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2022-04-25 32:30

第77回 逃げる、名前を変えてでも「パッセンジャー」リサ・ラッツ著

spotify

【今回の紹介本】

■『パッセンジャー』リサ・ラッツ著

無実の罪なら、なぜ逃げる?

名前を変えて逃げる女、一気読み必須のエンタメミステリー小説。

今回はネタバレなしで魅力をご紹介しています。

是非お聴きください!

【番組内で紹介したトピック】

■『パッセンジャー』リサ・ラッツ著 杉山直子訳 小鳥遊書房

https://www.tkns-shobou.co.jp/books/view/359


【第八回日本翻訳大賞候補作15作を読む、オンライン読書会!1作でも読んでいれば参加OK!】

イベント詳細は以下のリンクからご確認ください。

https://peatix.com/event/3231000/view


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【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

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文学ラジオ 空飛び猫たち
名前を変え、逃げ続ける女。無実のようだが、なぜ逃げるのか。 物語が進むにつれ、明かされていく謎。
この逃亡の物語は、自分探しの旅でもある。 読み必須のミステリー小説。
今回ご紹介するのは、リサ・ラッツが書いたパッセンジャー。 第8回日本翻訳大賞、最終候補に選ばれている作品です。
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。 この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。 お相手は、私小説が好きなダイチと羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないで、 お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方など、そちらを見ていただけるとありがたいです。
本編が始まる前に1点お知らせがございます。 5月5日子供の日に14時から日本翻訳大賞候補作15作を対象とした読書会を開催いたします。
こちら、どれか一つ読んでいれば参加OKというイベントになってまして、 もちろんですね、読んだ本が皆さんそれぞれ違うと思うので、自分が読んだ候補作について話してもらい、
また自分が読んだない候補作について話を聞くことで、新しい本を知れるような機会になるんじゃないかなと思っておりますので、こちらご参加いただければと思います。
詳細は概要欄に書いてありますので、ご確認の上ご参加いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
今回紹介するのは、リサ・ラッツさんのパッセンジャーという作品になります。 杉山直子さん役で、高梨書房から2021年に出版されている本になります。
これはもう完全なエンタメ作品で、ミステリーなんですけども、先が気になって読むのが止まらなくなるタイプの小説になります。
今回はミステリーなので、ネタバレなしである程度の線を引いて紹介していきたいと思っています。
もう久しぶりの、このラジオの中でエンタメに振り切ったのは、なかなか久しぶりの作品なんじゃないかなと思っています。
なぜこの作品を取り上げたかという経緯をお伝えしますと、こちらも先週にご紹介した赤い魚の夫婦に引き続き、日本法約大賞の最終候補5作に入っている作品でございます。
日本法約大賞というのがどういうものかお話しさせていただきますと、こちら2021年に発売された法約本の中から一般読者推薦、その後選考員の選定の後、選ばれる法約者に与えられる賞となっています。
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こちらなんですけど、基本的にノミネートされた作品のクオリティが高いので、このノミネート作品を読めば必ず名作に出会えるという賞になっています。
年に一度の法約本付きの採点になっていまして、最終的な大賞は5月の途中順に発布予定となっています。
そうですね。今回の日本法約大賞の最終候補作の中で、このパッセンジャーというのが唯一のエンタメというかミステリーになっています。
去年も一作だけエンタメ作品が最終候補の中に入っていたんですけども、それが去年は本約大賞に受賞したので、今年も2年続けてエンタメ作品の受賞があるのではないかとちょっと期待しながら読んだんですけども、
すごいミステリーだけあって一気読みしてしまうような展開の良さというのがあって、面白かったですよね。
もうマジで海外ドラマですね。海外ドラマみたいに。
展開がもう次から次へと先が気になって仕方ないっていう。
そうですね。霧の良いところで読み終わろうと思っても、ちょっとだけ次をまた読んじゃおうとして、しかも後半になるにつれてやっぱり面白さっていうね。
面白かったですね。個人的に気になっているのは、この作品がなぜ本約大賞の候補になったのかというところなんですけど、
去年受賞したエンタメ作品、SFだったんですけど、そこにはちょっとですね、翻訳の仕方に結構面白い視点が取り入れられたっていうところがあって受賞に至ったみたいなんですけど、
今回もですね、ちょっとこれ読んだだけじゃ全くわからなかったんですけど、多分翻訳の仕方に何かポイントが隠されているのではないかなと思っています。
ただ、私みたいなド素人は読んだきりだと、ただの面白い作品でしかなかったです。
僕もね、ほんとちょっとその翻訳で本当に工夫されているところあると思うんですけども、何がどこがどうなのか全然わからなくてですね。
ただ一つ読んでて思ったのは非常に読みやすいという。後ほど話もするんですけど、やっぱりすごい謎が多い作品で、舞台もアメリカなんですけど、いかにもアメリカっていう生活をしていくわけなんですけども、
それにしてもスムーズに本を読んでいけるというですね。ここに何かちょっと翻訳の工夫があるかもしれないなとは思いましたね。
ちょっとこれ、日本翻訳大賞は発表されるときに、ノミネート5作に関しては、なぜこの5作をノミネートされたのかっていうことは、
先行員の方々からお話が聞けるはずなので、それを今から楽しみにしています。
もう日本翻訳大賞のことは置いておいて、この作品の話に入りたいんですけど、まずですね、私ですね、個人的なんですけど、逃亡系エンタメ小説っていうのは大好きなんですよ。
そういうジャンルがあるんですか?
わかんないけど、私結構逃亡系、逃亡する話が好きで。ラジオでも紹介したことないけれども、何かでちょっと触れたことがあるような記憶があるのが、ビルビバリーさんの東の果て夜へっていう小説があるんですけど、
06:07
これでもラジオでありますね、触れたこと。
ちょっとあれだよね、何かで触れたよね。
ホワイトデーの時から。
日本の小説と組み合わせて紹介したことあったね。ちょっと去年の3月ぐらい、1年ぐらい前の放送を聞いてもらえれば、ちょっと触れてるんで、ぜひそこもあわせて聞いてもらいたいんですけど、
こちらもですね、事件を起こして逃げ続けるっていう話で、この逃亡っていうのはね、犯罪を起こして逃亡する話っていうのは、この孤独と異動っていうのがセットになってて、
すごいいいなっていう、なんか自分そこに惹かれちゃうんですよね。
わかりますね。僕もこの作品は、ザリガニの鳴くところというのを、去年ラジオで紹介した作品なんですけども、そちらもミステリーで、結構主人公のどっちも女性なんですけども、その境遇ですね、孤独なところであったり、追われる立場というところであったり、
境遇が似てるなって、ザリガニの鳴くところと重なるところっていうのを感じましたね。
私もザリガニの鳴くところを思い出しました。
はい。そうですね、どっちも読んでるとね、ここは絶対似てるなって思うところは感じられるかなと思いますんで。
ではですね、ちょっと次に作者についてなんですけども、このリサラッツさんは1970年カリフォルニア生まれで、もともと脚本家志望だったんですけども、
小説としては2007年に長編試作、スペルマンファイルズ、放題では文外不出、探偵家族の事件ファイルという作品が出版されて、
これがベストスライドになって、そこからいろんな本を出されているという方になります。
ではですね、あらすじをウェブサイトから読みたいと思います。
階段から落ちて、自己死した夫の死体を見た瞬間、私の逃亡生活が始まった。
滅人になりすまして第二の人生をスタートしたはずが、たちまち正体不明の追手に襲われる。
窮地を救ってくれたはずの女バーテンのブルーも、私の人生の歯車をさらに喰らわせていく。
次々と名前を変え、外見を変えて、逃亡する私とは一体誰。
なぜ何から逃げ続けるのか、すべてのピースが一つにつながる驚愕のクライマックスまで一気読み必須という作品です。
そうですね、もう本当、一気読みが必須な作品でございます。
ちょっとどういう話か、もうちょっとお伝えしますと、これ何度も出ている通り、逃亡小説でございます。
ひたすら逃げ続けるエンタメに振り切った小説だなと思いました。
実はこれ、章の名前が人名になっていて、第1章がターニャ・デュボイスっていう主人公の名前だったので、
これどうなってんだろうなと思ったら、もう2章がですね、新しい彼女の名前なので、
09:00
あ、これはそうか、次々と主人公の名前が変わっていくんだなっていうのがすぐわかる小説です。
実際にですね、彼女は名前を変えないと逃げ続けるのが難しいという状況になっていくのが、この小説の本当に面白いところです。
本当にさっきのあらすじでも、私とは一体誰というところで、語りは1人称で私なんですけども、
その正体不明で、本当にもう第1章から謎が多すぎて、結構読み始めた時になんだこれはって思うような小説で、
それからだんだん話がね、そこから展開されていくという形なんですけども、
あと面白いなと思ったのが、これは役者解説に書いてあったんですけども、
主人公が逃亡を続けながら、さっきの名前の話がそうですけども、
自分探し、アイデンティティの追求というのでいくので、ミステリーというジャンルなんですけども、
そのアイデンティティの追求とかですね、そういった点がやっぱり興味深いものにしている特徴なのかなというふうに書かれていて、
これは一概に不可能なエンタメと言えない点かなとは思いましたね。
でもやっぱりこの逃げ続けて孤独になるとですね、自分を見つめるっていう話はもう逃亡小説には結構多いので、
私はその辺も好きですね。
じゃあちょっとストーリーラインをですね、私の方からもう少し説明したいと思います。
この話なんですけど、さっきあらすじであった通り、
まず主人公の夫が死ぬところから始まります。
まず一文がですね、夫が階段の下で倒れていたというところが始まるので、
なかなか斬新な始まり方をするなというところなんですけれども。
しかもですね、この主人公の夫が死んだというのに、
悠長にバーボンを飲み始めるというところからちょっと描かれていて、
もちろんこれは気持ちを落ち着けるためなんですけれども、
結構ここからすでに衝撃度が高い、1ページ目からですね、結構衝撃度が高い小説になっています。
この夫は階段から落ちて自己死したらしいんですけれども、
それもこの主人公の視点では、もう死んでしまった後から描かれるので、
一輪章で語られるんですけれども、
そもそもこれを信じていいのかどうかというのがちょっと揺さぶられますね。
というのも彼女は警察に連絡しないんですよ。
警察に連絡しないで逃げることを決めるんですね。
なんでここで正直に警察に行かないのかというのも疑問が残りますし、
建前としてはちょっと詮索されるのが嫌いだからとかそういうこと言うんですけど、
いやいや逃げる方がもう手間だろうとか思ったりするんですけど、
彼女は統合生活に入ります。
その直後ですね、彼女は過去のあるツテを使って、
違う女性の身分証明書を手に入れて、別人になりすすまして生きていきます。
この辺りからですね、もうすでに彼女には何か暗い過去があるということが分かってきます。
移動してたどり着いたある町で、
入った町の女性バンテナのブルーにあっさりとですね、
彼女が偽の身分証を使っていることを見抜かれてしまいます。
だけどこの時同時にですね、彼女を狙う追手が迫ってきました。
ブルーと一緒にいるところを拉致されてしまい、車で連れ去られるんですけれども、
その道中、揉み合って逃げることに成功するんですが、
12:04
最終的にその揉み合いの中で、ブルーがその追手を殺してしまいます。
追われていることが分かったので、彼女はブルーの家に匿ってもらいます。
ただブルーにもですね、どうやら暗い過去があり、
ある日彼女が帰宅すると、ブルーはブルーを追ってやってきた元夫の男性を殺したという状況に直面します。
この夫の死体を2人は死体遺棄するという流れになります。
その後ですね、2人はどうやって生きていくかということを考えて、
ブルーの方からお互いの身分証明書を交換して逃げないかということを提案されます。
ブルーからすると、彼女のIDは、身分証明書は傷がついていないと。
彼女からしてみれば、ブルーの身分証明書は夫を殺してしまった女だけれども、
他の人から見れば全く違う人物に見えるから、
違う人物として言い逃れができるんじゃないかという話が出てきて、
なかなか結構無理があるなと思いながらも、
彼女はですね、このブルーの提案に同意するしかない状況になっていきます。
結果、ブルーとしてこの後彼女は生きて逃げ続けます。
ここまでがですね、最初の3分の1くらいの内容なんですけども、
このすでに結構いろいろはしょってるんですけど、いろんな事件が起きていて、
なかなか結構すごい展開を見せています。
この後もいろんな話がどんどん展開していって、
ラストではですね、この主人公の過去や秘密が明らかになり、
終わっていくという話になっています。
あと、話の合間合間、ショーの終わりぐらいのところに、
ライアンとジョーという2人のメールのやり取りが挟み込まれていて、
これも明らかにこの主人公の過去に関わる内容で、
これも物語に絡んでくるようになるという流れになっていますね。
言えるのはこれぐらいかなっていう。
そうですね。3分の1ぐらいしかちょっと説明できないですよね。
そうですね。3分の1ぐらいしかちょっと説明できないですよね。
この後ちょっとネタバレがひどすぎるから、
ちょっと話せないかなと思うんですけど。
でもここだけ聞いてもらっただけでも十分この話が
すごい展開を見せるというのはわかってもらえるかなと思います。
主人公とこのブルーという女性が、
お互いに身分証明書を交換しちゃうなんて。
面白いよね、展開がね。
ここからはちょっと主人公のことに触れたり、
展開のことに触れていきたいと思います。
まず主人公の女性なんですけど、
なんていうかマジでタフで、
何でも利用してやろうとしている感じが、
ちょっと浅ましさも見え隠れするんですけど、
個人的には結構かっこいいなと思いました。
逃亡しながら彼女はどんどんたくましくなっていって、
強くなっていくような感じがあります。
結構やばいっていうかどうしようもなさそうな設定なのに、
結構この主人公ですね、正義感とか良心が結構強くて、
人の心配をしたり、
追われている立場なので、他の犯罪を見つけてしまった時に、
告発できないんですけど、
自分が警察に行けないんで、
でも犯罪を企てる人物と遭遇した時に、
何とかしようとしたりする姿とか見れて、
結構人間見あふれる主人公だなと思いました。
15:00
主人公の印象って読んでいくと、
自分探しじゃないですけど、
やっぱりこれは一人の人間なんだって思うところがあったりして、
それも僕は好きなところでしたね。
特にそれを思ったのが、
途中で主人公が小学生を相手に授業をすることがあって、
そこで言っていたのが、
すごく田舎町で閉ざされた環境の中で、
町の子どもたちは生きているんですけども、
そういう子どもたちに対して、
外の世界に対して、
駆け離れたこの町の子どもたちが、
行けるかもしれない場所について、
想像し始めてほしいと思って地図を描く授業ですかね。
そういうのをやったりして、
すごい印象に残っていて、
主人公がその時に、
僕は初めて自分以外の人間にもそういう思いをつながらせることができる人なんだっていうのを
そこで気づきましたね。
ここいいエピソードですよね。
小学生の子どもたちの授業をする場所。
ある学校の先生として勤めることになるんですけど、
彼女が逃げ続けている中で選ぶ小学校なんで、
すごい田舎の閉鎖的な町の小学校なんですよ。
その小学校の生徒たちって、
なかなか外の世界が見られない人たちで、
彼女は周りの地図を描いて、
ここをこうやって行ったらこういう道に着けるんだよみたいな話とか、
授業でするんですけど、
結構いいですよね、このシーンね。
子どもたちとの交流とかもよかったんで、
小学校にいた時の話とかは、
読んでて好きでしたね。
彼女のこういう姿勢が親に受け入れられるような、
親御さんたちにね。
とはいえですね、
この主人公はやっぱり逃げるしかないような状況で、
本当に1日1日、
ギリギリ生きていくというか、
いつ本当にピンチになるか分からないという、
このやっぱりスリリングさですね。
そういうのはあって、
基本的に人を信じることができないというか、
信じたらいつピンチになるか分からないというところで、
この辺のちょっとヒリヒリした感じというかですね、
小学生に授業を教えていた時のような、
彼女はね、
心持ちもあれば一方で、
人を信じることができないというのがあってですね、
この辺の主人公の心境とかも結構好きでしたね。
じゃあちょっと、
どんな主人公かというのは分かってもらえたと思うんですけど、
最初結構好感が持てなかったんだけど、
徐々に好きになるタイプの主人公ですよね。
そうですね。最初は謎が多すぎて、
主人公どうこうというよりかは、
これはどういう状況なのかどういう展開になるのか、
そこがちょっと気になってしまった。
でも俺だってマジで夫が死んだ後に、
一人でバーボン飲み出した時マジで引いたもん。
18:00
その後愛人に会いに行ったり。
なんなんだよとか思って。
で、ちょっとこのストーリー展開の話をさせてもらいたいんですけども、
さっき話している通りですね、展開がすごいというのは、
要はこれピンチなんですよ。ピンチの連続で、
襲いかかるピンチの量がやばくて、
ドラマみたいな展開が続いてきます。
海外ドラマとかにしたら1時間のドラマで、
7、8本ぐらいで完結するぐらいの分量だと思うんですけど、
そんな感じですね。
だいぶいろんなピンチが起きます。
正直もうフィクションだなと思いました。
自然な流れを気にしちゃう人だと、
結構気になっちゃう人かもしれないなと思いました。
その辺りを全く無視して、
作り物なんだ、フィクションなんだってのめり込むとめちゃくちゃ面白い小説ですね。
主人公が休まるときがないし、
自業自得なのかなって思われている方がいるかもしれないですけど、
結構自分のせいじゃないピンチに巻き込まれたりするんですよね。
この辺が作り話っぽいところではあるんですけど。
今のフィクションというところで、僕もちょっと気になったところがあってですね、
主人公が逃げる道中で、
アキスティンに入ったりするんですね。
アキスティンというのが使われていない別荘とかですね。
そういうところであったりするんですけど、
偶然立ち寄ったその別荘というか家というかが、
あまりにも異常すぎて、
フィクションであえてそうしているのが、
本当に異常なんですけど、
それが現実としてあるのかというところが
ちょっと気になってですね。
どういうことかというと、
一つがある不災の別荘に入ったら、
そこには子どもさんが自殺していたという悲しい過去があって、
その背景というかですね、
不災学界というか、
ただその闇というかですね、
そういうのが知ることになっていったりするんですけど、
また別の家に立ち寄った時には、
実はそこの男がとんでもない爆破計画というのを
加わらせていてですね、
とんでもない犯罪をしようとしていたというですね。
そういう偶然立ち寄っただけなんですけど、
こんなに異常な状況に遭遇してしまうというのは、
これって明らかなフィクションで断言できることなのか、
もしくは現実と闇として実はあったりすることなのかというのは、
ちょっと気になってしまいましたね。
これは何ていうか、
家だけじゃなくて、
家だけ、家か、
家もそうなのか。
要は彼女が遭遇する事例が異常すぎて、
ちょっとびっくりするよね。
え〜みたいな。
そうですね。
爆破計画の逆もやばかったもんね。
嘘もんと思ったし。
そうですね。これは何か間違いであって、
何か勘違いなのかなと僕最初思ったんですけど。
分かる分かる分かる。
21:00
そのくらいですね、
ちょっと偶然立ち寄っただけみたいなところで、
とんでもないことが起きたりするので、
この辺がもしかすると面白さに繋がっているのか、
それとも本当に現実として作者が、
現実というと言い過ぎかもしれないんですけど、
何か作者の中であえて描いているところなのかというところが、
いろいろ考えてしまいましたね。
これでも映像にすると結構自然に受け入れられるかもしれない。
なんか。
ドラマとかになっていると。
そのイメージはつきますね。
あと結構変な事例ばっかり出会っているわけじゃなくて、
たまに結構ですね、出会う人々が結構いい人がいたりして、
例えば彼女が車かバッテリーがいかれちゃった時かな、
時に助けてくれる老人が超親切で、
しかも結構熱いこと言って去っていくんですよね。
そういうのが結構占められたりする。
結構たまに出会う人々がちょっと良かったりして、
これちょっとネタバレになっちゃうから言えないけど、
電車で中でちょっとだけ会う女性とか。
結構印象に残りましたね、あそこね。
結構ドキッとするような、
そういう出会いがあったりしたり。
僕もやっぱり途中で会う人で、
結構、さっきの親切な老人もそうですけど、
生きな人がいて、
ドメニックっていう結構この途中から現れる男がいるんですけども、
生きな男で助けてくれる人がいるっていうのが、
ちょっと救いなところではあるかなと思いましたね。
あとですね、ちょっとこの物語の結構キーというか、
この女性バーが好きでバーによく行くんですけども、
バーにちょっと逃亡中なのに行き過ぎなんですよ。
必ず街に着いたらバー行っちゃってる気がしますね。
バーに行っちゃって、
必ず街に着いたらバーに行っちゃってる感じがして、
この辺りちょっとバカなんじゃない?
もういろんな人が来る場所だからさ、
そこで見つかりやすいのはもう明白なのに、
なぜかちょっとバーに行ってしまうっていうところがあって、
ちょっとここは個人的には結構人間味があって、
ピンチになっちゃうこと多いんですけど、面白いところだなと思いました。
やっぱりこの孤独な分ですね、
お店でお酒を飲みたいっていう気持ちはすごいわかるから、
すごい共感してしまうけど、
バカだこいつとか思いながら読んでましたね。
気持ちはなんかわかりますね。
そうなるよなって思うし、
僕も結構バーで飲むところとか好きで、
そういうシーンいっぱい出てくるんで、
しかも溜まるところがだいたい安物が出てくるんですけども、
ここで宿取ってバーで飲むっていうですね、
一連のそんなのばっかりなんですけど、
この感じは結構見ている分には好きでしたね。
そこから話が進んでいって、
ラストにつながっていくんですけども、
ここではですね、
何言っても本当にネタバレになりそうなので、
ラストはですね、一切何も触れずにですね、
読んでのお楽しみというところかなと思っています。
24:00
やっぱりミステリーなんで、
終盤一気読みしたらっていうのはありましたね。
久しぶりにこんなエンタメ読めて、
私は楽しかったですね。
ラストなんですけど、
全部読み終わった後にちょっと自分の中で、
これはどうなった?これはいいのか?
みたいなのがちょっといくつかあって、
ちょっと処理できていない部分が実はあるんですが、
それ話し出すと結構ちょっと完全にネタバレになっちゃうので話せないんですけど、
私はちょっとですね、処理できない部分が残って、
うーんってなりましたけど、
でも多分これ映像で見てたりとかすると、
きっとすごくいいラストになったんだろうなとはちょっと思いました。
そうですね。
これは映像で見たいなって思いました。
ドラマで何時間もかけて見るとめっちゃ面白そう。
今回はちょっとネタバレできないというところで、
ネタバレしたらもう面白さが半分くらい失われるので、
このあたりにしたいと思いますが、
なんとなくちょっとこれは読めば楽しんでもらえる本だということはわかってもらえたんじゃないかなと思います。
で、最後ですね。
ちょっとテーマトークしたいと思います。
テーマはですね、今回はシンプルにこの本を読んで思い出した作品についてちょっと話してみようかなと思います。
なんかありますか?
私も海外ドラマあんま見てないんですけど、
唯一最後まで全部見た海外ドラマが、
プリズンブレイクなんですよ。
プリズンブレイクっていうのは、
刑務所から脱走して逃げ続ける話なんで、
めちゃくちゃ思い出しましたね。
僕はちょっと見たことなかったんですけども、
結構やっぱり逃げ続けるっていうので、
重なるところは色々あったりするんですか?
重なるし、あとあれもあるかも。
偶然隠れた家族とか接した人たちが
やべえ人だったみたいな。
それも似てる。
もしかしたらフォーマットなのかもしれない。
僕はそうですね、
ザリガニの鳴くところが一番最初には浮かんだんですけど、
そこと実はちょっと違ってですね、
もう一つ思い出した作品があって、
コーマック・マッカーシーのザ・ロードですね。
僕はすごく好きな作家なので、
何かと浮かんでしまうというところはあるんですけども、
このマッカーシーのザ・ロードっていうのは
父親と息子が二人でひたすら旅をするというかですね、
これも逃げ続けるという話で、
一日一日、先が見えないというか、
今日一日を生きていけるかどうか分からないというですね、
結構過酷な話でもあるんで、
ちょっと思ったのは、
このパッセンジャーの主人公の女性が、
もしもっと哲学的な考えとかですね、
もしかしたら、
もっと思想的なところを語ったり、
模索し始めたら、
マッカーシー作品により近づくんだろうなっていうのは、
思ったりしましたね。
27:01
確かにこれ、
空いてる家を見つけたりして、
寝泊まりするようになるっていう流れはちょっと似てますね。
いい家を見つけて、自分の目的に合った家を見つけて寝泊まりするっていうのは、
ザ・ロードにもあったし、パッセンジャーの中にもあったし、
しっかり重なるかもしれないですね。
あとは書き方というかですね、
ストーリー中心に書くのか、
ストーリー以外の哲学的な話とかも含めて書くのか、
その辺の違いがだいぶあるんですけどね。
文学作品で言うと、
移動するっていう意味では、
オン・ザ・ロードとかもちょっと頭をよぎりましたけど、
あれは別に何か犯罪を犯して逃げてるわけじゃなくて、
ただ移動してるだけだから。
やっぱり最初に話したあれですかね、
東の果て、夜へ。
ビル・ヴィヴァリサーカの早川から出る、
このクライム・ミステリーですけど、
同じように犯罪を犯して逃げ続けるっていうところですけど、
まあでもそれ主人公少年なんで、
ちょっとまた立場が違うかなと思うんですけど。
このパッセンジャーは、
始まりがいきなり逃げるところからなので、
それがすごいなと思いますね。
背景一切なしで、
いきなり逃げてしまうっていう。
斬新ですよね、そこがね。
つまずかずに、
それで読み進めていけるっていうところが、
力量というかすごい小説なんだなっていうのは思いましたね。
やっぱちょっとエンタメ小説読み慣れてないから、
最近読み慣れてないせいだと思うんですけど、
展開が結構急なやつがグッとくると、
ちょっとついていけないかって思っちゃう瞬間あったけど、
でもすっげえ面白かったな。
前回の赤い魚の夫婦に比べると、
だいぶ気楽に読めましたね。
考えたりはやるわけじゃないけど、考えなくていい小説で。
こういうのね、久しぶりに読むとすごいいいっすよね。
いやでもなんか不思議ですよね。
話としてハードなのはパッセンジャーの方だと思うんですけど、
そっちの方が読んでて気楽だっていう。
この感覚は面白かったですね。
自分の中でも。
よくできたエンタメ小説なわけですよね。
ちょっとなんかザックバランスになってきちゃったけど、
こんなところにしときます。
最後にですね、いつも通り感想を交えながら、
どんな人を読んでもらいたいかお話しして終わりにしたいと思います。
こちら間違いなくですね、
エンタメ好きにはたまらない小説だと思ってます。
逆に文学好きな人にははまらない可能性があるかなと思いました。
ちょっといろんなことが都合よく、
偶発的に起こり続けるので、
この展開に冷めてしまう層ってのは結構一定数層だなっていう気はしています。
でもちょっとですね、視点を変えて、
30:00
そんな人たちでも連続ドラマを見てるような気持ちで読んでみたら、
楽しめるんじゃないかなと思います。
個人的にはですね、
逃亡系っていうジャンルがあるかどうかわからないですけど、
こういう逃亡系の小説を読めて楽しかったなと思いました。
孤独を感じながら逃げるしかないっていうストーリーっていうのは、
本当に私は惹かれてしまうので、
面白い小説だったなと思います。
僕は本当に面白く読めましたね。
主人公はやっぱり別人になりすませて、
演じて生きていくわけなんですけども、
本来の姿もあって、小説の中で一人の人間の
いくつもの顔が見れるというですね、
そういう描かれ方もしていると思ったので、
そういうところも面白かったですし、
主人公が生き延びていくために、
常日頃から結構毎日ピンチがあったりするので、
その判断をしないといけなくなってですね、
この緊張感、スリリングな展開っていうのはやっぱり
勢いにさせられました。
この作品はやっぱり主人公の本当に果てしない
孤独というのがあると思うので、
それとたくましさというところと、
あとは伏線回収というかですね、ミステリーの部分ですね。
僕はやっぱり普段ミステリーそんなに読んでいないので、
やっぱり久々に読むとすごい面白かったと思いましたし、
やっぱり物語好きな人は
楽しめる作品じゃないかなと思っています。
ありがとうございます。
いや、そんなわけでパッセンジャー紹介させていただきました。
次回告示で終わりたいと思います。
次回はキムソヨンの主人、キムソヨン
一文字の辞典という作品をご紹介したいと思います。
こちらちょっと定義が難しい作品なのかもしれませんが、
お楽しみにしていただければと思います。
番組の最後になりますが、我々メールマガジンというものを
週に一度配信しておりますので、よろしければそちら
ご興味あればご登録ください。内容としては、
動画が長くなってしまったものに関しては、カットしたものなど
別でお届けしておりますので、ぜひそちらもご登録ください。
また、番組の感想やリクエスト、
このラジオを聞いて紹介された本を読みました、
読み返しましたとございましたら、
ハッシュタグすらとびねこたちをつけて教えていただけると嬉しいです。
ツイッターやインスタのDMや投稿などでお待ちしております。
メッセージ本も番組情報欄に載せておりますので、
そちらからチェックしていただいても大丈夫です。
積極的に拡大共有していただけると助かります。
ではまた来週。ありがとうございました。
32:30

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