2022-03-13 11:28

第3話 執念の取材

取材を続ける中で、阿部雅美は、鹿児島県や福井県でも若いアベックが蒸発、失踪していたことを知る。

おぼろげながら、ある国の関与が頭に浮かんでくる。そして、遂に決定的な事実を突き止める。

新潟県柏崎市で、ある日突然、若い男女が姿を消していたのだ―。

 

【原作】 阿部雅美『メディアは死んでいた―検証 北朝鮮拉致報道』
【語り手】柳亭市好
【制作】 産経新聞社

 

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00:01
第3話 周年の取材
産経新聞社がお届けする音声ドキュメント
北朝鮮による日本人拉致事件
原作 産経新聞出版 安倍政美著
メディアは死んでいた 検証 北朝鮮拉致報道
2018年3月12日
初版発行 製作 産経新聞社
案内役は私 話科の劉邸一光です。
取材を続ける中で、安倍は
鹿児島県や福井県でも若い安倍区が 蒸発、失踪していたことを知る。
おぼろげながら、産経新聞社の 安倍政美は
そしてついに、決定的な事実を突き止める。
新潟県鹿島崎市で、ある日突然、 若い男女が姿を消していたのだ。
工業がひどく遅れた国で作られた いくつもの異流品。
やや違和感のある日本語。
訓練を通じて、若い産経新聞社の 若い産経さんたちが
豊山での取材結果を整理すると、
全てが一つの方向、 北を指し始めたように感じた。
北朝鮮のことである。
むろん、他の様々な可能性にも 思いを巡らせたが、
どんなに想像をたくましくしても、 それ以外の可能性は思い浮かばなかった。
勝手な思い込みではなく、 自分の考え方で考えた。
何度も自問したが、 足で集めた事実からの自然な推測だった。
特別な取材をしたわけではない。
現場の聞き込みや、目撃者、 被害者の証言を集める取材は、
試験記者のうろはだ。
次々に湧く疑問を解きながら、 取材さえすれば、
記者であれば誰でも同じ結論に 行き着いたはずだった。
ただし、現地取材では、 北朝鮮という国名は一度も耳にしなかった。
北朝鮮の犯行だと、 警察が考えなかったのはおかしいと思われるかもしれない。
しかしそれは、今だから言えることだ。
弁護するわけではないが、 警察は隠蔽していたわけではない。
日本人や日本人の犯罪に関しては、 警察は隠蔽していたわけではない。
03:02
警察は隠蔽していたわけではない。
日本人を襲って、船で北朝鮮へ連れ去るなどという事案は、
戦前戦後を通じて、 一見も明らかになっていなかった。
全くの想定外だった。
拉致事件を振り返る際に、大事なことの一つは、
拉致が周知のこととなっている今の常識ではなく、
当時の常識で事件を見ることだと思う。
富山の取材を通じ、私は、
ひょっとしたら、あのまま連れ去られたケースが あるのではないかと思うようになった。
東京に戻ると、福井と鹿児島でも、
アベックが蒸発していることを新聞記事で見つけ、
現地取材でその事実を確かめた。
富山、福井、鹿児島。
日本海東シナ海の浜に記された3点を、
どう線に結ぶのか、結べるのか。
いずれも、20代の若い男女のデート中の出来事である。
家出、心中、事故。
一般事件の可能性は極めて薄い。
1978年7月から8月の40日ほどの間に集中して起きている。
現場が海岸の近くである。
付近に北朝鮮不信線の目撃情報がある。
過去に北朝鮮工作船が密入国した地点に近い。
取材で集めた事実、情報から記事にできると考えた。
しかし残念ながら、一旦記事掲載は見送られた。
富山、福井、鹿児島の3県とも既に報じられている。
というのが理由の一つだった。
私はどこにも報じられていない。
埋もれた事件を掘り出すことができれば、記事が掲載される可能性があると考えた。
生産は全くなかったが、日本海に沿った警察署に片っ端から電話で問い合わせた。
お宅の館内で若いアベックが蒸発していますよね。
どこもないと答える中、
新潟県の柏崎警察署だけは教えられないという。
この回答の仕方は、蒸発した事件があったということだ。
06:07
私はすぐに柏崎市に向かったが、柏崎警察署のガードはことのほか堅かった。
家族の強い希望で非公開なのだから話すわけにはいかない。
の一点張りだった。
無論、地元市にも一切報じられていなかった。
縁もゆかりもない土地、海辺に近い民家、商店を手当れ次第に尋ね歩いた。
海岸からいなくなった若い男女知りませんか?
誰一人知らなかった。
海岸からいなくなった。
手詰まりだった。
しかし、非公開ではあっても、息子娘のみを案じる家族が何もしないはずがない。
友人知人を頼りに探し回ったに違いないのだ。
だとすれば、当時人口8万人余りの柏崎市内でも、
少なくとも50人あるいは100人近い人たちがそのことを知っているのではないだろうか。
突然いなくなった男女、誰か知りませんか?
大きくそう書いたのぼり旗でもおって、朝の通勤通学の時間帯に柏崎駅前に立っていれば、
知っているという人が現れるかもしれなかった。
それを実行せずに済んだのは幸運としか言いようがない。
のぼり旗作りの手順を考えながら乗り込んだタクシー運転手に、
その日何十回目かの同じ質問を繰り返した。
海岸からいなくなった若い男女、知りませんか?
バックミラー越しに睨みつける運転手に、東京の新聞記者であることを告げると、
タクシーは急にスピードを上げ、田端が転在する郊外へ向かって走った。
ここだよ。
卸された民家の標札に、羽水家とあった。
後に北朝鮮から帰国し、現在は翻訳家として活動している羽水家香里さんの実家だった。
羽水家さんのお父さんとお母さんは辛労から疲れ切って見えた。
どうしてうちがわかったんですか?
09:02
突然の来訪に少し驚かれたようだったが、今で真摯に取材に応じてくれた。
新潟事件の概要は次の通りだ。
1978年7月31日
夏休みで東京から柏崎市の実家に帰省中だった中央大学3年、羽水家香里さんが
グループ交際をしていた奥戸幸子さんと海岸へデートへ出たまま戻らなかった。
当時香里さんは20歳、幸子さんは22歳。
デート中の20代の若い男女だった。
富山、福井、鹿児島のケースとそっくりなのだ。
これは音声ドキュメント北朝鮮による日本人拉致事件のシリーズ第3話です。
皆様から番組の感想をぜひ聞かせてください。
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この作品は元産経新聞社会部記者阿部正美による著書
メディアは死んでいたを再構成したものです。
案内役は龍亭一皇でお送りしました。
第4話巨峰と言われたスクープ
阿部は拉致事件を暴く歴史的な記事を書きます。
しかし待ち受けていたのは世間の思いもよらぬ反応でした。
では次回
あなたは拉致をいつ知りましたか?
第4話
11:28

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