になるんですよね。
普通の生活に戻っていて、
結構それまでの流れから急に大人になって、
読んでいる側としては結構安心感があったんですね。
アガタの機械に取り憑かれていた女の子が都会に行って、
普通の生活に送れるようになったなと思って、
その主人公の女の子が大人になって、
また自分の生まれ育った村に用事があって戻っていくんですけど、
だんだんそこで不気味さんも一緒に戻ってくるっていうですね。
結構この最後の後半の流れとか、僕は好きでしたね。
あとこれ、リアリティのとこの話がしたいんですけど、
アガタの機械ってもうわけわかんないじゃないですか。
現実にはありえないものだと思うんですよ。
でもそれを支えているリアリティがいろいろあって、
大人になってから、機械は怖いんですよね。
もう主人公の私はアガタの機械、
そっか、ジャムか。ジャムだ。
ジャムとアガタと一緒に機械を打ちっている時に、
ずっとジャム舐めたりとかしたんですよね。
ジャム苦手になってるし、
あと機械もあんまり好きじゃなくて、
タイプライターも最小限と書いてあるな。
なんだっけ、なんかコピー機みたいなのだっけ。
なんかそういうの使いたくないみたいなのがあって、
結構ちょっと変わった女性になっちゃってる。
そういう意味では。
でもその辺の感情の流れとかすごくリアルだし、
あと柴田さんの解説でちょっと触れてるんですけど、
アガタのお母さんがコーヒー持ってきてくれるじゃないですか。
屋根裏部屋にその機械があるんですけど、
ちょっとしたらコーヒー持ってきてみたいな感じで。
しかもそれもなんか不思議な、不思議なっていうか、
溶かすタイプのコーヒーで。
そういうのってなんか、自分も友達の家に行った時に
なんかいろいろもらった。
あれをよくくれたんですよ。
たくさん入ってる。
ちっちゃいアンパン、わかります?
山崎では忘れちゃったけど。
39:02
あれが友達の家に行くたびに必ずストックされてて、
それを必ず1個もらうっていう、なんかあるんですけどね。
そういうなんか自分の中のリアリティに引っかかってくるし、うまく。
その辺の作りとか、
もう口頭向けな話ではあるなと思ったんですけど、
変なとこですごくリアリティがあって、
そのディティールがほんとすごいなって思いましたね。
なんか最初にアガタが女の子に、主人公に声をかけるときも、
すごいなんか足元がビショビショなってて、
なんかそこで声かけたところとかも、
すごい何かリアルな描写なんですよね。
これも確か柴田さんか岸本さんが話を書いてたんですけども。
わかる。
こういう変なきっかけで仲良くなったりしますもんね、子供の時ってね。
謎が多い作品かなとも思うんですよね。
天使というのがアガタの機械を通して作中で出てくるんですけど、
この天使って私の前でしか姿を表さなくて、
アガタが一人で出そうと思っても出せないっていう、
それってどういうことを意味してるのかとかですね。
そもそもこのアガタの機械って何なんだとかですね。
考えると謎だらけな小説ではあるんですけど、
妙に引き込まれてしまうという。
次紹介するのが、
こちら最後の紹介する作家になるんですけども、
サブリーナ・オラマークという作家が書いた、
3つ短編というかショートショートぐらいの短さのものがあります。
野良のミルク、名簿、あなたが私の母親ですか。
役は岸本幸子さんがされています。
あらすじをちょっと説明するのがなかなか難しくて、
本当はどれも3つとも奇妙な話ばかりで、
ところはあんまりないかもしれないですけど、
どれもすごく引き付けられる作品で、
現実離れしているような作品ばかりなんですけども、
気になってしまう。
今回全6作家いる中で、
個人的には一番癖が強くて、
ぶっ飛んでいるのがこのサブリーナ・オラマークかなと思っています。
そうですね。
でも私ですね、
あなたが私の母親ですかが今回一番好きかもしれないです。
他の作品。
本当にヤバい作品ですけど。
ヤバいって思うんですよ。
ヤバいっていうか不思議な作品だと思うんですよ。
なんか急に母親から、
私はあなたの母親じゃありませんって言われて、
私がお母さんって言うと、
ひらりって呼びなさいみたいな。
違う違う。
お母さんと私は言うって言ったら、
ダメ、フランと呼びなさいってお母さんに言われてしまって、
で、私のお母さんは誰なの?みたいになって、
あなたは私の母親ですか?って他の人たちに聞いていく話なんですけど、
ここ私ね、すごく好きなのが、
ジョン・ベリマンっていう、しかも男性なんですけど、
男性にあなたが私の母親ですかって聞くと、
私は君の母親ではない。
だが君の母親になれるかもしれないって言い出して、
その後話が展開して終わっていくんですけど、
42:02
しかもこれ最終的にジョン・ベリマンが母親になるって感じの流れじゃないですか。
そうです。
この感じがすごく良くて、
自分はあなたの母親じゃないかもしれないけど、
母親になれるかもしれないよって、
なんか自分はすごくいいなって思ったんですよ。
本当のものはこうじゃないけど、
でも本当のものになれるかもしれないよ、みたいななんだろうな。
望んだものは、自分が望んでいるものはこれじゃないけど、
でも望んでいるかもしれないものは手に入っているかもしれないみたいな、
そういう感覚、ちょっと解釈が飛躍しすぎちゃってるかもしれないですけど、
そういうメッセージをちょっと自分は感じて、
あなたが私の母親ですか?は好きでした。
不思議な話だけど。
そうですね、もう説明すると本当に意味不明すぎて、
説明にならないんじゃないかって思うような話なんですけど、
確かにめっちゃ面白かった。
現代の地球の理屈とは全然違うような話。
確かに。
現実世界ではありえないことばかりを書いていて、
リチャード・ブロディガンのスイカ島の日々とか、
あれって死後の世界を書いているんじゃないかっていう捉え方もできる小説で、
そういうのに近いような印象を受けましたね。
現実世界とは違った、また別のどこかの世界のフワフワした感じの世界観の。
そうですよね。
あとは個人的に面白かったのが、
最初の数行ぐらい読むと結構シリアスな内容の小説かなっていう印象を受けたんですよね。
お母さんから電話がかかってきて、
実は母親ではないんですよと。
そういうシリアスな話かなと思いきや、読んでいくと全然違ってですね。
確かに。
ちょっと笑えてくるっていう。
僕が個人的に一番好みだったのは、
名簿という作品ですね。
これは私立の大学の教員になった女性の話なんですけど、
登場人物からも全員異常なんですね。
最初の主人公の女性の教員と学部長の会話とか、
そこからもう全然噛み合ってないような会話をして、
そこからすでに面白くて。
あと、特に好きなところ2つあって、
1つが女性教員の主人公が、
自分の教える授業で生徒に自己紹介をしてもらうんですけど、
みんなもう自己紹介と言えるようなものではない、
浮世離れしたような自己紹介をしていてですね、
聞き取れないような声で、
何か神についてブツブツ喋っているとかですね、
急に席立ってどっか行こうとしたりとか、
理解できないことを話し出したりとか、
っていうのを生徒が次々していて、
それに対して女性教員が、
なぜかもうみんなに大好きになってしまうっていう、
ここのくだりとか。
あと、生徒たちを女性教員が本当好きになっていって、
だんだんストーカーをしていくんですけども、
これも一人じゃなくて、
生徒全員をストーカーしていくっていうですね、
なんじゃこりゃっていう、
そんな展開になっていくところとか、
45:01
なんか面白かったですね。
最後、現実に戻っていく感じあるじゃないですか、
この最後の。
夢の中の出来事だったみたいな感じがすごくあって、
その学校での日々が。
最後、お母さんと主人公が会話してるんですけど、
そこもやっぱりずれてるんですよね。
ああ、そうか。
そこに結構な狂気を感じるというか、
夢が覚めたけど、まだでも夢の続きが残っているような。
いや、そうだから、
サブリナ・オラ・マークさん、すげえと思うんですよ。
そうですよね。
いや、こんなの描けるって本当すごいなって思います。
話したんじゃないけど、
野良のミルク話すと多分結構長くなっちゃうからだけど、
この話もだいぶ異常ですからね。
こういう尖った作品を描ける人って、
すごいいいなって思ったんで。
これ対話の最後で、
いろんな話この中してるんですけど、
私結構気になったのは、
柴田さんと岸本さんがどうやって、
新しい作家を見つけてるかって話をされてて。
ああ、面白かった。
面白かったですよね、ここね。
なるほどなって思いながら、
すごいこの人、仕事にしてるぐらいだから、
当たり前なんだと思うんですけど、
いろんな本をとにかく買ってますよね、きっと。
本当ですよね。
でも、どこだっけな。
岸本さん、
このパートじゃなかったかな。
柴田さんが結構、
まあちょっと今コロナで行けなくなっちゃってるからなんですけど、
やっぱりアメリカ行った時とか、
イギリス行った時とか、
日本屋でドザッと買ってくるみたいですね。
で、なんかその中でやっぱり、
好きな作家を見つけていくみたいなんですけど。
レビューとかいろいろチェックされてるみたいなんですけども、
中に書いてあるのかな、
ブライアン・エブンソンとレアド・ハントっていう、
作家が2人がいるんですけども、
この2人がすごい読書家で、
趣味も良くて、
この2人が言うことは間違いないだろうというので、
すごい信頼してるっていうので。
あと書評だとガーディアンっていう新聞の、
そこの書評を一番当てにしてますっていうのも書かれたりしていて、
結構この辺の情報がもっと良かったですね。
あとそうだ、それに絡めて柴田さんが、
いい小説の新言辞としては最高でしたからっていう言葉が出てくるんですけど、
いい小説の新言辞って言葉めっちゃいいなって思いました。
岸本さんが結構ジャケ買いらしいんですけど、
結構アマゾンとかで表紙が良いと思って、
これすごくあるあるかもなと思ってるんですけど、
アマゾンのジャケ買いって結構外れるって言ってて、
私岸本さん以外でも、
誰か言ってたのをすごく覚えてて、
アマゾンの表紙ジャケ買いってなんか外れるみたいな、
そうなんだと思って、
私あんまりやらないんですけど、
Twitter、岸本さんはアカウントフォローして、
これ多分日本のアカウントじゃなくて、
外国のアカウントだと思うんですけど、
出版される注目のリストみたいなのを付けたりとかして、
マークしていくみたいなやり方をしてるみたいですね。
情報収集、やっぱりSNSになってきてるところがあるんだな、
48:03
というのはちょっと思いましたね。
ちょっと面白かったですね。
この辺の柴田さんと岸本さんの感覚とかややり方、
会話も言えるから対談すごくよかったですね。
じゃあそんな感じで、
モンキーボリューム23、ここにいいものがある、
を紹介させていただきました。
やっぱり面白かったですね、今回。
なんかすごい充実感がありますね。
そうね、なんかね。
なんかわかんないけど、
紹介するっていうのがなかったら、
もっとさらさら読んでたと思うので、
なんか割と腰据えて、
私今回読んだなと思ってて、
それでも理解できない話とかもあったんですけれども、
ちょっとこのまま少し感想を交えて話して、
終わりにしたいと思います。
はい、モンキーです。
毎語毎語本当に読んでるわけですよね。
こんなにちゃんと読んだのも、
多分初めてだと思うので、
モンキーは、
モンキービジネスで1回あったんですけど、
まあ、なのでちょっとですね、
これ定期購入したいなと思いました、今回。
なんかすごくいい、もちろん文芸師だし、
ほぼ、これ広告入ってないんで、
おそらく純粋な売り上げで慣れたっていう、
まあちょっと想像ですけどね。
なのでまあ、応援したいって気持ちもすごく強くなったので、
買ってみたいなと思ってます。
で、個人的に思ってることがあって、
この本、なんで翻訳してくれないのかなって思うことがあるんですよ。
好きな作家の、海外の好きな作家の小説でも、
翻訳ずっとされてないやつとかあったり、
あと、自分の好きな映画の原作とか、
ああ、翻訳されてないんだとかあったりして、
ちょっとですね、その辺でフラストレーションたまったりとかしてることが
私はたまにあります。
で、そんなんもちろん原書で読めばいいじゃんって思うかもしれないんですけど、
やっぱ自分そこまでのですね、力がないので、
しんどいんで、
やっぱり翻訳してくれる人たちっていうのは、
本当にありがたいと思ってて感謝してるので、
こういうですね、紹介したい小説を、
ある程度ビジネス目的はあるかもしれないですけど、
なんかこう採算とか度返しして、
自由に選んでやってもらえるってことがいいなと思ったので、
ちょっと応援したいなと思ってるので、
これからちょっと買おうと思います。
きっかけに。
きっかけにちょっと買おうかなと思ってます。
みなさんなんかあります?感想含めて。
モンキーを買ったのが結構久しぶりで、
確かにこんだけしっかり読んだのは初めてだなと思っては、
しっかり読んでみるとボリュームがたくさんあったので、
この柴田さんの書くされてるのについていくのが本当に大変だったんですけど、
でもやっぱり読んだら充実感っていうのはありましたね。
しかも僕も本当に一番お得な定期購入なんかしたいなって思いましたし、
過去のやつを改めて見てるとすごい面白そうなテーマがたくさんあって、
フルフォンとかで探したいなって思いましたね。
確かに購入できなくなってるバックナンバーもずっとあるからね。
そうそう。
結構癖が強い作品が多いなと思ってはいるんですけど、
好きな人にはたまらない作品がやっぱりあるなって感じたんで、
51:02
やっぱりテーマとかパラパラと見てなんか面白そうだなっていうのがあれば、
やっぱり読んでみるのが楽しいのかなと。
人間誌ですけど、本当に一冊の本として楽しめるそういうものかなと思いますので。
そうですね。
じゃあちょっとこんなところで次回を越して終わりたいと思います。
次回はですね、今回もちょっと特別な感じだったんですけど、
さらに次回はまた特別な企画をやります。
配信が3月15日になるはずなので、
ホワイトデー企画というのをちょっとやってみたいと思ってます。
我々からですね、私と三枝さんが日本と海外の書室をセットにして、
皆さんにプレゼント紹介みたいな感じでやってみたいなと思っているので、
ちょっとお楽しみにしていただけたらなと思います。
じゃあ番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された方を読みました。
読み返しましたなどございましたら、
ハッシュタグそらとめ猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
ツイッターやインスタのDMやリプライなどでもお待ちしておりますのでよろしくお願いします。
メールアドレスも番組情報欄に載せるのでチェックしていただいても大丈夫です。
積極的に格段共有していただけると助かります。
それではまた。
ありがとうございました。
52:18

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