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2025-10-26 23:50

#毎日未来創造 Week14 モビリティの未来【Research】

継続14週目

今週のテーマは、モビリティの未来 : The Return of Movement ― 移動の復権。

今週も6つのショートショートの創作から、どんな未来の可能性がみつかるか?

毎日一編オンタイムでお届け。

 

このポッドキャストは下記note記事をNotebookLMで音声化しています

 

note URL

https://note.com/daisaw33/n/n3658c47ed7ba

サマリー

モビリティの未来に焦点を当て、自動運転やロボタクシーなどの最新技術の進展やその影響を考察しています。また、ジャパンモビリティショーやエンカウンターデザインの取り組みについても話し合われ、移動が新たな価値を持つ可能性が探求されています。最新のモビリティに関する議論では、日本の若者のクルマ離れや災害時の回復力を持つモビリティの必要性が強調され、ソニーホンタモビリティやホンダ、トヨタ、日産などの革新技術が取り上げられています。特に、フィクションやドキュメンタリーからのインスピレーションが未来の移動に与える影響も重要な視点として語られています。移動の価値が効率性から出会いや体験へと変化する可能性について解説し、未来のモビリティを考えるための問いを投げかけています。

モビリティの未来に迫る
ブク美
はい、毎日未来創造、今週もスタートです。
Week14ですね。テーマは、モビリティの未来。
The Return of Movement 移動の復権。
あの、ジャパンモビリティショーの開催も近づいてますし、まさに旬なテーマかなと。
で、初日はいつものようにリサーチから、未来を作るヒントを一緒に見つけられたらと思います。
さて、早速なんですけど、モビリティって、私たちの暮らしにとって異色十と並ぶくらい、すごく基本的なものだと思うんですけど、あなたはどうですか?
ノト丸
ああ、全く同感ですね。移動っていうのは、人間とか社会の根源的な活動ですからね。
ただ、そのモビリティが持っている意味合いとか、価値みたいなものは、テクノロジーとか社会の変化を受けて、今まさに大きく変わろうとしている、そんな感じですよね。
ブク美
ですよね。昔は自分の足とか馬とか、それが自動車になって、鉄道飛行機と進化してきて、その手段だけじゃなくて、移動が持つ意味自体が変わってきた歴史がありますもんね。
ノト丸
ええ、そうですそうです。で、現在は、自動運転とか空飛ぶ車、あるいはマース、モビリティアーザサービスですね、こういう技術とか概念が出てきて、また大きな転換点に来ているなと。
今回のこの探究では、お預かりしたリサーチ資料をもとにですね、世界と日本の最新の動き、具体的な事例、それから間もなく開催されるジャパンモビリティショー、JMS2025の見どころ、あとは映画とか書籍みたいな文化からの視点、研究、そして未来への仮説まで、これらを紐解きながら、変化の潮流とその先の可能性を探っていけたらなと思っています。
ブク美
未来の可能性ですか。うーん、一口に言ってもなんかいろいろな方向がありそうですよね。
ノト丸
その通りなんです。例えばこう、テクノロジーがどんどん進化して、今よりももっともっと移動が自由で快適になる世界っていうのも考えられますし、一方で環境問題とか、都市の在り方によっては、今よりも移動が制限されたり、あるいは移動の意味が全然違うものになる未来っていうのもあり得るわけですよね。
ブク美
ああ、自由になるだけじゃないかもしれないと。
ノト丸
ええ、この両方の可能性、つまり自由の拡大っていう側面と、新たな制約とか価値観が出てくるっていう側面、この両面を見据えながら情報を読み解くことが、今回のミッション、移動の未来を形作る潮流を理解するってことに繋がるんじゃないかなと。
ブク美
なるほど、光と影両方を見ながらですね。分かりました。では、まずは世界の大きな動きから見ていきましょうか。資料を見るとロボタクシーの話題がまず目に飛び込んできますけど、これはもうかなり現実のものになっている感じですか?
ノト丸
はい、特に中国とアメリカでの実装が急速に進んでますね。中国ですと、バイドゥ、バイドゥのアポロボーっていうのが、もう多くの都市で商用サービスを展開中でして、2025年にかけてさらにエリアを拡大する計画だそうです。
ブク美
えー、すごいですね。
ノト丸
ええ、あと驚くべきは中国がかなり早い段階で、新車の多くを完全自動運転対応にするっていう、結構野心的な目標を掲げていたことですね。
ブク美
あー、そんな目標が国策として進めている感じなんですかね。
ノト丸
そういう様子が伺えますね。
ブク美
アメリカはどうでしょう?ウェイモーの名前はよく聞きますけど。
ノト丸
アメリカでは、Google系のウェイモーなどが、実際に複数の都市でもドライバーレスの運転者がいない商用サービスを提供しています。一部の報道なんかだと、週に15万回以上もの自動運転による移動が提供されているなんて話もあって。
ブク美
週に15万回?
ノト丸
技術的にはもうかなり成熟してきているのかな、という感じですね。ただ、アメリカの場合は州ごとに規制が違ったりとか、あとコスト効率とかサービスエリアの拡大とか、そういうビジネス面での課題はまだ残っているようですけどね。
ブク美
なるほど。技術は進んでいても、社会に広めるにはまだハードルがあると。でもそもそも、なんでこんなにロボタクシーが注目されているんでしょう?単に運転手さんがいないタクシーっていうだけじゃないんですか?
新たな移動の価値
ノト丸
そこがすごく重要なポイントで、移動手段が自分で運転するものから、自律的に移動してくれるサービスに変わることで、利用者は運転から解放されるわけですよね。
つまり、移動中の時間の使い方が根本的に変わる可能性があるんです。仕事をしたり、エンタメを楽しんだり、あれはただ景色を眺めてリラックスしたりとか、移動時間の質が変わることで新しい体験価値が生まれる。ここにすごく大きな可能性があると思いますね。
ブク美
移動時間の価値変容ですか?なるほど、それは大きいですね。地上だけじゃないと、空の移動、EVTOLっていう言葉も資料にありましたけど、これは一体?
ノト丸
市場予測を見ると、このeVTOL(イーブイトール)を使った都市型航空交通、アーバンエアモビリティ、UAMって言ったりしますけど、この市場が2030年から2035年くらいにかけて本格的に立ち上がってくるだろうと見られてますね。
ブク美
空のタクシー、まさに未来って感じですけど、本当に実現するんですかね?
ノト丸
特に中国なんかは、もう数年内にかなり大規模な空飛ぶ車の導入を検討しているなんていう報道もあるくらいですから。
もしこれが実現したら、地上の渋滞とか道路みたいなインフラの制約を受けずに、都市内を文字通り3次元で移動できるようになるわけですよ。
ブク美
3次元移動?
ノト丸
移動の選択肢と都市のネットワークっていうのが、これまでにない形で拡張される可能性があるんです。
ブク美
なるほど、人の移動だけじゃなくて物の移動も進化していると。
ドローン配送はどうでしょう?これももうSFの話じゃない感じですか?
ノト丸
まさに実用段階に入ってきてますね。
調査によると消費者の認知度とか、使ってみたいっていう意欲も高まってますし、
あと物流の分析なんかでは、2024年の時点で既に毎日1万4000件以上の企業から消費者へのドローン配送が行われているなんて試算もあるんですよ。
ブク美
毎日1万4000件もそんなに飛んでるんですか?
ノト丸
ええ。将来的にはこれが数億件規模に拡大する可能性もあるなんて指摘もされてますね。
ブク美
すごい数ですね。これはどういう意味を持つんでしょうか?
ノト丸
これは配達っていう移動の価値が再定義されつつあるってことだと思います。
重要なのは移動の対象が人から物になった時にその価値がどう変わるかっていう視点ですよね。
移動の価値っていうのは必ずしも自分自身が物理的に動くことだけじゃないんだっていうことが、よりはっきりしてきてると言えるんじゃないでしょうか。
ブク美
なるほど。世界の潮流。すごくダイナミックですね。ではちょっと視点を、日本国内に移してみましょうか。
資料にはいくつか興味深い切り口が提示されてますが、まずはエンカウンターデザイン。これは偶然との遭遇をデザインする移動ですか?
ノト丸
はい。これはですね、移動を単にA地点からB地点への移動って捉えるんじゃなくて、その移動のプロセスを通じて、新しい人とか情報、体験との出会いを意図的に設計しようじゃないかっていう考え方ですね。
ブク美
移動で出会いをデザインする。
ノト丸
例えばさっきも名前が出ましたけど、Waymo が日本交通さんと連携して都心の7区で国際テストを開始したんですね。
これは単に技術の検証だけじゃなくて、ロボタクシーみたいなサービスが都市の中での出会いの密度みたいなものをどう変える可能性があるのか、そういうデータを集めて将来のサービス設計に生かそうっていう狙いがあるんだと思います。
ブク美
面白いですね。移動が出会いを誘発すると、日産の動きもこれに関連しますか?
関係してくると思います。日産は2027年目標でロボタクシーサービスの開始を目指していて、横浜での試験から将来的には地方への展開も視野に入れてるんですね。
ノト丸
これは移動を社会のインフラとして捉えて、地域の活性化にもつなげようっていう意図が見えるかなと。
ふむふむ。
あともう一つ注目なのが、自動運転ソフトウェアのスタートアップのTier4さんですね。
彼らは東京でのロボタクシー実証とか、幹線物流の自動運転化を進めてるんですけど、特徴的なのはオープンソース戦略なんです。
オープンソース。
これを活用して日本独自の運行設計領域、オペレーショナルデザインドメイン、略してODDって言いますけど。
ブク美
ODD、はい。
ノト丸
つまり、自動運転システムが安全に機能できる地理的な範囲とか、気象条件とかを定義して、それをどんどん広げていこうとしてるんです。
ここにもなんか多様な出会いとかビジネスチャンスを生む土壌を作ろうみたいな意思が感じられますよね。
ブク美
ODD、なるほど。自動運転が安全に走れる条件設定のことですね。
うん。
各社のアプローチが違うのが面白いですね。
次は、Mobility as Culture 。移動を文化として捉える、ですか?
ノト丸
はい。これは、移動をもっと楽しく豊かな体験にしようとか、移動すること自体を文化を育てていこうじゃないかという動きですね。
象徴的なのは、ジャパンモビリティショー2025、10月30日から11月9日ですけど、これです。
これは、単なる自動車のショーじゃなくて、多様なモビリティとその可能性を体験できるモビリティの祭典として位置づけられてるんですね。
ブク美
モビリティのお祭りですか?トヨタのWovenCityもこの文脈で捉えられますか?
ノト丸
まさにそうですね。静岡県の園市で建設中の実感都市、Woven City。
2025年の秋に初期の入居が始まる予定です。
新しい移動文化の創出
ノト丸
ここでは最新のモビリティが街全体に実装されて、実生活の中でテストされるわけですから、これはもう新しい移動文化をゼロベースで作り出そうという壮大な社会実験と言えるでしょうね。
ブク美
なるほど。一方で、日本全界を見ると、よく若者の車離れって言われますよね。
ノト丸
ええ、言われますね。これはまあ単に経済的な理由だけじゃなくて、都市構造の変化とか価値観の多様化も影響してるんだと思います。
かつてのように車を持つことイコール自由とか成長みたいな価値観が少し揺らいでる中で、移動がもたらす成長機会みたいなものを現代に合わせてどう再設計していくのか、それが問われてるのかなと思いますね。
ブク美
移動の意味合いそのものが変わってきていると、では次のエクスパンションドライブ、移動が自己変化を加速させるというのはどういうことでしょう?
ノト丸
これはですね、移動体験が単に場所を移動するだけに留まらず、利用者の知識とか感性、可能性といった、いわば内面を拡張する力を持つんだという考え方です。
ブク美
内面の拡張?
ノト丸
例えばソニーホンタモビリティのAFEELA、アフィーラですね。これはソフトウェア中心の設計でサブスクリプションとかエンタメ連携を強化して、移動空間を情報収集とか体験創出の場に変えようとしてるんです。
これは物理的な移動に加えて知的な移動とか感情的な移動を促す、そういう試みと言えるかもしれませんね。
ブク美
へー、Hondaは他にも動きが活発ですよね。
ノト丸
新しいEVシリーズ、Honda 0シリーズというのを発表して、そのコンセプトモデルをJMS2025年で公開する予定です。
これは車を所有するだけじゃなくて、ソフトウェアの更新なんかで機能を拡張していくっていう新しい価値観を示唆しているのかなと。
ブク美
拡張する車。
ノト丸
あと、トヨタのeパレットの次世代版も販売が開始されました。
これは用途に応じて内部空間を変えられる、まさに移動する多目的空間ですよね。
将来的にはレベル4、つまり特定の条件での完全自動運転が可能になれば、店舗とかオフィスが街の中を動き回るなんてこともだんだん現実味を帯びてくるわけです。
災害に強いモビリティ
ブク美
レベル4、特定の条件なら完全に自動。
それは社会の風景を変えそうですね。
次のテーマ、レジリエント・リジェネラティブ・モビリティ。
これは災害の多い日本には特に重要そうです。
ノト丸
まさにおっしゃる通りです。
災害時にもちゃんと機能して、さらにエネルギー問題にも貢献するようなしなやかで回復力のあるモビリティということですね。
ブク美
例えば日産は、軽EVのサクラ向けに後付けできる拡張式のソーラールーフ、「Ao-Solar Extender」というのを開発してJMSで披露する予定です。
ノト丸
ソーラールーフですか。
ブク美
ええ。これは太陽光で年間かなりの距離を走れるくらいの電力を発電するだけじゃなくて、災害時の非常用電源としても使えるんですよ。
ノト丸
あ、電源にもなる。
ブク美
そうなんです。移動手段がエネルギー供給源にもなるということですね。
ノト丸
なるほど。空の移動もレジリエンスに貢献しそうですか。
ブク美
そうですね。スカイドライブ社のeVTOL SD05はJMS2025では鉄道街市との連携展示も予定されているみたいで、災害時の緊急輸送とかインフラが寸断された地域へのアクセス手段として期待が高まってますね。
未来の移動に関する視点
ブク美
上空の生活動線が非常時にも役立つ可能性を示しているのかなと。
ノト丸
なるほど。そして最後はMaaS Presence。物理的な移動を超える体験とはどういうことでしょう。
MaaS。モリティアザサービスはいろんな交通手段を連携させてシームレスな移動を提供するという概念ですけど、これがさらに進化しているんですね。
単に移動を便利にするだけじゃなくて、物理的な移動を補完したり代替したりするようなプレゼンス、存在感とか臨場感と訳せますかね、そういうものの提供へと向かっているんです。
ブク美
存在感、臨場感。
ノト丸
例えばJR東日本さんは東北MaaSとか旅コネクトみたいなサービスを展開してますし、スイカアプリも大型の更新を予定してるみたいで、移動のユーザー体験、UXを進化させ続けてるんですね。
ブク美
政策レベルでも重視されてるんですか。
ノト丸
政府のソサイエティ5構想とかデジタル庁のロードマップなんかを見ると、移動が福祉とかケア、地域の維持といった社会課題解決の鍵として位置づけられてます。
あと最近大きく"15分都市"みたいなコンセプトも、単に便利さだけじゃなくて、高齢者とか支援が必要な人の移動をどう支えるかとか、誰もが移動によって社会に参加できる、包摂性みたいな観点から議論が深まってるんですよね。
ブク美
包摂性。
ノト丸
近場で用事が済む便利さと、遠投まで自由に行ける稼働域の確保、この両立がテーマになってきてる感じです。
ブク美
本当に多岐に渡る動きがあるんですね。整理するだけでもちょっと大変なくらいです。
さて、そんな最新動向が集結するであろう、ジャパンモビリティショー2025、10月30日から11月9日ですが、特に何に注目すべきでしょうか。
ノト丸
そうですね。まずは主要企業の発表でしょうね。
ホンダさんは、さっきの0シリーズの新しいコンセプト、トヨタさんはWoven Cityの進捗とか、eパレットの実装事例、日産さんはソーラールーフみたいなサスティナビリティへの取り組みとか、自動運転実験の成果、この辺りが注目点かなと。
ブク美
はい。
ノト丸
それから、スカイドライブさんは、鉄道との連携によるeVTOL展示で、より具体的な運用イメージが見えてくるかもしれませんね。
ブク美
大企業だけじゃなくて、スタートアップもカギになりそうですか。
ノト丸
まさに、JMS内のスタートアップフューチャーファクトリーというプログラムは要チェックだと思います。
ここでは、移動×ケアとか、移動×地方創生、移動×観光みたいに、多様なテーマでスタートアップが斬新なソリューションを提案してきます。
大企業とはまた違う視点からの未来のモビリティの種が、ここから生まれる可能性は高いでしょうね。
ブク美
なるほど。スタートアップフューチャーファクトリーですね。覚えておきます。
未来を考える上で、文化的な視点、つまり映画とか書籍からのインスピレーションも重要ですよね。
モビリティの価値を問い直すような作品って何かありますか?
ノト丸
いくつか挙げるとしたら、例えば映画だと「Snowpiercer」、これは極限状況下で走り続ける列車が舞台なんですけど、移動することイコール生きることっていうすごく根源的な価値を突きつけてきますね。
ブク美
移動イコール生存。
ブク美
ええ。あるいはドキュメンタリーの「Living in the Age of Airplanes」。これは飛行機がいかに世界を結びつけて人々の視野とか文化交流を劇的に変えたかを描いていて、移動イコール出会いの拡張なんだなっていう価値を再認識させてくれます。
ブク美
ふむふむ。
ブク美
あと古典ですけど、「Blade Runner」。あの描かれる未来都市では空飛ぶ車、スピナーが当たり前ですけど、じゃあ誰がそれに乗れるのかっていう格差も描かれていて。
ノト丸
ああ、確かに。
ブク美
ええ。移動の自由と格差っていう普遍的な問いを投げかけてくるんですよね。
ブク美
なるほど。フィクションとかドキュメンタリーが未来への創造力をかきたててくれるわけですね。書籍ではどうでしょう?日本語で参考になるものはありますか?
ノト丸
MaaSを軸にして移動と都市の未来を考えるなら、「Beyond MaaS」、日本から始まる新モビリティ革命とか、もっと広く移動の意味そのものから捉え直すなら、「モビリティサービス」、「モビリティサービス―モビリティイノベーションシリーズ1」、この辺りが参考になるかなと思います。
ブク美
はい。
あとちょっと海外の議論に目を向けると、例えばKarel Martens(カレル・マルテンス)っていう人の「Transport Justice: Designing Fair Transportation Systems」、これは翻訳まだ出てないんですけど、交通システムを公平性とかアクセス機械の均等っていう視点から問い直している本なんです。
ブク美
公平性ですか?
ブク美
ええ。単に早く便利になるだけじゃなくて、誰にとっての移動価値なのかを考える上で、すごく示唆に飛んでますね。
ブク美
それは重要な視点ですね。研究の世界では、特にコロナ禍を経て何か変化はありましたか?
ブク美
それは大きな変化がありましたね。パンデミックによる移動制限っていうのは、図らずも移動できることの価値を改めて問い直すきっかけになったんです。
研究論文でも、Human Mobility Behavior in COVID-19みたいに、パンデミックが移動パターンとか意識に与えた影響を分析するものとか、あるいは、Valuing Mobility in a Post-COVID-19 Worldのように、移動の価値そのものを再評価しようみたいなものが増えています。
ブク美
移動が当たり前じゃなくなったからこそ、その本質的な価値が見えてきたと、そういうことですかね?
ブク美
まさにそういうことだと思います。移動しない、移動が制限されるっていう経験を通して、逆説的に移動できることが持つ経済的な側面だけじゃない、心理的とか社会的な価値の重要性みたいなものが浮き上がってきた。これが最近の研究トレンドの一つですね。
ブク美
非常に興味深いですね。さて、資料の最後には、個人的な仮説として、歴史観からの考察も書かれていましたね。これはどういう視点なんでしょう?
ブク美
これは少し大胆な見方かもしれないんですけど、例えば江戸時代の日本って、参勤交代なんかを除けば、庶民の長距離移動って比較的限られてましたよね。
ブク美
そうですね。
未来のモビリティの仮説
ブク美
これを一種の非移動文化と捉えて、停滞の要因だって見る向きもありますけど、現代の日本で見られる、いわゆる若者の移動離れと、何か構造的に通じるものがあるんじゃないかってふと感じることがあるんです。
ブク美
そこから2つの仮説が提示されていましたね。
ブク美
仮説Aは、個人の稼働域、つまり移動の自由度とか範囲の広さっていうのが、その人の成長の可能性とか速度と相関するんじゃないかっていうもの。
ブク美
稼働域と成長速度。
ブク美
はい。そして仮説Bは、都市とかサービスが人々が偶然に出会う頻度を意図的に高めるように設計すれば、そのコミュニティ全体の創造性が高まるんじゃないかと。
ノト丸
これはさっきのエンカウンターデザインの話にもつながってくる考え方ですね。
ブク美
偶然の出会いを設計する。移動の価値を効率性だけじゃなくて、そういう側面から捉えるということですね。
ノト丸
そうなんです。この視点から考えると、これからのモビリティっていうのは、車っていうモノを所有することから、移動によって得られる体験とか出会いといった価値へと重点が移っていく可能性があるなと。
もしかしたら、移動範囲とか出会いの機会をサブスクリプションで提供するような、Encounter as a Service、出会いのサービスかとでも呼べきモデルが出てくるかもしれない。
ブク美
出会いのサービス化。
ノト丸
そうなると、移動の価値を測る指標も速度とかコストだけじゃなくて、もっと多様なものが必要になってくるでしょうね。
ブク美
可動域のサブスク、出会いのサービス化。
未来の移動の姿がまた少し違って見えてきました。
モビリティと私たちの関わり
ブク美
さて、ここまで世界のトレンドから日本の取り組み、文化的な視点、そして未来への仮説まで、モビリティに関する様々な情報を見てきました。
本当に幅広い動きがあることが分かりましたね。
ノト丸
技術、社会、文化、本当様々な側面が絡み合って、モビリティの未来が形作られようとしていますよね。
ここでぜひあなた自身に問いかけてみてほしいんですが、あなたの移動との関わり方って、これからどう変わっていく可能性があるでしょうか?
そこに何かワクワクするような可能性を感じますか?
それともちょっと気になる点、例えばプライバシーとか格差とか、そういう懸念はありますか?
ブク美
自分の生活とか価値観に引きつけて考えるということですね。非常に重要な問いだと思います。
そして最後に私からこんな問いを投げかけてみたいと思います。
もし移動が単なる場所から場所への物理的な動きだけじゃなくて、私たちが出会う人とか経験を豊かにデザインするサービスになったとしたら、私たちはその移動の豊かさをもはや距離とか速さだけでは測れなくなるかもしれないですよね。
では未来における本当に価値ある移動とは一体どんなものだとあなたは考えますか?
ノト丸
未来を考える上で本質的な問いですね。
ブク美
明日からはこのモビリティの未来を競馬に、まだ見ぬ未来のプロトキャスト、つまり可能性の試作品ですね。これをお届けします。
次の時代の移動の価値、そのヒントが見つかるかもしれません。どうぞお楽しみに。
それでは今日の探究はここまでです。
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