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さて、今回のテーマは、古文の助動詞です。 OK, so today's theme is 古文の助動詞です。
はい。 Yes.
特に、このお送りいただいた一覧表の中でも、意味がたくさんあって、 In particular,there are a lot of meanings in this column,
誰もが一度は混乱する、水量とか意志のグループですね。 and it's a group ofideas and wills that confuse everyone.
ええ、ええ。 Yes, yes.
無、むず、けむ、らむ、べし、まし。 無、むず、けむ、らむ、べし、まし。
いやー、これだけあると思う、ただの暗記ゲームになりそうじゃないですか? Well, I thinkit's going to be a simple memorization game, isn'tit?
なってしまいますねー。 丸暗記はやっぱりすぐ忘れてしまいますから。 It's going to bea simple memorization game.
ですよね。 So,
そこで今回は、この複雑な助動詞たちを、こう、意味のある塊として、すっきり整理し直すことを目指したいなと。 this time, I'd like to try to organize thesecomplicated verbs in a meaningful way.
いいですね。 Actually,
実はこのグループ、いくつかのシンプルな法則で分類できるんです。 this group can beclassified by some simple rules.
何に接録するか、という形と、後は、話している人が何を根拠にそう言っているのか、という視点。 Whatto connect to, and what the speaker is sayingbased on.
この二つを組み合わせると、驚くほど見通しが良くなりますよ。 If you combine thesetwo, it's surprisingly easy to understand.
それは心強いです。 That's reassuring.
では、早速、基本の無と無数から見ていきましょうか。 OK, let's start with 無and 無数.
はい。 OK.
資料によると、どちらも、接続は未然形ですね。 According to the data, bothof them have a pre-existing form.
はい、未然形です。 Yes, a pre-existing form.
あの、未然形というと、まだそうではない、という形。 In the case of a pre-existing form, it's not yet.
まだしていない形につく、という理解であっていますか? Do you think so?
まさにその通りです。 That's right.
その、まだ実現していない、というニュアンスが、意味を考える上で非常に重要になってきます。 Thenuance of the pre-existing form becomes veryimportant when you think about the meaning.
なるほど。 I see.
ここで面白いのが、意味を見分ける鍵が、実は主語にあることなんです。 What'sinteresting here is that the key to distinguishthe meaning is actually in the subject.
主語ですか? The subject?
はい。 Yes.
主語が、一人称。つまり、私なら、「しよう!」という未来への意思。 The subject isthe will to the future, which is the first person.
ふんふん。 Yes.
二人人称。あなたなら、「してはどうか!」という勧誘。 The second person isthe will to the future.
はい。 Yes.
そして、三人称。彼とか彼女なら、「しゅうだろう!」という未来への推量になることが多いんです。 Andthe third person is the will to the future, whichis the will to the future.
へー、面白い。 That's interesting.
ムズは、ムをちょっと力強くしたバージョンと考えてもらえれば。 Yes. The pre-existing form is a little bit more powerful.
なるほど。主語によって、話者の気持ちを読み取る、と。 I see. You can read thespeaker's feelings by the subject.
そういうことです。 That's right.
この未然形接続グループには、対になるものもありますよね。 There are alsoobjects in this pre-existing group, right?
確か、字はそれでしょうか。 I think so.
ええ、まさに。字はムの完全な打ち消しですね。 Yes, exactly. The letter isa perfect omission of ム.
打ち消し、打消し推量、それころ打消し意志。 The omission, the omission推量, and the omission will.
同じ未然形接続なので、ムと字は光と影のペアとして一緒に覚えてしまうのが一番効率的です。 Theyare the same pre-existing group, so it's the mostpowerful to remember ム and the letter as a pair oflight and shadow.
なるほど。 I see.
では、主語ではなくて時間がカギになる助動詞も、資料だとケムとラムですかね。 So, the助動詞,which is not the subject, but the key to the time,is the same as ケム and ラム, right?
そうですね。 That's right.
こちらは接続が連用形とさっきのグループとは違いますね。 This is different fromthe pre-existing group.
いい点に気づきましたね。 You've noticed a good point.
連用形は文字通り、用言に連なる。 In the case of the pre-existinggroup, it's the same as the letter.
論理的ですね。 In other words, ケムは過去への推量で、昔はさぞ見つかりケム。 ラムは今この瞬間の推量で、今頃何をしていらむと。
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その通りです。 That's right.
例えば、昔の都の跡を見て、昔はさぞ見つかりケムと想像したり、遠くにいる人を思って、今頃何をしていらむと考えたり、そんなイメージですかね。
まさにその通り。具体的な条件を思い浮かべると、使い分けがスッと頭に入ってきますよね。
いやー、分かりやすい。
さて、ここからがちょっと正念場な気がします。
べし!
あー、来ましたね。
資料の一覧だと、推量、意思、可能、当然、命令、適当と意味が6つもあって、
多いですよね。
どうやって見分ければいいのか途方に暮れてしまいます。
べしは多くの人がつまづく、ラスボス的な存在ですね。
ですよね。
ですが、核になるイメージは、そうするのが当然だ、そうなるのがふさわしい、という強い核心なんです。
強い核心。
はい。その核心が文脈によって、すべきだ、当然になったり、きっとだろう、推量になったり、できるはずだ、可能になったり、と色々な色合いに変化するんです。
なるほど。
そしてこの万能選書のべしにも、きれいな反対語があります。それが、
あ、まじですね。
そうです。まじです。
あー、なるほど。べしがすべきだなら、まじはすべきでない。
えー。
白だろうに対して、白ないだろう。べしの全ミーニングをそのまま裏返す鏡のような存在なんですね。
その通りです。この2つもペアで捉えると、情報の整理がぐっと楽になります。
確かに。
どちらも文末に来ることが多い収支系に接続するのも、強い判断を下す言葉として納得がいくでしょう。
では最後に、少し毛色の違うグループ。
ラシ、メリ、ナリ。
はい。
これらも推定ですけど、一覧表を見ると根拠が違うとありますね。
そこが確信です。これは、なぜそう思うのかという情報の出どころを示す助動詞なんですね。
情報の出どころ。
ええ。ラシは客観的な状況証拠からの推定です。
雨が降ったらしいというのは、例えば地面が濡れているのを見たといった根拠があるわけです。
なるほど。じゃあメリとナリは?
メリは視覚、つまり目で見た様子からの推定ですね。
目で見た?
目の目と覚えるといいかもしれません。
煙が立っている、火事であるメリ、つまり火事であるように見える、という具合です。
わかりやすい。
一方、ナリは聴覚、耳で聞いた情報が根拠になります。
笛の音がする、さいであるナリ、まね、さいであるようだ、と。
あ、音のナリとかけて。
そうですね。情報のソースを意識するだけで、訳詞分けが格段にクリアになりますよ。
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いやー、本当に頭が整理されました。
結局、助動詞を理解するコツって、まず接続、つまり何につくかでグループ分けして、
次に主語とか時間、根拠、といった文脈のヒントで意味を絞り込む、という二段構えなんですね。
まさに。最後に一つ、あなたがこれから古典を読む際に、ちょっと考えてみてほしいことがあるんです。
はい、何でしょう。
これらの助動詞は、単に事実を述べているわけじゃないんです。書き手がその情報をどう捉えて、どう感じているか、
確信なのか、推測なのか、見たままなのか、噂で聞いたのか、その人の立ち位置を表明しているんですね。
立ち位置ですか?
ええ。助動詞という小さな言葉を通して、書き手の心の動きとか視点を想像してみると、物語やワカナ、もっとこう深く立体的に立ち上がってくるんじゃないでしょうか。