今から、ある商品の説明文を読むので、どんな商品か予想してください。
ただし、正式な商品名でお願いします。
でもね、これ、日本人なら、ほぼみんなわかるんじゃないかな。
交換可能な、ロール状の使い捨て粘着テープを用いた、ローラ式埃取り具です。
はい、もうね、パッと形が浮かんだんじゃないでしょうか。
じゃあ、せーので言いますか。
せーの、コロコロ。
ということで、はい、皆さんね、大正解だと思います。
はい、というわけで、本日の研究テーマはこちら。
オノーマトペ系の商標のネーミングを見ていきたいと思います。
以前、ウォシュレットとか、あの文房具、セロテープとか、ボンドとか、あれも商標だったって話しましたが、
それの第3弾でございます。
このシリーズ、結構ね、反響が大きいので嬉しいんですが。
はい、で、今日はその中でもオノーマトペに特化した、もう限定した、
それ意外と商標だったんだーっていうやつをね、紹介してみたいと思います。
はい、というわけで、コロコロはね、コロコロという名前が正式名称で、それが商標登録されているんですが、
はい、ね、あの、ちょっと頭使ってなさそうでしょ。
一見ね。
なんだけど、ネーミング的にはバカ強いんですよ、このオノーマトペ系の商標はね。
はい、というわけで、このエピソードを聞いた後には、皆さんコロコロをね、尊敬の眼差しで見ること間違いなしですので、
はい、ぜひ名付けの奥深さと難しさを味わっていただきたい15分でございます。
最後までお楽しみください。
はい、申し遅れました。ネーミングけんきゅーラジオちゃこ先生です。
というわけで、最初は冒頭に出したコロコロの話をね、したいと思います。
こちらは日東電工、ニトムズが作っている商品でございます。
実はですね、コロコロの商品数って180以上あるって公式サイトに書いてあって、
本当かよって思ったらね、めっちゃあったんですよ。
で、ただそれを見てたらですね、私はちょっとある共通点に気づいてしまったので、
皆さんにも、あの、お気づきいただければと思います。
ちょっとね、一部商品読み上げますので、ちょこちょこ解説入れながら紹介しますが、
何が共通しているか考えながら聞いてみてください。
では、コロコロワイド。
コロコロ200。
この200ってのはね、横幅が、ロールの幅が20センチってことかな。
はい、通常版のね、1.6倍ゴミが一気に取れるらしいですね。
とか、コロコロミニ。
コロコロフロアクリーン。
コロコロフローリングクリーナー。
こういうフローリング系の特化したやつとか。
携帯コロコロ。
これは携帯型のって意味ですね。持ち運び用のちっちゃいやつとか。
こんなんもあるんですね。
指紋コロコロ。
はい、これはね、スマホ画面の皮脂汚れを取るためのめっちゃちっちゃいコロコロ。
こんなんあるんですね。私全然知りませんでした。
はい、みたいなのを今ね、7つくらいかな、紹介したんですが。
共通点お気づきでしょうか。
コロコロワイド。
コロコロ200。
コロコロミニ。
コロコロフロアクリーン。
コロコロフローリングクリーナー。
携帯コロコロ。
指紋コロコロ。
はい、こちらはですね、共通点としましては、
どれもコロコロっていうのが頭にくっついてくる。
後ろにつくやつもありましたが、はい、っていうのが特徴になります。
これはね、以前、ていうか何回も出てきてますが、このネミけんで、システムネーミングっていう名付けの一つですね。
システムネーミングっていうのは、iPadとかiPodみたいにちっちゃいiをね、頭につけとくと、これはApple製品だってわかるのと同じような感じで、
新しく造語をね、考えなくても、これはコロコロシリーズの1商品だってのがパッとわかるっていう、ネーミングの技術の一つですね。
はい、というわけで、コロワイドじゃなくてコロコロワイド。
コロミニじゃなくてコロコロミニっていう風で、2回繰り返すことに意味があるタイプのオノマトペなんですね、これは。
このコロコロっていうところのね、コがA、ロがBだとしてABABタイプっていう風に型を分けたりすることもありますが、このコロコロはそれにあたりますね。
で、辞書で見てみると、日本語のオノマトペ辞典によりますと、丸いものや小さいもの、円筒形筒ね、筒の形や車輪状のものなどが転がっていくときの軽く高い音、またその様ということで。
まあ商品情報そのままを言っているネーミングなんですが、この回転っていうのはね、連続運動なので、このコロだったらちょっと止まっちゃいそうですよね。
あれあんまりロール紙の巻数ないのかなみたいな感じで、コロコロって2回繰り返すことによって回転させながら使う商品だってことを伝えているんですね。
はい、というわけでオノマトペの性質から商品情報を読み取ることができたんですが、
同じく、もう一つ超有名な、コロコロぐらい有名な商標だったんかいそれってやつあります。紹介しましょう。
一般名称はね、気泡干渉剤です。気泡ね、泡ですよ。の干渉剤、クッションね。
はい、こちらは川上産業さんが作っておられるプチプチという商品です。
はい、皆さんね、プチプチ放送紙潰したことあるんじゃないですか。あれは商標だったのは結構有名っちゃ有名なんですが。
はい、でね、こちらの私、公式サイト初めて見たんですけどめっちゃ面白くて。
プチプチ総合カタログっていうのがね、あの公式サイトに載ってるので、ちょっとURL概要欄に貼っておきますから皆さんぜひ見てください。
あのね、フルカラーでネーミングのね、気合の入り方がすごすぎて超楽しかったです。
で、こっちはね、プチプチはコロコロの時とはまた違う特徴が、そのシリーズのネーミングに出てるなって思ったので、
また読みますのでちょっと聞いてみてください。で、どんな特徴があるか共通点探してくださいね。
スマートプチ、バイオプチ、ループプチ、ピリプチ、ハートプチ、エコポカプチ、アルミプチ、クラフトプチ、シュリンクプチ、タックプチです。
はい、さっきコロコロの共通点説明したので、もうほとんどの方がお気づきじゃないかと思いますが、
そうです、プチプチはコロコロみたいに繰り返さないシリーズ展開してるんですね。
スマートプチ、スマートプチプチじゃなくてスマートプチっていうことですね。
繰り返すやつはあったんですが、浮世絵プチプチってやつだけでした。
浮世絵のプリントがされているラッピング系の放送紙だそうですね。
そのカタログに載ってた31商品中、22商品がプチのみがついていて、
7割近くの商品が繰り返さない形でプチを使用していたんですね。
というわけで、このプチだけで存在感を表すっていう大変素晴らしいネーミングなんですが、
それもそのはず、日本ネーミング大賞、2023年の受賞作品でございました。
はい、こちらもURL貼っておきますが、
当初はエアバッグっていう名前で発売していたそうですが、
当時お客様へエアバッグを説明するとき、
プチプチと潰す干渉剤ですと説明することが多く、
もうそれなら名前をプチプチにしてしまおうと変更したのがネーミングの由来ですって書いてありました。
面白いですよね。
もう説明の時にオノマトペで説明した方が早いからもうそれにしちゃおうっていうね。
すごいなんか、実情に即した名前の由来だなと思ったんですが。
はい、というわけで、これ辞書的な意味ではね、
小さなものを潰す音、またその様ということで、
つまり、なんていうんですかね、さっきのコロコロみたいに連続性とか継続性がなくてもわかるんですよ、このプチっていうやつは。
で、これね、ちょっとびっくりしたんですけど、日本語オノマトペ時点にはね、
さっきの小さなものを潰す音の次のところに、
小さな粒状のもの、包装や梱包に用いるポリエチレン製の商標名って書いてあって、
あ、すごい日本語オノマトペ時点にも商標名拾うことがあるんだっていうので、かなり感動しました。
はい、というわけで、今ねコロコロとプチプチ見てきたんですけど、
最後にもう一つ、このABABタイプで超有名な商標紹介します。
これも皆さん知ってます。
つまり、ガチャガチャです。はい。
ガチャガチャはいろんな呼び名がありまして、ガチャポンとか、ガシャポンっていう人もいるんじゃないですか。
はい、実はこれね、すべて商標でございます。
ガチャガチャも、ガチャポンも、ガシャポンも、バンダイが取得しています。
で、ガチャはね、確かたからとみアーツが取ってるはずですが、
はい、というわけで正式名称ね、トイカプセル、あ、一般名称か、一般名称トイカプセルっていうことなんですけど、
で、辞書ではガシャポンで立項されてまして、ここにもね商標名っていう表記がありました。
で、さらにガシャポンの音の作りまで説明してまして、
効果を入れてガシャガシャとハンドルを回すとポンとカプセル入りの玩具が出てくるところからっていうふうに書いてあって、
そのガチャポンっていう前半と後半で、
そのあのトイカプセルのマシーンの機構?作り?みたいなところまで言い表しているのがいいオノマトペだなと思って。
私はガシャポンとかガチャポンが好きな人なんですけど。
はい、というわけでこのコロコロとかプチプチとかガチャガチャみたいに繰り返す形のABABタイプっていうオノマトペ。
かつ、裸のオノマトペでさらに日本語ってのが少ないんですよね。
裸のオノマトペってのは何かっていうと、例えばガチャガチャトイだったらそのトイの部分が邪魔じゃないですか。
とかなんでしょうね、お掃除コロコロっていう名前だったらそのお掃除の部分が邪魔でしょ?みたいにそのオノマトペ単体でっていうのが裸のって意味なんですけど、
ってなるとこれはねかなり少ないんですよ。私が探したのは今回この3つだけが特に著名なやつだったので、
まあレア度的にはSSRくらいもう超ウルトラスーパーレアみたいなね、ガチャだけにっていう形なんですけど。
はい、お待たせがよろしいようで。
さあ、さっきまではめちゃくちゃレア度の高いウルトラスーパースペシャルレアみたいなやつを紹介したんですけど、
最近私がね実際に見かけたやつで、そのオノマトペ、裸のオノマトペのやつあったなぁと思って紹介したいのが、
これ写真あるんでYouTubeでは貼っときますけど、ポテトチップスのねギザギザっていうやつがありました。
ただこれはカルビーのポテトチップスというブランドの中の1商品なので、このギザギザが単体で何か1つのジャンルを表しているわけではないのであれなんですけど、
ちょっと厚切りでギザギザした波模様の入った形状から来ているネーミングですね。
だから何でしょう、これがポテチじゃなくてギトギトっていう名前、単体で売ってたらもうそれはすごいことなんですけど。
やだな買いたくないなギトギト。
それぐらいだからほと単体のオノマトペでその商品が唯一無二みたいなやつってなかなかないんですよね。
ていうか、表記が英語のやつとか、それこそ他の言葉がつく商品っていくらでもありまして、
今調べてた限りね、チョキチョキっていう男性向けの美容雑誌が昔あったりとか、
これ英語表記なんですけど、とかね、裸じゃないやつだったらタンスにゴンゴンとかゴキブリホイホイとかみたいなね。
このタンスにとかゴキブリっていう部分がくっついてきちゃったりするので、ゴンゴンとかホイホイ単体ではやっぱ商品名にはなれないんですよね。
だから相当レアじゃない?マジでコロコロプチプチガチャガチャってすごい命名ですよね。
なんかでもあれかな、絵本とかにはオノマトペ単体系が多いですかね。
えっとモコモコモコとかね。あれは3回繰り返してますけど。
ニュージーム系の商品には実は結構あるのかもしれないですね。
その知名度とかを置いといて。
もしご存知の方いたら教えてほしいですけれども。
はい、というわけでまとめに入りまーす。
今日はね、めちゃくちゃ珍しいオノマトペ系の商標として主にコロコロプチプチガチャガチャとか紹介してまいりましたが、
最初にオノマトペ系ネーミングって一見アホそうみたいな頭使ってなさそうとか言いましたけど、
実は相当ね、自社製品の研究をしてないとこれは出てこない名前だと思うんですね。
しかもそれがユーザーの感覚と一致してないと売れないというかピンとこないっていう事態になりますので、
私も分析してて改めて素晴らしい命名だなと思って感心しっぱなしでしたが。
ただね、個人的にびっくりしたのがコロコロが日本語オノマトペ時点に商標名っていう風に載ってなかったのが意外でしたね。
っていうのはコロコロが実は一番歴史が古いんですよ。
コロコロが1985年に商標取ってて、プチプチが1994年、
ガチャガチャが1988年、ガシャポンが1985年か。
だからコロコロと同じなんですよガシャポンって。
それは商標名として日本語オノマトペ時点に載ってたのに、なんでコロコロは載ってないのかなとか言う。
これ何癖じゃないですけど発見なんですけど。
っていうのを見つけられたりして、早くも皆さんの看譜からいただいた日本語オノマトペ時点大活躍しておりますが。
今後も珍しいオノマトペ系の商標とか商品名を探していきたいなと思っていますので、
リスナーの皆さんも見かけられたら教えていただけると嬉しいです。
YouTubeのコメント欄とかTwitterXのハッシュタグネミけんとか、
あとネーミングハントっていうタグをつけて投稿いただけると嬉しいです。
また巡回させていただきます。いつもありがとうございます。
はい、というわけで今回は以上にしたいと思います。ありがとうございました。
ではまた次回。バイバーイ。
バイバイはオノマトペじゃないね。