みんなのとーさんザッキー

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音声配信アプリRadiotalkで日々収録配信やLIVE配信をしている「みんなのとーさんザッキー」と申します。特に収録配信はGoogleポッドキャスト・Spotifyにも連携配信されています。

今回の国際Podcastデーで参加させていただくのはRadiotalkで小説創作活動されているけいりんさんの短編小説「激闘 聞いた話である。」を同じくRadiotalkで音声配信活動をされているゲスラーさん、日々輝さん、人外薙魔さん、なるっとパペットモンスターズさんの4人をキャスト参加いただき声劇化した作品をダイジェスト版で紹介させていただきます。

演出・編集と解説はわたくしみんなのとーさんザッキーが担当しています。

特に声劇や音声編集を学んでいるわけではないので素人プロデュースですが「音声配信」の楽しさをあらゆる形で表現できるラジオドラマは私にとって大きな楽しみになっています。

そんな気持ちを皆さんとシェアしたくて「VoiceFanRadio」をいうサイトを作っています。

今回の「激闘 聞いた話である。」のフルバージョンはじめ、これまで手掛けた作品を紹介しているので是非お立ち寄りください。



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サマリー

ラジオトークの中で、ケイリンさんがラジオドラマを作る話を提案しました。その提案を受けて、トークカーの声優4人も参加し、ダイジェスト版を制作しています。オリノブは悪夢でもよく叫んでしまい、困っています。二人は進展がない間、半ば同棲生活を送りながら、再び悪夢に襲われます。イルマが救護できず、三人で助けを求めることになります。テレビの画面には巨大ななめくじとミミズが戦っており、街は破壊されていきます。ミミズは巧妙な攻撃を繰り返し、海の方向へ進んでいます。ミミズは海岸へ移って戦場が盛り上がっていることに気づき、なめくじを海に投げ込むことに成功しました。

ラジオトークの中でラジオドラマを作ろ
はい、みんなの父さん、ザキです。どうも、こんにちは。
ということで、今回は、2DAYS、2023国際ポッドキャストデイ、
ちょっと勘違ったけど、配信リレーの方にですね、参加させていただくことになりました。
どうぞ最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
私はですね、ラジオトークという音声配信アプリの方で、
3年半ぐらい前からですね、収録配信やライブ配信を楽しんでいる、
昭和生まれ、現在65歳の男性でございます。
声を聞けばわかりますよね。
ということで今回ね、どういう形で参加しようかなと思ったんですけど、
実はですね、ラジオトークという音声配信アプリの中でですね、
小説などのね、創作活動をされているケイリンさんというね、
方からお声掛けいただきまして、
ケイリンさんの小説、激闘を聞いた話である、
こちらの方ね、正義化してみないかというお話をいただきました。
ラジオトークの中でね、ラジオドラマなどもね、
ちょっと素人ながらやっている雑誌といたしましては、
これはね、がったりかなったりということでね、作らせていただきました。
今回4人のラジオトークの中の人気のトークカーさんにも参加していただきまして、
声で出演をしてくださいました。本当にありがとうございます。
あまりにもね、熱が込めすぎて全部でね、
30分以上の長い制限期になってしまったんですけど、
これをダイジェスト版で今回お届けします。お楽しみに。
半ば同棲生活と新たな展開
その朝、起きるなり、オリノブ・ノリオは悲鳴をあげた。
そりゃ、俺だって男だし。
そう簡単に悲鳴なんかあげたかなかったけどさ。
とは後の断。
とにかくその時は、考える暇もプライドを取り繕う余裕もなく、
ただ本能の導きに従い、オリノブは飛び起きて飛び去った。
ななななな、何なんだお前は!
と、文字通りこう言ったかどうかは知らないが、
おそらくだいたいこんなような感じのことをオリノブは叫んだ。
そして、夢ではないか、そう思い目覚めようと目をこすりかけたその時。
わずかに視線を逸らし、直視しないようにしていたそれは、
一対の顔面をわずかに震わせながら、ぬとぬととオリノブに向かって這い寄ってきた。
ば、ばか!く、く、く、く、来るで!やめろ!来る!来るだ!来る!来る!来る!
と、文字通りこう言ったかどうか、括弧以下略。
そしてオリノブは逃げた。
六畳一間の安アパートから。
はい、いきなり怪しげな男で始まり、そして悲鳴、皆さんびっくりしたでしょう?
最初に悲鳴をあげましたのは、オリノブ・ノリオ役の響さん。
そしてナレーションがゲスラーさんでございます。
オリノブ・ノリオが逃げていった先はこちら。
あんたばか?
話を聞いたいまいまいは、有名なアニメキャラそのままの口調でそう言ったという。
ばかはねえだろう。
それでも恋人か?
この世ならぬ恐怖の存在に追われて逃げてきた最愛の彼氏に、もっと優しい言葉はないのか?
ない。
いまいは一刀両断にオリノブの心を切り捨てた。
約束の時間忘れて深夜まで飲み続けたあげく、待っていた可愛い彼女の部屋じゃなく自分の部屋に帰って、
目覚め息のままぶっ倒れた汗臭く酒臭く小汚い男はばかで十分だし、そんな奴は恋人かどうかも怪しい。
そ、それはつまりその男の付き合いが。
うるさい。だったら男と付き合えばいいだろう。
オリノブ・ノリオが転げ込んだ先は恋人のいまいまいのお部屋。
このいまいまいを演じてくださっているのは神谷一真さんでございます。
登場のノッケからバトルが勃発しておりますが、いまいまいはオリノブ・ノリオの言っていることを信じてくれるのでしょうか?
そこまで言うなら一緒に見に行ってみる?
もしいなかったら梅合わせとやらに上乗せしてもらうけど。
いやだ!もうあそこには行きたくない!あいつを見るのはごめんだ!
わかったわよ。じゃあ私が一人で行って様子見てくるわよ。
それでもし何もいなかったらあんたも一回部屋に戻んなよ。
でも気をつけてくれよ。
いないもんにどうやって気をつけるのよ。とにかく見てくるから。
いまいは早速と部屋を出て行った。
もう完全にオリノブの言うことを信じていない。
いまいまいはオリノブの言っていたことが本当だったということがわかってしまいました。
そして二人はこの後。
半ばは同棲のような生活を余儀なくされた。
いやそんな気分じゃなかったし、イチャイチャしたりはしなかったよ。
ちょっとしか。
とオリノブは言うが、実際そのちょっとがどの程度のもんだったのかというと
俺としては興味があるような知りたくないような微妙なところだ。
ゆるま類もね、なんかやきもきしておりますが。
そしてその半ば同棲生活も新たなる展開になります。
一週間ばかり二人は大学をサボり飯を食い、ゲームをし動画サイトを見て
時にはイチャイチャしながら過ごしていたらしい。
さて、それではなぜその期間が一週間ばかりだったかといえば
その朝、ついに第二の事件が起こったからなのである。
色気もためらいも恥じらいもない、性別すら疑いたくなるような凄まじい声を聞いて
おいおい、なんちゅう声あげるんだよ。一体どんな夢を。
言いかけた声が止まる。
息を吸うこと数秒、そして
悲鳴をあげた。
二人は顔を見合わせた。
完全にシンクロした口調でそう叫ぶ。
オリノブはやっぱりという風に首を振った。
わかったからだ。あれが幻覚じゃないのだと。
目を覚ましたオリノブがいまいの向こう側に見たもの。
悪夢と悩むいまいまい
それは直径15センチほど、長さ数メートルはありそうな巨大なミミズの姿だったのだ。
さすがにオリノブほどだらしない格好で外に出るのははばかられ、
いまいはたくましくも何度か部屋の中に入っては
必要最低限の化粧道具や衣装などを救出してきたらしい。
オリノブも手伝おうと申し出はしたものの
ほんと使えねえのこいつ。やっぱ別れようかな。
おいおい、そりゃねえだろ。
ていうかしょうがねえだろ。化粧品のことなんか分かるわけないじゃん。
彼女が普段どんな化粧してるのかくらい気にしろバカ。
まあまあ、と言ったのは俺。
そう、伝え聞きはここまで。ようやく俺。
イルマ類自身の体験を話すターン。
要するに行き場に困ったオリノブといまいが
双方の友人である俺の家に転がり込んできて
先ほど一通りの事情を話し終えたところなのだが。
そんなことよりお前らさ、その言いにくいんだけど
なんか変な薬でもやってない?
二人は口を揃えて言う。
ねえよ。
ノリオはともかく私のことまで疑うなんて
ルイちゃんちょっとそれはないんじゃないの?
まあそれはともかくさ。
いきなりそんな話信じろって言われても。
見に行く?
鍵をかざして言うオリノブ。
なんならうちも。
と、立ち上がりかけるいまいを
ええよ、片っぽで十分。
と止め、俺はオリノブから鍵を受け取った。
んじゃ、その辺で適当にくつろいでてよ。
冷蔵庫の中のもんとか好きに飲み食いしていいから。
イチャイチャは禁止な。
それはね。
またもぴったりのタイミングで言う二人は
どう見たって仲良しさんだ。
俺はため息をついて立ち上がった。
んじゃ、行ってくる。
そしてイルマルイもオリノブの言っていたことが
本当だということを見て帰ってきました。
てか、だからさ、あれだよ、あの、な、な。
なめくじ?
そう、それ。どうする気なのよ。
いや、あのままってわけにもいかんだろうが。
じゃあお前、どうしたらいいか思いつく?
え?
いや、すぐにってわけにはいかんけど。
だからこそ三人でよく相談してたな。
一週間二人で散々相談したのよ。
ノーアイディアなのよ。
とりあえず思いつくまでここに置いてくれよ。
食費とか払うからさ、頼む。
はあ、でもなあ。
そしてバカップル二人と
イルマの同棲生活が始まりました。
ある夜、目を覚ました俺は
密かな声に気づき聞き耳を立てた。
ダメだって、聞かれる。
大丈夫、寝てるって。
だからって、他の部屋で。
ほんとに聞こえちゃうよ。
おいおい。
俺はこっそり溜息をついた。
一瞬、わざと物音を立ててやろうかと思ったが
なんだかそれも情けないような気がしたし
その後の空気に耐える自信もない。
結局俺は団子虫のように
息を殺して寝たふりをすることを選択した。
なんで部屋の主人がこんな目に合わねばならんのだ。
俺にだって性欲ってもんがある。
同じ部屋の下でこんな物音を聞かされたんじゃたまらない。
体だって反応するし、胸の内も落ち着かない。
だからといって、この気配をおかずにするのにも罪悪感を感じる。
ましてや耳を澄ませながらマスターベーションしているのに気づかれでもしたら
明日からどんな顔をして過ごせばいいのか。
俺は寝返りを打つことすらままならないまま
事が終わった後も眠れずに朝を迎えた。
おはよう。
いまいの寝ぼけ顔が妙にツヤツヤして見えるのは気のせいか。
オリノブはまだ寝ているようだ。
おはよう。
大丈夫?なんか眠そう。
いや別に、ぐっすり寝てたよ。
そう?じゃあ疲れてるのかな。
ごめんね。すっかり生活かき乱しちゃって。
まああんなもんが現れてんだからな。しょうがないよ。
言いながらテレビのリモコンに手を伸ばす。
声を聞くたび、昨夜の押し殺した喘ぎ声と比較してしまう。
会話を打ち切りたい一心だった。
え?
画面に映ったものに思わず目が点いた。
街の破壊とミミズの戦術
うつむき加減に、でもさあなどと言いかけていたいまいは
俺の声に顔をあげ、大きな声で叫んだ。
はあ?
奥の方で意味不明の声をあげてオリノブが飛び起きる気配がした。
なんだよ朝からうっせえなあ。
そのままブツブツ言いながらやってきた彼も
テレビを見てあんぐりと口を開いたかどうかは見てないが
たぶん開けていたに違いない。
その場に立ち尽くす。
一体どこから現れたのでしょう。
こんなことが現実に起こりうるのでしょうか。
これは毒殺ではありません。これは毒殺ではありません。
主演地域の方は急いで膝を出してください。
なあ。
俺はカラカラに乾いた口を開いた。
あれ、やっぱり。
二人とも何も言わなかった。
わかりきったことだった。
画面に映っているのは
街を破壊しながらのたうつ
全長数十メートルはあろうかという巨大ななめくじだったのだから。
とんでもない状況がテレビの画面に繰り広げられております。
テレビアナウンサーを熱戦するナルトパペットモンスターズのナルちゃんにご注目ください。
やっぱり何とかしとくべきだったのよ。
何とかってなんだよ。
どうしようもなかったじゃん。
あんたはいつもそうやって諦めて見ないふりして
そのうちこうやって取り返しのつかないことになるんじゃん。
なんだよ。俺のせいかよ。
全部が全部あんたのせいだとは言わないけど
半分くらいは責任感じてもいいんじゃないの?
いや半分もないでしょ。
だってあいつ出てきたの俺のせいじゃないし
その後だってどうしようもなかったし。
だからさ、その態度が
態度ってなんだよ。
俺が態度変えればあいつ消えるのかよ。
お、おい。
そんなこと言ってないでしょ。
だけどひょっとしたらもっと早く何とかできてたかもしれないって。
どうしようもなかったって言ってんじゃん。
一体なんだよ。
自分だって今日まで散々ダラダラ過ごしてたくせに
そんなに言うなら具体的にどうすればよかったか言ってみろよ。
ちょ、落ち着けって。
何よ。私が悪いって言うの?
あのな。
俺が悪いならお前も悪いだろうが。
ちょっとお前らいい加減に。
耐えかねて怒鳴ろうとしたその時。
ああ、ああ、ああ。
ああ、あれは、あれはなんだ。
なんでしょ。
という声がテレビから上がり
俺は思わずそちらを見た。
そして
ああ、ああ、ああ。
叫んだ。
二人も何事かと再び画面を見る。
上空からの映像。
よく知っている街だ。
だいたいどこが何かくらいはわかる。
今アップになっているのは
いまいのマンションがあるはずのあたり。
そうとすれば
立ち込める土煙の中にほのみえる
もつれあった赤茶色の塊は
あれは
な、な、な、な、なんということでしょう。
あれは
ミミズ?
そう間違いなくミミズです。
いままさにこの街の真ん中で
巨大ななめくじと
巨大なミミズがたわじております。
何を言ってるかわからねえと思うが
俺にもわからねえ。
相当混乱しているようだ。
今度は紛れもなく
いまいの部屋らしき場所から
あいつが現れたのを見てしまった。
もう言い逃れはできない。
ほら見ろ。
何よ。何が言いたいのよ。
人には散々言ってくれたけど
自分だって何もしなかったじゃん。
それとこれとは
一緒だろうが。
どっから見ても一緒。
だって
あいつが現れたときは
あんたもいたじゃん。
連帯責任でしょ。
そりゃそうだけど
俺が半分追ったって
お前の責任が消えるわけじゃねえだろ?
あんたね
可愛い彼女を守ってやりたいとか
そういう心がけは?
お前最初になめくじの話したとき
なんて言ったよ。
うわ。
昔のこと何持つ男って最低。
男も女もあるか。
あのとき俺の
ソフトでデリケートなハートが
どんなに傷ついたか。
何よ。
元はと言えば
あんたが前の場に約束破って。
ほーらお前だって何持ってる。
持つよ。
だって謝ってもらってもないし。
謝ったよ。
嘘。
嘘じゃねえよ。
覚えてないし。
どうせ
お座なりに適当に
いい加減に
謝ったんでしょ?
なんだよそれ。
俺はちゃんと
精神正義心の底から謝ったっつーの。
都合悪いからって
歴史解散すんなよ。
血では何とでも言えるもんね。
そんな愚にもつかない
血は喧嘩の間にも
テレビの画面の中では
事態が進行していた。
しばらくじっと睨み合っていた。
かどうかは
ミミズには目がないので
よくわからないが
体制的にそんな風に見えていた
2匹の巨大難体動物は
ミミズが動き出したのをきっかけに
お互いに近寄り始め
接触するや否や
激しいバトルを始めた。
上に乗しかかり
ミミズを押しつぶそうとする
なめくじに対し
長い尾を叩きつけ
巻きつけて染み上げるミミズ。
お互い柔らかすぎる上に
なめくじの全身を覆う
粘液で滑るのか
どちらの攻撃も決定だとはならない。
ただ周囲の建物だけが
無駄に破壊されていく。
俺はぼんやりと
ちょっと高雅に住んでいたことを
天に感謝した。
一方
そんなこととはもはや無関係に
2人の喧嘩はヒートアップするばかり。
あー言うたな
ついに言うたな
お前それ言うたら終わりやぞ
知るかこのキモ男
またキモいって言った
その言葉嫌いだって言うとろうが
優しさも誠実さも男気もないくせに
ヘッチばっかりしたがる男なんて
キモいで十分だっつーの
ななななんだよ
お前だって嫌いじゃねえくせに
すぐそういうこと言うし
早いくせにおまけにちっちゃいし
ななななんつーこと
事実じゃ
そんじゃ言わせてもらうけどな
お前最近ちょっと匂いきついぞ
ちょ
あんたねなんてこと
事実なら言ってもいいんだろ
俺の方は先天的特徴だから
どうしようもないけど
お前ちゃんと洗ってねえんじゃないのか
失礼ね洗ってるわよ
隅々まで丁寧にくまなく洗ってるわよ
だいたいサイズはともかく
早い方が努力の主要があるでしょうが
自分が気持ちよくなることばっかり
考えてるから早いんじゃないの
徹底して身勝手なのよ
そんな言うならお前だって
最近すっかりマグロじゃねえか
ちった積極的だっていいじゃん
そういうのはもっと上手に
その気にさせたから言いなさいよ
身勝手男
女だからって受け身な態度
早ねえぞ
流行りすたりの問題じゃないでしょ
あんたがいかに身勝手な
そうろうかって話でしょ
うるさいそうろう言うな
だから事実なんだってば
お前らちょっといい加減にしろよ
人んちでする
ちわ喧嘩にしちゃ生々しすぎるだろう
そういうのは
よそでやれ
だいたい非常事態だぞ
わかってんのか
ミミズの目的地
だってどうしようもないじゃん
あんなの
息ぴったりじゃねえか
俺はため息をついて
あんなのと指さされた
画面に目を戻し
そして眉をひそめた
戦況に変化が
生じていたからだ
というより
単純に戦いの場所が移動している
やがて原因が
わかってきた
一見先ほどまでと同じように
効果の出ない攻撃を
互いに繰り返しているだけのようでありながら
その実ミミズは
攻撃をしては距離を取り
攻撃を受けては
逃げという具合に
いわゆるヒット&ウェイを
繰り返しなめくじを
巧みに誘導しているようだ
街の破壊された跡が
一直線になっているのも
確かな意思の存在を
物語っていた
そしてその先に
人間関係の葛藤
海だ
俺は
呟いた
血は現下を再開させている
二人の耳には届かなかったようだが
その先に海があるのは
間違いない
ミミズに脳ってあるんだっけ
そんなどうでもいい
思考が頭をよぎる
だめだめ
あんたはデリカシーってもんがないのよ
昔っからそういうやつだったわよ
やかましいわ
人のこと散々短章だの
僧侶なの法系なの
ぬかそうなのどこにデリカシーがあるっちゅんじゃ
だからってくさいはないでしょうが
くさいわ
いい言葉だろうが
もとはといえばお前が
どっちが先かって問題
謝れ謝罪の印寿司おごれ
あと焼肉それとフレンチ
ついでにアクセサリーの一つも買ってこい
なんだそれ
ただの欲望垂れ流しじゃねえか
天獣無休で性欲垂れ流してる奴に
言われたかねえってのよ
しょうがないだろ本能だよ
本能
本能のままに生きたいなら仙羅で山にでも行け
私は文明社会で暮らす
もはや何が何だかわからない
虫の類でありながら
きっぱりした目的意識を
ミミズの作戦
持っているミミズのほうが
まだ真剣感が持てる
だってほら
思った通り戦場は海岸へと
移っている
ここに来てミミズは
後世に出た
ビブを巻きつけなめくじを持ち上げようとする
だが
なかなかうまくいかない
全身を覆う念液が
それを妨げている
そもそも
重さだって相当なものだろう
巨大とはいえ
なめくじの体格と比較すれば
華奢とすら言えるミミズに
この作戦は
文字通り荷が重いのではないか
もういいよよくわかった
どんなに俺のことが気に食わないなら
わかるよ
こんな相手と無理して
ミミズの姿消す
一緒にいることはねえだろ
ああそう
そうなんだ
いいよあたしは別に
どうせあんたはあたしと一緒にいて
グチグチ文句言われるより
ルイちゃんと飲み歩いてたほうが楽しいんでしょ
ちょ待てよ
なんで俺が
なーに男に嫉妬してんだよ
お前こそいつもやったらベタベタベタで
イルマに触りまくってんじゃねえか
本当は俺よりイルマのほうがいいんじゃねえのか
昨夜だって
やたらこいつのこと気にしやがって
お、おい
問題じゃないでしょ
誰であろうとお世話になってる人の家で
見栄えなく逆ってくるやつのほうが
非常識ってもんじゃない
いやあのな
よく言うよ結構その気だったくせに
おいって
誰がその気だったってのよ
この突発性重力版
あんたが迫ってくるから仕方なく
うるさーい
俺は怒鳴った
お前らいい加減にしろって言ってんだろ
挙句の果てに人のことまで
気にしやがって
もういいもううんざりだ
二人揃って人の気も知らねえで
ところ構わずイチャイチャイチャ
食い広げやがって
挙句の果てに声をひそめて
追っぱじめるだけじゃ飽きたらず
愚人をつかねえ千和喧嘩まで
見ろよあれを
誰のせいとかそんなこと言ってる場合か
こんなとんでもない
事態を前にしてまで
お前らと来たら
終わったみたいだよ
あ、ほんとだ
二人の声に
毒気を抜かれ
テレビに視線を映すと
ミミズは首をもたげて
海の方を見つめて
いるところだった
どうやらついに
なめくじを海に投げ込むことに
成功したらしい
波間に見える白いものは
なめくじのなれの果てだろう
それは
俺たちが見守る間にも
徐々に小さくなり
やがてすっかり見えなくなってしまった
ミミズは
それを最後まで見届けた後
砂の中へと潜り込んでいき
姿を消した
はぁ
とりあえず
なんか食うか
長い沈黙の後
俺が言うと二人はうなずいた
意外に早く
街は復興した
俺は実家からの心配をよそに
そこにとどまり続けていた
意外はなかったんだし
あんなこと何回も
起こるわけないだろう
部屋を失い
一旦は実家に帰った二人も
もう新しい部屋を見つけて
戻ってきているらしい
実はよく知らないんだけど
大学も一時休校になったおかげで
スケジュールが乱れ
以前と同じタイミングでは
会えなくなっていたからだ
ただ
風の噂によれば
彼らのバカップルぶりは
現在だってことだ
やれやれ
結局あれは何だったのか
結論は出ない
俺は
巻き込まれただけだからともかく
なんで織伸と今井の家だったのか
二度とも
出現場所にいた織伸と
何か関係があるんじゃないのか
わかるわけねえよな
俺は一人ぼっちで
見えるでもなく付けっぱなしにしていた
テレビのスイッチを消す
一瞬
消えていく画面の中に
二匹の巨大な難体動物の姿を
見たような気がした
ケイリー作
激闘
聞いた話である
ただいまの出演
ゲスラー
ひびき
神外ちま
ナルトパペットモンスターズで
お送りいたしました
はい
音声配信のね
楽しみの中に
こういった劇を作ってみるというのも
面白いと思います
本当にね
素人のザッキーがね
編集と一応
演出も担当させていただきましたが
声優さんたちは非常に素晴らしいんですけど
編集もっとこういう音を使ったらいいとか
いろいろあると思います
でもこういって
音声配信でね
こういうものを作って楽しむというのも
一つの楽しみ方だと思いますので
皆さんもぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか
はい今回使わせていただきました
BGM
音源はオーディオストックから
選ばせていただきました
そして今流れておりますエンドロールソング
こちらもオーディオストックから
エトさんのモンスターと曲を
選ばせていただきました
はい
今回ダイジェスト版ということで
ぜひですねフルバージョンを
お聴きいただきたいと思います
フルバージョンはですね
ホームページボイスファンラジオ
こちらの方を検索していただいて
そちらの方からリンク貼っておきますので
ぜひぜひお聴きください
はいどうも最後までお聞きいただきまして
ありがとうございました
水縄トーサンザッキーでした
29:56

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