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おはようございます。鶴岡慶子です。この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。司会やナレーションを通じて、日々感じたことなどを語る声の日記です。毎朝更新しています。
今日は詩をご紹介します。紹介するのは、亡くなった10歳の息子さんへの気持ちをアメリカ人の女性の方が綴った詩です。
今日ご紹介する詩は、先日アナウンサーの先輩に教えてもらったんですけれど、その先輩が、過去回の173回、聞けるときに聞いておかないと聞けない言葉がある、この回を聞いてくださって、今日これからご紹介する詩を思い出したんだっていうことでした。
今日ご紹介するのは、9.11アメリカの同時多発テロ追悼集会で朗読されて、世界中に拡散されたほか、東日本大震災を契機に注目されたものです。
3月11日を東日本大震災・津波を語り継ぐ日とする岩手県の条例があります。2020年10月27日に成立したものです。
岩手日報を中心に行った署名活動のテーマとしてこの詩が掲載されたことが、その成立のきっかけになったそうです。
ノーマ・コーネット・マレック作 最後だとわかっていたなら
あなたが眠りにつくのを見るのが 最後だとわかっていたら
私はもっとちゃんとカバーをかけて 神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう
あなたがドアを出て行くのを見るのが 最後だとわかっていたら
私はあなたを抱きしめてキスをして そしてまたもう一度呼び寄せて抱きしめただろう
あなたが喜びに満ちた声を上げるのを聞くのが 最後だとわかっていたら
私はその一部始終をビデオに撮って 毎日繰り返し見ただろう
あなたは言わなくてもわかってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたら一言だけでもいい
あなたを愛していると私は伝えただろう
確かにいつも明日はやってくる
でももしそれが私の勘違いで 今日ですべてが終わるのだとしたら
私は今日どんなにあなたを愛しているか伝えたい
そして私たちは忘れないようにしたい
若い人にも年老いた人にも
明日は誰にも約束されていないのだということを
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愛する人を抱きしめられるのは 今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら 今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたら あなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや抱擁やキスをするためのほんのちょっとの時間を
どうして惜しんだのかと
忙しさを理由にその人の最後の願いとなってしまったことを
どうしてしてあげられなかったのかと
だから今日 あなたの大切な人たちをしっかりと抱きしめよう
そしてその人を愛していること
いつでもいつまでも大切な存在だということをそっと伝えよう
ごめんねや許してねやありがとうや
気にしないでお伝える時を持とう
そうすればもし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから
これ現代はTomorrow Never Comesというタイトルになっていて
最後だと分かっていたならという原文は
If I knew it would be the last timeから始まっています
同じ岩手日報に掲載されていた言葉があります
短い言葉なんですが気をつけて言っておいで
まあよかったな大丈夫だよ
じゃあまたな来週ね
はーいうんおいしい
今夜はダンスがあるから遅くなるよ
こんな言葉たちが散りばめられていました
よく見たらタイトルにこう書いてありました
震災で亡くなった方々の日常の言葉
でも最後の言葉
行ってきますと言って
行ったままになってしまうこともあるんだと
頭では分かっているつもりのことを
実際の行動に移すことってとても難しいなと思ったり
あるいは伝えることの大切さを改めて思いました
3月11日を東日本大震災津波を語り継ぐ日とするのは
岩手県条例ではありますが
岩手に限らず語り継いでいく日にしたいものですし
今日1日を大切に生きたいものだと思います
また大切な人に今日はたくさん電話をかけたり
ズームでつないだり
とにかく声を聞くっていう
そんな1日にしたいなと思います
ではまた明日もお会いしましょう
鶴岡慶子でした