絵画の概要
とある日の美術館。マリアとトミーは、パブロ・ピカソの絵画、アヴィニョンの娘たちの前に立っています。
マリア、この絵ね、ピカソのアヴィニョンの娘たち。正直、少し怖いって感じる人もいるかもしれない。
ふむ。どんな感じの絵なんだい?
えーとね、まずこれは油絵で、サイズがとても大きいの。高さが2.4メートル、幅が2.3メートルもある。目の前で見ると本当に壁一面って感じ。
そんなに大きいんだね。そこに何が描かれているんだい?
5人の裸の女性が描かれているの。みんな正面を向いて立っているか座っているかしているんだけど、それぞれがバラバラに見える。まるで5つの異なる角度から描いたものを、無理やり1枚の絵に貼り付けたみたいに。
5人の女性、それぞれどういう風に描かれているんだい?
そうだね、まず全体の構図から説明するね。中央に2人、その両脇に1人ずつ、そして右端に1人、合計5人。手前の女性たちは少し体をこちらに向けている感じ。背景はカーテンのようなものと何か果物が乗ったテーブル。
うーん、なんとなくわかってきたよ。女性たちはどんな色をしているの?
肌の色は一般的な肌色とは全く違う。ピンクや水色、白、灰色が混ざったような石膏みたいに冷たい色。しかも線がとても太くて角張っている。丸みがほとんどないから、まるで木の彫刻か水晶でできた人みたい。
それは面白いね。顔はどうなっているんだ?
顔もね、すごく特徴的なの。左から2番目の女性は横顔が描かれているんだけど、目は正面を向いている。左端の女性は顔がのっぺりしていて、右から2番目の女性は目と鼻がずれてる。
へー、ずれてるのか。目はどんな感じ?
目はみんな大きくてアーモンド型。色は茶色や黒、でも視線はバラバラ。誰も干渉者である私たちを見ていない。むしろどこか遠くを不安そうに見ているような感じ。
なるほどね。髪の毛はどう?
髪の毛は黒い線でざっくりと描かれている。細かくは表現されていないから、髪の毛っていうより頭に黒い塊が乗っているみたいに見える。
裸って言ってたけど、何か身につけているものはある?
うん。左端の女性は片方の肩に何か白い布をかけている。そして右端にいる女性は顔だけがアフロアフリカの仮面みたいでとても奇妙なの。その頭には青い三角の帽子か髪飾りみたいなものをつけている。
アフリカの仮面?ピカソはそういうものに影響を受けていたんだっけ?
そうそう、この絵を描く少し前に彼はアフリカ美術に触れたんだって。それがこの絵の革命的な表現に繋がったらしいわ。
ところで背景はどんな感じ?果物があるって言ってたけど。
背景は鮮やかな青や茶色が使われている。青いカーテンが大きく光れていて、その上には黄色や赤の布も見える。
手前には果物が乗ったテーブルがあるんだけど、ぶどうやスイカが描かれているの。ただそれも立体感がなくてまるで平たい板に描かれたみたい。
へー、果物まで描かれているんだね。
そうなの。でもね、全体的に見るとまるで鏡を何枚も割ってバラバラになった破片を組み合わせたみたい。
それぞれの女性がまるで違う時間、違う角度から捉えられているように見えるの。
背景と色彩
ピカソがこの絵を描いたのは1907年。伝統的な絵描かれ絵の常識を打ち破り、その後の美術の流れを大きく変えました。
マリア・トトミーはこれからも言葉を通じて絵画美術の世界を旅して続けるのでした。