ポッドキャストの特性理解
ポッドキャスト、もしくはオーディオブックというのは音声媒体で、他のメディアとはコンテンツの消費するスタイルが違うわけですね。
そこをちゃんと理解した上で、配信をしていかないと全然聴いてもらえないとか、エンゲージメントが上がっていかないということになるわけですね。
やっぱりどんなにいい話をしていても、ちゃんと聴いてくれないと伝わらないし、伝わらなければ価値も感じてもらえないということになるので、
音声コンテンツでできる限り聴いてもらうためにはどうすればいいのかという話を今回していきます。
そもそも音声媒体ですね、ポッドキャストとかオーディオブックとか、そういったものを聴く人たちはどういう人たちなんだろうというのを一つイメージする必要があるわけですね。
もちろんこれは一般論になるので全ての人がそうだというわけではないんですけど、基本的にこういう音声媒体を聴く人たちというのは忙しい人が多いんですよ。
ながら劇をする人。何か作業をしながら耳にイヤホンをはめて音声を聴くとか、移動中とか、作業中とか、例えばウォーキングしている時とか、いろいろ諸々ありますけど、そういう時に音声を聴くという人が多いわけです。
最近のデータによると、テレビにBluetoothか何かでつないでテレビからポッドキャストを聴くみたいな人も増えてきてはいるみたいなんですけど、
その場合であっても、ガッツリポッドキャストを聴くというよりは、とりあえずテレビでポッドキャストを流しておいてBGM代わりになんとなく聴くみたいな、しっかりガッツリ聴くというよりは流しっぱなしにして何かしながら聴くというパターンでテレビで流す人が多いんじゃないかなと思うんですよね。
そうなると、いずれにしてもしっかり聴いていないわけですよ。
要するに集中して聴いていないということです。基本的に。流れ作業で何か聴いているわけだから。
だからBGMになってしまうとまずいわけですね。
聴き手の注意を引く方法
なんか耳から聞こえるけど雑音みたいな感じで全然頭に入ってこないみたいなことになると、聴いているけど聴いていないという状態になってしまうわけですね。
これでは意味がない。聴いている本人も一応聴いているからちゃんとインプットしているみたいな意識になるけど、結局後から考えてみると何も覚えていないとか身になっていないということがよくあるわけですね。
そういうことを考えて、そういう忙しい人、完全に集中していない人、集中できていない人にどうやったら聴いてもらえるのかということを考えないといけないわけですね。
逆に言うとBGMみたいな感じになっちゃうとまずいわけですよ。どういう時が自分がBGMになってしまうのか、BGMに感じるのか。
聞き手の立場になった時にどういう音声というのは右から左に流れていくのかとか、全然頭に入ってこないのかということを意識するというのが大事ですね。
例えば、トーンとかテンポですよね。一定のトーン、一定のテンポで話していると、いわゆる雑音になりやすいわけですね。
普通にこう話していると、テンポもトーンもその時々によって変わると思うんですよ。早めに喋ったりとかゆっくり喋ったりとか、特にマーですよね。
ポッドキャストというのは音声だけなんで、無音状態が2,3秒続くと一気に集中を引きつけるわけですよ。
例えばこんな感じね。今何も喋らなかったですけど、ひょっとして放送事故というか止まったかなとか一緒に思うと思うんですよ。
こういう間を開けることによって相手の注意を引きつけたりとか、ずっと一定のトーンで喋るんじゃなくて、やっぱり本当に伝えたいところは語気が強くなったりとか、自分のエネルギーが乗ったりとかしますし、そうじゃないところはエネルギー下げ気味みたいな。
だからこれも以前僕ポッドキャストで話したことあると思うんですけど、徐々にテイク飛行で、このエピソードの中盤に差し掛かるにつれて少しずつテイクオフしていくみたいな、そういう喋り方がいいですよって言ったと思うんですけど、
いきなり序盤の序盤、イントロの一番最初の部分からフルパワーでガーって喋ってしまうと、メリハリをつけにくいということになると思うんです。
もちろんエピソードによってはそういうスタイルでやるものもいいかもしれないんですけど、序盤にそういうピークを持ってきてしまうと、後が中だるみになってしまうことが多いので、どちらかというと序盤は緩めに入っていって徐々に速度を上げていってテイクオフするみたいな感じで話していく方が、このメリハリがつけやすくなるわけですね。
しかも、ポッドキャストを聞く人っていうのは、外出先とかで聞く人も結構いるわけですよ。車運転している時とか、それこそ通勤中、電車乗っている時とかもそうですよね。
要するに、周囲がうるさいわけですよ。車運転している時は自分の車のエンジン音とか、周りの車の音とか聞こえますし、電車乗っている時は電車の音がすごいうるさいですね。
そういううるさい状態で相手にちゃんと聞いてもらおうと思ったら、音量とかももちろんそうだし、ちゃんと雑音をシャットアウトしてでも聞きたいと思えるような内容にしないと。
なんとなく相手が漫然と聞いていたら、その雑音にかき消されてしまうわけですね。でも自分の話している内容がすごく面白いとか興味深いとか、そういう内容であれば、こっちの自分の話に意識を集中して聞いてくれるんで。
そうすると、あまり集中していない状態から集中している状態で聞いてもらえるようになるわけですね。そういったところも考えて話を組み立てていくというのも大事だし、トピックを選択するというのも大事ですよね。
そもそもの音量が小さすぎるっていうのは論外というかね。音量が小さすぎて聞こえませんってなったら、全部その騒音、特に電車とか車っていうのは音が大きいので、それにかき消されてしまって何にも聞こえないってなったらストレスになっちゃうから。そういう風になるともう聞くのやめたっていう風になってしまうので、音量はそれなりに大きくしておく必要がありますし。
早く喋るのかゆっくり喋るのかっていうのはケースバイケースで、早送りして聞く人もいるんです。僕も早送りして聞くから。1.5倍とかで大体聞くんで。だからゆっくり喋っている場合、1.5倍ぐらいにしたらちょうどいいぐらいの感じになるし、逆に早く喋っていると1.5倍だと早すぎるみたいなこともあるんですけど、それはもう相手によりけりだから何とも言いがたい部分はあるんですけど。
自分の一番心地よい喋りスピードってあると思うんですよ。それで喋るのがいいんじゃないかなとは思うんですけど、そこでもやっぱりメリハリをつけるというか。
僕も今オーディオブックすごく聞いてるんですけど、ものすごい良いこと喋ってるんですけど、ずっとブワーって喋ってるんですよ。一定の速度で、一定のトーンで。ただ台本棒読みではないけど、英語のオーディオブックだから台本読んでるのかもしれないけど棒読みだなって感じはないんですよ。
情報伝達の工夫
だけどひたすらずっと同じペースで同じトーンで喋るから、なんか全然頭に入ってこないんですね。あれこんなにわかりにくかったっけって思うんですけど、でもPodcastとか普段聞いてるときはそういう感覚にはならないんですよ。それは多分ホストの人が自分の言葉で喋ってるから自然とこういう会話調になってね。
意識せずともそういうトーンとかテンポとかっていうのがいい感じになっていると思うんですけど、オーディオブックってやっぱりちゃんと商品、作品として仕上げてるケースが多いんで、おそらく台本があってそれをただガーッと読むだけみたいな。読むとやっぱりそういう風にね、テンポとかトーンとかが一定になってしまう。よく読もないし、ずっと同じスピードで喋ってるしってなっちゃう。
ってなると頭に入ってこない。しかもオーディオブックに関しては情報量が多いので、集中して聞いてないともう全部頭に入らないんですね。覚え切れない。これが音声媒体の弱点でもあると思うんですけど、紙媒体、テキスト媒体ですね。
動画っていうのは仮にこの頭で忘れてしまったとしても、画面を見ればこういうことかっていうのは記憶に留めることができるわけですね。でも音声媒体っていうのは一回喋ってしまったら、忘れてしまったらもう確認のしようがないから巻き戻しするしかないわけですね。
でもそんなにいちいち毎回巻き戻しはしないので、結局なんか喋ってたけどあれ忘れちゃったってなったらね、もうその記憶をたどるって術がなかなかないっていう風になっちゃうんで、ちゃんと集中して聞いてもらわないといけないわけですよ。
そのために自分の喋り方とかっていうのも工夫していかないといけないし、この話の運び方ですよね。どんでん返しを入れましょうみたいな話もしましたけど、その話の先が読めてしまうとね、もっと聞きたいなとか、なんだなんだっていう興味を相手に引きつけたりとかっていうのは難しくなるので、そういう話の持っていき方、展開ですね。
そういうところも意識していくっていうのはすごく大事ですし。何を伝えるか、ネタを何にするのかっていうことだけではなくて、音声媒体だからこそ他の媒体とは違うね、この伝え方っていうところを意識していかないと、せっかくいいこと言っても全然相手に伝わっていかない。
価値を感じてもらえなかったらいずれリスナーっていうのは離れていくので、ちゃんと自分の話に価値を感じてもらえる。そのためには相手がどういう状況で普段ポッドキャストとかオーディオブックってものを聞いてるのかってところをやっぱりイメージすることが大事なんじゃないかなと思います。