犬慣れのポイント
こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園N1クラブを運営している、なおちゃん先生と申します。
20年以上、1000組を超える飼い主さんとワンコさんに向き合ってきた経験から、
コントロールよりコミュニケーションをテーマに、愛犬と心が通い合う関係づくりをお手伝いしています。
この番組では、お迎えからお見送りまで、愛犬の一生を7つのフェーズに分けて、
それぞれの時期に寄り添った学びとヒントをお届けしています。
月に2回、木曜日朝9時10分より、インスタスタエフ同時ライブを行っています。
次回は12月18日木曜日となります。
土日は雑談配信をメインにしております。
さて今日は、犬が苦手で逃げてしまう、吠えてしまう、避けてしまう、
そんなワンちゃんのための犬慣れの重要ポイント、その配信の最終回となります。
こちらの犬慣れ必勝ポイントの配信は、犬慣れ重要ポイント1番、鳴らす犬を選ぶ。
2番、距離を測る。3番、状況を演出する。4番、環境を操作する。
というところまでお話をしていきました。
思い出を計算する
今回が最終回の犬慣れ必勝ポイントとなりますので、最後まで聞いていてくださいね。
ハッシュタグ4番、問題行動。
ハッシュタグ2番、パピー。
ハッシュタグ3番、政権のワンちゃんの飼い主様にぜひ聞いていただきたい内容となっております。
今回の思い出を計算するということは、一体どういうことか、皆さん想像つけますか?
思い出を計算ってどういうこと?というふうに思われると思うんですけれども、
実はこれ、ドックトレーナーだったら必ずやっている、とても重要なエッセンスなんです。
何も、このお散歩中に犬に吠えてしまう犬だったり、犬慣れをしたいワンちゃんのためのものだけではなくて、
あらゆる犬が遭遇する場面での重要ポイント、これが思い出を計算するということなんですよね。
この思い出を計算するということを、もっと分かりやすく伝えていくと、
ワンちゃんがその状況で何を学習しているのかを予想して計算しておくということなんです。
犬にかかわらず、すべての生き物が、自分がある状況に立たされた時に、
どのように行動したか、その結果、どういう結果になったのか、ということを学習体験として積み重ねていくわけです。
例えば、初めての人に出会ったら、おいしいおやつをもらえて、いい思いができた。
この経験が積み重なると、知らない人イコール、おやつをくれる人、という認識がついていきます。
ですが、全く逆の経験、例えば、知らない人に出会ったら、頭を叩かれた。
この経験が積み重なっていくと、頭を叩かれるかもしれないという恐怖から、知らない人が怖い。
人が苦手という形になっていって、防衛本能のために知らない人を見ると、吠えたり噛みついたりするようになってしまうわけです。
そのため、ドッグトレーナーは、とある状況において、最終的に犬の記憶、犬の思い出の中にポジティブなイメージが残るように計算して、
犬の状況、環境、経験を与えるということをとても大切にしています。
なぜなら、行動というのは、そのワンちゃんの心理状態、思考の状態、そこから派生して出てくるものなので、
たとえ飼い主さんが、「待て!」とか、「おさわり!」とか、「いけない!」とか、そういうふうな指示だったり、命令を出して、
ワンちゃんはそれに従ったように表面的には見えていたとしても、そのワンちゃん自身の気持ちの中で、その状況のことが嫌だなというネガティブな記憶になっていると、
次に同じ状況になったときに、前の状況がネガティブなものですから、記憶としてはネガティブな思いに引っ張られて問題行動が出やすくなってしまうということになるんですよね。
特に恐怖や混乱、パニックというのは、こういった犬の心理状態が大きく関わっています。
そのため、特に犬に対してトラウマがあるとか、他の犬に対して怖かったという思い出があるワンちゃんの場合は、この思い出を計算するということが非常に大切になります。
すでに持っている思い出が犬にというのは怖い、嫌だという記憶の場合、これを塗り替える作業をしないといけないんですよね。
最終的に他の犬に鳴らしたいと思うときに、そのワンちゃんがその鳴らしたいワンちゃんとの接触の後に、
犬ってそんなに怖くないかもとか、犬といても安心できるんだとか、そういった学びやそういった気持ち、そういった記憶が残るように状況をセッティングする、環境をセッティングする、そういった必要があるわけです。
反対に言ってしまえば、この犬慣れのための必勝ポイントの5つ、鳴らす犬を選ぶ、距離を測る、状況を演出する、環境を操作する、この4番までというのは、すべてこの最終ポイント5番の思い出を計算するというところにつながるものなんですよね。
それぐらい事前にこの思い出を計算しておくということは必要なんです。思い出というのはワンちゃんの記憶の中にそのシチュエーションがポジティブなものとして残る。次への体験がいいものになるように配慮をして状況を作る。犬慣れの段階を進めるということになります。
具体的なトレーニング例
最後に具体例を紹介させていただきますと、
小犬の頃に犬にならせようと思ってドックランに連れて行ったところ、大型のワンちゃんたちに周りを取り囲まれて怖い思いをしてしまった小型犬のワンちゃん。
それ以来犬が苦手になってしまって犬を見かけると吠えるようになってしまったという子がいるとします。この子に対して犬慣れを進めたいという場合、この犬が苦手、怖かったという思い出を持っているワンちゃんの思い出をポジティブなものに変えていくためにはどういった犬を選んだらいいのか、どういう距離で近づいたらいいのか、どういう状況を演出してあげたらいいのか、
どういう環境を創設してあげたらいいのか、これらのことを複合的に考えて犬慣れを進めていく。これが犬にならす重要なポイントを使った犬慣れトレーニングになっていきます。
例えば私であれば、このワンちゃんに対してどんな思いを持ってほしいのかというと、近づかなくてもいいから犬って怖くないんだという思い出を持ってほしい。そのためにまずは落ち着いていて犬にあまり興味関心のないおっとりとした大人のワンちゃんを選びます。
そしてこの小型犬のワンちゃんが吠えないでいられる距離を見定めながら、その距離でまずはおっとりとしたワンちゃんを見るところからスタートしていきます。
もし視界に入っても小型犬のワンちゃんが吠えないでいられたら一歩近づく、吠えないでいられたらまた一歩近づくという形をリードが緩んだ状態で行います。状況としては明るい昼間の時間に自分のホームでも相手のホームでもない場所、
そして私は一人、相手の飼い主さんも一人という状況で近づいていきます。環境としては視界が広げた広げるとした視界の中、公園などがいいですね。周りにはあまり刺激が多くないところが理想的だと思います。
その相手のワンちゃんにはできればベンチなんかに飼い主さんと座って足元に伏せていただくというような状況が理想的かなと思っています。相手が動かない状況ですね。
そして最終的に近づいていって、もし近づいて匂いを嗅げそうだったらそれもいいですし、もし本当に近づいて匂いを嗅ぐところまで行かなくても逃げてしまうというようであれば吠えずに自分から近づけたところまででたくさん吠えておやつをあげてその日は終了という形にしていきます。
こうすることでこのワンちゃんの中に残る思い出、自分が近づいても相手は動かない、怖くないなら近づける、近づくと飼い主さんが褒めてくれる、こういったポジティブな思い出が残るように犬習いの段階を進めていく。
こういった経験を積み重ねることで他のワンちゃんに対しての自信を取り戻してもらう。これが犬習いのトレーニングになると思っています。
いかがでしたでしょうか。犬が苦手なワンちゃんのための犬習い必勝ポイント、最終回は思い出を計算するということをお話しいたしました。
前4回もまだ聞いていないよという方はぜひ聞いていただきたいなと思いますし、具体的にどういうふうな犬を選んだり、どういう環境を整えたり、どういうふうに思い出を計算して近づけばいいんでしょうという方はぜひ私の方にご相談ください。
単発のオンラインカウンセリング長期講座のワンツーマン型の長期講座、オンライン講座ですね、こちらもご用意しています。長期講座の方は30分は無料の面談がついておりますので、そちらだけでも結構です。
概要欄にご案内のページを記載しておきますので、興味のある方はぜひ聞いてみてくださいね。
それではこちらで犬が苦手なワンちゃんの犬習い必勝ポイント、こちらを終了させていただきたいと思います。最後まで聞いていただきありがとうございました。