犬同士の挨拶の複雑さ
こんにちは、横浜で15年以上、犬の保育園N1クラブを運営している、なおちゃん先生と申します。
20年以上、1000組を超える飼い主さんとワンちゃんたちに向き合ってきた経験から、コントロールよりコミュニケーションをテーマに、愛犬と心が通い合う関係づくりのお手伝いをしています。
こちらのチャンネルでは、お迎えからお見送りまで、愛犬の一生を7つのフェーズに分けて、それぞれの時期に寄り添った学びとヒントをお届けしています。土日は、雑談配信をメインにしています。
最初にね、告知をさせてください。
明日、11月27日、木曜日、朝9時10分より、動物福祉と動物愛護の違いってなんなの?
こちらをね、インスタグラム、スタンドF、同時ライブでお話ししていきます。
先週のね、週末3連休に、私は東山動物園に行ってきました。
そこでね、初めて犬の祖先でもある狼の一種である森林狼に会ってきたんですけれども、その時にもね、少し考えたことをですね、こちらのライブでシェアしていきたいと思います。
よかったら、インスタグラムの方にも遊びに来てくださいね。
今回のメインテーマ、こちらは、ハッシュタグ4番の問題行動になります。
テーマは、犬同士で匂いを嗅いだ、あと吠えてしまうワンちゃんについて。
これね、実は先週もね、何回かにわたってお話ししていた、お散歩中に他の犬に吠えてしまうワンちゃんの中の一つのケースになるかなと思います。
まず最初にざっくりとした解決法と結論をお話ししたいと思います。
前からね、なんか尻尾を振りながら近づいてくるワンちゃんがいて、愛犬を見ると愛犬も興味がありそうにね、尻尾を振ってその子に近づいて行こうとしている。
あ、なんかお友達になれるかもと思って近づいて。
少しね、匂いを嗅ぎ合ったなと思ったら、突然愛犬がワンと吠えてしまって、相手のワンちゃんはびっくりして、飼い主さんもびっくりしてですね。
すいません、ごめんなさいと言って慌てて離れる。
こんなケース、実はですね、よく聞かれるんですよね。
どういうタイミングで吠えるのか全くわからないとか、どうして最初はうまく挨拶していたのに突然吠えるんだろうとか、そういう風にちょっとお困りになる飼い主さんって意外と多くいらっしゃるんです。
この結論なんですけれども、挨拶するということ自体、これは仲良しのサインではないんですよね。
犬同士が接近して匂いを嗅ぎ合うという挨拶は、友人同士のハグみたいな感じじゃなくて、人間で言うとですね、腹の探り合いや面接に行くみたいな行動になります。
そのため、ちょっとしたきっかけで気に入らない、こいつは採用しないという形になって挨拶の後に吠えてしまったり威嚇が出るということはよくあるんですよね。
また、吠えは後から学習して増えてしまうということも多いです。
吠えた後に相手がいなくなるという経験を繰り返すことで、愛犬さんはもしかしたら吠えたら相手がいなくなると学習しているのかもしれません。
その結果、挨拶の後に吠える、近づくと吠える、見ただけで吠えるというふうに悪化してしまう場合があるので、これは要注意していただきたいなと思います。
この挨拶後の突然の吠え、これをやめさせたいな、こういうふうになってほしくないな、そういった方への対処法はこの3つです。
吠える理由と飼い主の視点
1番目、犬が近づいてくることを良いことであると教えてあげる。
2番目、挨拶をしている犬に対して吠えないことを良いことであると教えてあげること。
3番目、おしまいの合図を決めておいてあげること。
この3つなんですよね。
この後、よくある具体的な事例と、先ほどのご紹介した解決策をどうやって日常の中に取り組んでいくのか、これをお話ししていきますので、
同じような状況で困っているよ、という方はぜひ聞いていってください。
まずですね、こんなケースありませんか?というのでね、実際私も聞いたことのあるケースをご紹介したいと思います。
お散歩中にね、前から可愛いワンちゃんが尻尾を振りながら歩いてきます。
ご自分のワンちゃんも尻尾を振っていて、相手に対して興味がありそうな感じ。
挨拶できそうだな、いい子そうだな、と思ってリードを緩めて近づいてみました。
鼻と鼻をかぎあったり、お尻の乳をちょっとかぎあったり。
ここまでは順調。
飼い主さん同士も、こんにちは、いいお天気ですね、なんて挨拶してね。
わー嬉しい、ちゃんと挨拶できてる、と思ったその瞬間に、
なんて感じでね、愛犬さんが吠えたり、うなったりして、相手の子はびっくり。
その飼い主さんもびっくり。
逃げたり、固まってしまったり。
それを見たあなたは、慌てて、すいません、ごめんなさい、と謝りながらその場を離れる。
そんな感じでね、相手の子は何もしてないのに、とか。
さっきまで楽しそうだったのになんで、とか。
挨拶できる時とできない時がある。
でも、その境がわからないんだよな、っていうもやもや、残ったりしてませんか。
と、ここまでがね、この事例を通して、飼い主さん側のものの見方となります。
では、ワンちゃんの目線になるとどうなるのか。
実際には、尻尾を振って近づいている。
と、あ、相手は友好的なんだな。
そして、自分のワンちゃんも尻尾を振っているから、相手に対していいイメージを持っているんだな、と思いがちなんですが、
実は実はワンちゃん同士は、なんだあいつ。危険なんじゃないかな。
しつこくしないかな。
うちの飼い主さんに対して、何か嫌なことをしてこないだろうな。
と、相手をね、査定している状態にあるわけなんです。
人間に例えるなら、初対面の人と笑顔で挨拶しながら、内心いろんなところをチェックしているような状態ですね。
あ、この人、ブランドものの限定のバッグ持ってるからきっとお金持ちだ、とかね。
こんなね、腹の探り合いのような時間なんですよね。
だからちょっとでも、相手のかき方がしつこい、とかね、体の当たり方がガツンときた、とか、
正面から眼つけられたまでじっと見た、というような気に入らないポイントがあると、
黙れこそ!
あのね、もののけ姫のモロ様のような感じでね、吠えてしまうわけなんですよね。
そう、モロ様に代表されるように犬の世界では、一つでも気に入らないことがあると、全否定ということは珍しくないんですよね。
そして、挨拶が一見上手にできていそうに思えるのに、突然吠えてしまう、というケース。
で、意外とありがちなのは、実はフレンドリーに近づいているように見えても、心の中は、
お前、俺の島に入ってきた、死んだものか?というね、警戒モードから接近していく、ということもあるんですね。
この時のワンちゃんの目的は、敵かどうかを確かめたい。
このテリトリーはどっちのものなのか、はっきりさせたい。
というような、ね、竜が如く、みたいなね、そんなゲーム展開が心の中で繰り広げられているんですね。
なので、最初の入駅自体は静かだとしても、途中でいきなり火花が散ってね、吠えや、威嚇、喧嘩に発展することもあります。
飼い主さんから見ると、楽しそうに挨拶していたのに、急に喧嘩腰になっちゃった、なんて見えるんですけど、
犬同士の間では、実は、初対面からね、空気がピリピリしていた、なんてことは、本当によくあることなんです。
さらにはさらには、吠えたら相手がいなくなると学習している犬の場合、相手の第一印象は良かったんだけれども、
なんだかちょっと途中で怖くなっちゃった、とか、もう帰りたくなっちゃった、とか、相手にいなくなってほしくなってきちゃった、という時に、
このね、必殺吠えをね、奥義として使う場合があります。
これはですね、吠えたら相手の犬がいなくなった、飼い主さんがそそくさとその場を離れた、という経験を犬自身が積んでくることで、
その場を離れたければ吠えればいい、そうすれば相手がいなくなる、ということをワンちゃんが学んでいる場合に起きてきます。
これはですね、年若い犬や子犬は起きないんですよね。少し年季の入った年長者のワンちゃんによく見られるパターンになります。
それだけの経験を積んでいるということですね。
解決策の紹介
それでは最後にですね、解決策をもう少し詳しく説明していこうと思います。
もう一度ポイント、冒頭にお話ししたポイントを整理しますね。
教えることは3つです。犬が近づいてくることを良いことと教えること。
2番、犬に対して吠えないことが良いことであるということを教えてあげること。
3番、挨拶のスタートと終わりを飼い主さんが決めてあげること。
これを踏まえて挨拶する前、挨拶している最中、挨拶を終える時、この3つに分類してお話ししていきますね。
まず挨拶の前ですね、犬同士が匂いを嗅ぎ合う前にやること。
道の向こうからワンちゃんが歩いてきました。
少し距離があるところで愛犬さんが相手のワンちゃんに気づいて、お互いが犬を見ているという状態。
こんなタイミングで落ち着いていられたらすぐに褒めてあげてください。
これは声だけでもいいですし、ご褒美をあげたり、クリッカーを鳴らしてご褒美をあげる、これでも構わないです。
これを繰り返していくことで犬が見えた、そうすると飼い主さんが褒めてくれるというパターンを作っていきたいんです。
ここで大切なのは毎回挨拶をさせなくていいということ。
今日は犬を見るだけ、今日は犬を通り過ぎるだけの日があってOKです。
犬を見たら必ず挨拶にしてしまうと興奮がどんどん高まってしまったり、吠える習慣がついてしまうこともあるんですよ。
挨拶中と終わりの対処法
2番目、挨拶中にすること。
では次の段階として、実際に匂いを嗅ぎ合っている挨拶中の愛犬に何かできることはないか。
ここでやってほしいことがあります。
これは吠えていないときに、ダリダリちゃんいい子だね、みこちゃんいい子、うちの犬はみことだったのでみこちゃんお利口さんとかね、そういう感じで声だけでいいので褒めてあげるということですね。
例えば鼻と鼻をくんくんしていたり、お尻のあたりを匂いを嗅いでいたり、見つめ合っている、こんな時にこういった声を後ろからかけてあげてください。
上手に挨拶できてるねと褒めてあげることで、ワンちゃんにかねちさんが喜んでいるということが伝わります。
クリッカーを使ったことがある子なら、上手に挨拶をしている瞬間に音を鳴らしてあげたり、相手の犬から2、3歩離れておやつをあげる、これもとてもいい効果的です。
そして3番目、挨拶の終わりを教えてあげるということです。
これ非常に大切なタイミングになりますね。
おすすめは、行くよとか、おしまい、こっち、こういったね挨拶終了の合図の言葉を最初に決めてワンちゃんに教えてあげること。
ピリついたりね、空気感が悪くなる前に、そろそろかなというタイミングでこの言葉を使って飼い主さんの方に意識を向けてあげるという練習をしてください。
これ、こっちを向いてくれたら必ず褒めて、できればクリッカーを鳴らしてね、そして来てくれたことに対して、挨拶をおしまいにしてくれたことに対して、たくさん褒めておやつをあげてあげてください。
そうすることで、挨拶が終わることイコールいいことであるということがワンちゃんに伝わりやすくなります。
いかがでしたか?
ここまで聞いて、うちの犬には寄ってきたがるのに、少し匂いを嗅ぐと吠えちゃうんですとか、これって遊びたいのか、警戒して吠えるのかよくわかりませんとか、そんな風に感じる方は一度プロに見ていただくことをお勧めします。
放っておくと、挨拶後に吠えるというのが最終的に犬を見ただけで吠えるという風に悪化してしまうことがあるんですよね。
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今日は、なんでうちの子、挨拶の後に吠えちゃうんだろう、ということに対してお話をしていきました。
それでは今回はこのあたりで、明日は木曜定期ライブ、そして金曜日には散歩中の犬同士の挨拶、これやらないでNGパターンについてお話ししていきたいと思います。またの配信をお待ちください。