1. 今日も明日も授業道~国語教育をゆるっと語る~
  2. 514_声はAIに取って代わられる..
2026-10-22 14:10

514_声はAIに取って代わられるのか ―子育てとスライド作りから考える

AIが声優の声まで再現し、見事なアナウンスをこなす時代に、人が話して伝えることの意味はどこにあるのでしょうか。子育ての中で感じた、目線や肌の温度、声の振動、身振りを伴うやり取り。漫画の「振りと受け」にも通じる、スライド作りでの目線・文字量・リズムの計算。音声データだけでは伝わらないものについて、私自身の実体験から考えます。AIに任せるところと人間がやるべきところを、どう見極めるかを問う回です。

この番組ではリスナーさんからのメッセージをお待ちしております。
以下のメールフォームからお気軽に感想やメッセージをお寄せください。
https://naomi-sensei.com/deta/podcast-form/podcast-feedback-form.html

 

#ポッドキャスト #国語教育 #生成AI #プレゼンテーション #身体性

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

AIによる音声合成や朗読が進む中で、人間の声や朗読が置き換えられるのかを、身体性という観点から考える。話し手は、目線、肌に伝わる温度や振動、揺れ、身振り、呼吸などが音声とともに伝わり、相手の反応に応じて内容を変える点に人間の伝達の特徴があると語る。後半では、AIにスライド作りを丸投げしない理由として、会場の広さや人数、話す速度、聞き手が文字を処理する時間を考えながら、漫画の「振りと受け」のように構成していることを説明する。AIの利便性を認めつつ、人間の応答力や身体性を生かしたハイブリッドな活用と、AIの朗読を一つの解釈として使う音読授業の可能性を提案する。

AI音声と人間の朗読の違い
皆さん、こんにちは。 今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、 働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は514回、声はAIにとって変わられるのか? 子育てとスライド作りから考えるというタイトルでお届けしたいと思います。
先日、AIと対話しながら、「声や朗読はAIにとって変わられるのか?」 という問いを考える機会がありました。
その対話の中で行き着いたのが、「身体性」というキーワードでした。
今日はその話に、私自身の実体験、つまり子育ての経験や スライド作りの経験を加えて考えてみたいと思います。
エビデンスに基づいた話というよりも、 一人の養育者として、また話し手としての実感から語る回になります。
それでは今日も国語教育をゆるっと語っていきましょう。
最近のAIというのは進化が目覚ましくて、 自分で音声を合成してナレーションをつけたり、そのまま話したりできるようになっています。
自分でというのは、AI自身でということなんですけどね。
それだから、声優さんの声をそっくり真似するような技術まで現れ始めていて、 先日、新聞やニュースで話題にもなっていました。
しかも、声優さんの大変お上手な抑揚とか息遣いままでも再現していると言われています。
そういった話を聞くと、人間が話すということはこれからどうなっていくんだろうと、そういう危機感を覚えます。
私はポッドキャストで間の取り方とか声の強弱などの音の表現を意識して使い分けるようなトレーニングを今しています。
そこでAIに、そうした音の表現というのを理解して再現できるんですかというふうに尋ねてみました。
AIの答えは、文字起こしをした時点で間の長さとか息遣いといった情報はほとんど失われてしまうというものでした。
また、AIの読みは誤りのない平均的な読みになりやすく、読み手が一行をどう解釈したかという固有の部分は出てこないということでした。
ただ、聞き手の多くは十分自然であればそれで良いと感じるから、成果物としての音声はどんどん置き換えが進んでいくだろうという指摘もありました。
これはオーディオブックとかそういったところとかニュースのAIがアナウンサーになって読んじゃうという、ああいうやつですよね。
聞き手の人は十分自然で、そして聞き取りやすかったらいいんじゃないかというふうに考えている人が多分多いだろうから、成果物としてはそこまで人間らしさを求めなくても十分じゃないかという、そういう指摘もAIの
方からありました。
子育ての経験から考える声の身体性
ここからはとても個人的な私自身の感想とか感覚の話になります。
私は子どもを産んで育てた経験から、声を発して聞くというそういったやりとりは、AIがデータ化する以上のものを同時に伝えていると感じています。
赤ちゃんに話しかけるとき、私たちは目線を合わせますよね。
抱っこをしていれば肌の温度が伝わり、声の振動も皮膚を通して伝わります。
それから揺らしながら話しかけることで、その揺れも一緒に伝わっていくと思うんですよ。
また赤ちゃんは声だけでなく、身振りや手振りといったジェスチャーも受け取りながら聞いています。
私自身も話しかけるときは、自然と身振りや手振りを加えたり、しっかり目線を合わせたりしています。
そういったジェスチャーと音とが一緒になって、一つのメッセージとして伝わっているのだと思います。
さらに微妙なタイミングや音の強弱も、言葉と一緒になって届いています。
つまり私たちは音声情報だけでなく、目線や温度、振動や揺れ、身振りといったものを背負って話しているのではないかと思うんです。
それは呼吸とでも言っても良いのかもしれません。
AIも息遣いを音として再現するということはできると思うんですけれども、
その場で相手と呼吸を合わせるということはまたちょっと難しいんじゃないかと思います。
なので音声データだけを切り取って伝えれば十分だという、そういったお話はちょっと私はいつも違和感を覚えてしまうんですね。
本当は専門の先生にこの辺りをデータで分析してもらって、しっかりとした根拠とともに語っていただきたいなと、そういった本も出たらいいなと思っています。
それでも人間が人間である限り音声だけを受け取るのと、その場で目線を合わせて声の振動を肌で感じながら受け取るというのとでは、
理解の仕方が違ってくるんじゃないかなと私は考えています。
教室で応答する人間の話し手
最近AIエージェントの出現で、AIがプレゼンテーションを作り、音声もつけて上手なアナウンスで話してくれる動画を見せられることがあるようになりました。
確かにそのAIのアナウンスは上手です。発声はクリアーで、抑揚も間の取り方もとても見事で、私のアナウンスが書き消されるというか、下手くそだなと思っちゃうほどです。
そうすると、これなら先生はいらないね、みたいな話が出てくることがあると思います。
でも私は、それが奥行きがあって温かみがあって立体感のある情報を伝えているというふうにはあまり思わないんですけれども、
これってやっぱりアノログ人間だからなんでしょうかね。
AIは空気を振動させて声を届けるということはできますけれども、話して自身の肉体が震えているわけではないと思うんですよ。
話しての肉体が震えて、その震えが聞き手の肉体に届くということで、また違った情報が伝わっているんじゃないかなと私は思っているアノログ人間派なんです。
そういった手振りとか身振りとか微妙な息遣い、そういったその場の相手に合わせてまた上手にAIは再現できるのかという疑問もあります。
さらに例えば教室の場合、教室全体の空気を読んで話の内容を変えていくということは今のAIにできるんでしょうかね。
私は例えば授業でも講演でも聞き手の反応を見ながらその場で内容を削ったり足したり思いつきで入れたりしています。
将来的にはAIもそういったことができるようになるのかもしれませんけれども、そうやって人間のように近づけていけば近づくほど、なんか人間を誕生させるようなそういった開発の話になってしまうのではないかと。
つまりアンドロイドとかそれか絶案アトムとかそういったように人間を作る、人間に近いロボットを作るという話になってしまうのではないかとさえ思います。
だから今の段階ではまだまだAIに人間は負けていないと思いたいなと思っています。
スライド作りと漫画の「振りと受け」
それからプレゼンテーションについてちょっと話を変えてお話ししたいと思います。
私はプレゼンテーションのスライドをAIに丸投げしない派です。
なんで丸投げしないのかというのをずっと少しずつ考え続けてきたんですけれども、
一つの理由は自分の作りたいデザインというのをAIは全部私の望み通りには出してくれないし、私自身もうまく命令できないんですね。
私の好きなデザインは一つの型には定まっていなくて、その時その時で様々なバリエーションが発生しちゃいます。
それからもう一つの大きな理由として、私のスライド作りというのはストーリー漫画を書くことに似ているんじゃないかなというのをこの間気づいたので、それが一つ大きい理由なのかなと思います。
以前というのはつい最近か、漫画の原理という本を読んで、漫画は振りと受けで組み立てられているというふうなことを知りました。
例えば漫画の中の主人公さんとかキャラクターが何かを振ります。
それを相手キャラクターさんが受ける。そういった流れで物語が進んでいきます。
それを読んだ時、私もスライドというものを振りと受けというものを使って組み立てているんじゃないかと気づきました。
このスライド作りで、例えば受けて説明し次にどう振っていくか、そういったスライドの四角い画面の中で思い描いているというふうに思います。
例えば次のスライドに移った時、聞き手の目線がどこに行くか、それから会場の広さとか人数をイメージして文字の大きさ、フォントこれも決めています。
さらに1枚のスライドの中の文字量と自分が話す時間との関係を計算しています。
文字が詰まりすぎちゃうと聞き手がそれを処理する時間が足りなくなってしまいます。
だから例えばAIがたくさんの言葉をそこに詰め込んだとしても、AIは処理時間を考えて削ったり短くしたり速度をしてくれないから、
AIと人間を組み合わせる授業実践
私は会場の人数とか大きさとか、それから自分の喋る速度とかを考えて、AIが書きすぎた言葉を処理時間考えて削り、別の言葉に置き換え、フォントを大きくし配置を変える、かなり手を入れています。
これ結構ストーリー漫画作りによく似てるなと思います。
やっぱりプレゼンテーションというのはリズムがとても大切だと思うんです。
私の話すリズム、伝えたい内容、聞き手が受け取る言葉の量、そしてそれを処理してから次のスライドに移るタイミング、すべてがリズムとして噛み合うということがとても大事だと思うんです。
皆さんはスライドを作るときにそのようなことを考えて作られていらっしゃるのでしょうか。
私独特なのかな、そしてAIはそこまで計算してくれてるんでしょうか。
私はAIによってスライドを作るということを否定しているわけではありません。
その人それぞれのスライドの作り方もありますし、その人が心地よいと思えばそれはそれでいいと思うんですけれども、
大切なのはAIに任せるところと自分がやりたいところやるべきところ、これをきちんと見極めて使い分けることだと思っています。
できればAIの良いところと人間の良いところをミックスしたハイブリッドを目指していきたいと考えています。
便利だからって言ってAIに全部丸投げするっていうことは特に話し方とか伝え方っていうところにおいては自分自身はそれはやりたくないことなんですね。
教室でも先生が生徒の表情とかつぶやきを受けて言葉を選び直すっていうことはプレゼンテーションと同じようなパターンなんじゃないでしょうか。
その応答する力っていうのがAI時代における先生の専門性の大変重要な位置になるのではないかと思っています。
音読の授業でもAIの朗読を一つの解釈として聞かせた後に、あなたならどう読むかっていうのも考えさせることができそうだなと今思いつきました。
こうやってAIの可能性を開きながら思考力を深めていくようなそういったヒントをどんどん蓄積していきたいと思っています。
今日は声やスライドをAIに丸投げしたときに本当に相手に伝わるのかなという問いを立ててAIとキャッチボールしながら考えてきた結果をお話ししました。
私たちは音声だけじゃなくてやっぱり目線、皮膚の振動、身振り、呼吸、そしてリズムというものを背負って伝えているんだと思います。
皆さんは授業とかそれからプレゼンのときにどんなふうに身体勢を感じていらっしゃいますでしょうか。
今日の話が皆さんの実践の何らかのヒントになれば幸いです。
感想やメッセージは概要欄のメールフォームからお気軽にお送りください。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
14:10

コメント

スクロール