ジョットの荘厳の聖母の紹介
ボイスドラマ、ジョットの荘厳の聖母、美術館の静寂、ここはイタリア・フィレンツェのウフィッチ美術館、ルネッサンスの夜明けを告げた画家ジョット・リ・ボンドーネの傑作、荘厳の聖母が静かに佇んでいます。
tomy、ここにあるのがジョットの荘厳の聖母なんだね。
はい、tomyさん。まさに14世紀初頭に描かれたイタリア絵画の歴史を描いた一枚です。その大きさと目の前にある存在感に圧倒されますよ。
ナレーター、この祭壇画は縦が3メートルを超え横も2メートルを超える巨大な遺体です。木製のパネルにテンペラで描かれ、金箔がふんだんに使われています。
それでは、tomyさん、この絵の全体の構図から説明しますね。
まず、絵全体はまるで教会のおごそかな空間を思わせる左右対称の安定したピラミッド型の構図になっています。
中央には座上に座った聖母マリア、そしてその膝には幼子イエスキリストが描かれています。
聖母と幼子はきっと絵の中で一番目立っているんだろうね。
その通りです。聖母は背景のまばゆいばかりの金色の中に最も大きく描かれています。
座上は当時としては革新的な奥行きのある建築的な構造をしていて、左右に二段重ねの階段が描かれて、聖母は一段上がったところに座っています。
奥行きですか?平面的だった絵画にちょっとは立体感をもだらしたと言われるゆえんだね。
その通りです。そして聖母とイエスの周りにはたくさんの天使たちと聖人たちが左右均等にまるで儀式のように配置されています。
彼らは聖母を見つめるようにあるいは静かに立っているのです。
では次に色彩と服装です。聖母マリアは非常に深い青いローブをまとっています。
この青は高価なラピスラズリを砕いた顔料が使われているため、とても濃密で威厳のある色をしています。
深い青。神聖な色だね。
はい。そして頭から肩には鮮やかな朱色、赤の裏地がついたマントを羽織っています。肌は写実的でありながらも理想化された明るい肌色。
彼女の目は落ち着いた黒で、視線は真正面ではなく少し見るものから目を反らしているように描かれています。
それは単なる人間ではなく神の母としての内なる資料深さを感じさせます。
ナレーター幼子イエスは透き通るような白の薄い服をまとい顔の輪郭はふっくらとしています。
作品の特徴と影響
右手を挙げて仏宿のポーズをしています。
聖母の両脇には下から上にかけて四人の跪く天使と八人の立つ天使、そして座上の横にも聖人たちがいます。
天使たちの服装は緑、ピンク、黄色など多様で明るい色で彩られ、それぞれが手前に花瓶のようなものを持っています。
彼らの視線は全員が聖母とイエスキリストに集中しています。
そうか、みんなが中心の二人を見つめているんだね。
全体に統一感と動きが生まれる。
この絵には具体的な風景は描かれていません。背景はすべて眩いばかりの金箔で覆われています。
これは天国の光、あるいは神の栄光を象徴しています。
一面の金、ですか。きっととても荘厳なんだろうな。
その通りです。そして座上の建築的な構造と人物の服装の自然なドレープ。
左には右斜め上から光が当たっているような光と影の描写が見られます。
これこそがジョットがそれまでのビザンティーン様式から脱却し、ルネッサンスの扉を開いたと言われる立体感とリアリティの表現なんです。
深い青の廊部に立体的な座上と、そして眩いばかりの黄金の光。
マリアの説明で目の前にその絵が立ち上がってくるよ。
ジョットの確信がこの絵を通して伝わってくるよ。ありがとう。
どういたしまして、トミーさん。この絵の素晴らしさを少しでも感じていただけたなら嬉しいです。
ナレーター、ジョットのソウゴンの聖母は、中世の厳格な様式から抜け出し、
人間の感情や存在感を表現しようとした新しい時代の始まりを告げる記念的な作品として、今もなお訪れる人々を魅了し続けています。