00:05
こんにちは、横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っているなおちゃん先生と申します。
犬と人の架け橋でありたい私が、犬に関する様々なお話、大好きな旅の話、子供たちの話などをマイペースにお届けしています。
時々、ひそひそ歌を歌ったりしています。
より具体的なトレーニング、しつけアニマルコミュニケーション、ペトロス、月一のオンラインセミナーなどは、メンバーシップの方に向けて発信しています。
本日は、止めて欲しい行動を止めさせるための7つの方法、最終回となります。
7つ目、動機法のご紹介となります。
カレンプライア庁、うまくやるための強化の原理で紹介されている7つの方法のうち、犬から子供から旦那さんまで汎用できる、
抹殺法、検死法、消去法、対立行動法、合図法、多行動法の事例をご紹介させていただきました。
これで6つですね。
止めて欲しい行動を止めさせるためには、7つの方法が効果的である。
それを組み合わせることによって、より高い効果が生まれると、著者のカレンプライアは言います。
復習がてら事例として、前回も使った例を挙げてみます。
食事が並ぶテーブルの上に、ジャンプして前足をかける中型犬がいるとします。
今までの方法をすべて一つずつ使って説明していくとすると、
抹殺法での解決方法は、犬を閉じ込める、放り出す、犬を安楽死させる。
犬死法での解決方法は、犬を叩く、蹴る、叱りつける。
消去法での解決法は、犬がそこにいないかのようにひたすら無視をする。
対立行動法での解決法は、犬がジャンプをする代わりに両立しない行動を教える。
犬がテーブルの下でお座りをするとご褒美がもらえる。など。
合図法での解決法は、テーブルの上に何もないときに、同じテーブルの前でジャンプのコマンドを教える。
ジャンプのコマンドがないときは犬はジャンプをしなくなる。
多行動法での解決法は、犬がテーブルに前足をかけたときには無視するが、
犬がそれをやめたら褒める。犬がテーブルの方を見たときに褒める。
03:00
犬がテーブルに近づいたら褒める。これらを徹底的にコンタラストをつけて劇的に行っていく。
犬はメリットのない行動をしなくなっていく。
となります。いかがでしたか?
すべて方法での解決法は理解できましたでしょうか?
それでは今回は最後の方法、動機法についてお話ししていこうと思います。
この動機法は、著者であるカレンプライアが7つの方法の中で最も最高と評する方法です。
その言葉通り、動機法というのは、行動の動機となるそのものを変えていく。
行動の動機づけとなる原因を取り去るということです。
これだけ聞くと、ああそういうことかと納得できそうなものですが、実は人間はこれが苦手であると彼女は書いています。
どうしてこの動物や人はこの行動を取るんだろう、という行動の動機に思いを巡らせ、
ここにアプローチするよりも結果を何とかしようとする、ということに躍起になってしまう生き物なんですね。
これは犬のトレーニング界隈でも、人間関係の悩みパターンでも本当によくあることだなと思います。
さて、先ほどのテーブルに前足をかける犬の例を動機法で解決するとしたら、あなたならどうしますか?
私が動機法をこの犬の事例に取り入れるなら、答えは、このテーブルではないところで食事をする、となります。
犬がジャンプしてテーブルに前足をかけたくなるのは、このテーブルの上に食べ物が置かれていることを犬が知っているからです。
もしかすると、何度かはそのテーブルの上から食料の強奪に成功しているのかもしれません。
そうすることにより、その成功体験は、より強くテーブルの上に前足をかける動機となります。
であれば、食事の用意をして、そのテーブルではなく違う場所で食事をするようにしてみましょう。
違う場所でもまた同じようなことが起きないように、食事の用意をする前に犬にリードをつけ、リードを椅子の下にくくりつけておくか、足で踏んでおきましょう。
その上で、人の食事中に足元でおとなしくできていたら褒めて、犬用のおやつをスーフに一度与えます。
犬が人の食事中には静かにしているとおやつがもらえる、というルール設定をして、それを強化していきます。
新しい場所での食事スタイルにおいて、新しいルールを犬が飲み込めば、犬はリードがなくても食事中にジャンプをしている、来るということはなくなるはずです。
06:04
他にも動機法を使った事例の解決法をご紹介しましょう。
嫁が全然家事をしないと起こる夫の事例。
この一番の解決法は、ハウスキーパーを雇うであり、共働き夫婦には一番良い解決法である、と実際にカレンプライヤーは書いています。
まあ実際問題として、そんなお金はないわ、という場合。
これは紛れもない我が家の問題ですね。
全ての家事を細かく書き出し、嫁がやっていること、やっていないことを洗い出して可視化する。
嫁がしていないことに対し、どうしたらできるのかを夫と共に検証し、夫と共に分担してやる内容を取り決める。
子供がいるようであれば、子供にも分担を決め、毎日やっていることを見える化して、チェックを毎日していく。
報酬刑があった方がやる気が起きるという場合には、1ヶ月に一度全ての項目にチェックが入ったら、自分にご褒美を贈る。
欲しかったものを買うことができるとか、行きたかった場所に行くことができる、など家族で取り決めておく。
こんな方法はいかがでしょうか。
この動機法は、習慣化が苦手な人に対しても作用するということがわかります。
これは例えば、読書が習慣化できないという人に対し、何が読書習慣をつける妨げになっている動機なのかを検証し、そのやらない動機に対してアプローチしていくことができるんです。
例えば、Kindle本を開く前についつい違うアプリを開いてしまうのであれば、紙の本にする。
座るとついスマホを手に取ってしまうのであれば、スマホの電源を切ってから座って本を開く。
ゆっくり座って読む時間がないのであれば、電子レンジをかける間、歯磨きをする間、お風呂の湯船に浸かっている間、など読む時間を決めておく。
子供がいて読めないというのであれば、用意スタートで子供と一緒に1日5分間決めて本を読み、感想をお互いに言い合う。
子供がいない場合には、本の感想配信やポストなんかでもいいと思います。
などなど、読書ができないという行動をとってしまう動機に対してアプローチはいくつも出てきますよね。
実はこれは、私はこの2年ほど、読書を毎日の習慣したいと思い立ってから実践していることなんです。
09:03
私はおそらく承認欲求が強い人間なので、そして褒められると舞い上がって嬉しいんですね。
それを自分のモチベーションとして、読んだことをXにポストしています。
それで誰かが興味を持ってくれることは、私の新しい行使、つまり読書を続けたいと思う動機の一つにもなっているわけですよね。
というように、これらのやめてほしい行動をやめさせるための7つの方法は、
自分の習慣化だったり、自分の嫌な行動を直すということに対しても取り入れることができるものなので、
よかったらあなたもぜひ日常に取り入れてみてください。
その際にはぜひ私にも教えてくださいね。
そのことがまた、あなたが新しい行動を自分自身で強化するための第一歩になるはずです。
最後になりましたが、これらの行動法はそれ単体で使うよりも組み合わせで使うことが必要であると著者は説いています。
抹殺法や検証法が必ずしも悪であるということだけではなく、
他の方法と組み合わせることによって少しの方法が劇的な効果を生み出すこともあるんですよ。
動物の行動、特に人の行動は複雑でいくつもの要素が絡み合い、
利害や予測、トラウマ、学習経験、感情といった糸がいくえにも絡み合います。
目に見えている行動はその糸が絡み合って出来上がった一つの形にしか過ぎませんから、
その結果だけを変えようとすることは難しく、絡み合った糸を一つずつ解いて編み直す作業が必要になっていくんです。
これは人の人間関係や犬の複雑なトレーニングにおいても同じことが言えると思います。
いかがでしたか?
今まで6回にわたり、やめてほしい行動をやめさせるための7つの方法をお話ししていきました。
抹殺法、検死法、消去法、対立行動法、合図法、多行動法、そして今回が同期法、この7つになります。
なかなか言葉だけでは覚えられないよという方もいらっしゃると思いますので、
よかったらカレンプライア著、うまくやるための強化の原理という本も読んでみてください。
概要欄に詳細を記載しておきます。
それでは今回も最後まで聞いていただいてありがとうございました。