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2025-09-03 04:56

ブリューゲル(父)「バベルの塔」

世界の名画ランキング第31位 ブリューゲル(父)「バベルの塔」のご紹介

サマリー

美術館で、マリアさんとトミーさんがピーテル・ブリューゲル父の絵画「バベルの塔」を観賞しています。二人はその詳細や描かれた景色について語り合います。この作品には人間の協力と傲慢さが描かれており、観る人々にさまざまな物語を呼び起こします。

バベルの塔の観賞
秋の穏やかな日差しが差し込む美術館の一室。
そこに一人の女性、マリアと一人の男性、トミーが立っています。
二人の間に置かれた音声ガイドからは、ゆったりとしたクラシック音楽が流れています。
彼らの目の前にあるのは、ピーテルブリューゲル父の傑作、バベルの塔です。
トミーの目にはその姿は見えませんが、彼の耳はマリアの声に静かに傾けられています。
マリア、準備はいい?
じゃあ、ブリューゲルのバベルの塔について一緒に見ていこうか。
うん、お願い。
この絵はね、まず全体を見てみると、右側にドーンと巨大な塔が立っているんだ。
そして左側には港とたくさんの家が並んでいるの。
まるで古代の都市を描いたジオラマみたいだよ。
塔はどんな形をしているの?
うーんと、そうだな、まるで何重にも重ねられた螺旋階段のようだね。
下から上に向かってだんだん細くなっていく。
塔の全体は茶色やグレーの石造りなんだけど、よく見ると所々に赤いレンガや金色の窓が見えるよ。
この塔の表面にはたくさんの足場やクレーンが張り巡らされていて、まだ工事中だってことがわかるんだ。
そしてその足場の上には豆粒みたいな小さな人々がせっせと働いているのが見える。
彼らはレンガを運んだり壁を塗ったりしているみたい。
たくさんの人がありるんだね。
そう、まさに人間が主役なんだ。
塔の足元を見てみて。
あ、ごめんね、えーと、塔の根元の方を説明するね。
そこには大きなアーチ型の入り口があって、たくさんの人が出入りしている。
みんな彩りの服を着ていて、一人一人がちゃんと描かれているんだ。
服の色は赤、青、黄色、緑、白、本当にカラフルだよ。
彼らの肌の色は健康的なピンク色で髪の毛は茶色や金髪が多いかな。
顔は小さくて表情まではわからないけど、みんな真剣な顔で働いているように見える。
ナレーターはゆっくりと左側の風景へと説明を移していきます。
人間の協力と傲慢さ
次に絵の左側。
ここには広大な港が広がっていて、たくさんの船が浮かんでいるんだ。
船もすごく細かく描かれていて、頬を去った大きな船や小さな小舟もある。
船の色は茶色や白が多いかな。
港には家々がぎっしり立ち並んでいて、屋根は赤茶色、壁は白や灰色。
その家々の間には細い道が通っていて、そこにも人々が歩いているよ。
彼らは島で働く人たちと同じような素朴な服を着ているよ。
島は空の色はどう?
空はね、深い青色なんだけど、上に行くほどだんだんと明るい水色に変わっていく。
雲は白くてふわふわした石雲がいくつか浮かんでいるよ。
その雲の隙間から眩しい光が差し込んでいるんだ。
この光が塔を照らしているようにも見える。
ナレーターはトミーの手にそっと触れ、最後の仕上げとして絵の全体的な雰囲気を伝えようとします。
この絵は遠くから見るとまるべ静かな風景画のようにも見える。
でも近くでじっくり見ていくと、一つ一つの細部が驚くほど丁寧に描かれていることに気付く。
ブリューゲルはこの巨大な塔とそこで働く小さな人間たちを通して、人間の傲慢さを描きたかったのかもしれない。
でも私はね、ただそれだけじゃないって思うの。
たくさんの人が協力して一つの巨大なものを作り上げている。
その姿はなんだかとても力強くて美しいって感じるんだ。
うん、なんだか目の前にその景色が広がってくるみたいだ。ありがとうマリア。
どういたしまして。
二人の間には穏やかな静けさが流れます。
ブリューゲルのバベルの塔は、きょうも変わらずその巨大な姿を美術館の空間にたたじめています。
そしてその絵は見る人々の心にそれぞれの物語を紡いでいきます。
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