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2025-10-16 05:13

【1231】2025/10/16 引き算の美学 。“味なし”が新しい

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2025/10/16

サマリー

長谷園は新たに味なしのお粥「飯粥」を発売しています。味なしの挑戦は、炭酸水やミネラルウォーターの普及と同様に、現代の食のトレンドとして注目されています。

永谷園の新製品
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
長谷園といえばキャッチフレーズは、味一筋ですよね。 お茶漬けとか松茸のお吸い物、あの旨味を思い出す方も多いと思うんですが、そんな永谷園がこの秋、味なしの商品を出したことをご存知ですか?
その名も飯粥です。もう食べたという方もいらっしゃるかもしれません。 お湯を注いで5分、味をつけていないプレーンなお粥です。
味一筋の会社が味なしっていうのは、ちょっとしたニュースになっています。 開発を担当した方は、ホテルのビュッフェでお粥をウインナーと一緒に食べている人を見たことがきっかけで、この
飯粥を開発したそうです。 あえて味をつけないという挑戦に踏み切ったというわけなんですね。
味一筋なのに。 で、やっぱり会社の中でも意見は割れたそうで、
お粥は体調不良の時に食べるものではないかと、そんな声もあったようです。 でも我が家の話をすると、かなりの頻度でお粥を作るんですね。
お米からちゃんとお粥を炊きます。 体調不良の時だけじゃなくて、炊き込みご飯とか白いご飯と同列でお粥も選択肢になっているんですね。
なので、体調不良の時だけっていうふうに、私は思わないです。 こういうのって、なんていうか、炭酸水とか茶油とか水と同じ流れだと思います。
昔は水なんて買うもんじゃないって言われていましたよね。 水が売られるようになったのは1980年代です。
きっかけはフランスのミネラルウォーターエビアンが1985年に日本で販売されたことでした。
当時は水をお金を出して買うなんてっていうふうに言われてたんですが、 都市部ではやっぱり安全で美味しい水への関心が高まっていたので、
やがてミネラルウォーターは定着していきます。 安定した水の供給と安全なお水っていうのは違うっていうことですね。
食のトレンド
さらに美味しい水っていうのはまたもう一つ違うっていうことでもありますね。 次にお茶のペットボトルが出ました。
1985年のことです。 伊藤園が缶入り煎茶を発売。
その後1989年にはおーいお茶が登場します。 お茶を持ち歩く文化はここから広がっていきました。
やっぱりこれも驚いていたような気がします。 さらに炭酸水も同じです。
昔はお酒の割り材としてしか扱われていなかった炭酸水ですが、 2010年代になりますと健康志向だったりノンアルコールブームの流れでそのまま飲む炭酸水がブームになりました。
今ではコンビニの一角にずらっと並んでますよね。 そしてさらにさらに近年登場したのが白湯のペットボトルです。
アサヒ飲料が2022年においしい水天然水白湯を発売しました。 冷たい飲み物が多い中で体を温めるという真逆のアプローチをしたんです。
でもそれが優しさとして支持を集めていますし、病院で売られているとそれはミルクを作る時に使われたりとか、食が制限されている時に白湯が使えるっていうような、
本当これ毎度毎度作るっていうのは結構な手間というか時間がかかるということでもあるので、これが発売されたことで本当に助かったという方が多かったんじゃないかと思います。
そう考えると味なしのお粥も決してとっぴなものではないと言えるかもしれません。 味がないんじゃなくて他のものと合わせて完成する食べ方ですよね。
低カロリーで食べやすくて、組み合わせ次第で無限に広がっていきます。 例えば唐揚げだったり角煮を乗せてもいいですし、カレーとかエビチリと合わせてもいいと思います。
もしかしたらこの飯粥というのはお茶漬けとかインスタント味噌汁のように、日本の食卓に新しい名脇役として定着していくかもしれないなって思います。
防災備蓄品としても活躍しそうですよね。 食のトレンドっていうのは引き算の美学に戻っているような気がします。
味をつけすぎないことだったり飾りすぎないってことです。 その分、素材そのものを感じるっていうことが今私たちが求めていることなのかなっていうふうにも思います。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
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それではまた明日。
05:13

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