アルチンボルドの作品紹介
ボイスドラマアルチンボルドの、ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像、秋の夕暮れ時、美術館のロビーに、マリアとトミーは座っていました。
二人の手元には、一枚の大きな絵の図版があります。マリアは、トミーの質問に答えるため、ゆっくりと語り始めます。
この絵は、アルチンボルドっていう画家が描いた、ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像。彼は、果物や野菜、花なんかを組み合わせて人物を描く、すごくユニークなスタイルを持った画家なの。
へー、面白そうだね。でも、ウェルトゥムヌスって誰?
ローマ神話に登場する、季節と変化の神。果物や庭園を守る神様なの。この絵は、皇帝をその神様に見立てて描いているんだね。
ルドルフ2世っていうのは、芸術を愛した皇帝で、アルチンボルドの才能を高く評価していた人。 じゃあ、その皇帝はどんな風に描かれているの?
まず、全体の形から説明するね。 この絵は、皇帝の半身像で、画面の真ん中に堂々と描かれている。
正面を向いていて、右肩を少し前に出しているようなポーズ。 背景は深い黒で、何も描かれていないから、皇帝の姿がより一層際立って見えるんだ。
ナレーターは、ゆっくりと図版をなぞりながら、絵の細部を言葉で紡いでいきます。