2021-08-20 08:27

#55 番組レビュー Red Frontier : Spotifyの実験番組(前半)

音声業界の海外市場が見えてくる番組 ポッドキャストアンバサダー

業界目線の番組レビュー

Spotify限定配信の番組から見る、実験的番組とは?


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音声業界の外外市場が見えてくる番組、PODCAST AMBASSADOR。この番組では、自称オーディオジャーナリストであるあらいりなが、音声を通じて、音声業界の気になるニュースや注目の動きをお伝えします。
音声配信者やポッドキャスターが知っておきたい情報、音声配信が気になっている企業に役立つ視点を、業界目線とリスナー目線でお届けしていきます。
さて、今回は久しぶりに番組レビューをしていきたいと思います。昨年から何本もですね、実はお勧めの番組レビューをしてきたんですが、今回は普通のあらすじが面白いというようなレビューではありません。
レビューはレビューでも、業界目線、コンテンツ制作という視点で切り込んでいきたいと思います。今回は前半と後半に分けて、2回にわたってこの番組を深掘りしていきます。
前半の今日は取り上げる番組の紹介と注目ポイントを取り上げます。本編の書き起こしをご覧になりたい方は概要欄にリンクを貼っておりますので、そちらからご覧ください。
さて今回は業界目線の番組レビューです。まずは番組を紹介していきたいと思います。タイトルはRed Frontier。SFフィクションの番組です。
制作元は2019年にSpotifyに買収されたギムレッドメディア。本作は今年7月にリリースされたSpotify限定の最新作です。物語の始まりは火星。
火星植民地下を目的としたチームの一員として、宇宙に渡った女性司令官。ただ、謎の伝染病でチーム全員を失ってしまいます。孤独にミッションを完了すること3年。別のチームが到着し、1人生き残った彼女を発見するもそこには不可解な謎が。伝染病はなぜ広まったのか。どうして彼女だけ生き延びたのか。謎が深まるSFスリラーです。
と、ここまでがよくある番組レビューなんですが、ここからは早速、ポッドキャストアンバサダー的コンテンツ制作という視点で、業界目線でこの番組の面白いポイントに切り込んでいきたいと思います。今回の大きなポイントは3つ。
まず1つ目はエピソードの長さです。海外、特にアメリカのポッドキャスト番組の長さというのは、日本でよくある配信と比べると結構長いんですね。例えばストーリーテリングタイプの番組だとだいたい1時間弱。
ポッドキャスト界で一番稼いでいると言われている、ジョー・ローガン氏のインタビュー番組は2時間超えも多いんです。で、今回紹介している番組はポッドキャストの作り方のタイプで言うと、フィクション・ストーリーテリングタイプ。一概には言えないんですが、私が今まで聞いてきたフィクション系もだいたい1エピソード、20分から30分前後が数年前までの普通という感覚でした。
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で、今回の作品はどうかというと、それが短いんです。現段階でリリースされているこの番組のエピソードを見てもですね、すべて15分以下、短いもので10分を切ってるんですね。いわば今までの普通と言われる長さの半分の長さでエピソードを構成してきています。
続いて注目ポイント2つ目は、エピソードリリースの頻度です。これもですね、数年前の普通と違います。今回毎週配信してるんです。週1回。これ、実は国内の多くの音声配信者の方からすると、「へー、週1回か。毎日配信じゃないのね。」と思われる方も多いかもしれません。
が、これ実は海外のリリース頻度からすると、週1回というの結構早い方なんですね。今回の番組はフィクション番組。脚本も他のテレビ番組で有名な脚本家が作っていたり、もちろん声優を担当するのも有名な俳優ぞろい。
そんな作り込みの番組の場合、大抵2週間に1回エピソードをリリースするものが多いんです。特に今回制作を手掛けている会社ギムレットの番組を、過去のものジャンルを問わず見ても、大抵2週間に1回リリースのペースが多い。
だからこそ、今回のようなこういう作り込み、しかもエンタメ系ジャンルにおいて、週1回リリースというのは個人的には結構珍しいという感覚でした。そして最後の注目ポイント。ここは一度にリリースされるエピソード数です。これがですね、また驚き。毎週1話ずつじゃないんです。
最初の8話までは一度に2話同時リリースされていました。これいろんな音声配信者の方の話を聞いてもですね、音声配信をコツコツ続けていくポイントは、毎週決まった曜日決まった時間に配信をしていくということをよく聞くんですが、今回の例はこれを結構かき乱しているとも言ってもいい例なんですよね。いい意味で。
今回は最初の4週間で8話まで一気にリリースをして、その後は1本ずつという今までにないリリースのペースでした。さてここまで今回の注目ポイント3つ。エピソードの長さが短い、リリース頻度が早い、そして一度のリリース本数が違うというところを挙げてきました。じゃあこれが一体何を意味しているのかということです。
これはですね私スポティファイが実験してるんだと思うんです。スポティファイはもともと音楽のストリーミングサービスで業界を台頭してきましたが、近年ではポッドキャスト実況に非常に力を入れていて、今年中にはですねなんとポッドキャストの視聴者数がアップルを超えるとも言われています。
ここにきてポッドキャストの配信方法についても最適な長さ、頻度というものについて実験をしてるんじゃないかなと思うんですね。
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実は今回取り上げた番組以外にも今回のようにリリース頻度や番組の長さが今までの普通と違うものがありました。エピソードの長さは今回と同じく短めな一方で、リリース頻度は例えばシリーズ丸ごと一挙公開という方法を取ってたんですね。
やはり今、ポッドキャストに力を入れているスポティファイは、プラットフォームとして他人が作ったポッドキャストが聞けるというだけではなくて、さらにもう一歩深掘りをしてですね、ポッドキャストを制作する立場で今のリスナーに最適な長さ、リスナーが満足するリリース頻度というのをこういう番組を使って探ってるんじゃないかなと深読みをしてみました。
さて、今回は久しぶりの番組レビュー、スポティファイ限定配信のRed Frontierを取り上げました。
エピソードの長さやリリース頻度が今までとは違うといったところから、スポティファイが買収した制作会社だからこそ、いろいろ実験している番組なのではないかなという深掘りをしていきました。
普通のレビューではなくてですね、業界目線のレビュー、結構マニアックな視点ではあるんですが、コンテンツ制作視点で番組を聞くというのも結構私、面白くてやっています。
さて、次回もこのトピックでさらに深掘りします。今回取り上げた番組から見えてきたスポティファイの実験、ではその目的とはどんなものなのか、そこをさらにですね、深掘りをしていきたいと思います。
今のリスナーに最適な長さ、リスナーが満足するリリース頻度というのを探った先に、スポティファイは何を見ているのか。
次回もポッドキャストアンバサダー的視点でお送りしていきます。お楽しみに。
今回のエピソードの感想は、書き起こし配信をしているノートのコメント欄やツイッターにてお待ちしております。
そして今回の放送が役に立った、面白かったという方は、ぜひApple Podcastやスポティファイからのフォローやレビューも嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ポッドキャストアンバサダーのあらいりながお送りしました。
それでは次回のエピソードで。
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