愛犬の老化の理解
こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園N1クラブを運営している、なおちゃん先生と申します。
ドッグトレーナー歴20年以上、これまでに1000組以上の飼い主さん、ワンコさんに向き合ってきた経験から、
コントロールよりコミュニケーション、愛犬との絆を深め、もう問題行動で悩まない犬との暮らしを、実業と発信で提案しています。
お迎えからお見送りまで一生に寄り添う、犬との暮らしのコンシェルジュとして、
愛犬との毎日をもっと豊かにしたい、飼い主さんへ。
ハッシュタグ1番から7番のフェーズに分けてお届けしています。
今回のテーマは、ハッシュタグ5番、シニア犬さんに向けて、
愛犬さんに追いを感じてきたな、という方向けのテーマになっていると思います。
私がつい9月の後半まで行っていました、
飼い主の魅力爆上げ、愛犬が夢中になる魔法の講座、
こちらの終了後の受講者様へのアンケートからいただいた意見についてとなります。
今後フォローアップで取り上げてほしいテーマや内容があれば教えてください、というご質問に、
こんな回答が寄せられました。
それは、老犬になっていく時の人間の心の準備、
これを知りたいということでお寄せいただきましたので、
少しそのことについてお話をしていこうと思います。
ワンちゃんというのは、人間の約4倍から5倍の速度で年齢を重ねていくと言われています。
1年に4歳半ずつぐらい年をとっていくと言われているんですよね。
犬の寿命というのが長くなってきた昨今ではありますが、
それでもやはり20歳を超えるという子は少ないです。
私が体験してきた感覚で言いますと、
大体そうですね、13歳から15歳、6歳ぐらいまでが
虹の橋を渡る子が多い印象になっています。
私の愛犬みことさんも10月11日がお誕生日、
私と1日以外のお誕生日だったんですけれども、
生きていれば15歳、彼自身は13歳という生涯を閉じました。
このたった十何年という時間をなるべく長く元気でいてほしい。
これがすべての飼い主様に共通することだと思うんですよね。
それではこの老後、どうやって心の準備を迎えたらいいのか。
これはいくつかあると思います。
まずは老化の差異というものを飼い主様が見過ごさないということです。
老化の差異を知っておくということですね。
それとともにこの老化に対してできるだけ現状維持ができること、
そして最後まで元気で自分の足で立って歩いて排泄ができて物が食べれて、
そういったターミナル期、最後のお別れの時期を過ごすことができる。
それを目指して若いうちから準備をしておくこと。
心の準備と介護
これがとても必要じゃないかなと私自身は感じています。
私は獣医さんではないので、適切な診療や診断というのはできないのですが、
それでも私の犬の保育園に通ってくださっているワンちゃんの中で、
特に久しぶりに会った子というのは老化を感じることがあります。
10歳を越えてくると小型犬でも、
最近こういうところが年を重ねたんだなというふうに気がつくことがあるんですよね。
ただ毎日ワンちゃんと接している、一緒に暮らしている飼い主さんは、
なかなかそういった老化の差異に気がつかないことがあります。
もちろん、体調不良という形でそれが出てくれば、
あ、なんか調子が悪そうだなということで、
動物病院に連れて行ったりすることはあると思うんですけれども、
そうではなくて、異常ではない老化ですね。
それに関しては、とても気がつきづらいのが実情だと思います。
昨今の老犬さん、シニア犬さんですね。
その中で問題となってくることが、ワンちゃんの認知症になります。
そしてね、老犬介護がとても大変で、
それこそ社会生活が通常通りに営めなくなってしまうという飼い主さんもいらっしゃるほどなんですよね。
人間であれば、介護保険が適用されたり、
民間問わずいろんなサービスがありますけれども、
ペットさんのことについては、飼い主さんが、
フルコミットしなくてはならないのが現状なんですよね。
だからこそ、これからお話しする3つのことに、
飼い主さんは、若いうちから老化のための心の準備として、
心がけていただきたいなと思います。
1つ目は、犬の、そして愛犬の老化の惨異を知っておくということです。
ワンちゃんは、人間よりも早く、早く老化するということです。
早く年をとってしまいますが、その老化の惨異というのは、
いろんなところから来るんですよね。
代表的なところというのが、やはり筋力の衰え、
そして視覚の衰え、聴覚の衰え、
ここに実は触覚、触る感覚、この機能の衰えというのも入ってきます。
一番最後まで残るのは、やはり一番鋭い嗅覚。
そしたら、五感の衰え、そしてワンちゃんは後ろ足から筋力がどんどん衰えていきますので、
こういった老化の惨異をきちんと知っておく。
どういうふうになったら老化の惨異なのかというのは、
獣医さんに聞いていただいたり、いろんなサイトを調べていただくと分かると思いますので、
その一般論をまず頭に入れておく。
そして二番目が、ご自身の愛犬さんの今を知って現状維持をなるべくできるように対策を立てていくということになります。
一番で一般的な老化の惨異を知っておくということ。
二番目は、それを知った上で今のご自身の愛犬さんはどのぐらいの老化ステージにいるのかなということを把握した上で、
今の状態が一番若い状態ですから、それをキープできるようにしておくということです。
例えば触覚、触る感覚というのが衰えてくるので、
昔は寝ているときに少し近づくとふって顔を上げてこっちを見ていたのに、
隣に座るまで気がつかないとか、寝ていると触るときまで気がつかないとか、
そういったことって出てきてしまうんですね。
これは認知機能がやはり低下をしている。
もちろん触覚だけではなくて、嗅覚や聴覚も衰えてきているからということもあるんですけれども、
そういうことを少しでも鍛えるためには、日頃からいろいろな触覚、刺激を与えてあげるためにも、
体の隅々を触ってあげるとか、触り方を工夫するとか、そういったことを行ったりですとか、
特にワンちゃんは後ろ足から弱ってきてしまいます。
老犬さんの歩き方と若い子の歩き方って全然違うんですよね。
特に後ろ足の太もも、ここの筋肉が衰えてくるので、後ろ足を引きずるような歩き方、
足が上がらないというような歩き方になっていきます。
これは人間でも割と似ているかなと思うんですけれども、
そうすると特に大型犬なんかでは足の踏ん張りが効かないので、
立ち上がったり、あとは女の子のワンちゃんですと腰をかがめて排泄をするときに、
腰をかがめた状態で和式トイレを思い浮かべていただけるとわかりやすいんですけど、
あの状態ができなくなっちゃうんですね。
筋力維持の重要性
後ろにドスンと尻餅をついてしまったり、立ち上がるときに立ち上がれなくなってしまったり、
私も先代の犬がそうでした。
そうなると飼い主さんがハーネスなどを使って補助してあげなくてはならなくなったりするわけなんですよね。
なので後ろ足の筋肉というのはなるべく若いうちから鍛えることをお勧めしておきます。
これは階段を登るとか段差をジャンプするとかっていうよりもですね、
何かをまたぐとか、そういった後ろ足をきちんと持ち上げて下ろす。
太ももの筋肉をきちんと動かす。
このためにはジャンプをするというよりも何かをまたぐ、そういったことをしていただければと思います。
私の犬の保育園のインスタグラムの動画で少し前にですね、アジリティのジャンプというのをやっているものがあります。
中には大きな子だったりするとまたぐジャンプしないでまたぐだけみたいな感じがあるんですけれども、
それはそれで効果があるんですよ。
後ろ足を使って何かをまたぐという動作をするときには皆さんもやっていただくとわかると思うんですけれども、
きちんと太ももを曲げて膝を上げて高さを出して足をまた前に運ぶという動作をしなくてはいけないんですね。
これは足を引きずっているとまたげないので。
なので少し年齢を重ねてきたワンちゃんであったりですとか、
少し後ろ足を引きずるような歩き方をするなという場合にはですね、
このまたぐという動作を日々のお散歩やエクササイズの中に取り入れてあげるといいと思います。
必ずしもジャンプじゃなくて結構です。
そのためにはね、お家でできる簡単なこととしては、
私はね、保育園の子供なんかが使っている牛乳パックを使ったブロックですね。
牛乳パックを口を四角に閉じて、それをブロックみたいに並べて2つとか3つとか重ねることもできますし、
横に並べて幅を出すこともできるので、
そういったものを生活の中にあるものを使ってそれをまたぐというような歩き方をしてみるといいと思います。
このね、シニアのワンちゃんに向けての筋力維持のエクササイズや脳トレについては、
また違う時にね、回を裂いてお話をしていきたいと思うんですけれども、
健康診断の重要性
飼い主さんが心がけとしてね、シニア犬の老化の準備としてできることのもう一つ、最後の3つ目のテーマとしては、
やはり健康状態をきちんと知っておくということで、
定期検診や少しでも異常があったら、いや別にこのぐらいいつもだしと思わずにきちんと検査を受ける。
これがやはり病気の早期発見、早期治療、予防につながってくると思います。
その際には、もちろんいつものかかりつけのお医者さんでもいいんですけれども、
例えば重大な疾患が隠れていそうなものに関しては、
専門医という認定医とか専門医という、その分野、専門の方がいらっしゃることが最近は多いので、
例えば歯科専門医、循環器専門医、眼科専門医、そういったところにかかるということも一つおすすめをしておく。
とともに、いつあってもいいようにセカンドオピニオンのある動物病院を探しておく。
これもとても大切なことかなと思います。
いかがでしたでしょうか。
今日はご質問いただいた、老化への心の準備、何が必要ですかということで、テーマを3つ挙げてみました。
1番は、一般的なワンちゃんの老化の惨異を知っておく。
2番、ご自身の老化の状況を知っておく。
老化の惨異を知っておく。
2番、ご自身の愛犬さんの今の状態をきちんと老化のレベルを知って、少しでも維持ができるように、
筋力維持のエクササイズや脳トレ、いろいろなグッズを使って対策をしていく。
そして、ポイント3は、きちんと健康診断を受けたり、少しでも異常があるなと思ったら、
セカンドオピニオンを利用して、予防・早期発見・治療に努めていく、この3点になるかなと思います。
1日でも長く愛犬さんと過ごせるために、今から取り入れてみてくださいね。
では、最後まで聞いていただきありがとうございました。