1. 推し活未来研究所
  2. 「スタバと推し活」—現代最強..
2025-10-27 22:12

「スタバと推し活」—現代最強の"推されるブランド"はいかに生まれたか?【推し活未来研究所】

『推し活未来研究所』🎧 毎週月曜あさ7時配信!ビジネスとカルチャーをつなぐ「推し活」の世界を、ほっこりトークでお届けする番組へようこそ!Z世代の推し消費トレンド、社員のエンゲージメントを高める「社内推し活」の可能性、ファンに熱烈に”推される”ブランドやサービスの作り方など、身近でちょっと気になる推し活関連のトピックをピックアップ。難しい専門用語は使わず、「ゆるっと深掘り」していきます。聴いていると元気が出て、明日からのちょっとした活力になるような番組を目指しています☀️▼ パーソナリティ矢澤 綾乃株式会社KAZAORI (https://kazaori.co.jp/) 代表取締役ファンやコミュニティの「好き」や「熱量」を起点に、企業のマーケティング支援、ブランドプロデュース、新規事業開発などを手掛ける。推し活の記念日やイベント等を華やかに彩るバルーン事業なども展開し、「好き」を形にするための多様なサポートを提供している。現役ベーシスト様々なアーティストのライブサポートやレコーディングに参加するミュージシャンとして、現在も活動中。推す側・推される側の視点を持つ「現場あがり」の実践者アーティスト/クリエイター側と、それを応援するファン側の両方のリアルな視点と経験を持つユニークな存在。この経験を活かし、“推し活×ビジネス”の新しい可能性を日々探求し、そのインサイトを番組で分かりやすく発信しています。▼ 応援&メッセージはこちら📣あなたの推し活体験やアイデアが、番組をもっと豊かにします!ぜひお気軽にご参加ください。SNSで参加: 番組へのご感想、あなたの「推し」紹介、熱い推し活エピソード、ビジネス活用アイデアなどを、ハッシュタグ #推し活未来研究所 をつけてぜひ投稿してください!Podcastを応援: SpotifyやApple Podcastで番組をフォローし、レビューや星評価(☆☆☆☆☆)をいただけると、制作の大きな励みになります!専用フォーム: 長文のメッセージや、SNSを使わない方はこちらからどうぞ。 https://forms.gle/zSD7LYrAscxYCoh79▼ 視聴・聴取はこちらから▶️ライフスタイルに合わせて、お好きなプラットフォームでお楽しみください!YouTube: 最新エピソードの視聴やアーカイブはこちら!チャンネル登録もお願いします🔔 https://www.youtube.com/ @oshikatsu_laboSpotify: 通勤・通学中やお休み前など、耳で楽しむならこちら! https://x.gd/9kSbnApple Podcasts: iPhoneユーザーの方はこちらも便利です! https://x.gd/lxYcKそれでは、また月曜あさ7時にお耳にかかりましょう!

サマリー

本エピソードでは、スターバックスとそのブランドの形成について探討している。著書『スタバ社長だった父が息子に綴る仕事と人生の本質』を通じて、スターバックスのミッションや人間中心の哲学が推し活文化に与える影響を深く理解することを目指している。スターバックスが他のブランドと異なる点は、従業員の心理的安全性を重視し、顧客とのつながりを大切にする文化にある。また、インクルージョンダイバーシティを推進する姿勢が、現代の消費者に支持される理由となっている。

スタバと推し活の導入
こんにちは。株式会社KAZAORIの矢沢 彩乃です。
推し活未来研究所へようこそ。
この番組では、ますます盛り上がりを見せる
推し活をビジネスの視点から、そして時には私自身の経験も交えながら、楽しくそして深く紐解いていきます。
私は普段、推し活をテーマにしたビジネス、
例えばファンの皆さんがイベントを一緒に盛り上げられる
福ートというサービスを提供しています。
それと同時に、ベーシストとしてアーティストさんのバックでベースを弾かせてもらっているので、
推す側と推される側、両方の視点を持つ私だからこそ見えてくる
推し活の面白さや可能性を皆さんと共有したいなと思っています。
さて皆さん、仕事の合間などにコーヒーを飲んだり、ちょっとカフェで仕事なんてことありますよね。
その時、どこのお店を選びますか?
私はよくスターバックス、スタバを選んでしまうんですよね。
そう、本日のテーマは、スタバと推し活、現代最強の推されるブランドはいかに生まれたか、です。
この緑のマーメイドのロゴを見ない日はないかもしれません。
私たちの日常に深く根付いて、もはや推しと呼べるほど愛されている存在になっています。
SNSを見れば、スタバ新作、今日のスタバカスタム、
スタバで勉強タイムといった投稿で溢れ、好きなアイドルのアクリルスタンドと一緒にグラベチーノを撮ったり、
友達と集まってグッズを広げたりする光景はすっかりお馴染みになりました。
なぜ多くの人々が、ごく自然にスターバックスという空間に引き付けられ、そこを自分の居場所として選ぶのか。
実は最近、その理由が腑に落ちるようなあるきっかけがあったんです。
それが、一冊のフォントの出会いでした。
元スターバックスコーヒージャパンCEO、岩田松尾さんの著書、
スタバ社長だった父が息子に綴る仕事と人生の本質です。
この本は単なるビジネス書ではありませんでした。
岩田さんがご自身の2人の息子さんに向けて綴った40通を超える手紙という形を取った、とても温かいメッセージだったんです。
私もよくビジネス書などを読むのですが、この本一冊で仕事の本質をすべてわかりやすくまとめてくれているなと感じました。
もし読書が苦手という方でも、すごく読みやすい一冊だと思います。
そして、読み終えて気づいたんです。
私がこれまでスタバに対して感じてきた心地よさや、ファンたちが自然と集う理由、
そのすべてがこの本に書かれている哲学、岩田さんが大切にされてきたミッションという考え方につながっていると。
このミッションという考え方がキーワードになり、すべての軸だったんです。
まるでこれまで見てきた現象の裏側にある仕組みや、根本的な考え方を初めて見せてもらったような感覚でした。
そこで今日の推し勝つ未来研究所は、この岩田さんの著書から得た感動と洞察を新たな視点として、もう一度スタバと推し勝つの世界を研究していきたいと思います。
スタバが押されるブランドである理由は、決して匠のマーケティング戦略だけにあるのではありません。
それは一人のリーダーが信じ、会社全体で実践し続けた人間中心の揺るぎない哲学がめぐりめぐって私たちのもとに届き、
文化として花開いた結果だったんです。
この壮大な物語を皆さんと一緒に紐解いていきたいと思います。
番組を聴いての感想や、あなたのスタバ推し勝つエピソードなど、ぜひハッシュタグ推し勝つ未来研究所でシェアしてくださると嬉しいです。
それでは早速本編に入っていきましょう。
サードプレイスの概念
まずスタバが、なぜこれほどまでに私たちの日常に不可欠な存在になったのか。
その根幹には、あまりにも有名なサードプレイス、つまり第三の居場所という概念があります。
家庭が第一の場所、職場や学校が第二の場所、そしてそのどちらでもない社会的な役割から解放され、自分らしさを取り戻せるニュートラルな空間が第三の場所です。
しかし岩田さんの本を読んで、私はこのサードプレイスという概念のさらに奥深い意味に気づかされました。
これは単なる優れたマーケティングコンセプトではなかったんです。
これはスターバックスが掲げるあるミッションを物理的な空間として形にしようとする試みそのものだったんです。
スターバックスには世界共通のミッションがあります。
それは人々の心を豊かで活力あるものにするために、一人のお客様、一杯のコーヒー、そして一つのコミュニティからというミッションです。
サードプレイスとは、この人々の心を豊かで活力あるものにするという抽象的なミッションに対して、スターバックスが出した具体的な答えだったんです。
どうすればコーヒーを通じて人々の心を豊かにできるのか、その問いへの答えが、家でも職場でもない心からリラックスできる空間を提供することだったんです。
そう考えると、スタバの店舗デザインのすべてが、このミッションを達成するための緻密な設計であることがわかります。
例えば、店内のBGMや人々の話し声が混じり合った、あの心地よい環境音。
これには、F分の1揺らぎと呼ばれる、人の心を落ち着かせる効果のあるリズムが含まれていると言われています。
また、一人で集中したい人のための窓際のカウンター席と、友人との会話を楽しむためのソファー席が自然に分けられていることや、温かみのある照明の色合い。
これらはすべて、お客様の心を豊かにするという一点から逆算されてデザインされているんです。
皆さんは、仕事をしたり作業をするとき、静かなところやイヤホンなどで自分の環境を整えるタイプでしょうか。
私は割と、程よく周りの環境音があった方が仕事がはかどるタイプです。
逆にイヤホンなどで音楽などをはっきり聞いていたり、静かすぎる環境だと集中できないタイプかもしれません。
店内の食器の音や、たまに聞こえる人の会話、小さめの音楽など、ちょっとザワザワした感じの方が落ち着きますね。
つまり、私たちがとりあえずスタバでとなるあの居心地の良さは、風船の産物ではありません。
それは壮大なミッションを達成するために、空間の隅々にまで埋め込まれた哲学の表れなんです。
ファンが求める心理的な安全自体は、企業が掲げる人を大切にするという理念そのものによって作り出されていたんですね。
スタバはコーヒーを売っているのではありません。
ミッションを体現した体験と空間を私たちは買っていたんです。
スタバの大きな魅力の一つが、豊富なカスタマイズオプションですよね。
シロップの変更、ミルクの種類、ソースの追加、この自由度の高さが推し活文化と非常に高い親和性を持っていると感じています。
このカスタマイズの魅力は、自分だけの推し方を見つける喜びにあるのかもしれませんね。
実は、もともと私はスタバデビューがすごく遅くて、スタバってサイズの名前も独特だし、カウンターでいざメニューを見てもカタカナばかりでよくわからなくて緊張してしまって、最初はすごく苦手でした。
実は、私10年以上前にアルバイトでキュレーションサイトのライターをやっていたことがあったんです。
そこで、スタバ初心者向けのオーダーの仕方やメニュー紹介の記事を書いたんですが、それがめっちゃ当たっていろんなネットニュースに取り上げられたんです。
それが私のスタバ推しになったきっかけで。
すごく余談なんですが、今ってAIで文章をほとんど書けちゃうけど、本当にまだ10年くらい前ってちゃんと人が書いてたんですよね。
調べたりすることもあって、1記事2、3時間はかかってましたね。
10年経つとこんなにAI技術が進化して、一瞬で記事が書けちゃうような世の中、改めて時代を感じます。
さて、スタバの話に戻しましょう。
SNSでもたびたび話題になる推しカップを皆さんご存知でしょうか。
これはスタバのモバイルオーダーペイという事前注文システムを利用した遊びで、アプリに登録するニックネーム欄に自分の名前ではなく推しの名前や推しに関連するメッセージを入力するんです。
すると商品を受け取ったとき、カップに貼られたラベルに自分の推しの名前が印字されているんですね。
たったそれだけのことなのに、ただの紙コップがその瞬間自分と推しだけの特別なグッズに生まれ変わるんですよね。
ライブ会場に近いスタバ店舗などで推しの名前をニックネームにしていたら、店員さんからライブ楽しんでくださいねなんてメッセージが書いてあることもあるそうです。
こういう遊び心もスタバならではですよね。
もう一つの創造的な遊びが推し色ドリンクです。
これは推しのイメージカラーに合わせてドリンクの見た目をカスタマイズするというもの。
例えば推しが赤色担当だからファッションティーにホワイトモカシロップを追加してピンク色のドリンクを作ろうといった具合に、
ファンは豊富な選択肢を駆使して、まるで絵の具を混ぜ合わせるかのようにオリジナルのドリンクを創作しています。
これは自分の推しへの深い知識と愛情を表現する極めてクリエイティブな活動になっているんです。
これらの現象を見て、私はこれまでスターバックスはファンに遊びの余白を提供しているのがうまいなと考えていました。
企業がこう楽しんでくださいと指示を出すのではなく、ファンが自分たちの文脈で自由に使いこなし、新しい文化を生み出している。
これこそ現代におけるブランドとファンの理想的な関係性だと。
しかし岩田さんの本を読んで、この遊びの余白がどこから生まれてくるのか、その根源を理解することができました。
それはスターバックスの内部に深く根付いた信頼とスタッフに判断を任せる文化がそのまま外側のお客様との関係に反映された結果だったんです。
岩田さんの哲学の中心には、人を信じ任せるという考えがあります。
その最も象徴的な事実が、スターバックスには接客方法を細かく定めたサービスマニュアルが存在しないということです。
これは後ほど詳しくお話ししますが、会社が従業員、パートナーを心から信頼している証です。
この内部での信頼と自由の文化が、ブランド全体の雰囲気を作り出します。
マニュアルに縛られず、自分の頭で考えて行動することが推奨される職場で働くパートナーたちは、自然とお客様に対しても柔軟で、心が広い姿勢で接することになります。
この内側から滲み出る自由な空気を、私たち顧客は無意識に感じ取っているのではないでしょうか。
だからこそ、ファンはこんな風に使ったら怒られるかなと躊躇することなく、ニックネーム機能で遊んだり、複雑なカスタムを考えたりできるんです。
ブランドが提供するシステム、モバイルオーダーというキャンバスに、自販家が自由に絵を描けるのは、そのキャンバスの周りの空気そのものが信頼と許容に満ち溢れているからです。
顧客が感じる創造的な自由は、従業員が受け取っている組織的な自由が鏡のように映し出されたものだったんで。
スターバックスの接客哲学
企業が内側で大切にしている価値観は、格層としても加速しきれません。
それは必ず顧客体験として外側に現れる。
この文化が広がっていくような現象こそ、押しカップや押し入れドリンクを生み出した本当の原動力だったのではと思います。
さて、ここからが今日の話の核心です。
私たちがスタバで感じる、あの何とも言えない心地良さ、安心感、そして時折SNSを賑わせる神対応と呼ばれるような奇跡の接客、そのすべての厳選はどこにあるのか。
その答えこそ、岩田さんの著書が教えてくれた徹底したミッション経営と、そこから生まれる人を大切にする文化にあります。
改めてスターバックスのミッションを思い出してみましょう。
人々の心を豊かで活力あるものにするために、一人のお客様、一杯のコーヒー、そして一つのコミュニティから。
岩田さんはこのミッションが壁に飾られる、半なるスローガンではなく、全従業員、彼らがパートナーと呼ぶ仲間たちの日々の行動の道しるべになっていることの重要性を説いています。
その思想を最もはっきりと象徴しているのが、先ほども少し触れた、スターバックスには接客方法を細かく定めたサービスマニュアルが存在しないという事実です。
これは本当に驚くべきことですよね。
通常チェーン店では、サービスの品質を均一化するために分厚いマニュアルを用意するのが常識です。
しかし、スターバックスが提供したいのは、マニュアル化された画一的な作業ではありません。
人の心に寄り添う、その場その瞬間限りの感動体験なので。
岩田さんの著書やインタビューを読むと、このマニュアルなしの方針は、パートナーに対する会社からの絶大な信頼の証であることがわかります。
会社はパートナーに、あなたを信じている、だから目の前のお客様の心を豊かにするために、あなた自身の頭で考え、最善だと思う行動をとってください、とその判断を委ねているんです。
このようなミッション経営とパートナーへの信頼というエンジンがあるからこそ、時折SNSで話題になるような心温まる神対応が生まれているんです。
これは決して偶然の美談ではありません。スターバックスというシステムが生み出すべくして生み出した必然の奇跡なんです。
例えば、店内で泣き出した赤ちゃんのために、あるパートナーがコーヒー豆をカップに入れて、ガラガラという即席のおもちゃを作ってあやしてくれたというエピソードがあります。
こんな対応、マニュアルのどこにも書かれているはずがありません。
スターバックスの文化と従業員
これは目の前のお客様の心を豊かにするというミッションに立ち返ったパートナーが、自律的に考え行動した結果なんです。
最近、私がSNSで見つけて心を打たれたエピソードもまさにこの哲学を体現しています。
ある方が、車で寝てしまった赤ちゃんを乗せてドライブスルーを利用したそうです。
その際、モバイルオーダーのニックネームを、「赤ちゃん寝てます。」と登録して注文しました。
すると、商品を受け取る際、対応してくれたパートナーはいつもよりずっと小さな声で、「赤ちゃん寝ているんですか?」と話しかけてくれたそうです。
さらに、受け取ったカップには、スヤスヤと眠る猫の可愛いイラストまで描かれていたと。
また、別の方は、ニックネームを、「家に猫がいます。」と設定したところ、カップに猫のイラストを描いてもらえたという投稿をしていました。
これらの行動は、誰かに指示されたものではありません。
ニックネームというささやかな情報から、お客様の背景を想像し、どうすればこの方の心を少しでも豊かにできるだろうか、と考えたパートナー一人一人の想像性の発露で。
このように、パートナーがマニュアルの指示待ちではなく、自律的にそして想像的に行動できる環境を、心理学では心理的安全性が高い状態と言います。
そして、この内側で働く人々の心理的な安全性が、そのまま外側、私たちお客様が感じる居心地の良さや安心感に直結しているんです。
パートナーが安心して働ける場所だからこそ、私たちも安心して自分を開放できる。
この素晴らしい文化は、具体的な数字にも表れています。
スターバックスジャパンの従業員満足度は89%、そして離職率は4.8%という、特に離職率が高いと言われる飲食業界においては驚異的とも言える数値を記録しています。
これは、パートナーたちが自分の仕事に誇りを持ち、会社から大切にされていると感じている何よりの証拠です。
岩田さんは著者の中で、企業の目的は利益の最大化だけでなく、世の中を良くするために存在しているという本質が大事だと語っています。
そして、社員を大切にしない企業は決してブランドにはなり得ず、ミッションの実現もできないと。
まさにこの人を大切にするという哲学こそが、スタバの全ての強さの根源であり、私たちが無意識のうちに応援したくなる、あの温かい雰囲気の正体だったんです。
モバイルアプリとリワードプログラム
スターバックスの強さは、その人間中心の哲学が、デジタル時代や現代社会の価値観の変化にも見事に対応し、むしろその価値を増幅させている点にもあります。
まず、多くの人が利用しているモバイルアプリとリワードプログラム、スターバックスリワードを見てみましょう。
一見すると、これは単なるポイントプログラムや便利な注文ツールに見えるかもしれません。
しかし、その設計思想には、やはりスターバックスならではの、人と人との繋がりを大切にする哲学が貫かれています。
このプログラムでは、購入額に応じてスターがたまります。
このスターというネーミングがまず主一ですよね。
単なるポイントではなく、スターと呼ぶことで、まるで押し風で応援している相手からもらえる特別な勲章のようなエモーショナルな価値が生まれます。
そして、このプログラムの進化は、ポイントがたまること以上に、簡易になることで得られる特別な体験にあります。
例えば、誕生月にはドリンクがプレゼントされたり、新商品の情報を誰よりも早く知ることができたり、限定グッズの先行販売に参加できたり、
これはもうロイヤリティプログラムというより、ブランドが運営する公式のファンクラブに近い存在でしょう。
さらに大きな視点、スターバックスが社会に対して打ち出している価値観について考えてみたいと思います。
これは現代のファンが、なぜその対象を押すのかという理由を考える上で、非常に重要な要素になっています。
スターバックスは近年、インクルージョンダイバーシティを経営の重要な柱として掲げ、ノーフィルターというテーマを打ち出しています。
これは、先入観や思い込みといったフィルターを持たず、全ての人のありのままを認め合い尊重するという社会に対する強い意思表明です。
そして、これは単なる美しいスローガンでは終わっていません。
同性パートナーシップ制度の導入や、聴覚に障害のあるパートナーが中心となって、周囲でコミュニケーションを取るサイニングストアの運営など、具体的な行動をもってこの約束を社会に示し続けているんです。
では、なぜこの企業の姿勢がここまで心に響くのか?
自分の好きなことやアイデンティティを堂々と語れずに孤独を感じた経験がある人もきっと少なくないと思います。
そんな中で、スターバックスというみんなの日常にあるブランドが、いろんな人のあり方をちゃんと受け入れると行動で示してくれていること、それが見えた時、ここなら自分の好きをそのまま大事にしてもらえるって自然に感じるんですよね。
つまり、企業が発信している、多様性を大切にしますというメッセージと、自分の好きなものを安心して肯定してもらいたいという願いがピタッと重なるんで。
企業の姿勢と顧客の心
だからこそ、スターバックスはただのコーヒー屋さんじゃなくて、自分の味方だって感じられる場所なのかもしれませんね。
スタバの一人のお客様、一つのコミュニティからというミッションも、今の時代にぴったりです。
それはもう、お店という場所を越えて、価値観で繋がる心のサードプレースを作っているようなものだと思います。
今日は、スターバックスはなぜ押されるのかというテーマを、元CEOである岩田松尾さんの著書を通して深く掘り下げてきました。
私たち企業や、これからブランドを築いていこうとする人々にとって、このスターバックスの物語から学べること。
それは、第一に、商品を売るのではなく体験を提供するという発想の転換。
第二に、お客さんを単なる消費者ではなく、参加者として巻き込む仕組みの重要性。
そして何より、従業員満足度の高さが、巡り巡って顧客満足度に繋がるという、当たり前でありながら最も難しい、働く人を大切にするという原則です。
ブランドは舞台を用意する。しかし、そこでどんな物語が演じられるかは、主役であるファン自身が決める。
本当に大切なのは、ファンに媚びることではなく、自分たちのブランドが信じる哲学を貫き、ファンが自らここを私たちの場所にしたいと思えるような、本物の文化を育むことなのかもしれませんね。
岩田さんの本に影響を受けて、私も風織りの経営理念や、今後の目標をすごく考えさせられました。
岩田さんご自身が、人間力で選ばれてきたリーダーだからこそ、現場の声も大切にされているという姿勢が、私の理想とする経営者像と重なる部分が多く、他の序章も今読んでいるところです。
ぜひ将来お話ししてみたい経営者の一人で。
今日のおしかつ未来研究所、いかがでしたか?
この番組では、皆さんからの質問や感想も募集しています。
あなたのおしかつ体験や、この企業のおしかつ戦力がすごいといった事例があれば、ぜひハッシュタグおしかつ未来研究所をつけて、あなたの声を聞かせてください。
それでは次回のおしかつ未来研究所でまたお会いしましょう。ありがとうございました。
22:12

コメント

スクロール