勉強しなさいとか、本読みなさいとかって 教えてもらうじゃないですか。
で、本読みなさいってみんな多分言われて、 本読むと勉強できるようになるとか、
なんかちょっと賢くなるとか言われて、 読書の時間もあったり、
なんかね、そういう国語でこういう勉強したりするんだけど、 でも本を読んでも賢くはなりません。
断言しちゃう。
本ばっかり読んでては、世の中で生きていかれないのですよ。
はい。
なので、だけどね、本はゲームとかテレビとかのように、 向こうからどんどんこう迫っては来ないので、
読みたかったら自分でページを開いて、 自分でこう文字を追っていかないといけないので、
それだけがちょっと違うところではあるんだけど、
でも誰かに言われたから本を読むとか、 頭よくなりたいから本を読む、
学校で言われたから本を読むっていうのではなく、 ゲームする、テレビ見る、外で遊ぶ、運動する、
いろんなことと同じレベルで読書がある。
もう本当に楽しいものとして、 読書はあるなっていうことをずっと思っているので、
楽しく本が読めたらいいなって、 いつも思っているので、
リアルに役立つかどうかは分かりませんが、 とりあえず楽しく読書をしてくれるといいなって、
立場が図書館の人なので、
だけどね、別に本読まなくても生きていけるけどね、 読んだら楽しいよって言いたいかなとは思います。
別に学校で本を読みなさいって、 頭から抑えつけて読んではない、
楽しいものとしてあるといいなって、 図書館もそういう場であるといいなって思っているので、
何もしなくてもただただ図書館に来る人が いてもいいかなとか、そういうことはいつも思ってますね。
質問なんですが、 子供の頃に読んで
響いた本、大人になってから子供の頃に こういう本があったらよかったなというふうに思った本があれば教えていただければと思います。
私、村岡花子さん役の 赤毛の庵っていうお話があるんですが、
本当に何十年も前の本で、子供の頃に大好きで、 何十回何百回と読んできた本なんですけど、
庵のセリフの中に道の曲がり角っていうのがあって、
赤毛の庵っていう庵舎里って女の子はとても頭が良くて、 小学生をもらって大学に行けることに、子児なんですけどね、親がいないんですけど、
その時に自分を育ててくれた、 引き取ってくれた先のおじいさんが亡くなってしまって、
お金がないので、農場を経営していかないといけないので、 大学に行かれなくなっちゃう。
引き取ってくれたおばあさんが、 あなたの人生をめちゃくちゃにしちゃったって庵に言うのね。
庵がその時に、私の道はずっと今までまっすぐ光り輝いてると思ってたけど、 今たまたま曲り角に来た。
で、曲がった先には何があるかわからない。 だけどそれはまっすぐ行くよりももしかしたら良いものかもしれない。
だから私はここの道を喜んで曲がるわよ。 曲がった先にもっと今より良いものがあるって思えるから曲がれるのよっていう、
そういうことを言うセリフがあって、 生きていく中で右か左か選ばなくちゃいけないことってもう本当にこれで、
例えば中学卒業してどこの高校に行くかって選ばなくちゃいけない。 高校卒業して就職するか大学に行くかまた選ばなくちゃいけない。
で、彼氏ができて彼女ができて結婚するか別れるか選ばなくちゃいけないって、 いろんな別れ道って絶対これからあるんだけど、
その時にどっちに行くのかを選ぶのが自分で、 その行った先でもしかしたら失敗するかもしれないんだけど、
でも失敗した先にも今よりきっと良いものがあるって思えるから、
庵のセリフがなんかね今までのこのそれなりの人生の中で、 あっちへ行くかこっちへ行くか迷うところで必ずそのセリフが頭に浮かんで、
道の曲がり角で考えて、こっちに行けばきっと今より良いものはあると思って進んでこれたかなっていうのが今でもあるので。
翻訳の本なので、子供の頃に読むものは省訳って言って、あらすじをかいつまんで書いてあるものが多いので、
大きな字の文学全集みたいなのでまずは読んだんだけど、それをちょっと大人になって簡訳って言って、全てを訳してある、
もうちょっと厚い大人向けのもので読んだら、同じお話なんだけれど、あ、こんなことまで書いてあったって思えたので、
なので赤毛の本は訳す人が違うと、またちょっとニュアンスも違うので、あの元の英語をね、どういうニュアンスで訳すかっていうのが。
私は一番最初は村岡花子さんという戦後の文学者の人で読んだので、その人のなんとなくイメージができちゃってるので、
外国の人の名前をカタカナで書くのってやっぱり難しいので、
簡単なところで言うと、引き取り先のお家の人はカスバートさんって言うんだけど、クスバートなのかカスバートなのかっていう、その違いもね、訳す人で違っていて、
それがね、面白いなって大人になって漢訳を読んだときに、あ、こんな訳し方で変わるんだって思って読んだっていうのがあって、
なので、なんか赤毛の本は大人になってもずっと読んでいる本。
この本があったおかげで、なんとなくこう人生が本当に輝いていくものになったかなって今でも思える本。
なので、子供の頃にこの本に出会えて本当に幸せだったなって思う一冊が、そんな本があります。