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西ベンガルの月という歌集で、須田さと氏という方の本なんですけど、
製造業のサラリーマンの方で、インドの西ベンガル地方の工場に
単身赴任している男性の歌集なんですよね。
すごくサラリーマンの日常をよく歌っていて、
すごい芸術に走っているというよりかは、
こういうしんどいことあるよね、みたいなこととか、
現地の人と一つ大変だよね、みたいなしんどさと寂しさ。
仕事しんどいだけだとサラリーマン線流になっちゃうんですけど、
そこで踏みとどまって、人生の哀愁みたいなのが入っていて、
サラリーマンの生活記録だけかなと思ったら、
いきなりすごくどでかい、なんていうんでしょうね、
世界の空虚な感じを読んだ歌がバッと入ってきたりとか、
ちょっと油断のならない感じの本なんですよね。
あと古代仏教の話とか、
岩石川に死体が浮かんでいるよね、みたいな情景とかも読みつつ。
そういうことがいろいろ、
単身不倫の旅日記みたいなところと、
異国の情緒を単化という形に押し込めたみたいなところと、
いろんな幕の内弁当のような歌集ですね。
という位置を使わずとも開いてみていただきたい。