妖精への期待
ペンパずるい!
ペンパは一発で来たんだ。
せっかく磨いておいておいたのにね、まだ気づいてないんだね。
妖精さん。
あら、ここに何かあるわって、逃げちゃったのかな。
ねえ、次の人のさ、歯のとこに先行っちゃったのかな。
今日はじゃあさ、お手紙書いてみる?
やだ。
じゃあ、ママが妖精さんのさ、
スマホの連絡先頑張って調べて、
連絡してみるね。
今日、
うちのこの歯が抜けたので、
妖精さん、回収しに来てください。
そうではなくて、昨日抜けたので。
あ、そうだね。昨日抜けたので置いといたのに、気づいてませんか?って。
枕の下に置いたのに、
コインにかかってませんでしたよって言っとくね。
お金の方がいいんだ。
お金?
いくら?ちなみに。
高いの欲しい。
え?100円とか?
え?
100円ちょっと高い。
安いじゃん。
え?
5000円とか?
うん。
高いものさ、払ってさ、買えるじゃん。
かけ氷とか。
5000円だったらさ、買えるじゃん。
いっぱい買えるね。
1個抜けた歯が5000円でさ、
キャッシュバッグ、妖精さんから
帰ってきたらさ、
またグルグルグルグルして、
それでさ、抜けたら
もう1個もらえるじゃん。
やばいじゃん。2本で1万円じゃん。
でもさ、歯ってそれぐらいさ、
5000円以上の価値あるよね。
これから生まれてくるさ、
大人の歯って。
一生使うんだもん。
一生使うんだもん、だって。
5000円じゃ安いぐらいだよね。
そう考えると。
でもさ、このちっちゃい歯ってさ、
え?見て誰?カメラ下にいる。
ほんと?ほんとだ。
洗濯帽してるね。
よくこんなちっちゃい歯でさ、
いろいろ食べてたよね。
すごくない?
このちっこい歯で。
私もママの歯に
歯があるの?
そうだよ。妖精さん来るかな?
かわいい、この歯。
なんでポキって折ったらさ、
ちょっとなんか変な形。
すごいよね。
これでご飯食べてるんだよ。
あと僕が
裏側触ってたとこ。
こんなスルスル。
すごい。
どんどんこれから
抜けてくぜ。歯は。
ママ。