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2021-04-05 52:42

第36回 ノーベル文学賞作家のAI小説 「クララとお日さま」カズオ・イシグロ著

spotify

【今回の紹介本】

■『クララとお日さま』カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳

今回紹介するのはカズオ・イシグロの最新作、今年の3月に世界同時発売となった「クララとお日さま」です!

近未来において、人口親友なるロボットの主人公クララの視点から描かれる物語。

愛とは、知性とは、家族とは? 生きることの意味を問う感動作。

ぜひお聴きください!

※今回前半と後半にわけており、前半は物語の魅力を伝えつつ、第二部までのあたりまで触れており

後半は第三部以降クライマックスまで触れており、ネタバレを多いに含みます。

『クララとお日さま』を未読の方で、今後読む予定がある方は前半までは楽しめるように構成しております。

前半は25:56で終わります。

【番組内で紹介したトピック】

■ 『クララとお日さま』カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳 早川書房

https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014785/

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

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番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:04
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするラジオ番組です。お相手は、私小説が好きの会のダイチと、
質疑をめぐるカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
お互いの紹介に関しては、2021年最初の回で話しているので、そちらをお聞きください。
今日はこの3月でばっかりなんですけども、カズオ石黒のクララとお日様をご紹介したいと思っております。こちらですね。話題作ですね。撮ってるのが3月28日段階なんですけど、なんか10万部超えだってニュースちょっと見ましたね。ちょっと前ですけど。
カズオ石黒の長編ってなんかちょっと村上春樹さんに近くて、数年に一度のビッグイベントみたいな、そんな感覚があるんですよね。
一応、ノーベル文学賞受賞第一作と思ってますね。本当ですね。6年ぶりの長編ということで。そういう意味では多分これまで以上に話題が大きくなってるのかなという感じしますね。じゃあちょっと署名いっちゃいましょうか。
では、今回紹介するのがカズオ石黒さんが書いたクララとお日様になります。土屋雅夫さん役で早川書房から2021年3月に発行されたものになります。
じゃああらすじをちょっと簡単にお伝えいたします。ノーベル文学受賞第一作世界同時発売と大きく話題になってましたね。人工知能を搭載したロボットのクララは病弱な少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでいく。愛とは知性とは家族とは生きることの意味を問う感動作。
というのが早川書房のホームページに載ってた簡単な話なんですけど、ちょっとPRタイムだったかな。ネットでちょっと調べたらこのカズオ石黒さんのコメントが発売直前ぐらいのコメントがあったんで、ちょっとそれ読み上げたいと思います。ちょっと長くなるかもしれませんけど。
この本の語り手クララは人間の形をしたAI搭載の機械です。10代の若者が大人になる手助けのために開発されたAFアーティフィシャルフレンズ、つまり人工親友です。物語の冒頭クララは他のAFたちと店先に並び、買った人が外の世界へ連れ出していくのを楽しみにしています。
その間、ウィンドウ越しに街の様子を観察して人間の世界を分かろうと努めます。そして孤独な人間たちに興味を持ち始めます。なぜなら人間の世界に入ったクララの大切な仕事は人の孤独を癒すことなのです。これまでの私の作品をお読みになったかどうかは分かりませんが、新作は私を離さないでと日の名残りの流れを汲むものです。皆さんにお読みいただけると嬉しいです。というコメントがあったみたいですね。
03:02
これが結構ストーリーの大枠を言っているような感じですね。
そうですね。すごいAI搭載の機械が出てくるという、ちょっとSFチックな。
だいぶここ、最近文学作品もそういう近未来的なものを扱うようになってきてますよね。先のAIとかが人間にどう影響していくんだろうみたいな。やっぱりいろいろ書いてるなと思いますね。
確かにね。なんかそういうちょっとSF要素があるものっていうのが当たり前に思えてきたなっていうのは感じますよね。
イアン・マキュワンでしたっけ?同じ国。イギリスですよね。クララとお日様を読みたくなってるんですけど、恋するアダムっていう新職レースとか出てるんです。あれもなんかロボットかな。主役というか。主役なのかな?どっちなんだろう。ちょっと分からないですけど、大厚かった作品でちょっと読みたいなとか。
そっちも気になりますね。
あとリチャード・パワーズか。新作もなんかAIが出てくるらしいですね。今。
そうなんですね。
今年出るのかな?本国で。アメリカで。
めっちゃすごい長編にね。
そう。やばいと思う。
そうですよね。
読みたいけど。
読みたいけど手を出して。
私もまだ一作しかやんないですけど、結構時間かかりますからね。リチャード・パワーズね。
まぁまぁそんな感じで。やっぱりAI的なものは文学作品にかなり入ってきてますね。
流れとしては私を話さないでと日の名残りの流れを組むものとあるんですけど、どうですかね?やっぱり私を話さないで結構近い印象とか。
そうですね。かなり近いなと思いましたね。
ありましたよね。
描き方がだいぶ。私日の名残りと私を話さないでしか和尚石黒読んでないんですけど、ちょうど和尚石黒さんがその2つの流れを組んでると言ったんで、ちょうどこの系統は今私は抑えてしまっているっていう。
でも私を話さないでにかなり本当に似てますよね。
もうちょっと長編は私を話さないでしか読んだことがないんですけども、近い感覚を受けたし、逆に他のがすごいちょっと読みたくなりますよね。
そうですね。ちょっとやっぱりそこまで作品多くないと思うんで、和尚石黒。
なんか読破できる。ちょうどいい塩梅だなと思ってるんでやりたいなと思いましたね。
ちなみになんですけど、ちょっと私もよくわかってないんですけど、ちょっとまた聞きたいんですけど、これ世界同時発売ってあるんですけど、
そうみたいですね。
多分英語がわりと親しみある国々、英語がちゃんと使える国々では、英語版が売ってるだけで、その本国の言語で翻訳されてるのはあんまないみたいですね。
だからドイツ語版とかまだないらしい。でもいずれ出るらしいですけど。っていうのはちょっと聞きましたけど。
だから世界同時発売って言いながら、全部の言語でバッと出てるわけではないっていう感じですね。
これすごいですよね。
うん、すごいですね。
日本語とかの翻訳のその期間っていうのがやったっていうのが。
でもやっぱり数多い。石黒さんあれじゃないですか、やっぱ日本に思い入れあるから。
06:04
確か今回ニュースで見たのが、時差の問題で、英語版とかより日本語版の方が先に発売が早くて良かったっていう。
そういう現象が起きた。
そうか、同じ日でも先にこっちが来ちゃったってことか、時差で。
あと今回想定に関しても、原書が文字だけのシンプルな想定なんですけども。
日本語版はイラストが入っていて、このイラストがすごい好きで、画像検索とかすると英語版とか日本語版の想定が出てくるんですけど。
日本語版がすごい良いなって思いましたね。
それは結構Twitterでも話題になってましたね。可愛いですよね、これね。
手元に置いておきたくなるような。
じゃあちょっと具体的にいきますか。
今回なんですけど、話しのこの、結構ネタバレしないと話せないところもありまして。
ちょっと大胆に前半と後半でざっくり分けようと思ってまして。
前半はこれから絶対読む人のために導入部分、具体的には第2部まで触れつつ、この全体的な魅力について話す形にしたいと思ってて。
後半でネタバレありで結末あたりまでガッと話してしまって、そのあたり私の三枝さんどう思ったかなみたいな話をしていきたいと思っています。
結構ちゃんと話しておかなきゃいけないと思ってまして。
私を話さないでを読んだ人、確実にわかっていただけると思うんですけれども、
和尾石黒さんはですね、ネタバレをするとですね、読む魅力がかなり減ってしまう作家さんだなと思ってます。
すごくいろいろ丁寧に描いていくんですけど、その中にさりげなくちょっとずつ事実とか情報が出てきて、
それをこの流れで楽しまないと正直面白さはかなり減るんじゃないかなと思ってますね。
ほんとさりげなくですね、最初わからなかったことがちょっとずつわかっていくんですよ。
その過程が結構丁寧で面白いので、それがですね、かなりこちらを飽きさせずに読ませる作りになっているなと思っているので、
これがもうこういうことなんだって知った状態で読むと、だいぶもったいないなと思ってまして、
なので本当にこれ、黒あるとひさま、読みたいなと思っている人、ちゃんと読みたいなと思っている人は、
ちょっと後半はですね、聞くのをやめていただいた方がいいかなと思います。
で、もちろんここから後半ですよって話はしますので、そこまでは聞いていただいて大丈夫です。
そんな感じですかね。なんかここ補足あります?
あと一応ラジオの概要欄にも何分から前半が始まるっていうのを説明書いてますので、
そこも確認してもらえると、うっかり後半を聞いちゃうっていうことは防げるかなと思います。
じゃあそんな感じで前半いきます。
09:03
まずですね、ちょっとその前半、一番最初に、前半の一部二部の話もネタバレも含まれる話になっちゃうんで、
具体的な魅力について最初に話したいんですけれども、
さっき話した通り、私一番最初に感じたのは文章はやっぱり丁寧、すごく緻密というか、
計算されているなと思いました。
で、これ長かったんですけど、結構本当に使えることなくですね、サクサクサクサク読むことができて、
なんかこう一気読みみたいな感覚とはまたちょっと違うんですけど、
飽きることなく読めたので、本当に技量がすごかったなと思ったのがまず一番最初の印象ですね。
結構はもう、なんていうか、信頼していいと思います。
冒頭のあらすじでも触れましたけど、今回AIのロボットが主人公なので、
割と遠くはない未来の話だったなっていうのがあるんですけれども、
なんかそこまでこういろんな技術がめちゃくちゃ発展してるわけじゃなくて、
結構リアルだなと思ったのは、まだ車が自動運転じゃなかったりとか、
いろいろな技術がですね、ちょっと予想したよりはまだ発展してないんだなと思いました。
ちょっと何があったかわからないんですけど格差がかなり広がってますね。
これはちょっと教育のこともあるっぽいんですけど、格差が広がっている世界です。
あとAIというか、このAF人工親友さんの視点で話が進むので、
世界の描写の仕方が最初認識できないものというか、
うまく認識できないものが目の前に現れたりすると、
それがこううまくクララは問えることができなくて、
なんか大きな集合体に見えたりとか、ブロックになっちゃったりとかしてて認識できないんですけど、
認識できるようになってくると、それがはっきりしていくみたいな表現を使ったりしてて、
このあたりは面白かったですね。
そうですよね。なんか主人公がクララという人工親友なので、
なんかその独特な視点というのを感じましたね。
結構話が、ストーリーラインをざっと後で説明しますけど、
まあ主軸は一方決まっているんですけれども、そこに絡んでくる要素が結構多くて、
この様子だけ見ていくと、よくこれでも、これも長いですけど、
400、500ページの何くらい?430ページか。
130ページぐらいですよね。
結構長いんですけど、正直よくこの長さで収められたなって私は思いました。
これ、もっと長くなるものを詰め込んでるなって思いましたね。
でもちょっとその辺は本当にうまいなと思いました。
カズオ石黒さんのスタイルなのかもしれないんですけど、
結構ですね、最終的に明かされないまま、
あれ、これは何だったんだろう?とか、
明かされないまま終わることも事柄が多いですね。
基本的にはクララが知り得た情報だけでこの詳細が成り立っているので、
なんていうか妙なリアルさがあって、
その辺は結構作りとしてうまいなと思いました。
日の名残とか私を離さないでを読んだことがある人なら何となくわかると思うんですけど、
結構こちらが想像して保管しなきゃいけない部分って結構多いと思うんですよ、カズオ石黒さんって。
そういうのは今回もめちゃめちゃありますって感じですかね。
結構少女の話にはなるんですけども、
ある少女と家族の話という、一見すると小さい世界の話かなと思いきや、
12:05
読んでいくと結構場面転換が細かくあって、
意外とというか、すごい飽きずに次はどうなるんだろうっていう、
どんどん読んでいけるってそこが大地さんも言ってたんですけど、
構成がすごくうまいというか、書く技量がすごいというか。
当たり前ですもんね、ノーベル文学賞作家ですもんね。
それ当たり前なんだけど。
ノーベル文学賞作家だからといって、構えずに、構えなくても本当に、
初見でパッて読んでいい、読みやすい小説かなとは思いますね。
めちゃめちゃ読みやすかったです。
あと最後に人工親友っていうところに触れたいんですけど、
これ、主人公が人工親友で、AIが主人公なんですけれども、
人の孤独を癒すために開発された商品です。
時代的にですね、子供の学校がなくなってるんですよね。
授業、義務教育みたいな定義はどうなるかわからないんだけど、
オンライン授業ですよね。
オンライン授業で、友達と会うことがないってことですね。
友達ができないって言い方。
この辺の仕組みちょっとよくわからなかったんだけど。
要はでも日常的に学校に通うってことがないので、
オンラインで授業をみんな受けるので、
友達と日々接しないんですよ。
そういう社会情勢があるから生まれてきたと思うんですけど、
人工親友っていうのが商品化されていて、販売されていると。
結構みんな持ってるっぽいんですよね。
子供たちは、この人工親友っていうの。
クララは、主人公のクララはB2型というタイプで、
この姿勢でいうとB3型っていうのが発売してて、
ちょっと出回り始めているという状況のときに、
クララはウィンドウで売りに出されていてという状況でしたね。
私感覚的にはこれもう完全にスマホだなと思いましたね。
iPhoneの新しいの出たみたいな感じで。
なるほど。毎年更新されていくみたいな。
昔のものから切り替えられちゃうみたいな感じなのかな。
人工親友っていうくらいだから結構関係ができちゃうから、
そう簡単に切り替えるってことはないのかもしれないですけど。
でもやっぱり新型が出ると、もちろん人々は新しい方に群がるので、
クララたちB2型はちょっとこう、いろんな不安を抱えたりとかしてるんですよね。
その辺の作りとかもすごい面白くて、確かになと思って。
結構重要なポイントなんですけど、
この人工親友AFはですね、太陽光がエネルギー源になってますね。
太陽を浴び続け、浴び続けってどれくらい放置したら使えなくなるかわからないんですけど、
太陽光が結構この元気の元みたいな字で描かれてて、そこもなんか面白かったですね。
AFという人工親友、売り方も面白くて、
露店のお店でショーウィンドウみたいな、そこにAFたちがマネキンのように並んで、
15:00
それを子供たちが親と一緒に見に来て、気に入ったものを買うっていう、
こういう販売方法がある意味イメージしやすくて、なんか面白かったと思いましたね。
これね、そうですよね。実際に動いてるのを見たりとかしてね、
いろいろ話してみたりとかして決めていくっていうのが多分主流なんでしょうね。
オンラインでパッと買うわけじゃなくて、結構重要な買い物だから。
意外とアナログなやり方で。
ちょっと面白かったですね。
というのがちょっとありますね。
じゃあちょっとですね、第2部までのストーリーを話していきたいと思います。
これ一応6部構成になっていまして、
私たちのラジオの前半では1部と2部を話そうと思います。
3部からですね、結構革新的な話になってくるので、
1部と2部の、本当に序章みたいな、最初の100ページぐらいですね。
ちょっと話したいと思います。
まずこれは、クララがこのAFの売り場で並んでいるところから始まります。
そこにはたくさんAFがいるので、そこでみんなでいろんな話をしながら、
自分たちを迎えに来てくれる子供たちを待っているという感じですね。
期待もあれば不安もあるという、その辺の感情の描き方もリアルでした。
クララはですね、他のAFと比べても観察能力が非常に高くて、
学習意欲がめちゃめちゃ高いです。
だからウィンドウ柄ですね、いろんなものを見て、とにかくいろんなことを学ぼうとして、
実際に学んでますね。
その吸収力とか観察力、吸収力がすごくて、
店長さんからも一目を変われているというような存在のAFでした。
そこにですね、ジョジーという14歳ぐらいの女の子が現れます。
これクララのことを、実はもう外からチラッと見ただけですごい気に入っていて、
どんな感じか確かめに来て、何度かこう会いに来て、
ちょっとなかなか話最初まとまらなかったんですけど、
最終的には、クララも言い方あれですけど、ジョジーを選んでみたいな形で、
ジョジーのAFにクララはなります。
第1章で結構重要なのは、窓から見える、ウィンドウから見える街の景色とかですね。
クララが見ている中で、年老いた男女がなぜか、
これ偶然の災害だったのかな、よく分からないんだけど、
会って、抱きしめ合うっていうシーンを見るんですよ、ウィンドウから。
その時に、太陽が祝福しているように照らしているようにクララは考えたりとか、
物恋がウィンドウから見えるビルの下にいて、
犬と2人でいたんですけど、見たら全然動かなくなってたんで、
これ死んでしまったんだなとクララは思ったんですけど、
翌日ですね、シャッターが上がって、またその場所を見るとですね、
物恋さんとこの犬が生き返っていて、
その時すごい太陽の光が、めちゃくちゃ人と犬に降り注いでいたので、
太陽で生き返ったんだってクララは考えるようになるんです。
もともとこの太陽に対する信仰というか、位置づけがクララの中で強いのもあるんですけれども、
それが生き返ったと感じるようになって、
ますます太陽ってすごいんだってクララの中ではなってきます。
この辺りのクララが外の景色を見ていて、男女が再会する場面とか、
18:00
物恋の人と犬が太陽の光で生き返る場面とか、
すごい美しく描かれていて、この辺すごい個人的には好きなところですね。
あと同時にこのAIというものが、こういうことを信じたりとかするんだっていうのが、
なんか自分の中では結構意外というか、面白いなと思いましたね。
この物理的に説明がつかないことじゃないですか。
そういうことを信じるのが面白かったりしました。
あとクーティングスマシーンって、
これクララが心の中で名付けた名前なんですけど、
お店の前で汚い煙を吐き出してるマシーンがあって、
そのマシーンのところに大きくクーティングスって書いてあるんで、
クーティングスマシーンとクララは呼んでるんですけど、心の中で。
これが多分何かを清掃してるマシーンだと思うんですけど、
大気汚染に近いのかな、すごい汚い煙を周囲に撒き散らして、
お店の窓とか汚れちゃったりとかするんですよね。
窓が汚れたりすると太陽の光とかも届かなくなっちゃったりするんで、
こいつ何なんだよみたいなイメージを持ってますっていう。
これもちょっと後々大きなポイントにもなってくるんですけど、
ここで重要なのはクララは太陽をものすごく侵攻してるっていうのと、
クーティングスマシーンが汚染してるというのを認識してたというところですかね。
そうですね、でも第一部って確か60ページぐらいなんですけど、
70ページぐらい、結構意外と面白く読めましたね、個人的には。
まだ本当に序盤でまだまだ謎が多い中なんですけど、
読みやすいのはもちろんあるんですけど、内容が面白かったですね。
クララと他のAFの人たちとの会話とかも結構面白くて、
クララって洞察力がすごく高いAFなんですけど、
会話の節々にクララの洞察力の鋭さというか、そんなのが現れていて、
こういうふうに世界が見えてるんだっていうのが分かって、
ある意味ちょっと気持ちのいい部分でした。
あと第一部でですね、ジョジーっていう女の子が
お母さんと一緒にお店に来るんですけども、結構そのお母さんというのがですね、
最初出てきたときに子供とジョジーという子供とか、
あとクララを監視するようにちょっと眺めてるんですね。
この辺の描写がすごい良くてですね、36ページぐらいから始まるんですけど、
このお母さん何かちょっと秘密を抱えてるんじゃないかと匂わせるような、
ちょっと何か疑いながら子供とかクララを見ているっていう、
この辺の描き方がすごい上手くて、
カズ・イシイゴローらしくて、秘密を抱えてる人間のちょっと暗さみたいなのが出ていて、
カズ・イシイゴローさんの小説の良さかなと、ちょっとね序盤から思いましたね。
第2話ですね、クララがジョジーの家に引き取られたあたりから始まります。
まずジョジーの家のことを学ぶというか、
21:01
クララ監視力が高いんで学んでいくんですが、
最初ちょっと戸惑いながらっていうところもありますが、
馴染んでいって順調にジョジーのAFとしての役割になっていきます。
ジョジーの家はですね、母親とジョジーと家政婦しかいないので、
どうやら父親は離婚した感じですね、様子ですね。
なので父親はいません。
ジョジーの家にはですね、隣にリックという少年が住んでいて、
これが幼馴染で、どうやらこの二人はですね、将来を誓い合っていると。
で、二人はよく計画があるんだという話をします。
クララはリックとも少しずつ交流を深めていきます。
その時ですね、ここの仕組みがちょっと私わからなかったんだけど、
交流会っていうのがあるんですよね。
学校がないんだけれども、定期的に誰かの家にみんなが集まるみたいな、
交流会という名前のイベントがあって、
みんなが母親とか保護者と一緒にですね、
子供たちが一回集まるというパーティーみたいな感じなのかな。
そこで結構いろんな人と交流する。
これはですね、やっぱり親たちは大学に行くまで、
基本的には誰かと交流しながら学ぶっていうことがない世界ですよね。
っていう認識になってますかね。
大学だったっけ?高校だったっけ?
学科かな?どうなんだろう。
ある一定のレベルの学習に内容まで行くまで、
集団かな?集団学習?何て言ったらいいんだろう。
いわゆる集団学習型の授業っていうのがないので、
たまに交流して、社会性みたいなのを学ばないといけないんじゃないかみたいな、
思いが保護者にあるのか社会にあるのかよくわかんないんですけど、
定期的にこういう交流会が誰かの家で開催されていて、
それが今回ジョジーの家で行われるという流れになってましたね。
その時にジョジーはリックも誘います。
でもリックは行きたくないんですよね。
なんでかっていうと、
これがこの時代の、AF以外の未来要素になるんですけど、
子どもたちは何か向上措置ということを受けている子どもたちと、
受けていない子どもたちがいて、
多分遺伝子的な操作なんだろうなと、
後半に少し触れてたんですけど、明確なことはないんですけど、
一般的にこの向上措置を受けていない子どもは、
社会的に劣っているとなさるようになっています。
リックはどういう事情があったか、いろいろあるっぽいんですけども、
これを受けていないんですね。
でもめちゃくちゃリック頭いいんですけど、
向上措置を受けていなくてもめちゃくちゃ頭はいいんですけども、
向上措置を受けていないというだけで、周りから見下されていると。
なので交流会には行きたくないということなんですけれども、
でも実際リックはジョジーのお願いだったので、交流会に現れます。
そこでいろいろある感じですね。
この章でいうと、またジョジーの体が悪くなってきます。
実はジョジーは病気を抱えているということがわかります。
昔ジョジーにはお姉さんがいたんですけれども、
お姉さんも病弱で亡くなっていて、
24:01
ジョジーも今病気で伏せてしまうこともあって、
ジョジーの母はお姉さんのように亡くなってほしくないと思っているので、
ジョジーをすごく大切にしています。
こんなが第2部になっています。
ジョジー、体が悪いんだよということだけ伝えればなと。
そうです。第2部はクララがジョジーの一家と住むようになって、
そこで家の中のことというか、
あとはジョジーという人とか、ジョジーのお母さんという人を観察していくような。
あとこの第2部の最後の方で、
クララとお母さんが滝を見に行くようになるんですけども、
そこで滝を見に行く経緯はあるんですけども、
その滝を見に行った時に、そこではジョジーはいなくて、
クララとお母さんは2人きりなんです。
そしたらお母さんからジョジーの真似をしてよとクララに言われて、
クララは本当にジョジーになりきったつもりで真似をするんですけども、
実はこの第1部の最初の方でも、
クララがまだ売りに出されていた時に、
この買うかどうかクララの決める時にも、
お母さんがジョジーの歩き方の真似をしてよとクララに言って真似させるんですけども、
なんでクララがジョジーの真似するんだって思いながら読んでたんですけども、
実はこれがすごい後半に鍵になってくるっていうですね。
実はそんなところで第2部が終わってしまった。
これ以降が後半になって、もう完璧に物語の革新に迫ってきますんで、
本当に読みたい人は一回ここでやめてもらっていいかなと思います。
ちなみに次回予告、来週配信は番外編なので、
この後一回再生を止めてもらって、
来週また新しいエピソードを聞いていただけたらなと思います。
じゃあちょっと後半いきますか。物語の革新に迫っていきますか。
じゃあ後半、第3部です。
もう2分の3以降、後半という形にさせてもらいます。
第3部はジョジーなんですけども、
体が本当に悪くなっちゃって寝たきりというか、
基本的にはもうベッドのあたりにいる感じになりますね。
万一リックがお見舞いに来るんですけれども、
この2人も顔合わせていろいろなことが、
お互いの気持ちがうまくいかなくて、
喧嘩してしまって、最終的にちょっと関係悪くなったりしますね。
クララがその間をちょっと取りもったりします。
クララは弱っていくジョジーを見ながら、
ジョジーにはお日様の太陽の特別な助けが必要だと考えて、
どうしたらそれが叶うのか考え始めます。
この第1部で見た物恋と犬を生き返すような、
特別なお日様の力が必要だと思っているわけですね。
クララがこの太陽を見ていると、
一日の終わりに休憩する場所があると考えて、
27:02
それが草原の奥にあるナヤ。
ちょっとそこに行くまで結構大変なんですけどね。
ナヤがあって、そこでお日様がちょっとお休みをするんじゃないかと、
休憩する場所だと思って、そこに行けばお日様に会えると思って、
行くことにします。
この時ちょっとリックの助けを借りながらそこに行きますね。
リックもクララが何をしたいか分からないんだけれども、
ジョジーを助けようとしているというのは分かる。
だから協力したいみたいな感じになります。
クララは自分がやろうとしていることを言ったら、
これもAIの感覚からするとすごい面白いなと思うんですけど、
自分がこうやろうとすることは、
お日様のプライバシーに関わることで、
言ったらうまくいかなくなるんじゃないかという恐れを抱いていて、
自分がやろうとしている計画を誰にも話さないんですよね。
なんとかナヤにたどり着いた時に、
リックはちょっと返して、
一人でお日様と対面をして、
すごい光が降り注いでくるだけなんですけれども、
クララは一方的な感じではあるんですけれども、
お日様とジョジーを助けてくださいという、
特別な配慮をお願いしますという、
祈りというかお願いをしますね。
これには自分が何かしなきゃいけないと、
お日様に役に立つことを何でもしますということで、
クララはあれだと、
汚染を撒き散らしたクーディングマシンを破壊すれば、
お日様は喜んでくれると思い、
クーディングマシンを破壊することを考えます。
そんなのが第3部ですかね。
そうですね。第3部だとやっぱり、
このナヤですよね。
そこがかなり重要なポイント。
マクベインさんという人が持っているナヤなんですけれども、
これ結構読んでて思ったのが、
すごいなんかね、進行をすごく感じるんですね。
AFが太陽に対しての。
で、その太陽の神様みたいなお日様ですよね。
お日様になんか一見する場として、
ナヤというのが使われているんですけども、
なんかそこがすごい神秘的で、
なんか面白いのがそれが、
洞窟とか神殿とか、
そういういかにも神秘的な場所じゃなくて、
ナヤというところがまた面白いなと思いましたね。
設定上、太陽の光が入る場所でないといけないっていうのがあったからだとは。
事前にこのクララとヒサも読んでいる人がちょっと言っていたのが、
このナヤというのが結構ストーンヘンジを思い起こさせると言われていてですね。
まあそこもやっぱりイギリスというのもあるかもしれない。
ストーンヘンジもちょっと調べていくと、
やっぱりその太陽のある意味出会う場所というか、
幽黒のストーンヘンジっていうのがあってですね、
この画像であるんですけども、
結構その幽黒のストーンヘンジっていう画像と、
このナヤに太陽が差し込むイメージですね。
結構そこが重なって、
まあ良ければね、ちょっと幽黒のストーンヘンジで画像検索もしてもらえたらなと。
そうなんですね。
なんかすごいイメージが個人的には重なりました。
ああ、なるほど。
これ一番最初に出てくるやつかな。
多分そうです。
Googleで。
ああ、なるほど。
太陽の光がちょっと丸くなって、
差し込んでくる感じというか。
30:00
確かに。
ちょっと最終、最後のシーンでもね、
この太陽のことがあるけど、
それと重なりますね。
でも、第3部は未来世界と中のちょっと神秘的な部分というか、
何かそういうのがね、垣間見えた、
そういうところかなと感じましたね。
本当はその人工知能的なものが進行を持ってるっていう感じ、
感覚っていうのが面白くて、
で、個人的にはこのクーリングスマシーンを壊しちゃおうっていうのはめっちゃ怖いなと思いました。
なんかあの、人工知能が自分たちがこうだと思ったらそういうことしちゃうんだ。
だから多分これめちゃめちゃ危ない、危険なことじゃないですか。
ああ、確かに。
クーリングスマシーンだって別に何かのために生み出されたものなので、
なんか汚染をするために生み出されたマシーンではないはずなので、
まあ何か目的がある正当なものだと思うんですよ。
で、それをなんか悪だというか悪いものだと、
クララはもうほぼ決めつけてるわけで、
そうなっちゃったらこう壊しちゃう。
まあ実際ちょっとネタバレあるけど、
まあ壊しちゃうんですけど、この第4部で。
怖いなと思いましたね。
クララ側からするとね、完全にそれは正義の行いで、
女神を助けるために悪のものを壊すっていう理論なんですけど、
確かにそうですよね。
これ本当最後6部にこのAFの恐怖というか、
ちょっと人々の間にAFが一体何なんだろうみたいな、
まあAIと一緒でちょっと理解が及ばなくなってくるんで、
怖いっていう意識が広がるようなんですね、社会的に。
だからそういうのもちょっとここで重なるなと思って読んでましたね。
ちょっとそんな感じで第4部。
第4部はこれはジョジーとお母さん、
あと隣に住むリックとそのお母さん、
そしてクララのまあ4人と一体って言っていい方が、
5人って言ったらいいかも。
それで都会に行きます。
ジョジーと母親はちょっと今まで説明したかったんですけど、
田舎に住んでるんですよ、暮らし次第は。
家はすごいなんか草原の中にあってみたいな。
これから結構離れてるっぽいんですけれども、
それぞれこの親子、目的があって、
まあ主に母親側だけど目的があって、
その都会にちょっと一緒に行きます。
その都会で、
まあちょっとそのリックと母親側の目的も色々あるんですけど、
それ話すとちょっと話が膨らみすぎちゃって、
長くなっちゃうんで、そこはもう省きますが、
ジョジーの母親側の目的はですね、
ジョジーの肖像画を描いてもらうという目的があります。
今ずっとその肖像画を描いてもらっているという設定、
設定というかまああの流れがあって、
描いてくれる人に会いに行きます。
で、その時にジョジーの父親であるポール、
これポールという父親がいるんですけれども、
父親もジョジーに会いに行きます。
で、ここでクララは初めてこのジョジーの父親と会いますね。
ジョジーの父親とジョジーはかなり仲が良くて、
まあ親子だから当たり前なんですけど、
別にそこの関係は悪化しなくて、
父はもうものすごくジョジーのことを大切にしています。
母親とちょっとその父の関係は、
まあなんだろうな、
なんかちょっと離婚の原因が色々あるっぽいけど、
決定的に悪いわけじゃないけど、
でもまあ悪化はしているかなという感じですかね。
ちょっとうまく表現できないんだけど。
まあ意見の不一致ですよね。
で、クララはですね、町に来た時に
33:01
このクーディングスマシーンを見るんですね。
あったと。
壊そうというクララの目的が生まれます。
まあ元々町に行く時にクーディングスマシーンを壊そうと思って、
探そうとは思ったんですけど、
割とあっさり見つかるという感じですね。
これジョジーの肖像画の話なんですが、
これがですね、結構この物語の核にもなってまして、
これはですね、ジョジーをいろんな角度からデータを取ってですね、
写真を撮ったりデータを撮ったりして、
ジョジーそっくりなAFを作ることを
母親とこの肖像画を描いていると言っている研究者と一緒になって計画をしていました。
ジョジーはこのことは知りません。
これはもう母が、ジョジーが姉同様になくなってしまったら、
もう耐えられないからということです。
で、このことに対して父は反対しています。
この事実はですね、クララが結局ジョジーの絵を
肖像画を描いているアトリエがあって、
それはもうジョジーには見せないんですけれども、
そこに入っていくと、もうジョジーそっくりの人形みたいなのが作られているんですよ。
なんで、クララはこの人たちはAFを作ろうとしているんだということを理解しますが、
さらにその先に話があって、
実はクララがジョジーの代わりになると、
ジョジーを継続する役目になってほしいということを母親から聞かされます。
もしジョジーがなくなってしまったら、
クララがジョジーとして生きてくれと、
なので全てを学習してほしいと、
私の娘になってほしいという話を母親から頼まれるんですよね。
ここがなかなかこう、ゾワッとするというか。
そうですね。かなり重要なネタバレ部分でも。
ネタバレ部分ですね。
クララはまずはジョジーの病気が治るのが第一ですよねという話を母にして、
クララはクーディングスマシーンさえ壊されば、
ジョジーが治ると思っているので、
この段階でそれをやろうとしますね。
結果的にこのクーディングスマシーンを見つけ出して破壊に成功するんですけれども、
最後の、最後のというかこの町を去る時に、
壊したクーディングスマシーンよりもでっかいクーディングスマシーンが汚染しているところを
移動する車の中で見ちゃって、
クララは絶望するというか、
自分はお貴様との約束というか守り事を果たせなかったんだなと思ってしまい、
絶望した状態で帰りますね。
そんなところが第4部ですね。
結構4部もやっぱりクララがジョジーの体調というか、
そこを心配して、
そこの不安感とか焦りとかっていうのはすごい表れている部分かなとは思いましたね。
読んでいるとクララの行動、
それで本当にジョジーが治るのかっていうところが、
根拠がちょっと弱いじゃないですか。
クーディングスマシーンを壊してジョジーが治るかって結びつきがあんまりピンとこないですし、
その辺で読んでいる側からすると、
だんだん不安が大きくなっていくような、そんな感覚はありました。
クララ自体もそれは感じていますもんね。
自分が大きな間違いをしているじゃないかみたいなことも考えるシーンとかあったりしますもんね、要所要所に。
個人的には結構この4部は2箇所ぐらい面白かったところがあって、
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1つが312ページなんですけど、
クララがジョジーのお父さんと人間の心っていうのをコピーすることは可能かどうかという話をしているんですけども、
結構そこでクララがその人の心っていうのをたくさん部屋がある家のようなものと例えていて、
その部屋の一つ一つを調べていけば完璧なコピーっていうのは可能ではないかというふうに言っていたりして、
お父さんは部屋の中にはまた別の部屋があって、
その人の心には結構終わりがないんじゃないかという、
そういう話ですよね。
人を楽しめる心って何だろうかっていうところの会話が結構面白くて、
読んでていろいろと考えさせられました。
ちなみにこの人を楽しめる心って何かっていうところは、
本当に一番最後にちょっと出てくるんで、
そこをお楽しみにしていただけたらなと。
あともう1個、これ読んでてすごい印象的だったのが、
これは335ページくらいからなんですけども、
劇場前というところで大勢の人に囲まれているような状態で、
クララたちが会話をする場面があるんですけども、
クララとか家族ですね、ジョジーとかリックの家族は結構真面目な会話をしようとするんですけど、
そこにいろんな人間が話を割って入って、
現れていくのがちょっと喜劇っぽい感じがして、
目まぐるしくセリフが回っていくような、
そういう描写がそれまでのこの小説の中では、
やけに展開がリズミカルというか、
そんな場面がパッと出てくるのはすごい面白かったですね。
映像化とかされたら結構ね、
ユーモア満載な場面になるんじゃないかなと思って読んでました。
ここのところの場面は、
それまでの小説のリズムとちょっとテンポが変わったような気がして、
こういうのは和尾石黒さん上手いなと思って、
上手いというかすごいなと。
じゃあ最後、5部と6部ちょっと連続でいきますね。
これもう結末になります。
で、町から帰ってきた後ですね、
ジョジーの病態がもう悪化します。
これはもう母も、来てる医者の方も諦め始めちゃって、
これはもうダメなんじゃないかと思っていて、
クララはもう焦りまくりますね、この時はね。
ジョジーの病気をなんとか治さなきゃいけないと思って。
で、なんでお日様は助けてくれないんだと。
で、もう一度お願いしに行きます。
ナヤに行きますね。
で、この時にリックとジョジーは愛し合ってるんだから、
その二人を救ってほしいと懇願しますね。
で、その結果ですね、
これがもうちょっとこうどう解釈していいか、
様々だと思うんですけれども、
ジョジーのちょっと嵐の夜、嵐だっけ?
なんかすごく曇ってた日だったんだけど、
急にパッと光が急に差して、
ジョジーの部屋だけ光が差すんですよね。
その太陽をバーッと浴びたジョジーが
回復するっていう流れになって、
ちょっとここはもう色々びっくりしたんですけど。
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なんか奇跡が起きましたよね。
うん、奇跡が起きて。
ここに関してはちょっとどう解釈するかなんですけど、
でも私はもう個人的にはこれもうずっと私はクララの思い込みだから
こうはならないと思ってたんですよ。
ジョジーは太陽の光で回復はしないと思ってたんですよ。
ああ、それは思いました。
だからここを覚えたらどう解釈していいんだみたいに
自分はなっちゃいましたけど、
でもこれはやっぱりこのクララの奇跡を起こしたということなのか、
何なのかちょっとどう捉えているのかなっていうのはちょっと分からないところでしたね。
ジョジーはもうですね、その後回復します。
で、ジョジーは回復した後、第6部になるんですけども、
大学進学が決まりますね。
その後は全然病気になることもなく大学に進学するので、
家を離れることになります。
その時にクララとお別れをするというか。
これちょっと裏でこの時間結構経っているんですけど、
このAFがですね、結構社会的にはちょっと危険なものなんじゃないかっていう認識が広まっていて、
ちょっと明確に書かれてないんですけど、
もう生産も止まっているし、廃棄しようという流れになっていると思うんですね。
なので、ジョジーを大学に送り出した後、
クララはですね、廃棄を待つための場所かな、みたいなところに連れて行かれます。
ジョジー自体もですね、いろいろ変わっていて、
将来を誓い合ったリックとも別々の道を選んでいるし、
リックも、リックが高齢化前に第6部でいろいろ話してくれるんですけど、
この話、結構私好きっちゃ好きなんだけど、
お互い成長していて、もう考え方が変わっていて気持ちを離れている。
でも、リックはジョジーと誓い合ったこと、
大人の時に誓い合ったことというのは、その時の気持ちというのは、
今は自分たちの中ではもう無くなっちゃっているかもしれないけど、
あの時は本物だったという話をしていて、すごく大人な話をしているなと思ったりしました。
結局このクララはですね、最後、その廃棄場所によくクララがいたお店の店長さんが回ってきていて、
店長さんは自分が送り出したAFと再会をしたいんですよね。
なのでクララと再会して、ちょっと話して、
まあ、ここの話が結構いいんですけどね。
クララはですね、最後、自分は幸せだったと語って終わっていくという感じですね。
ついに終わりましたね。
そうですね、結構このエピソードも長くなっちゃいそうだけど。
ここまでもほぼ、飽きさせずに読ませる感じですごい面白かったですし、
結構最後の展開はなかなか、6部だいぶ急展開というか、ババっと展開をしていくんですけど。
そうですね、5部クライマックスからの6部がね、最後の締めになるんですけど、
結構一気読みをしてしまうような、3部以降結構一気読みしたくなるようなね、話の展開がどんどん流れていったんですけど。
結局、僕は最後読み終わって、AAFというか、クララって一体どういう存在だったんだろうっていうのはすぐに思っちゃいましたね。
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これね、やっぱりクーリングマシーンのあたりはちょっとクララ壊そうっていう思想は怖いなと思うんですけど、
でもクララってやっぱこのジョジーのためにずっと生きてきて、生きてきてというか、存在し続けてて、
ここで、それをまあなんていうのかな、この貫徹した存在で自分を変えてみることなくというか、
これが私を離さないであったら、私って存在は何なのって感じになると思うんですけど、
クララはそうはならないんですよね。まあ人工知能だからっていうところもあると思うんですけど、その作りがやっぱ面白かったな。
あとクララもまだ、もしかすると人工知能だけども、なんていうか、完璧な段階にはいってなくて、
それは一つ、子供から大人になれないっていうのはそうかなと思ったんですね。
見た目は子供のままだし、やっぱりジョジーとリックが大人になって離れ離れになってしまうっていうのって、
人ってそういうものかなと思うんですよね。やっぱりクララは子供のままだと、やっぱりジョジーが大人になっていくとだんだん距離が離れていくっていうのは出てくる現象だなと思うし、
だからクララ、結構その第6部でクララがいろんな改装したりするんですけど、それってジョジーの病気が治るまでの思い出ばかりだったんですね。
やっぱりその辺がクララっていうAFの一つの限界というか、そこまでしか設計されていなかったものかなという、そこの悲しさっていうのは結構感じましたね。
これは現実社会もそうかなと思うんですけど、小学校の時の親友で、中学とか高校とかだんだん年重ねていくと素縁になっていったりすることってあると思うんで、
ジョジーとリックの幼馴染みもそうだったんですけど、人工親友という存在を作ったとしても、そこがやっぱりいずれ終わりが来るっていう。
そうですね。
あらかじめ多分そうだったのかなと。
この終わりを見捨てるっていうのはすごくやっぱり今回良かったなと思います。このクララとジョジーが離れるっていうところですね。
ちょっと思ったのが、クララが最後に店長さんと再会して、いくつか会話を交わすんですけど、そこで店長さんが、当時最新のB3型というのが世の中では人気になったけども、
でもAFとして優秀な成果を収めていたのは、クララのようなB2型っていう1個手前のタイプが人工親友としては優秀だったっていう話をしていて、
これってちょっと思ったのが、何かそういう人の心の通ったものを作るときって、工業的な力が働くよりもむしろ工芸的な力というか、何かそっちの働きかけが大きい方が人の心が通ったものが作れてしまうのかなとかちょっと思ったりしましたね。
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そういう意味では、完璧であるから、ジャスなものを作れるから成果も完璧かというと、そうではならないっていうところがまた。
あとやっぱり、僕はすごい感動したのが、最後のクララと店長の会話なんですけども、そこでジョジーがジョジーである特別なものという話で、
これはその人がその人を楽しめるものは何かっていう話なんですけども、その方ではクララはジョジーのお父さんと話をしていたときに、何か人の心は完璧にコピーできるって言ってたんですけども、
でも何ていうか、そういうジョジーにとって大切なものっていうのは、実はジョジーの中ではなくて、ジョジーを愛する人々の中にあるっていうのはクララが最終的にはそう思うようになって、
だから自分はやっぱりあの時ジョジーを完璧にコピーするっていうのは本当はできなかったっていうの、そういう話をしていて、結構ここの会話最後は響いてきましたね。
そうですね。
すごい、この小説がすごい名作に思えてきてですね、考えていくと。
あとやっぱり最後読み終えて終わったのは、クララがエゴっていうのがないので、そこはちょっと人間とは違うところかなと思っていて、なのでクララ自身の自分の存続っていうのには執着しなかったんですね。
でもクララの視点で小説読んでると、どう見てもやっぱり人間と同じように思えてきて、感情移入してしまうんで、結構このクララのエゴがないところっていう、それによって最後の選択とかってされていくんですけど、その辺は読み手としては辛いところはありましたね。
逆に私なんかこういう、なんか羨ましいと思いましたね。なんか言い方あれですけど、なんか自分はいろんなものに執着しちゃうので、割り切って、割り切ってっていうかなんだろうな、なんかあれも大切だしこれも大切だしみたいな、自分の中でいろんな優先順位があったりすると思うんですよ。
優先順位っていうか順位がつけられなくなったりする時とかあると思うんですけど、たぶんクララってそういうのはないんだろうなと思って。ここは結構いろいろ思うところが多い。AIってAI描くってすごいなって、面白いなって思いましたね。
じゃあちょっと、今回も長くなっていると思うんですけれども、クララとお日様こんなところで締めたいと思います。最後、感想とどんな人に読んでもらいたいか、いつも通り話して終わりたいと思います。
じゃあ私の方から。何度も言うんですけど、これ本当に飽きずに最後まで読めたんで、万人におすすめのタイプの小説です。読みやすいですし、すごく楽しめる小説でした。
ストーリー展開と文章は非常に丁寧なので、和石黒さんってすごいんだなと改めて思いました。一枚目はこれはクララと病弱な女の子が、最終的に病弱な女の子が救われていくっていう話なんで、綺麗な話に筋だけ見ると見えるかもしれないんですけど、
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いろんな格差のこととか、今回ちょっと話さなかったんですけど、格差のこととか、AIに関するいろんな思いとかあって、結構いろんな要素があって、その辺りの描き方がすごく面白いなと思いました。間違いなく、私を話さないでが好きな人にはハマると思います。
聞いてもらったらわかると思いますけど、似てますね。かつ、でも違う視点というか、面を見せてくれているので、面白いと思います。
AIをテーマにした小説って面白いなって今思っちゃいましたね。映画のAIってあったと思うんですよ。いつだったっけな。ハーレー・ジョエル・オスメント君だったっけ。名前ちょっとあれだけど。
スピルバーが撮ったAIってあの時ってすごい未来描いてるなって思ったんですけど、でも今ってもう近づいてきてるじゃないですか、この世界が。だからすごく近くて、文学作品に入っていくと、やっぱりそのAIが生まれたことによる感情の変化とか、どういうふうなこととか。
今回はAIの視点だったんで、それもすごく面白くて、こういう文学作品いいなと思いましたね。
私はそんなところです。みなさんどうでしょうか。
読んでいくごとにどんどん引き込まれて、読めていけて、やっぱり面白かったですね。
このAFというのがいるSF的な世界観と、太陽を崇拝している原始的な世界観というのが融合しているように描かれていて、そういう設定も魅力かなと思いましたし、
あとは和尾石黒さんらしいことで言うと、登場人物が結構みんな秘密を抱えていて、ちょっと影を持っていたりして、
そういう謎解き、謎を解かれないところもたくさんあるんですけど、だんだん読んでいくうちに世界が見えてくるみたいなところは、やっぱり読んでいて面白いところかなと思いました。
今回もほんと大体言われていた、すごく読みやすいというのもあると思って、前提知識なしで読める小説かなと思っています。
なので、興味あれば思い切って読んでもらえたかなと思います。
結構最後の第5部、第6部がちょっとあっさり書かれているかなと思っていて、読み終えるともう、こういう感じだったんだって思うんですけども、
こうやって読み終えた後に振り返って話してみると、実はすごい気づけるところってたくさんある小説かなと思っていて、
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これはほんと読書界にすごい向いている本かなと思いましたね。
和尾石黒さん初めてという人も、ほんとに読みやすいのでおすすめです。
あともし和尾石黒さんの小説でもうちょっと大人な世界な話を読みたいなという場合だと、
短編集の野草曲集というのがあるので、結構それも読みやすくておすすめかなと思っています。
なんかあれですね、やっぱりこれ1回読んだ後にもう1回読むと多分いろいろ、ここがこう伝わるんだみたいなのがわかるから、
2回目読みたいんだと思ったけど、ちょっと時間があれだな。
結構長編だね。
2回目読んだ時は読書界やりますか。
そうっすね。
リスナーの方も多分読むの時間かかるだろうし。
そんな感じで次回して終わります。
次回は番外編、久しぶりの番外編?でもないか。
7回目の番外編になります。
今回ちょっとリスナーの方に軽くツイッターとかインスタで募集したテーマと、日本翻訳大使について話したいんで触れます。
よろしくお願いします。
番組の完成やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、読み返しましたなどございましたら、
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ではまた来週お楽しみに。ありがとうございました。
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