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2025-08-08 07:39

ネイチャーポジティブEpisode1 :〈小さな村の“森返し”〉

「7分で聴ける未来物語」

• 移動中に
• 朝の準備中に
• 寝る前のひとときに

“池袋から新宿”に山手線で移動するくらいの時間で、まだ起きていない未来に触れる。というコンセプト。

今週は"人生200年時代"をテーマに6つのストーリーをプロトキャストします。


 

下記noteのSFショートショートを元にNotebookLMで音声化しています


 

note URL:

https://note.com/daisaw33/n/n51c1f3ea436e


 

サマリー

このエピソードでは、水奈良村の物語を通じて、テクノロジーと自然の共存について考察しています。主人公の相川匠が村の自然を取り戻すために奮闘する様子が描かれ、世代間の理解や豊かさの復活がテーマになっています。

水奈良村の物語のはじまり
ブク美
こんにちは。今回はですね、近未来SFショートショート、水楢村、声が還る森、このお話をもとに、ちょっと皆さんと一緒に考えていきたいなと思ってます。
なんていうか、効率ばかりが重視される今の時代に、じゃあ未来に向けてどう生きるか、そのヒントみたいなものを、この物語から探っていけたらなと。
ノト丸
面白そうな試みですね。未来の物語から、今の私たちが具体的な行動のヒントを得ると。
ブク美
そうなんです。物語の舞台は、人口700人くらいの水楢村っていうところなんですけど、主人公の相川拓海(あいかわたくみ)が、東京から移住してくるんですね。
彼が見た村の風景っていうのが、一見自然豊かなように見えるんだけど。
ノト丸
実はその、エコロジカルな空洞になってしまっていると。
ブク美
放棄された棚だとか、元気のない人口林とか、これって彼自身の心の中、その効率一辺倒だった部分と、何か重なる描写なんですよね。
ノト丸
なるほど。バイオスコープっていう、生物多様性を測るドローンですか。
それで調べると、広葉樹18%、水性昆虫ほぼゼロ、みたいな、そういうデータが出てくる。
見た目の緑とは裏腹に、本質的な豊かさが失われているっていうのは、現代社会へのある種の警鐘のようにも聞こえますね。
地域の繋がりとか、そういうものも含めて。
ブク美
そうですね。そこで匠も拓海は、テクノロジーを使って森返しをしようと提案するわけです。
失われた自然を取り戻そうと、自律水門フローゲートとかで棚田を再生して、その価値をCO2クレジットに、みたいな、いかにも現代的なアプローチで。
でもそこで村の長老、岩田源治(いわたげんじ)さんとぶつかっちゃうんですよね。
ノト丸
世代間の衝突みたいな。源治さんの、「わしらの人生ごと間違いだったと指定する気か?」っていう言葉。
これは単に新しいものへの反発っていうだけじゃないですよね。
その土地で生きてきたプライドとか、あるいは失われたものへの痛みとか、そういう複雑な感情がすごく伝わってくるセリフだなと。
ブク美
確かに効率とか新しさだけじゃ、片付けられないものがあると。
身近な問題でもありますよね、こういうのって。
結局、拓海は一人で挑戦を始めるんです。
ノト丸
受け入れられなくても。
ブク美
電動マイクロショベルとか、量子地中レーダーとか、そういう最新技術を使いつつも、でもやっぱり泥まみれになる。
ブク美
その姿を見て、今度は源治さんのお孫さんの美咲さんが、ハッシュタグ水楢村森返し日誌ってSNSで発信を手伝ったりして。
ノト丸
へー、面白い展開ですね。
ブク美
ついに棚田に水が戻って、トンボとかメダカが現れるんですよ。
多様性指数も1.6に改善みたいなデータも出るんですけど、それ以上に拓海自身がすごく手応えを感じるっていうのがいいんですよね。
ノト丸
やっぱりデータだけじゃなくて、その実感みたいなものが大事だってことでしょうね。
ブク美
でも、でもそう自然は甘くないと。記録的な豪雨が源治さんの畑を襲って、プロジェクトが危様になる。
ノト丸
うーん、そこでまた試練が。
ブク美
ここで大事なのが、美咲さんが見つける古い写真。若い頃の源治さんが、すごく豊かな自然の中で笑ってるんです。
あー、なるほど。
つまり、源治さんは森を破壊したんじゃなくて、家族とか村を守るために、その時代なりに最善を尽くした結果だったんじゃないかって、そういう視点の転換がある。
ノト丸
それは大きいですね。対立から理解へ繋がるきっかけになる。
ブク美
その後、拓海は黙って畑の復旧も手伝うんですよ。
テクノロジーと自然の共存
ブク美
土壌再生剤とか使いながら、泥の中で一緒に作業するうちに、初めて何ていうか、データの裏にある土の感触とか、命の存在みたいなものをリアルに感じる。
ノト丸
体験を通じてわかることがあると。
ブク美
そして、ある日、子どもたちがARゴーグル越しに、絶滅危惧種のタゴカエルを発展するんですよ。
ノト丸
へー、ARゴーグルで?
ブク美
そうなんです。数十年ぶりに、そのカエルの鳴き声が村に響くっていう、これはちょっと感動的ですよね。
ノト丸
いやー、それはすごい。ここからがまた興味深いんですよね。
ブク美
そうなんです。源治さんが、データには出んだろうがなーとか言いながら、風の匂いとかで古い水脈の存在を骨子さする。
ノト丸
長年の経験値みたいなものですね。
ブク美
それを、今度は若者たちがVRシミュレーターとかで解析して、常住対策なアルゴリズムを更新していくんです。
ノト丸
なるほど。テクノロジーが古の知恵を否定するんじゃなくて、翻訳して増幅するみたいな。
それで次世代に繋いでいくっていう役割を果たしてる。これはすごく示唆的だなー。
ブク美
まさに。対立してたものがお互いを補い合う関係になっていくんですよね。
結果的にプロジェクトは村全体のものになって、1年後には棚田にカエルの大合唱が戻ってくると。
ノト丸
いい話ですね。
ブク美
原地さんの、やかましくて寝られんわっていう憎まれ口もいい味出してますよね。
ノト丸
そうですね。で、わしらの心の健康診断かもしれんなとも言うんでしたっけ?
ブク美
そうそう。その言葉が変化を象徴してるなと。
この物語から見えてくるのって、やっぱり効率一辺倒だった主人公がテクノロジーを上手く使いこなしつつも、
同時に泥にまみれる経験とか、世代を超えた対話通じて失われていた豊かさを村にも、そして自分の中にも取り戻していく。
そういうプロセスなのかなと。
ノト丸
そうですね。テクノロジーって結局はツールであって、それ自体が良いとか悪いとかじゃない。
大事なのはそれをどう使うか、そしてデータとか効率だけでは測れないもの、
例えば土地の声とか、人の感情、経験から来る知恵、そういうものにちゃんと耳を傾けられるかどうか。
源治さんの知恵と拓海さんの技術がこううまく組み合わさったように、
違う価値観とか知識をつないでいくことが、未来をより良く生きる鍵なのかもしれないですね。
ブク美
ええ。それで物語の最後は私たち自身への問いかけで終わるんですよね。
あなたの暮らしの隣にある痩せた森とは一体何ですかって。
そして最新のテクノロジーはそれを返す手助けをしてくれるでしょうか。
それとも本当に必要なのは泥に膝まで浸かる覚悟と、誰かの心の声に耳をすませるほんの少しの時間なのかもしれないと。
ノト丸
これは日々効率を追い求めている私たちあるいは皆さん一人一人への深い問いかけですよね。
ご自身の生活とか仕事の中でもしかしたら見過ごしている豊かさとか、あるいはいつの間にか切れてしまった繋がりみたいなものってありませんか。
この未来の物語が皆さん自身の盛り返し、つまり失われた何かを取り戻すための一歩をちょっと考えてみる。
そんなきっかけになったら嬉しいですね。
07:39

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