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スピーカー 1
スッと入ってきたって感じ。
びっくりするような、殴られるようなことは、
警戒していったけど、意外と殴られんかったなって感じでした。
あ、そう。
僕、映画館に着いた時は、
スピーカー 2
ゴッドファーザーのパート1の冒頭のシーンって、
スピーカー 1
3兄弟の妹のコニーの結婚式なんだよね。
スピーカー 2
コニーの結婚式に出席している主人公の、
スピーカー 1
大学生の時。
どっち?お父さん?
スピーカー 2
いや、大学生の時。
スピーカー 1
息子。
息子の方のマイケル・コルレオネの気持ちで入って行ったんだよね、映画館に。
まあ、言うて、みたいな。
スピーカー 2
まあ、それはうちの家族はそうですけど、みたいな。
まあ、言うて、自分さんなんだし、みたいな。
スピーカー 1
なんなんだよね、この家族はね。君も嫌でしょ、みたいな感じで、彼のガールフレンドにね、なんか、
スピーカー 2
してたんだけど、
映画館に出る時は、
ソニーが殺されちゃった時のマイケル・コルレオネ。
スピーカー 1
やばいじゃないですか。
一番もう、パチンってスイッチ入った時みたいなやつ。
これ、自分がファミリーどうかしなきゃいけないの?みたいな。
なんか、私の、あれ多分すごいいろんな要素が散りばめられてるから、多分人によってどこを撮るかが、
どれを中心に撮るか、いろいろあるなーって思ったんですけど、
私的には、一番感じたのが、ナウシカのコミック版の最終の要素を強く撮った。
スピーカー 2
庭の話?
スピーカー 1
庭の話、そう。庭以降の話。庭から墓を破壊するまでのやつだなって思ったんですよ。
スピーカー 2
庭から墓所までの話だよね。
スピーカー 1
そうですよね。だから、これあのやつと思って、私あそこめっちゃ好きなんですよね。
コミック版のナウシカ、あそこがもうすごいやっぱり最大クライマックスのとこじゃないですか。
この話、あの話だと思って、メッセージとしても同じものを受け取ったので、庭から墓所までのメッセージと、
矛盾しないなって思ったから、君たちはどう生きるかが。
だから、かなり宮崎駿の初期の、最初期の思いと、今の、かなり晩年の作品になるじゃないですか、絶対に。
それにブレがないっていうの、すごいなって思った。すごいし、ちょっと嬉しかった、私はそれが。
だから、その衝撃はもう済んでたから、庭から墓所までも、あれを読んだときはもう、やべえって思ってたけど、
それを一回済ませたから、あれだと思って、
ああ、知ってるこれ、みたいな感じで。
スピーカー 1
なるほどね。
皆さんもね、見てる人がここまで聞いてると思うから、あれなんですけど、念のために言うと、
お母さんを亡くしちゃった小学生ぐらいの男の子が、
スピーカー 2
第二次世界大戦が起きて、疎開先の田舎に行くんだと。で、田舎には父のご妻がいて、ご妻が妊娠していると。
妊娠先で、人間が化けた青鷺っていうのが話しかけてくるんだけれども、
この青鷺っていうのは、田舎の屋敷にある巨大な塔に自分を誘おうとする。
その塔は、気が狂った大王子さんというのが作ったと言われていて、
その気が狂った大王子さんが、自分を呼んでいるから塔に来いっていうふうなことは青鷺に言われるんだと。
行かないんだが、行かなかった結果、自分と関係が微妙だった父のご妻っていうのがいなくなってしまい、
そのご妻を助けるためにその塔に入っていくと。
で、塔の中がワンダーランドになっていて、みたいな。
で、そのワンダーランドを大冒険して、義理のお母さんと一緒に帰ってくるんだと。
スピーカー 1
物語の大きい構造はそれですよね。
ストーリーの流れはそう。
スピーカー 2
で、そこで物語のクライマックスになってから、
そのワンダーランド全体がある意味で塔の内部みたいなもので、
その塔からつながっている世界そのものみたいなのがあるわけですよね。
この世界のパラレルな、この世界を映し取ったかのような、ある意味のパラレルな世界みたいなのが広がっているんだから、
その世界全体を支配しているのが、その気が狂った大王子さんなんだってことがわかってくるわけですよね。
物語のクライマックスに。
で、この大王子さんが、自分の老いっ子を連れてきて、頼みたかったのは、
この世界というものの維持管理っていうのを、自分の老いに引き継がせたかったんだ。
で、なぜ引き継がせたかっていうと、自分はこの世界の管理っていうのを、もうずっとやってきたんだ。
で、ずっとやってきて、この世界が美しく正常なものであるように、清いものであるように、
スピーカー 1
悪意のない無垢なものだけで世界を構成してみたんだと。
スピーカー 2
だけれども、どこからともなく悪意というものが現れて、この世界が崩壊しつつあるんだと。
なので、新しい悪意のない世界の元みたいなのをあなたに渡すので、老いっ子に渡すので、
その老いっ子は、あなたの老いっ子の能力によって、またこの世界を組み立て直すんだっていうふうなことを、
その大王子さんが頼むわけですよね。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
で、なんて言うかな。
僕はこれが、なんて言うかな、大王子さんであるみたいなのが、
スピーカー 1
だから、おじいちゃんじゃないですよね。大王子さんなんですよね。
だから、自分の直径の線像じゃなくて、
あ、そうか。
こう、ちょっとずれてる線像なんですよね。
だから、あれが大王子さんであるとかが、やっぱなんて言うの、僕は、
スピーカー 2
あれが大王子さんであるという設定が、僕に何を考えさせたかというと、
あれは宮崎駿の作品を見て育った僕たちと宮崎駿じゃないですか。
スピーカー 1
あー、なるほど。
スピーカー 2
主人公のね、真人くんっていう、真の人って書いて真人くんっていうのが主人公なんだけど、
真人くんと大王子さんの関係っていうのが、宮崎駿と僕たちの関係になるわけですよね。
うんうん。
前作の風立ちぬで、
僕が1986年生まれなんだけど、1986年って多分風の谷の直しが公開された年なんだよね。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
だから、風の谷の直しが公開されて以降、宮崎駿の作品とともに大きくなってきた僕らが、
20代だった時に公開されたのが風立ちぬで、
風立ちぬで言ってたのが、君たちはもう大人になったので、はっきり言うけど、みたいな話だったよね。
スピーカー 1
あー、確かにそうですね。
もうおとぎ話の皮みたいなのをかぶらずに、はっきり言いますけど、
スピーカー 2
働いてくださいと。
世界に美しいものを生み出してくださいっていう話だったじゃないですか、風立ちぬって。
世の中には何かを生み出せる人間と生み出せない人間がいて、
それはピラミッドの頂点に立つ人間と、
ピラミッドに埋もれていく人間なんだっていう話をしてたじゃないですか。
そんなこと言うって思って僕はびっくりしたわけだけど、
ってなったらナウシカのあの話も、ラピュタのあの話も、トトロのあの話も、
もしかして、みたいな話になったのが風立ちぬじゃないですか。
それは、近所の優しいおじさんだと思ってたおじさんが、
大人になったから飯連れてってやるぜって言って、一緒に行ったレストランが、
マフィアが経営してるレストランで、
一番奥の部屋に連れて行かれて、どんって座ったら、
そのおじさんがマフィアのボスだったみたいな。
え?みたいな。おじさんが?みたいな。
スピーカー 1
そういうショックが風立ちぬにはあったわけですよ、僕にとっては。
スピーカー 2
ってなったら今回その10年後、30代になってる僕たちっていうのが、
何を問われてるかって話ですよね。
20代の時に出た風立ちぬにおいては、
人生で最も創造的な10年を、あなた方は何に使うのかって聞かれてたわけですよね。
聞かれてた後に10年経って、君たちはどう生きるのかって言われたら、
この10年の宿題みたいなものに関して、
スピーカー 1
なんか言われるんだろうなって感じじゃないですか。
で、行くわけですよね。
でもこっちはもう、マフィアの親分だってわかってるから、おじさんが。
近所の優しいおじさんじゃないわけですよね。
スピーカー 2
で、塔の中に入ってみたら、この世界を支配してる。
だからこの美しい世界っていうのはジブリの世界ってわけですよね。
スピーカー 1
ジブリの世界。このジブリの世界が宮崎駿が一生かけて作り出してきたこの美しい世界っていうのは、
スピーカー 2
インコやね、ペリカンとかに象徴されるような鳥ですよね。
スピーカー 1
つまり人間の本性みたいな。
スピーカー 2
みたいなものによって、ダメになりつつあると。
彼が作った美しい塔の中には、うぞうむぞうのインコみたいなのがいっぱいいて、
スピーカー 1
せっかく美しく作ったのにダメにしてるわけですよね。
これなんかジブリの観客なわけですよ。
スピーカー 2
あ、そうなんだ。
だから、風立ちぬの時に、
ピラミッドがある世界とない世界どちらがいいかねっていうのを聞かれてるのに、
そのメッセージを受け取らずに、
うわー風立ちぬすげーって言ってたような人たちが、あのインコなんだと思うんですよ、僕。
スピーカー 1
あ、全然それは思わなかった。
スピーカー 2
で、それを受けて、
もう俺は力が衰えていると。
これ以上この世界を維持することができない。
ってお王子さんが言ってくるわけですよ。
スピーカー 1
で、この世界を君にどうにかしてほしいって言われるわけですよね。
それを風立ちぬの時に出た10年の宿題の答え合わせとしてそれを聞かれてるわけじゃないですか。
スピーカー 2
え?ってなりますよ。
それは真人くんの、映画の中の物語として、
真人くんがどのような選択をするかということとは別に、
僕たち一人一人が、あの大王子さんから、宮崎駿から聞かれてる、
あの真人と同じタイミングで、
スピーカー 1
真人が王子さんに聞かれたように、僕たちは宮崎駿に同じことを言われてるんだと思うんですよ。
スピーカー 2
この13個の石をね、集めておいたよと、この無垢な石をね、
集めておいたよって、宮崎駿に言われてるわけですよね。
今まで俺の作品見てきたよねって。
俺の作品の元ネタになったこの児童文学とか世界の美しいもの、
日本の美しい風景、美しい火の描写とか美しい水の描写とか、
宮崎駿が見てきただろうアニメーションとかクレイアニメとか、
スピーカー 1
いろいろ見せてきたよねってあなた方に。
スピーカー 2
この石を持ってあなた方はどうするって言われるわけですよね。
スピーカー 1
そう、全然それは分かんなかった。
えぇ、えぇってなったわけですよ。
僕にってなるわけですよね。
スピーカー 2
ってなった後に真人くんが、あれがね、その後の真人くんのセリフとかがやっぱすげえなと思って、
真人くんがまだ現実世界にいるときに、
スピーカー 1
上級生とちょっとこぜり合いになってケンカになっちゃうんですよね。
スピーカー 2
で、ケンカになったのをちょっと大事にしてやろうと思って、
石でね、自分の頭を殴っちゃうんだよね。
で、その傷が案外大きくて、結構大事になって、
お医者さん呼んで、血もめっちゃ出たし、みたいな。
病気になっちゃうんですよね。
スピーカー 1
感染症になって。
で、超大事になっちゃうんだけれども、その傷が頭についてるんですよね、真人くんは。
スピーカー 2
で、そのおじさんに対して、この傷を見てくださいと。
スピーカー 1
これは僕の悪意の証ですって言うんですよ。
スピーカー 2
だから、最も美しい石を集めてきても、
スピーカー 1
この世界には必ず悪意が入るっていう話を真人くんはするんですよね。
これ、めっちゃ示唆的な話だなって思ったんですよ。
スピーカー 2
だから、おじさんの世界に悪意があるのは、おじさんに悪意があるからですよね。
スピーカー 1
おじさんも同じ傷を持ってるわけですよね。
その前に一遍、積み木を積んでるとこを、おじさんが真人くんに見せて、
なんかこうペンでチョンってやったらグラグラっとなって、ちょっと持ち直すみたいな積み木が。
で、この中から1個選んで、この積み木を安定させてみろ、みたいに真人くんに言ったら、
真人くんが持ってられてる石をみんな見て、
で、ふと頭にちょうど良さそうな円柱形の積み木がスッとその塔に入って、
一番上の屋根みたいな三角を支える絵みたいなのがバッて真人くんに浮かんだ後に、
この石にはみんな悪意があるから、1個もダメです、みたいなことを言って、
それが分かるだけでいい、みたいなのを言われたと思うんですけど、
なんかそれも同じ意味だと思った。
石で殴った自分の傷っていうものの争いと、
この中の自分がイメージして、ここに入れるっていう、なんていうかな、
それがもうダメみたいな、そういう意味かなって思った。
スピーカー 2
なるほどね。だから、
あのインコやペリカンは王子さんが持ち込んだものなんだと思うんですよ。
スピーカー 1
青鷺は真人くんが持ち込んだものなんですよ、たぶんね。
青鷺は真人くんの本心みたいなもんだと思うんですよ。
ずっと真人くんが本当に喋りたいことを青鷺が喋ってるんですよね。
スピーカー 2
青鷺と一番初めは対立してるんだけど、その対立を乗り越えることによって、
青鷺と協力することによって、その世界に順応していくっていう物語なので、
スピーカー 1
自分の中の葛藤っていうのを制御していくっていう話、物語の構造を持ってるなって思ったんです。
スピーカー 2
だから、いずれにしてもインコやペリカンが王子さんと共にこの世界に来たように、
真人くんは青鷺をこの世界に持ち込んでいるので、
それは自分の本性とか、自分の欲望とか、自分の恐れみたいなものがそこにあるんだと。
スピーカー 1
なので自分が自分自身である限り、どうやっても世界を無垢に作ることはできないっていう話。
が、あそこで取り交わされたなって思ったんだけども。
スピーカー 2
うん、わかる。それは。
スピーカー 1
そういう風に見てるんだなって、そこはそう思ったっていう感じ。
スピーカー 2
で、真人くんがその辺でもらった石と共に、自分の世界に帰っていくっていう話だけれども。
だから、世界の欠片っていうか、新しい世界を作り出す種みたいなものは、
宮崎駿の老い子たちのポケットの中には入ってるんだよね。忘れてしまったとしても。
何かを生み出す創造の種みたいなものは、僕たちみんなのポケットに入っているんだな。
スピーカー 1
そうか。だから、なるほどね。そうか。
普通みんな忘れちゃうんだよ、みたいに言われてましたもんね、青鷺。
罠に持って帰ってきたんだ。そんなものを持って帰ってくるから覚えてるんだ、みたいな。
スピーカー 1
普通みんな忘れるし、忘れた方がいいのに、みたいなこと言われてましたね、真人くんが。
だから、真人くんの物語としてはいい終わり方なんだけれども、
スピーカー 2
真人的なるものとしての僕は、宿題が終わってないので、
すみません、宿題終わってません。先生、すみません、みたいな。
この創造的10年間を、僕は空飛しました、みたいな。
スピーカー 1
何もしてません、みたいなやつ。すみません、みたいな。
スピーカー 2
別に期待されてないからね。僕は真人くんではないので、彼の後継者でも。
庵野秀明でもなければ、押井守でもないので、別にいいんだけど。
スピーカー 1
不祥のね、老いっ子の末席にいる者としては、やっぱりじくじいたる思いがあったよねっていう感じ。
なんか、全然宮崎駿の意思っていうか、それは全然考えなかったな。
もっと世界みたいな感じで全部見た。
あの塔の中の世界がすごく、外の現実世界と比べて、
理想的なっていうか、成功線が取れた、バランスの取れた世界として成り立っているみたいな感じではあるけど、
そこにもちょっと歪みみたいなのがあるし、
あの中でもペリカンの話がすごい印象に残ってたんですけど、ペリカンの群れがいて、
なんか、なんかよくわからないけどふわっとした、かわいい、なんか魂の源みたいな、わらわらみたいな名前だったと思うんですけど、
けいこさんって女の人が育たせていく、育たせていくところを見守っているんだけど、そこにペリカンの群れが来て、それを食べ出す、食べ始める。
食べ始めて、それをひみっていう女の子、ひみっていう人は結局ひとくさんのお母さんだったんだけど、ひみが火で焼く。
で、ペリカンだけ落としたいけど、火でやるから、わらわらも結構死んで、
でもペリカンはみんな落ちて、わらわらは全部じゃないけど、ちょっとだけ死んだから残りは生き延びて、みたいな。
で、そこでマヒットくんが、やめろみたいな、そんなことしたらわらわらも燃えてる、火でやったらペリカンだけじゃなくてわらわらも燃えてる、みたいに言うんだけど、けいこさんが、
は、ひみさんを応援して、わぁありがとう、みたいな、これでわらわらが飛べる、みたいに言って、
で、そのうちの一匹のペリカンが、マヒットの目の前に血だらけで瀕死状態で落ちて、
で、マヒットはペリカンを攻めるんだけど、お前がわらわらを食べるからこうやってされるんだ、お前が悪いんだ、みたいなことを言ったら、
ペリカンが、もう自分たちはわらわらを食べていくしかない、って言って、ここには海があるけど、海には自分たちが食べれるような魚がいなくて、
で、その自分たちの食べれる魚を追い求めて、この世界のかなり上空まで飛んで遠くまで行こうとしたけど、どこまで行ってもずっとこの島しかなかった、みたいな、
だからもう、飛ぶのをやめて、自分の子孫たちは飛べなくなってきて、このわらわらを食べていくしか一族の残る方法はないんだ、みたいなことを喋って死ぬ、みたいなとこが、
すごい印象的で、それすごく、あの、生物の、こう、生物の淘汰っていうか、多様性の、生物の多様性の循環っていうか、成り立ちじゃないですか。
あの時、あれで、あ、これ直しかん話だって私は思って、ペリカンにはペリカンの精一杯があって、わらわらにはわれわれの使命と精一杯があって、そこにヒミとかキリコさんがいて、全部の、そのバランスを保とうとしていない、
全員が全力の結果だけが残る、みたいな状況が、塔の中でも起きてるんだなって、いうのがすごいわかるシーンだったと思うんですけど、あそこが。
そこからもうずっと、その視点で見たって感じでした。
だから、あの、塔、大王子さんが保ってるバランスっていうのは、何かをこうしようって言うんじゃダメ、みたいな。
いろいろな結果があるだけで、だからマヒトが、あ、ここにこれを入れたらうまく支えられるな、みたいな、そういうのがもうダメ、みたいなことを、あの積木がやってて、
一番最後その、お前にこの仕事を継ぎたいの13個の無垢な、集めるの大変だったこの無垢な石を積みなさいって言って、マヒトが渋ってたら、インコの大王が適当に積んで、ぐらぐらして、バーンってもう破壊してしまう、みたいなのが宮崎駿の考える人類なのかな、みたいな印象でしたね。
こうやればいいんだよって思ってめちゃくちゃにして、結局自分で壊す、みたいなのを人間の、なんか、ゴーみたいな、人間の様子として、インコ大王として描いてるのかなっていう感じかな、だからナウシカの話も全体的に結末はそうだったと思うんですけど、
でも、それでも、で、マヒトが帰るって言って、王子さんが、今からお前の帰る世界は戦争中だから、火の海になるってわかってるのに、それでも戻るのかって、破滅するとわかってる場所に戻るのか、みたいな問いかけをして、で、マヒトさんを、マヒトは、
ナツコさんを連れて僕は帰りますって言って帰る。で、また扉の前で、
スピーカー 2
大衆の気球みたいなものがそういうものを生み出し、さらにはそれが世界を破滅に導いていくっていう話だなと思っていて。
スピーカー 1
つまり、やっぱり世界を支配しようとするのではなくて、世界に何かを想像しようとする人っていうのが大事なんだっていう話なんだと思った。
スピーカー 2
結構一貫してクリエイターの話だと思うんですよ。
スピーカー 1
宮崎駿のフィルムグラフィーって。
スピーカー 2
何かを見つけ出したりとか何かを生み出す人っていうのが。
スピーカー 1
そうですね。
価値を生み出していて、それは彼がクリエイターだからだと思うんだけど。
スピーカー 2
だから想像的10年間が大事なんだっていう。何を作り出すんだお前はっていう。
何かを作り出すというのは、さっきかいちゃんが言ったような、生態系の中、生き延びようとするメカニズムの中で、
スピーカー 1
僕たち自身が生き延びようとすることによってしか、何かが生み出されるっていうことはないみたいな話だと思うんですよ。
スピーカー 2
だからこの10年間、風立ちぬから約10年間、何を作り出そうとしましたかって感じに受け止めた。
どのように生きましたかみたいな。
生きようとしてきましたか。いざイケメンやもですよみたいな。
イケメンやもってやってきました?みたいな。
スピーカー 1
そうか。だから風立ちぬは、あのペリカンとか、そういう、何て言うかな。
命を燃やせみたいな感じだったと思うんですけど、風立ちぬ。
生きろっていうのは、生存しろっていうんじゃなくて、命を燃やしなさいみたいな。
スピーカー 2
生き延びろっていう意味ではなくて、今ここで命の輝きとなれっていう話だったよね、風立ちぬは。
スピーカー 1
その一つ一つがペリカンだったり、わらわらだったりとかすると思うんですけど、
だから風立ちぬはミクロな感じの、クリエイトとしてはミクロの話で、
君たちはどう言ってるか、もっと引いた視点の話かな、もっと世界。
確かにそうかもしれない。
ズームアップしたやつと、もうちょっとズームアウトっていうか、もうちょっと引いて、全体として見た感じの印象、イメージです。
世界を問うみたいな。この中で生き、この中でどうする?みたいな感じ。
全体を見せて、で、でどうしますか?みたいな。
スピーカー 2
あの、風立ちぬでさ、飛行機の設計会議を軍部と一緒にやるっていうシーンがあるじゃん。
スピーカー 1
で、軍部がずっと何か喋ってるんだけど、僕たちには何言ってるかわかんないみたいなシーンがあるよね。
スピーカー 2
あれは堀越二郎が聞いてないっていう。
で、会議が終わった後に、どうだった?って聞かれて、いや聞いてもしょうがないからって堀越二郎が答えるシーンがあるんだけど、
あれがね、たぶんね、インコが喋れないとかが同じなんだと思う。
聞いてもしょうがないね、この人たちの話をみたいな。
スピーカー 1
もう通じないからね、みたいな。
スピーカー 2
そうそうそうそう。想像性のない人たちみたいな。
それはピラミッドの下部にいる人たちなんだよねっていう。
だからこの映画も結構悲劇的なんじゃないかなと思っていて、ある意味ですげえ鮮明思想的な話をしてると思うんだよね。
スピーカー 1
そうだと思いますね。それはかなりそうと思う。
スピーカー 2
あなたは真人ですよね。真の人になるのか、もしくはインコなのかっていうことを聞かれてるんだけど、
スピーカー 1
それは絶対そうと思う。
多くのインコは自分のことを人間と思いながら生きていくっていう話でもあると思うんですよ。
僕は風立ちぬの時にそこが一番ショックだったんですよね。
スピーカー 2
宮崎駿ってもっとインクルーシブルな人だと思ってたから、
僕は結構子供の時に風の谷のナオシカの漫画版も読んでたから、
ナオシカの博愛的なところ?虫を助けるとか。
スピーカー 1
ああ、そうなんだ。
年金のために頑張るとか、そのようなところに着目していたんだけれども、
虫を助けたり、年金を助けたり、人間を助けたりした結果、虚無に晒されて、
なんかこういうんじゃねえなってなっていく。
ちょっと違った。こういうのあんまり意味ねえんだなってなってくるわけじゃないですか。
映画では完全にそこがナオシカの主戦として描かれてるのに、漫画の中では迷いみたいな部分なんですよね。
ナオシカの。
スピーカー 2
で、結局最後庭に行って、庭でナオシカ改造されちゃうわけじゃないですか。
で、庭から出ていくときに、庭の主に向かって、
あなたは残酷だけど優しいっていうんですよね。
スピーカー 1
あなたは生命を奪えないので私を殺さないっていうんですよね。
ナオシカは逆なんだね。
スピーカー 2
ナオシカはいざというときに誰かを殺すことをためらわない人間だから。
スピーカー 1
そうそう。
スピーカー 2
だなっていう。で、それとかを、風立ちぬを見て、気がついたって感じなんだよね、僕はね。どっちかというと。
あれ?って思ったわけ。
スピーカー 1
博愛とかじゃないんだみたいな。
で、なんていうの、この、その後に全部を見てみると、博愛とかじゃねえっていう話になってくるから。
僕たちみんなが頑張ればバズーみたいになれるみたいな話では全然ない。
スピーカー 2
頑張ればキキみたいになれるみたいな話じゃないっていう。
スピーカー 1
生き延びようとしなければキキにはなれんっていう話。
スピーカー 2
生き延びようとしてさえなれん奴はいっぱいおるっていう話。
スピーカー 1
魔女の宅急便ではキキに一番初めに会う魔女の女の子が。
スピーカー 2
だからあの子はキキになれなかったですよね。
ああいうふうに自由に生きようとしてうまくいかなかった。
結局その花町に行くっていう話だし。
スピーカー 1
なんていうかな、パズーのお父さんとかね。
人生どうにもならなかったわけですよね。
だからどうにもならない人はいるみたいな。
ってなった時に、どう生きるのかか、みたいな。
私、20歳か19歳か20歳かぐらいの時に、風の谷のナウシカのコミック版を全部読んで、
その時に私に最も強く残ったナウシカっていうのは博愛だったから、博愛の方じゃなくて、博愛と慈悲。
博愛の方が先で、
博愛と王様がナウシカを見てすごく気に入って、
気に入ってというか賞賛して、気に入った。
お前は博愛と慈悲の混沌だって叫ぶシーンがあって、そこがめっちゃ好きで、
博愛と慈悲の混沌かと思って。
博愛と慈悲の混沌としての墓所を破壊するナウシカの慈悲みたいなものをずっと考えて今まで来たので、
君たちはどう生きるかで、これでもかっていうぐらいそれを何重にも重ねて、
もう一回やってもらって、決意を固めたって感じ。自分の覚悟を決めたみたいな。
そういう感じでした。君たちはどう生きるか見て。
確かにね。ちゃんと着目すべきところに着目してるな。
スピーカー 2
僕何年も同じシーンで最も着目してたのはあれだもんな。
同家が乗っ取られるじゃないですか、墓所の主に。
で、乗っ取られた後に、同家の頭巾にくっついてる鈴がチリーンって鳴って、
スピーカー 1
どの真実をだねって言うんですよ。
スピーカー 2
あれが一番好きだった。そこじゃなかった。
スピーカー 1
注目すべきなのは。そこじゃなかった。
あとなんか、やっぱりその庭、コミック版のマウシカの墓所に、
人間を墓所に行かせないための罠としての美しい庭と図書館みたいなのがあって、
足止めを、王様たちは夢中になっちゃって、音楽とか古い、ここには全ての音楽があるみたいな、全ての本があるみたいな。
なんかそのイメージは、あの塔の中の本がきっしり詰まった壁みたいなのを、
なんかすごいおんなじだなと思って、この中すごい、あの庭みたいな感じなのかなって思ったし、
一番その、なんか宙に浮いてる石みたいな、大おじさんが。
スピーカー 2
世界の中心みたいな。
スピーカー 1
あそこに行くまでに、楽園みたいな庭園があって、インコたちは、
天国だ、天国だーって。
これ庭だって思った。あの庭だこれと思いましたね。
スピーカー 1
で、墓所を、新人類のための卵を全部破壊してしまって、ナウシカが。
もうその、滅びゆく世界だとわかっていても、私たちは生きるしかないみたいな決断をするのと、
魔人が、そのおじさん、大おじさんの仕事を継ぐのをシーブルっていうのが、なんか同じ意味かなと思った。
スピーカー 2
確かにね。ナウシカ庭の主にスカウトされてるんだよね。
スピーカー 1
一緒に永遠に生きて、この庭でこの世界の管理人になりましょうって言われるんだけど、断るんだよね。
スピーカー 2
墓所へ行かねばならないからって。
墓所で行って何をやるかっていうと、
世界の汚染っていうのが終わった後に、その世界で生きるべきだった、
遺伝的に操作されて、争わない人間たちがいるんですよね。
それの培養層を全部ぶっ壊すってことやるの?
スピーカー 1
そうそう。あれは結構最初の時衝撃でしたね。ナウシカね、みたいな。
そこまでは私も、博愛のナウシカをまだ捨てきれてないから、
卵を全部ぶっ壊しはみ出めて、こいつやべえ、みたいになった。
あの卵と、卵の中から生まれてくるはずの人たちっていうのと、
キリコさんが魚を捕まえて、配る時に影みたいな人がいっぱいいて、
あの人たちは自分で殺せないから、もらうことしかできない、みたいなことを言う。
あの影の人たちと、卵から生まれてくる人たちがすごい同じかなって思った。
スピーカー 2
なるほどね。死人なんだ。
スピーカー 1
うん。生きていない人たち、みたいな。
死人の方が多いとか言ってたし、この世界の死人の方が多い、みたいにキリコさんが言ってて。
スピーカー 2
高度にめちゃくちゃエスカルな人たちっていうのは、
それはそれで生きてると見なされてないんだ。なるほどね。
スピーカー 1
だから、あの影、接触ができないっていうのは、
ペリカンや、わらわらや、キリコさんや、
全力で生きるのができない人たち。
分け前をもらうことしかできない人たち。
スピーカー 2
確かにね。
そんなものは生きてるとは呼べんって、そっちかな。
スピーカー 1
そんなものは人間とは呼べんってブオウも言ってましたもんね。
これ、君たちはどう生きるかの中の、君たちはこう生きるなの部分と思った。
スピーカー 2
死人か。死人、ペリカン、インコ、大おじさんがいるわけだ。
スピーカー 1
うん。そうそう。
スピーカー 2
大おじさんでいることも、別にいいこととして描かれてないもんね。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
苦しみの中でやってるからね、あれをね。
スピーカー 1
しかもそれは、ある意味で無意味なことをやってるんだよね。
スピーカー 2
滅びが宿命づけられた世界みたいなものを、
スピーカー 1
延長してる。
スピーカー 2
どうにかこうにかやってるだけで、
スピーカー 1
そこに特に意味があるわけでも、達成できる何かがあるわけでもないんだ。
スピーカー 2
っていうことだもんね。
スピーカー 1
あれについてはどう思いました?
スピーカー 2
女性性。つまり夢の世界で出てくる人物っていうのが、
僕の考えでは、3種類しかいない。
スピーカー 1
鳥、魔人、お母さん。
スピーカー 2
で、鳥は魔人自身なので、
スピーカー 1
鳥と魔人は同一のもんである。
スピーカー 2
でなると、基本的に世界の中に魔人とお母さんしかいない。
だから、あの世界に出てくる人っていうのは、
具体的に言えば、鳥、魔人、キリコさんっていう魔人の家の使用人だった人と、
あとヒミっていう魔人の産みのお母さんと、
スピーカー 1
あとナツコさんっていう魔人の義理のお母さんと、
スピーカー 2
大王子さん。
6人いるんだけど、
この6人のうち、大王子さんと魔人はおそらく同じなんだよね。
スピーカー 1
別々の時間軸の同じ人物。
スピーカー 2
で、鳥も魔人の本心だと考えると、
鳥、魔人、大王子さんは一律なんだよね。
で、残りのナツコさん、キリコさん、ヒミさんは、
その3人とも、やっぱりお母さんなんだよね。
スピーカー 1
なんかその画面の美しさみたいなのはすごい印象的だったっていうか、
話も全体的に抽象的だったけど、
絵も結構抽象的な部分が多くて、
今までのどれよりも、なんかその話の流れの中で美しい森とか、話の流れの中で美しい景色とか、
そういうのは、とか、千と千尋の夕焼けの感じとか、
風立ちぬのは風にかぶっと吹いて、傘が飛ぶみたいなのとかはあったけど、
あの建物の中がカオスっていうのもあるけど、塔の中が君たちはどう生きるか、塔の中がカオスなのもあるけど、
なんか本当にこう、美しい絵みたいなのが、抽象的にいきなりポツンポツンと出て、
なんか双周辺感があるっていうか、宮崎駿が描きたい絵を描く、みたいなことだったのかな、みたいな思いました。
場面から場面への繋がりがないんだよね。
たとえば、風立ちぬの時に被災してから家に帰るまでの道とかっていうのが結構ちゃんと描かれてたし、
ムスカから解放された後にパズーが家に帰る間、その家に帰るまでの道みたいなのが描かれてたんだけど、
スピーカー 2
君たちはどう生きるか、場面から場面への移動シーンがないんですよね。
スピーカー 1
確かにそうですね。ポツ、パチ、パチ、みたいな感じですね。
だからものすごく抽象的に見えるし、場面が移り変わった時に景色みたいなものが絵画的にバッて出るから、美しいってなる。
スピーカー 2
一番初めに塔に入ってから、その塔の床が溶けて落ちていくんですよね。
落ちていった後は大海原で死の島があるんだけど、何のあれもないですか?
スピーカー 1
唐突ですよね。
スピーカー 2
パッて死の島になってますからね。
スピーカー 1
落ちていって、みたいなのないですもんね。
あと最初のお屋敷から、特にお屋敷の中、夏子さんのお屋敷の中の足音がすごい印象的でした。
足音超リアルって思った。下駄で歩く、外を歩く足音とか。
そこから、夏子さんが表の大きい玄関から上がって、履物を持って行きましょうねって言って、下駄をカンカンって合わせるとこすごい好きだったんですけど、
あそこから板間を歩く、板間をスリッパで歩く音と、裸足で歩く音と、そこから畳に入るとか、
それがすっごい細かく分けられてて、すっごい気持ちよかった。足音が。
スピーカー 2
なるほどね。そうだったかもしれない。
スピーカー 1
僕、アトビー…ん?
スピーカー 2
ドルビーアトモス?
スピーカー 1
ドルビーアトモスだった。
って見ました?あ、そうなんだ。私普通のやつだった。
すっごい足音が心地よくて、スリッパで歩いてるなとか、すぐ分かるみたいな感じが面白かった。
スピーカー 1
全然どうでもいい話なんだけどさ、僕、ほら、あれが好きじゃないんじゃないですか。
スピーカー 2
で、一番初めに青鷺が、
スピーカー 1
あー。