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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお付き合いください。
痛みを表す言葉の共通性
今日紹介するのは、「痛い」を意味する言葉が、世界中の言語で驚くほど似ているという日系サイエンスの記事です。
例えば、つま先をドアにぶつけてしまったとき、「痛っ!」って思わず声が出ますよね。
これ、日本語だけじゃなくて、世界中どこでも、この痛みを表す言葉には似た音が使われているそうです。
ちょっと興味深くないですか?
この記事によりますと、中国語では愛用、フランス語では愛恵、オーストラリア語の一部の言語では厄介、
どれも、「あ」とか、「い」の音が入っているんです。
実際に世界131言語を調べたところ、痛みを表す感動詞には、「あ」の音がとても多く使われているそうです。
これって偶然じゃなくて、人間が本能的に痛みを感じたときに発する原始的な声と関係があるそうです。
また面白いのは、痛み以外の感情、例えばイライラしていたりとか喜んでいるとか、その言語の共通点は少ないそうです。
確かに嬉しいときのやったーとかイエーイっていうのって、人によっていろいろですからね。
さらに、英語、日本語、スペイン語、トルコ語、中国語の和舎、166人に実験してもらいました。
痛いとき、嬉しいとき、嫌なときに声を出してもらったんですね。
痛いときはやっぱり共通のあの音が多く現れたそうです。
このあという音、実は人間だけじゃなくて、哺乳類が痛みを感じたときの声にもよく現れるそうです。
つまり、文化とか言語、あるいは人間の壁を越えて、私たちの痛みの表現には共通点があるんですね。
そして、記事の最後の言葉を借りますと、
無関係の言語が同じように機能している例を見つけると、私たちの共通の人間性があることを痛感する、とありました。
言葉は違っても感じていることは同じなんだなって思ったら、なんだかちょっと温かい気持ちになりました。
記事の概要
なお、この記事は5月23日発売の日経サイエンス20257月号に掲載されています。
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それではまた明日。